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Ozone 11使い方とレビュー!プラグインの違い(10やElements・Standard・Advanced) も解説!iZotopeマスタリングエフェクト

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※PRが含まれる場合があります。

DTMer御用達のマスタリングツールといえば、今回ご紹介する「Ozone(オゾン)」です。

AI機能マスターアシスタントの仕様が変わりより現代的なアプローチで精度も上がったOzone 10から、約1年ほどで早くも最新バージョンOzone 11が登場しました。

Ozone 11となり、よりミックス内に含まれる細かな成分、ディテールを操作、引き立てることができ音圧に影響が少ない形で知覚する音の大きさを上げることができる仕様となっています。

しかし、利用する前に知っておくべきマスターアシスタントの注意点もあります。

この記事ではそんなOzone 11の概要やAI機能の解説や使い方をわかりやすく掲載。また、各エフェクトや機能レビューも掲載していますので、ぜひ参考にしてください。

1. iZotope「Ozone 11」とは?

Ozone 11(オゾン 11)は、iZotopeが開発するマスター用のプラグインエフェクトです。DAWのマスターに入れて2Mixの音色やダイナミクスを調整します。

作曲ソフトDAWの拡張機能AU、AAX、VST3プラグインとして利用できます。スタンドアローンアプリ(DAWなしでアプリとして立ち上がること)の提供はOzone 9までで終了しました。ですので、Ozone 11ではスタンドアローンの立ち上げはできません。

Ozone 8からAI機能が搭載されており、より広いニーズに対応できるようになりました。AI機能搭載で初心者の味方でありつつ、その質の高さから数多くのプロも利用するプラグインエフェクトです。OzoneはElements、Standard、Advancedの3種類があり、Ozone 11も同様です。

Ozone 11には、

  • マザーシッププラグイン:全てのエフェクトモジュールチェーンとAI機能マスターアシスタントが搭載されたプラグイン
  • コンポーネントプラグイン:17種類それぞれの単体エフェクトプラグイン(Advancedのみ)

があり、一般的にマスター用とされていますが、Advancedバージョンでは別々のプラグインエフェクトとしても利用できるので、トラックメイクにも活用できます。

※Ozone 11 EQが無償配布されているため、単体エフェクトのイコライザープラグインは誰でも無料で利用できます。

ozone-11-eq-free-thumbnails Ozone 11 EQ使い方!無料のiZotopeイコライザープラグインインストール・アクティベーション方法も解説

<Ozone 11の概要>

開発会社iZotope
操作画面ozone-11-gui-overview
価格(定価)Ozone 11 Elements ¥7,900
Ozone 11 Standard ¥31,400
Ozone 11 Advanced ¥62,900
※価格は為替の影響で変動します。
主なエフェクト数17種類
AI機能あり
発売日2023年9月6日

Ozoneを含む主なパッケージ

時期によってパッケージが追加・廃止されたり、販売店独自のバンドルも存在する場合があります。

※販売店によって旧バンドルの取り扱いがある場合があります。Ozone 11ではなくOzone 10のままアップデート前である場合がありますのでご注意ください。価格は為替の影響で変動します。

表は横にスクロールできます▼

パッケージMix & Master Bundle AdvancedMusic Production Suite 6Everything BundleElements Suite
主な収録内容Ozone 11 Advanced
Neutron 4
Nectar 4 Advanced (w/ Melodyne Essential)
Tonal Balance Control 2
Neoverb
Audiolens
Neutron 4
Symphony 3D
Stratus 3D
Brainworx bx_boom!
Brainworx bx_cleansweep Pro
Brainworx bx_delay 2500
Brainworx bx_refinement
Brainworx bx_saturator V2
Brainworx bx_subsynth
Ozone 11 Advanced
RX 10 Standard
Nectar 4 Advanced (w/ Melodyne Essential)
Neoverb
Vocal Synth 2
Insight 2
Tonal Balance Control 2
Audiolens
Raum
Crushpack(3種)
Modpack(3種)
Supercharger GT
Replika XT
Solid Mix Series(3種)
Transient Master
Driver
Guitar Rig Pro 7
Ozone 11 Advanced
Neutron 4
Nectar 4 Advanced (w/ Melodyne Essential)
RX 10 Advanced
Dialogue Match
VocalSynth 2
Insight 2
Stutter Edit 2
Exponential Audio Stratus 3D
Exponential Audio Symphony 3D
Tonal Balance Control 2
Neoverb
Brainworx bx_boom!
Brainworx bx_cleansweep Pro
Brainworx bx_delay 2500
Brainworx bx_refinement
Brainworx bx_saturator V2
Brainworx bx_subsynth
Audiolens
Raum
Crushpack(3種)
Modpack(3種)
Supercharger GT
Replika XT
Solid Mix Series(3種)
Transient Master
Driver
Guitar Rig Pro 7
Ozone Elements
Neutron Elements
Nectar Elements
RX Elements
価格(定価) ¥78,700¥94,500¥392,500¥21,400
こんな人におすすめ!
  • DTM初心者(初心者でなくてもマストバイ!)
  • 音楽制作の時短がしたい
  • 音圧が出せない(出せるようになりたい)
Splice Pluginsとは?

