2025年も、魅力的な無料のソフト音源やプラグインエフェクトが数多く登場しました。この記事では、2025年に配布されたフリー製品の中から25種類をピックアップし、音源系とエフェクト系に分けてご紹介しています。
今年はこういう無料プラグインが出ているという参考リストとして見てもらえればと思います!制作スタイルや環境によって必要なものは変わるので、興味のあるものや役立ちそうなものがあれば、ぜひ試してみてください。
また、可能な限り2025年に配布されたものを基準にセレクトしていますが、2025年に再配布・アップデートされた過去配布製品などが含まれる場合もあります。あらかじめご了承ください。
1. フリーソフト音源おすすめを厳選!
今年配布された中から、特に魅力を感じるフリーソフト音源をピックアップしました。ジャンルや用途に合わせて、気になるものからぜひ試してみてください。
Audio Imperia「Glade」
Gladeは、映画、トレーラー、ゲーム、電子音楽、ポップスなど、幅広い音楽制作に対応するシネマティック向けソフト音源です。
この音源は、ストリングス、木管、ボーカル、民族楽器、フィールド録音素材などをレイヤーし、マクロコントロールや80以上のプリセットで直感的にサウンドを構築できるのが特徴です。軽量かつミックス準備済みで、即戦力となるコンポジションツールとして優れています。高音質な19種類のオーケストラ・民族楽器を収録(弦楽、木管など)し、4レイヤー構成のデザイナーインターフェースによる柔軟な音作りが可能です。Glade(約4GB)とGlade Studio(約12GB)の2バージョンから選択可能でNative Instruments「Kontakt」で動作し、無料のKontakt Playerにも対応しています。
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Spitfire Audio「Spitfire Symphony Orchestra: Discover」
Spitfire Symphony Orchestra: Discoverは、Spitfire Audioの人気オーケストラ音源「Spitfire Symphony Orchestra」をベースにした、無料で使える入門版オーケストラ音源パッケージです。映画音楽やゲーム音楽、シネマティックなサウンド制作を始めたいクリエイターのために設計されており、誰でも手軽に本格的なオーケストラの響きを体験できます。
収録音源は、ロンドンの名門AIR Studios Lyndhurst Hallで収録されており、同社のフラッグシップ音源のクオリティを保持したまま、容量を約5.7GBに抑えた軽量設計が特徴です。Native Instruments「Kontakt」で動作し、無料のKontakt Playerにも対応しています。
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UVI「Starterサウンドパック」
UVI Starterサウンドパックは、最新アップデートで追加されたUVI Workstationに付属するフリー音源です。この無料のサウンドパックには、UVIの高品質な音源の一部が含まれており、インストール後すぐに豊かなサウンドを体験できます。シンセサイザーやアコースティック楽器、エフェクトサウンドなど、多彩な音源が収録されており、初心者からプロフェッショナルまで幅広く活用できるのが特徴です。
UVI Workstationは、完全無料のマルチティンバーインストゥルメントプラットフォームです。UVIのほとんどの音源や他社メーカーの音源(サウンドバンク:ufsファイル)を起動できるプラットフォームです。Native Instruments「Kontakt」と同じような製品になりますが、有料版はなく完全無料で利用することができます。
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Fors「Junior-Lite」
Junior-Liteは、懐かしの携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」のサウンドチップにインスパイアされて開発された4bitチップシンセ「Junior」の無料版です。有料版のフル機能は搭載していないものの、4ビット特有のザラついたロービットサウンドを手軽に体験できる軽量版として設計されています。チップチューンやレトロゲーム風の音色を試したい人に最適です。
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Orchestral Tools「Berlin Free Orchestra」
Berlin Free Orchestraは、プロフェッショナル向けのオーケストラ音源を開発するOrchestral Tools が提供する完全無料のオーケストラ音源 です。フラッグシップシリーズであるBerlinシリーズから厳選された楽器を収録しており、映画音楽やクラシック音楽の作曲に最適です。
このライブラリは、無料のSINE Playerで動作し、ストリングス、ウッドウィンズ、ブラス、パーカッションといったフルオーケストラを構築可能。ソロ楽器とアンサンブルの両方を備え、作曲の幅を広げる67種類のアーティキュレーション(奏法)を収録しています。さらに、レガート奏法対応のソロ楽器も含まれ、自然で表現豊かなメロディラインを作ることができます。