Splice Pluginsは、プラグインを月額払い(Rent-to-Own:借りる→払い切ると自分のものに)で利用できる画期的なサービスです。Ozone 11も月額払いで利用できます。Splice Pluginsに関する詳しい記事はこちらをご覧ください。Splice Pluginsは通常の月額払いと違い、全額支払いの義務はなく、いつでも利用停止そして再開することが可能です。

splice-plugins-2022-thumbnails Splice Plugins使い方!Serumなど月額サブスク(Rent-to-Own)で使えるプラグイン&DAW

iZotopeのサブスクリプション

iZotope公式のサブスクリプションサービスもあります。全てのソフトウェアは常に最新版のものに更新される仕様となっています。

Music Production Suite Pro 月額19.99ドル / 年額 199ドル

  • Neutron
  • Nectar
  • Vocalsynth
  • Ozone
  • RX
  • Neoverb
  • Insight
  • Tonal Balance Control
  • Relay
  • Visual Mixer
  • Melodyne 5 Essential
  • Audiolens

プラグインのサブスクリプションに関する詳しい記事は以下をご覧ください。

plugin-subscription-thumbnails DTMプラグインサブスク12選の比較とおすすめ!iZotope、UAD Spark、Plugin Alliance、Slate Digital、Wavesなど

2. Ozone 11の新機能!違いを解説!Ozone 10から何が変わった?

まずは、Ozone 11と10の違いは何なのか?何が変わったのか?新機能や改良された機能をご紹介します。

新機能一覧

  • 『Clarity』モジュールの追加
  • 『Stem Focus』モードの追加
  •  『Transient』/『Sustain』モードの追加
  •  全てのモジュールにデルタボタンが追加
  •   『Maximizer』に『Upward Compression』が追加
  • 『Assistive Vocal Balance』の追加

明瞭度をあげる新エフェクト「Clarity」(Advancedのみ)

Clarityモジュールは、トラックのスペクトルパワーを順応的に最大化してくれます。抜けの悪いミックスでも、嫌なサウンドになることなく、サウンドをクリアにすることができます。

ミックスからドラムやボーカルにフォーカスする「Stem Focus」(Advancedのみ)

マザーシッププラグイン上部に搭載された機能で、エフェクトチェーンのすべてのモジュールが選択した音(ドラム、ボーカル、ベース)にフォーカスして適用されます。独立したステムにOzoneモジュールを適用して、ミックス内部バランスを驚くほど正確にコントロールすることができます。

LRやMSに加わる新しいセパレート機能「Transient / Sustain」(Standard / Advancedのみ)

一部のエフェクトでは、時間軸に応じた音の立ち上がり部分トランジェントとその後のサスティンを個別に設定することができます。クラシックなツールにこの機能が追加されたことで、クリエイティブな可能性を引き出してくれます。

 全てのモジュールにDeltaボタンが追加 (Standard、Advancedのみ)

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すべてのモジュールにあるDeltaボタンで、各モジュールがオーディオにどのような影響を与えているかを正確に確認できます。

Maximizerに密度を高めるUpward Compressが追加 (Standard、Advancedのみ)

upward-compress-ozone-11

トランスペアレントコンプレッション回路により、高速なトランジェントを維持しながらも音量の小さなセクションをブーストしてくれます。複雑なパラレルルーティング、ゲインステージング、レベルマッチングの全てを1つの直感的なスライダーだけで操作する事ができ、サウンドの密度とディテールを高めてくれます。

ボーカルバランスを調整できるAssistive Vocal Balance (全バージョン)

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マスターアシスタント完了後に、アシスタントビュー内でボーカルにフォーカスしてバランスを調整することが可能です。

改善点一覧

その他にも以下のような点が改善されています。

  •  『Low End Focus』と『Spectral Shaper』のインターフェイスデザインが改善
  • 『EQ spectrum analyzer』とグリッドが改善
  •  『Maximizer』のインターフェイスデザインが改善
  • 『Imager』のデザインが改善
  • 『Master Assistant』の結果とデザインが改善

3. AI機能マスターアシスタント(Master Assistant)レビュー!バージョンによる違いなど注意点

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Ozone 10同様、Ozone 11にもAI(人工知能)機能「マスターアシスタント(Master Assistant )」が搭載されています。マスターアシスタントは、楽曲を再生して読み込ませることで自動で2Mixを調整してくれるAI機能になります。この機能により初心者でも簡単に2Mixを調整でき、大幅な時短にもなります。

詳しい使い方はこちら「Master Assistant」で解説しています。

Ozone 10のマスターアシスタントではより現代的なアプローチができて関心していましたが、11ではさらに進化しています。Ozone 10と11のマスターアシスタントを同じ楽曲の同じ部分を読み込ませて比べてみましたが、ClarityモジュールのおかげもありOzone 11の方がより細かなディテールを引き立てている印象を受けました。

前回バージョン同様にマスターアシスタント完了後のアシスタントビューでは詳しい知識がなくてもザックリと調整できる様になっており、マスターアシスタントがターゲットにする10ジャンル以外にも、自身のお手持ちの楽曲からリファレンスを作る事も可能です。自分の目標にしていたMixのリファレンスファイルを作ればかなり近いサウンドにできると思います。

ただし、マスターアシスタントは注意点もあります。ここからは、マスターアシスタントを利用するメリットと利用する前に知っておくべき注意点をまとめて解説します。

マスターアシスタントの利用メリット

AI(人工知能)機能マスターアシスタントを利用することで、下記のようなメリットが考えられます。

  • 初心者でもマスタリングができる
  • 瞬時に2Mixを調整でき、時短になる
  • 好みの楽曲と同じようなバランス、音圧にできる
  • AIの処理が勉強になる

基本的に音圧やバランスのとれた音源を作ろうとすると初心者の方はプロに比べて迫力のない音になってしまうでしょう。しかし、この機能を利用すれば一瞬で音圧のある2Mixが完了するので、初心者には大変ありがたい機能となっています。前回バージョンからマスターアシスタント完了後にアシスタントビューが表示され、詳しい知識がなくてもザックリと調整できる様になっています。また、AIの処理を見ることによってどういったエフェクトとどのようにかけているかがわかり、勉強になります。

利用する前に知っておくべきマスターアシスタントの注意点

マスターアシスタントは便利な機能ですが、利用する前に知っておくべきいくつかの注意点があります。

頼り過ぎ注意

頼り過ぎてもいけません、AIによるマスタリングはある程度の決まったエフェクトしかかからないため不十分な点もありますマスターアシスタントでマスタリングを学びながら、最後は自らの手で行うことも大事です。

※AI機能はあくまで「アシスタント」とされています。時短してパパッと聞かせる音源には便利ですが、iZotope公式では基本的にアシストしてもらう使い方が推奨されています。

アシスタントビューの設定は各種エフェクトの設定と連動している

アシスタントビューの設定は、各種エフェクトの調整と連動しています。ですので、アシスタントビューはあくまで各種エフェクトの重要なパラメータの集まりと言えるでしょう。

  • Equalizer:Equalizerモジュール
  • Maximizer:Maximizerモジュール
  • Vocal Balance:Master Rebalanceモジュール
  • Dynamics Match:Impactモジュール
  • Width Match:Imagerモジュール
  • Clarity Amount:Clarityモジュール
  • Stabilizer Amount:Stabilizerモジュール

バージョンによる違い

ozone-11-advanced-standard-elements-overview

マスターアシスタント完了後に表示されるアシスタントビューは、バージョンによって少しパラメータが異なります。つまり、かかるエフェクトや結果も異なります。

  • Clarity(Advancedのみ):Clarityモジュールは、AdvancedのみのエフェクトですのでアシスタントビューでもAdvancedのみが利用できます。
  • Dynamics Match(Advancedのみ):Impactモジュールを使ったDynamics Matchも同様にAdvancedのみのエフェクトですので、Advancedのみが利用できます。

Vocal Balanceに注意!

マスターアシスタントは結果次第では、かなり重い場合があります。

マスターアシスタントは、基本的には以下のようなエフェクトチェーンで構成されています。

1. Equalizer→Impact→Imager→Clarity→Stabilizer→Dynamic EQ→Maximizer
※Advancedの場合

しかし、ボーカルのバランスに問題あると判断された場合Vocal Balanceが起動します。その場合は以下のようなエフェクトチェーンで構成されます。

2. Master Rebalance→Equalizer→Impact→Imager→Clarity→Stabilizer→Dynamic EQ→Maximizer
※Advancedの場合

この時追加されるMaster Rebalanceは、CPU負荷の高いモジュールです。マスターアシスタントで「2」のようなエフェクトチェーン結果が出た場合、かなり重いです。Vocal Balanceは便利な機能ですがそれと連動するMaster Rebalanceモジュールは、かなり重いのでパソコンのスペックに自信がない方は注意が必要です。

4. 各エフェクトや機能をレビュー!