Berlin Free Orchestraは、著名な作曲家たちも使用するTeldex Scoring Stage(ベルリン)で録音されており、映画やゲーム音楽制作にも適した高品質なサウンドを提供します。
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Native Instruments「Massive X Player」
Massive X Playerは、Native Instrumentsによる高性能ソフトシンセ「Massive X」のサウンドエンジンをベースに、直感的で手軽な操作性を実現した無料のバーチャルシンセサイザーです。これからシンセを始めたい人や、スピーディに音作りを進めたいクリエイターに最適で、シンプルなUIと多彩な機能が、誰でも手軽にプロフェッショナルなサウンドデザインを可能にします。
搭載されているMorpherは、リアルタイムで音色の質感を変化させられる中心的なコントロール機能で、音のモーフィングやオートメーションを直感的に行えます。また、Animatorを使えば、数クリックで動きのあるリズミカルなサウンドを生成でき、従来の煩雑なオートメーション作業を大幅に簡略化。さらに、ランダマイズ機能により、予測不能な音色のアイデアやブレイクスルーも容易に得られます。
初期収録されている60種類のプリセットは、ベースやリード、パッドといった幅広いスタイルに対応し、ジャンルに最適化されたMassive X Expansion(Bass Music Essentialsなど)も無料で提供。全体として、Massive X Playerは創作の入口として理想的でありながら、拡張性にも優れた、次世代の無料シンセサイザーです。
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u-he「Zebralette 3」
Zebralette 3は、u-heの代表的シンセサイザー「Zebra」シリーズの中核部分を切り出した無料のウェーブテーブル/アディティブシンセサイザーです。Zebra 3 の開発基盤を共有しつつ、単一オシレーター構成ながらも高いサウンドデザイン能力を備えています。初心者でも扱いやすい直感的なインターフェイスと、音響デザイナーを満足させる詳細な波形編集・モジュレーション機能を両立しており、サウンドメイクの入門から高度な実験まで幅広く対応します。
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Fracture Sounds「Blueprint: Textural Pianos」
Blueprint: Textural Pianosは、Fracture Soundsの創設者 Will Bedford によってキュレートされた、アコースティックおよびエレクトリックピアノのテクスチャルパフォーマンスを収録した音源ライブラリです。このライブラリは、従来のピアノサウンドの枠を超え、映画音楽やアンビエント、現代音楽の制作において即興的なインスピレーションを刺激するために設計されています。
ライブラリには 20種類のアーティキュレーション(奏法や音色の変化)が含まれ、それらは多層的な「Layer Blends Engine」によって組み合わせ可能。エンベロープコントロール、フィルター、内蔵エフェクトを活用することで、1,000種類以上のユニークな音色のバリエーションを作り出すことができます。
さらに、ランダムにサウンドを生成する「Shuffle」ボタンや、Fracture Sounds チームによって丁寧に作成された8つのプリセットも用意されており、すぐに創作意欲をかき立てることが可能です。
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Fracture Sounds「Blueprint: Clavinet」
Blueprint: Clavinetは、ビンテージクラビネットの独特なファンクサウンドを緻密に再現したサンプルライブラリです。オリジナルのクラビネットを詳細にサンプリングし、5種類のトーンプリセットや内蔵コーラス、複数のリバーブを搭載。ファンク、ソウル、ロックなどのジャンルでおなじみの鋭くパンチのあるサウンドを、最新の音響技術で再構築しています。
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Fracture Sounds「Blueprint: Dream Zither」
Blueprint: Dream Zitherは、小型のハープのような民族楽器を、クローズステレオで丁寧に収録。幻想的で透明感のある“エーテル系プラックサウンド”を提供します。また、自然な生音に加えて「Atmosphere Layer」(音の広がりを演出する層)を備え、音色デザインの自由度を高めています。さらに「Compendium: Eldenvale」で初めて導入されたGlissando Controllerを搭載し、演奏中にスムーズで表情豊かなグリッサンドを実現。直感的なMIDI操作によって、アコースティックかつ有機的な演奏表現が可能です。
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e-instruments「Desolate Guitars Fragment」