ここからは実際に、Ozone 11の各エフェクトや機能を使ってレビューしています。マスタリングプラグインのOzone最新バージョン。私は、5から使っていていつもお世話になっています。今回のアップデートは、前回バージョンから1年と思ったより早いアップデートでした。

  • 2019年10月:Ozone 9
  • 2022年9月:Ozone 10
  • 2023年9月:Ozone 11

仕様自体も、前回のアップデートに比べると見た目は劇的に変化しているわけではありません。しかし、性能面においては全体の使用感を変えるかなり画期的な機能が追加されています。

今回のアップデートにおいて、Ozone 11全体として言えることはミックス内に含まれる細かな成分、ディテールを操作、引き立てることができる点です。音圧に影響が少ない形で、よりミックスの細かなディテールを引き出すことができます。

Stem Focusのレビュー

stem-focus-ozone-11

新機能のうち特に注目すべき仕様として挙げられるのが「Stem Focus」です。ボーカル、ドラム、ベースにフォーカスしてエフェクトを適用できる機能で今までのOzoneの使い方を変える可能性溢れる機能だなと感じました。例えば「ボーカルにフォーカスして処理するOzone→全体を処理するOzone」などのように多段で利用することも考えられます。

さらに、このStem Focusがちゃんと確認できるように全てのモジュールにDeltaボタンが搭載されている点も素晴らしいです。すべてのモジュールにあるDeltaボタンで、各モジュールがオーディオにどのような影響を与えているかを正確に確認できます。かけたエフェクトのDeltaボタンをオンにして、Stem Focusを切り替えてみてください。どの成分にエフェクトが処理されているかがわかります。

また、各モジュールはTransient/Sustainモードが搭載されている場合があり「ドラムにフォーカス→Transient/Sustainモード」とドラムのための細かな処理も可能です。

17種各モジュールのレビュー

Ozone11には全部で17のモジュールがあり、それぞれ強力なプラグインでAdvanced版では単体でも使うことも可能です。

下記より閲覧したいレビューをクリックすることで見ることができます


 

ozone-11-equalizer

8バンドのパラメトリックEQです。Ozone 11になり、調整した各ポイントがかなりみやすくなりました!

Stereo、Mid/Side、Left/Rightでの処理が可能でしたが、さらにTransient/Sustainモードが追加されました。これはかなり便利で、トランジェントとサスティンに分けてEQすることができ、マスターだけでなくトラックにも大いに活用できます。例えば、ドラムにおいてアタックの抜けをもっと出すためにトランジェント部分の高音域をブーストしたり、キックやスネアの響きやふくよかさを出すためにサスティンの中低音域をブーストしたりといった使い方もできます。

AnalogとDigitalの2種類のモードがあり、位相の変化に違いがあります。外科的な処理にはDigitalで、全体のカラーのコントロールはAnalogといった使い分けをしています。

位相のズレなどを視認しやすくする為に、設定からShowExtraCurvesのチェックを入れることをおすすめします。


 

match-eq-ozone-11

8,000以上のバンドを用いて正確なマッチングを行うことができるEQです。マッチさせたい音源と適用したい音源をキャプチャーする事で両者の差異をEQで近づける事が簡単に行えます。SmoothingとAmountによりEQの複雑さと強度を調整する事でより自然で無理のない変化になります。

過度なマッチはよくない場合もありますが、求めているサウンドと比較してどのポイントが足りないかを細かく把握するためだけにも利用できるので便利です。

こちらもTransient/Sustainモードも追加されており、より部分的なマッチングが可能です。


 

vintage-eq-ozone-11

PultecタイプのビンテージEQです。とても良く効きますので色つけに活用できます。

こちらもTransient/Sustainモードも追加されており、より部分的な色付けが可能です。


 

dynamic-eq-ozone-11

Equalizer同様にAnalogタイプとDigitalタイプ、Stereo、Mid/Side、Left/RightそしてTransient/Sustainの選択が可能な6バンドダイナミックEQです。あるポイントを超えた帯域に対して動作させる事ができるので楽曲の特定の場面に処理する事が可能です。

Transient/Sustainが追加されたことによって、過度なトランジェントのみなどより動作するポイントを細かく調整できます。


 

dynamics-ozone-11

最大4バンドのマルチバンドコンプレッサー・リミッターです。Stereo、Mid/Sideで動作できます。帯域の分割はLearnで自動的に分けてくれるので扱いやすいです。

曲線をドラッグして調整することもでき、各バンドはパラレル処理も可能です。正直、個人的にはあまり使わないエフェクトです。


 

vintage-comp-ozone-11

3種類のModeからなるビンテージタイプのコンプレッサーです。

それぞれキャラクターがあり音楽的にかかります。一度コンプレッサーを過度にかけてみてDeltaボタンを押して、3つのModeを変えてみてください。それぞれの違いがよくわかると思います。検出フィルターがあるのでかかり過ぎる低域やボーカルを避けることも可能です。


 

vintage-limiter-ozone-11

Fairchild 670を元に作られたビンテージリミッターです。こちらも3種類の異なるModeのリミッターを選択できます。

Modeを選択し、スレッショルドとCharacterでアタックとリリースの調整をし、Ceilingでアウトの出力を決めるシンプルな構成になります。

とても使いやすく簡単にまとまります。


 

maximizer-ozone-11

Ozoneの代名詞であるMaximizerです。様々なIRCモードがあるので状況に合わせて使い分けましょう。Characterパラメータでは、下部にClippingからVery Slowまでわかりやすく記載されるようになり、IRCモードも含めDeltaボタンでエフェクトのかかり方を確認できるのでより誰でも扱いやすくなりました。

(Maximizerを使用する場合最終形態がどういった媒体になるかで推奨される出力レベルが変わります。OzoneのHPや各種サブスクリプションHP等で詳しく掲載されていますので事前に調べて納品することをおすすめいたします。)

今回から新しく加わったUpward Compress機能は、その名の通り通常のコンプレッサーと逆に静かな部分のゲインをあげます。過度に音圧を上げることなく音の密度・ディテールを上げることができ、やりすぎはゴチャつきそうですが単純に音を大きくみせることができる便利な機能だなと感じました。


 

exciter-ozone-11

最大4バンドのエキサイターです。帯域毎にサーチュレーションを加える事ができます。

7種類のモードから様々なカラーを付与する事が可能で、こちらもTransient/Sustainモードが追加されたのでかなり使い勝手良くなりました。

CPU負荷が高くなりますが、Oversampligで動作することができます。


 

vintage-tape-ozone-11

StuderA810タイプのアナログテープシミュレーターです。

こちらもとても手軽にアナログテープで得られる効果を再現できるのでおすすめです。色をつけたい時に役立ちます。


 

imager-ozone-11

最大4バンドのマルチバンドステレオイメージャーです。

Transient/Sustainモードが搭載されたことによって、例えばトランジェントの広がりを避けてコントロールするなどといったことができ、さらに便利になっています。

マスターアシスタントでも使用され、アシスタントビューにもこのエフェクトのパラメータがあります。


 

spectral-shaper-ozone-11

問題が起きている帯域に瞬間的に抑えることができるプラグインです。時々発生する耳障りなピーク成分を抑えるのに活躍します。適応箇所をソロで確認することができ、Deltaボタンも追加されたのでどれくらい効果が出ているのかかなり分かりやすくとても使いやすいと思います。

また、Transient/Sustainモードが搭載されたことによって、トランジェントのみに問題がある時などさらに便利に使うことができます。


 

low-end-focus-ozone-11

低域成分の問題に特化したプラグインです。パンチや濁りを簡単に解決することができます。

こちらもTransient/Sustainモードが利用できますが、搭載されているモジュールの中でも特にTransient/Sustainモードで使用すべきモジュールだと感じます。

元々トランジェントの強化にはPunchy、持続音の強化にはSmoothな仕様でしたが、Transient/Sustainモードで完全に分けて動作させることが可能となりました。


 

master-rebalance-ozone-11

トラックからVocal、Bass、Drumsのバランスを操作することができます。1プラグインにつき1種類のレベル操作になります。

簡単操作でわかりやすく効果を発揮しますが、かなり重いです。アシスタントビューのVocal Balanceは、Master Rebalanceと連動しています。


 

impact-ozone-11

前回Ozone 10から追加されたモジュールで、帯域毎にダイナミクスを広げたり狭めたりすることができるプラグインです。

他にはないダイナミクス系プラグインで、直感的な操作で効果がでますがそれが逆にコントロールしづらく感じる場合も。マスターアシスタントでも使用され、アシスタントビューにあるDynamics MatchはImpactモジュールを操作するパラメータになります。


 

stabilizer-ozone-11

こちらもOzone 10で追加されたモジュールで、音楽の状態に合わせて目的のトーナルバランスとの差分を判別し動的にかかるEQとなります。

ターゲットとなるトーナルバランスを選ぶ事で音楽にあった周波数特性のカーブを選択することができます。Stabilizerはマスターアシスタントと連動しており、ターゲットはマスターアシスタントのものと同じになります。マスターアシスタントから操作するとお手持ちの楽曲からトーナルバランスを自分で作成することも可能です。

こちらもTransient/Sustainモードが追加されています。


 

clarity-ozone-11-overview

今回Ozone 11で唯一新しく追加されたエフェクトです。

Clarityモジュールは、トラックのスペクトルパワーを順応的に最大化してくれます。シンプルな仕様でこういったエフェクトは他のメーカーでも見かけますが、こちらもTransient/Sustainモードで利用できる点はかなり良いですね。例えば、かけすぎてシャバシャバが目立ちやすいサスティン部分はゆるめにかけるといったことができます。

音圧に影響が少ない形で、よりミックスの細かなディテールを引き出すことができます。

マスターアシスタントでも使用され、アシスタントビューにもこのエフェクトのパラメータがあります。

Ozone11レビューまとめ

Ozone 11はMix内部に秘めたものを最大限引き出すためのさまざまな機能が搭載されています。

今回のアップデートでは、新しいモジュールはClarityのみとなりますが、エフェクト全体に適用する機能がいくつか追加されています。ですので、前回もあった同じエフェクトでもまた違った使い方を模索すべきかもしれません。

特にStem FocusやTransient/Sustainモードはかなり可能性を秘めていると思います。今後使っていくにつれてまた新しい方法や発見が見つかるかもしれません。その際にはまた、この記事を更新していきたいと思います。