Desolate Guitars Fragmentは、「Desolate Guitars」フルバージョンから厳選されたギタートーンを無料で提供するソフト音源です。象徴的な“Chime Guitar”サウンドを中心に、60年代ギターの本質を捉えた温かみと深みのある音色を収録。録音にはShure SM57とRoyer R-121マイクを使用し、Rupert Neve DesignsのShelfordチャンネルを通して処理することで、プロフェッショナルな質感を実現しています。
サウンド面では、アメリカン・クリーンとブリティッシュ・チャイムという2種類のビンテージアンプを搭載し、リアルなスプリングリバーブと本格的なアンプトレモロを再現。これらはサンプル録音を複数パターン用意し、乾いた音と残響音を巧みに融合させることで、常に進化する立体的な響きを生み出します。さらに、ギタリストによって設計されたFXマクロや、表現力豊かなビブラートパフォーマンスも収録されており、シネマティックなサウンドスケープからポップスまで幅広く対応します。
リアルなバッキングなどは難しいですがフレーズやアルペジオなどで楽曲を彩ることができます。シネマティックな深みある音を奏でます。
Native Instruments「Kontakt」で動作し、無料のKontakt Playerにも対応しています。
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Cinesamples「Musio Essentials」
Musio Essentialsは、音楽プロデューサーやクリエイターがすぐに使える35種類のプレミアムバーチャルインストゥルメントを無料で提供するプランです。登録やサブスクリプションの必要がなく、商用利用も可能な本格的なサウンドがすぐに手に入ります。Musioプラットフォームの中核をなすこの無料プランは、初心者からプロまで、音楽制作を始めるための最良の入り口となるよう設計されています。
これらの音源はもともと、Cinesamplesで無料配布されていた音源をまとめたものです。
<詳しい記事>
「FFOSSO」
FFOSSOは、音と遊ぶことをテーマにした実験的かつ創造的な音響プラットフォームです。アコースティックやオーガニックなサウンドをレイヤーで重ね、動きのある表現を可能にするインストゥルメント・エンジンを提供しています。サンプルの多層構造、リアルタイム変化、シーケンサーによる制御など、音楽制作における創造性と即興性を重視した設計となっており、作曲家・サウンドアーティスト・映像音楽制作者に適した環境を構築しています。
このプラットフォームでは、バリ島のガムラン、テープコラージュ、宇宙的なアンビエント、分散されたストリングスなど、独自のコンセプトに基づいた楽器が用意されており、ユーザーはこれらを自由に組み合わせてカスタマイズすることが可能です。
また、FFOSSOはモジュール式のデザイン(BETA)を採用しており、ユーザーはFFOSSOクラウドを通じてマルチサンプルプリセットやDSPツールにアクセスし、独自の楽器をゼロから構築することができます。
<詳しい記事>
Splice「Splice INSTRUMENT」
Splice INSTRUMENTは、無料で利用できるバーチャル楽器プラグイン(VST、AU、AAX対応)です。プロのスタジオ品質でサンプリングされた多彩な音色を、DAW上で手軽に利用できるのが特徴です。ストリングス、シンセ、パーカッションなど、幅広いジャンルのサウンドをカバーし、アーティストが制作した表現力豊かなプリセットを数百種類搭載しています。
特に「Spitfire LABS」の人気音源が新しいUIとブラウジング機能で統合されており、直感的にサウンドを選びながら制作を進められる点が大きな魅力です。
<詳しい記事>
2. フリープラグインエフェクトおすすめを厳選!
今年配布された中から、特に魅力を感じるフリープラグインエフェクトをピックアップしました。ジャンルや用途に合わせて、気になるものからぜひ試してみてください。
Forever 89「TOPOS: PLAY」
TOPOS: PLAYは、Forever 89が開発した無料のVST/AUプラグインで、音作りの可能性を拡張する軽量バージョンのツールです。TOPOSシリーズの中核機能の一部を無償で提供しており、プロフェッショナルなトーンシェイピングやスピーカーシミュレーション機能を、誰でもすぐに体験できるように設計されています。
このプラグインは、ビンテージ機材のサウンドキャラクターを再現しながら、直感的なインターフェースでユーザーをサポートします。
<詳しい記事>
Parallax Audio「Virtual Sound Stage」
Virtual Sound Stage(VSS)は、Parallax Audioが開発した仮想音場シミュレーションプラグインです。各音源をステージ上に正確に配置し、自然な奥行きと定位を再現することで、音楽制作やミキシングにおいて「実際にホールで演奏しているような空間感」を実現します。2025年版のv2.0.2(Free Legacy Version)は、オリジナルの商用版を再構築した無料版です。
<詳しい記事>
Jon V Audio「FirComp 2」
FirComp 2は、Jon V Audio が提供する高品質なピークコンプレッサー/リミッタープラグインで、非常にクリーンで音楽的なダイナミクス処理を実現します。トラック単位でもバス単位でも使用可能で、パンチのあるアタックと自然なリリースが特徴。オプションでルックアヘッドスムージングも搭載しており、ゼロまたは低レイテンシー、そして低CPU負荷で動作するため、リアルタイム用途にも最適です。
<詳しい記事>
Stone Voices「Ambient Reverb 7」