5. Ozone 11 Elements・Standard・Advancedの違いを比較!どれを買うべき?

ここからはOzone 11 Elements、Standard、Advancedどれが良いか?どれを買うべきなのか解説します。

Ozone 11 Elements・Standard・Advancedの違い

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Ozone 11 Elements、Standard、Advancedの主な違いは以下です。

ElementsStandardAdvanced
モジュールエフェクトなし1417
モジュールClarity / Impact / Low End Focus
Stem Focus
Transient Sustain処理
Tonal Balance Control同梱
Audiolens同梱
個別のプラグインになる
Codec Preview
Dither

これ以外にも違いはありますので詳しくはiZotope公式ページをご覧ください。

Elementsでは何ができる?

Ozone 11 ElementsはAIによるマスターアシスタントとその後に調整できるアシスタントビューがついた仕様となります。

Ozone 11 Elementsにエフェクトモジュールは含まれていないため、アシスタントビュー以外の細かな調整はできません。

注意

ozone-11-advanced-standard-elements-overview

Ozone 10 Standard以下のアシスタントビューは、ImpactモジュールやClarityモジュールによるエフェクトが利用できません。これらのエフェクトは、Advancedのみに搭載されています。

購入すべきバージョンとその理由

結論を先に言いますと買うなら間違いなくAdvanced一択です。

詳しい比較はこちらの記事を参考にしてください。

izotope-ozone-11-elements-standard-advanced-thumbnails Ozone 11の違い(Elements・Standard・Advanced)比較!どれを買うべき?iZotopeおすすめの買い方も解説

6. おすすめの買い方・購入前に知っておくべき注意点

Ozone 11を購入する前に知っておくべき点は次の2点です。

  • アップグレード・クロスグレード
  • バンドル

アップグレード・クロスグレード

tonal-balance-bundle-crossgrade-from-any-paid-izotope-product

iZotopeの製品を持っているとアップグレード(バージョンをアップする)・クロスグレード(その製品からバージョンアップや他の製品を安く購入できる)が可能です。

  • Upgrade from 〜:〜からアップグレード
  • Crossgrade from 〜:〜からクロスグレード
  • Crossgrade from any paid iZotope product:iZotopeの有料製品からクロスグレード

例えばElementsを持っている場合は

  • Upgrade、Crossgrade from Elements:Elementsからアップグレード・クロスグレード
  • Crossgrade from any paid iZotope product:iZotopeの有料製品からクロスグレード

が購入可能となります。

バンドル

Ozone 11 Advancedを購入する場合、単体で買うよりお得なパッケージがあります。

特におすすめなパッケージがMix & Master Bundle AdvancedもしくはMusic Production Suite 6です。

以前人気だったバンドルTonal Balance Bundleは、新しくAI機能搭載リバーブNeoverbが追加されたMix & Master Bundle Advancedとして販売されています。

※販売店によって旧バンドルの取り扱いがある場合があります。価格は為替の影響で変動します。

Mix & Master Bundle Advanced:価格(定価)¥78,700

  • Ozone 11 Advanced:マスター向けマルチエフェクト
  • Nectar 4 Advanced:ボーカル向けマルチエフェクト
  • Neutron 4:トラック向けマルチエフェクト
  • Melodyne 5 Essential:ピッチ補正プラグイン
  • Neoverb:AI機能搭載リバーブ
  • Tonal Balance Control 2:バランス確認ツール
  • Audiolens:ストリーミングサイトから音楽特性を収集できるアプリ

Music Production Suite 6:価格(定価)¥94,500

  • Ozone 11 Advanced:マスター向けマルチエフェクト
  • Nectar 4 Advanced:ボーカル向けマルチエフェクト
  • Audiolens:ストリーミングサイトから音楽特性を収集できるアプリ
  • Neutron 4:トラック向けマルチエフェクト
  • Symphony 3D:サラウンド対応リバーブ
  • Stratus 3D:サラウンド対応リバーブ
  • RX 10 Standard:修正・補正ツール
  • Melodyne 5 Essential:ピッチ補正プラグイン
  • Neoverb:AI機能搭載リバーブ
  • Vocal Synth 2:ボーカル向けエフェクト
  • Insight 2:メーターツール
  • Tonal Balance Control 2:バランス確認ツール
  • bx_boom!:キックドラムにパンチを加えるプラグイン
  • bx_cleansweep Pro:ハイパス/ローパスフィルター
  • bx_delay 2500:ディレイ
  • bx_refinement:不快な高域を除去し活性と輝きを加えるハーシュネスコントロール
  • bx_saturator V2:マルチバンドサチュレーション
  • bx_subsynth:サブハーモニックシンセサイザーエフェクト
  • Guitar Rig Pro 7:ギター、ベースアンプシミュレーター&エフェクター
  • Raum:複雑なサウンドデザインを実現するリバーブ
  • Crushpack(3種):多機能なビットクラッシャー / ディストーション / フリケンシーシフター
  • Modpack(3種):革新的なコーラス / フランジャー / フェイザー
  • Supercharger GT:迫力の真空管コンプレッションサウンド
  • Replika XT:柔軟性に富んだスタジオクオリティディレイ
  • Solid Mix Series(3種):精確な6バンドのイコライザー / コンプレッサー&エクスパンダーゲート / バスコンプレッサー
  • Transient Master:ドラムやパーカッションのアタックを引き上げるダイナミクスプロセッサー
  • Driver:包括的かつクリエイティブなディストーション&フィルターエフェクト

特にAI機能搭載トラックメイクをアシスタントするNeutron 4やAI機能搭載ボーカル用エフェクトNectar 4を持っていない方は一緒に手に入れるべきでしょう。

これら二つを組み合わせクロスグレード+パッケージで買うのが一番お得になります。

Neutron 4やNectar 4、Mix & Master Bundle Advancedに関する記事はこちらをご覧ください。

izotope-neutron-4-thumbnails Neutron 4使い方やレビュー!Elementsとの違いやアップグレード・クロスグレードまで解説! iZotopeトラック向けマルチエフェクト izotope-nectar-4-thumbnails Nectar 4使い方やレビュー!違い(Elements・Standard・Advanced)比較やアップグレード・クロスグレードも解説! iZotopeボーカルプラグインエフェクト izotope-mps-tbb-mix-master-bundle-thumbnails-2022 DTM初心者におすすめなプラグインエフェクトがiZotope「Mix & Master Bundle Advanced」である4つの理由を解説!

7. Ozone 11の最新セール情報

iZotope製品はブラックフライデーのみならず頻繁にセールをおこないます。

およそ50%OFF〜ものによっては90%OFFをこえるものもあります。

特に時期によって限定で販売されるパッケージ品

  • Black Friday Bundle
  • Music Maker’s Bundle
  • Holiday Bundle
  • 初めてのiZotopeセット

などは割引率が高いの場合が多いです。

※これらのパッケージはセール期間が終わると販売しません。

また、Elementsの場合は無料配布される場合があり、Ozone 8、9ともにElementsは期間限定で無料配布されています。

最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。

ozone-11-sale-thumbnails Ozone 11最新セール!Advanced・Standard・Elements各iZotopeアップグレード・クロスグレード・バンドルまとめ!【随時更新】 mix-&-Master-sale-part2-2024 3 27 thumbnails iZotope最新セールまとめ!時期はいつまで?アップグレード・クロスグレード、過去最安値やブラックフライデーも解説【随時更新】 sale-thumbnails 【毎日更新】DTM最新セール情報まとめ!無料配布やおすすめVSTプラグイン、音源、時期やブラックフライデーも解説!

8. 口コミ・評判を紹介!

Ozone 11に関する口コミ・評判をまとめてみました。

まだ、そこまで多くの口コミはありませんが評価はまずまずといったところでしょうか。

Ozone Advanced 11にアップグレード。
目的は新しい Imager
これアタックとリリースの広がりを別に変えれるの無茶苦茶よいですね。

モノラル音源のアタックだけステレオに広げてリリースをモノに戻すとすごくよいことを発見😄

ozone11買ってきました
10と11、AIのマスタリング比較してみたけどclarityのハイの持ち上げ方凄いですね
EQはどっちも同じカーブ描いてました
さすが先生、いつも通り厳しいです🫠

そうそう、Ozone11、個人的に目玉はアップワードコンプレッサだと思う
本来は小さい音がデカく聞こえたら気分はアガるよねと思う

引用:Twitter

Ozone11まとめ

Ozoneシリーズは初心者からプロまで利用するマスタリングツールです。Ozone 11となり、よりミックス内に含まれる細かな成分、ディテールを操作、引き立てることができ音圧に影響が少ない形で知覚する音の大きさを上げることができる仕様となっています。

DTMerなら間違いなく持っていた方が良いですが、購入する場合はAdvanced一択です。ただし、スタンドアロンができない点だけご注意ください。

また、クロスグレード+パッケージで購入する方法が一番お得になります。

この記事が参考になれば幸いです。

<購入後はこちら>iZotope製品のインストール・アクティベーション方法

iZotope製品のインストール・オーソライズ方法はこちらの記事を参考にしてください。

izotope-activate-thumbnails iZotopeのプラグイン購入後の使用(アクティベート)方法!クロスグレード・アップグレードの方法も解説!

<Ozone11マニュアル>各エフェクト紹介と使い方を解説!