Ambient Reverb 7は、Stone Voicesが提供するVSTリバーブプラグインで、特にアンビエント音楽に適した高品質なアルゴリズムリバーブを提供します。従来のリバーブと異なり、自然で粒状感のない反響を生成し、最大100秒という非常に長いリバーブタイムを持つのが大きな特徴です。これにより、フリーズ効果や、深く持続する音響背景を演出することが可能です。
最新のバージョン7では、Sizeパラメータの滑らかな調整が可能になり、さらにLFOによるディレイラインのモジュレーション、Mid/Side信号の個別処理と事前パンニング機能が追加されています。これにより、音響空間の表現力が格段に向上し、プロフェッショナルなサウンドデザインが行えます。
<詳しい記事>
iZotope「Ozone 12 EQ」
Ozoneのイコライザーは、一般的なアナログ&デジタルEQの他にトランジェント/サスティンモードが追加されたミックスのパンチ感を自在にコントロール可能なイコライザーです。また、どのようにエフェクトが機能しているか、新しいデルタボタンにより影響を正確に聞くことができます。
Ozone 12 EQは、下記にて紹介しているフリー音源&エフェクトバンドルNative Instruments「KOMPLETE START」に収録されています。
<使い方など詳しい記事>
ZL Audio「ZL Equalizer 2」
ZL Equalizer 2は、ZL Audioが開発した高機能なダイナミックイコライザー(Dynamic Equalizer)プラグインです。静的なEQ処理だけでなく、信号の変化に応じて自動的にゲインを調整するダイナミック処理を搭載し、正確で自然な音作りを可能にします。6種類のフィルター構造、8種類のフィルタータイプ、5つのステレオモード、最大24バンドに対応しており、音響設計やマスタリングなど幅広い用途に対応します。64bitフロート演算と先進のデ・クランピング技術により、極めて高い音質と透明性を実現。さらに、インタラクティブなスペクトラム表示やEQマッチ機能など、直感的な操作性にも優れています。
<詳しい記事>
Minimal Audio「Formant」
Formantは、ボーカルのキャラクターを自在に変化させることができるフォルマントシフターです。ピッチを変えることなく声の“アイデンティティ”を変換でき、現代的な音楽制作におけるボーカル表現を大きく広げます。直感的なXYパッド操作で微妙なニュアンスから大胆な変化まで即座にコントロール可能。軽量設計のため複数トラックやレイヤー処理にも適しており、幅広い制作ワークフローに対応します。
<詳しい記事>
TiagoLr「REEV-R」
REEV-Rは、高度なモジュレーション機能を搭載したコンボリューションリバーブプラグインです。
このプラグインは、従来のリバーブに加えて、SendおよびVolumeに対するモジュレーション機能を備えており、サウンドデザインに新たな表現力をもたらします。さらに、MIDIやオーディオトリガーを用いた動的な制御、内蔵シーケンサー、ユーザー定義のパターン編集など、ShaperBoxの再実装を思わせるような多機能設計が特徴です。
<詳しい記事>
TiagoLr「FILT-R」
FILT-Rは、ShaperBoxやFilterShaperなどの著名なエフェクトプラグインに触発されたクロスプラットフォーム対応のフィルターモジュレーターです。音楽制作におけるフィルター処理をエンベロープ制御で自在に操ることを目的としています。
FILT-Rは、6種類のフィルター(Linear, Sallen-Key, Moog, 303, MS-20, Phaser)を備え、各フィルターに対して 5つのモード(ローパス、バンドパス、ハイパス、ノッチ、ピーク)を提供します。
<詳しい記事>
Gulf Coast Synthesis「Strum Plate」
Strum Plateは、従来のMIDI入力方法とは異なるアプローチで演奏表現を可能にする無料のMIDIエフェクトプラグインです。このプラグインは、伝説的な電子楽器「Omnichord(オムニコード)」にインスパイアされており、コードを片手で保持しながら、もう片方の手でマウスやピッチホイールを使って音を“かき鳴らす(ストラム)”ように演奏することができます。音が鳴るタイミングと音そのものを分離することで、より人間味のある演奏が可能になります。
このプラグインは、音声は出力せず、MIDI信号のみを生成します。そのため、DAWとの接続方法にはいくつかの設定が必要ですが、公式サイトではLogic ProやAbleton Live、Pro Toolsでの使用方法が詳細に説明されています。
<詳しい記事>
3. バンドル(音源+エフェクト)
Waves「Free Plugin Pack」
Waves Free Plugin Packは、世界のトッププロデューサーやエンジニアが使用しているプロレベルのプラグインを、完全無料で提供します。美しいアナログサチュレーション、クラシックなアナログモデルのEQやコンプレッサー、特殊なリバーブ、FXペダル、パワフルなFMシンセまで、さらにFree Plugin Packの今後のアップデートも無料です!
<詳しい記事>
以上、2025年に配布された無料音源・エフェクトの中から25製品を紹介しました。
「今必要なツールを見つけるきっかけ」や「まだ知らなかった面白いプラグインとの出会い」になれば嬉しいです。
もし「ほかの無料もチェックしたい」という方は、随時更新している無料配布まとめ記事も参考にしてみてください。
質問等ございましたらコメント欄からどうぞ!