ここからは、Ozone11の各エフェクトを簡単に紹介、使い方も解説していきます。

公式のマニュアルは、Ozoneを起動して右上?マークから確認できます。

ozone-11-effect-chain

最上部は左から順に以下の設定ができます。

  • 新機能Stem Focus:デフォルトのFull Mixでは、処理がフル入力信号に適用されます。ボーカル、ベース、ドラムを選択すると処理チェーン内のすべてのモジュールがそのステムにのみ適用されます。(マザーシッププラグインのみ)
  • 虹色まるマーク:ここからマスターアシスタントを利用できます。
  • ブラウザタブマーク:各モジュールを細かく設定できるページを開きます。
  • Presets:プリセットを選択できます。

各モジュールは、別々のエフェクト(コンポーネントプラグイン)ではないエフェクトチェーン(マザーシッププラグイン)の場合、左から右にエフェクトがかかり以下の設定ができます。

  • :新しいエフェクトを追加
  • 電源マーク:それぞれのエフェクトをオンオフ
  • Sマーク:ソロ
  • リストマーク:プリセット読み込み
  • バツマーク:削除

それぞれのエフェクトモジュールは、ドラッグ&ドロップで順番を変えることが可能です。

ここからは以下の順で解説します。

<AIによるエフェクト機能>

  • Master Assistant(マスターアシスタント)

<エフェクト一覧>

  • Equalizer(イコライザー)
  • Match EQ(マッチイコライザー)
  • Vintage EQ(ビンテージイコライザー)
  • Dynamic EQ(ダイナミックイコライザー)
  • Dynamics(ダイナミクス)
  • Vintage Comp(ビンテージコンプレッサー)
  • Vintage Limiter(ビンテージリミッター)
  • Maximizer(マキシマイザー)
  • Exciter(エキサイター)
  • Vintage Tape(ビンテージテープ)
  • Imager(イメージャー)
  • Spectral Shaper(スペクトラルシェイパー)
  • Low End Focus(ローエンドフォーカス)
  • Master Rebalance(マスターリバランス)
  • Stabilizer(スタビライザー)
  • Impact(インパクト)
  • Clarity(クラリティ)

<その他の機能>

  • I/O(インプットアウトプットゲイン&メーター)
  • Codec Preview(コーデックプレビュー)
  • Dither(ディザー)
  • Reference(リファレンス)

Master Assistant(マスターアシスタント)

マスターアシスタントは以下のステップで利用できます。

1. 上部の虹色まるマークを選択

master-assistant-setting-ozone-11

マザーシッププラグイン上部の虹色まるマークを選択します。

2. オーディオを読み込む

最低でも8秒間ほどオーディオを再生して読み込みます。最良の結果を得るために、なるべくボリュームの大きい部分を再生しましょう。

マスターアシスタントは、基本的に以下のようなエフェクトチェーンで構成されています。

  • Equalizer→Impact→Imager→Clarity→Stabilizer→Dynamic EQ→Maximizer
  • Master Rebalance→Equalizer→Impact→Imager→Clarity→Stabilizer→Dynamic EQ→Maximizer

※Advancedの場合

注意

ozone-11-advanced-standard-elements-overview

Ozone 10 Standard以下の場合、ImpactモジュールやClarityモジュールによるエフェクトが利用できません。これらのエフェクトは、Advancedのみに搭載されています。

3. マスターアシスタントビューで調整する

ozone-11-gui-overview

読み込みが完了するとアシスタントビューが表示されます。上部ヘッダーから以下の設定ができます。

ブラウザタブマーク:マスターアシスタントで適用された各種エフェクトのチェーンを表示して細かく調整できます。

2つのメーターマーク:Bypassのとなりにあるこのマークは、ゲインマッチです。Ozoneの入力と出力レベルを一致させることができます。

Bypass:処理の無効にします。

Relearn:オーディオを読み込むフェーズに戻ります。

ターゲットライブラリ

左側のターゲットライブラリからは、さまざまなターゲット曲線を利用して調整できます。ターゲットを選択すると、自動で処理が調整されます。

Targets:デフォルトでは最新のトップチャートから派生した10ジャンルのターゲットを選択できます。

+ボタン:プラスボタンから自分のファイルをターゲットライブラリに追加できます。

ゴミ箱ボタン:選択したターゲット曲線を削除します。

新しいターゲットを追加することもできますが、デフォルトの10ジャンルターゲットがかなり優秀だと感じました。まさに最新のトップチャートサウンドに近づけることができます。

Audiolens

新しくAudiolensというアプリがリリースされ、Ozone 11 Advancedに同梱されています。Audiolensは、音源ファイルのダウンロードやDAWの設定に時間を費やすことなく、ストリーミングプラットフォームから直接楽曲の特性を収集し、Ozone 11やNeutron 4、Nectar 4とシームレスに繋げて収集した特性に合わせたミックスやマスタリングが可能となります。これを使ってターゲットライブラリを拡張することが可能です。

izotope-audiolens-thumbnails 【無料】iZotope「Audiolens」最新配布情報!簡単に音質特性を収集できるアプリ!クロスグレード可能or不可のFree版あり
Tonal Balance

Equalizer:電源ボタンでオンオフ可能なEqualizerは、EQのゲインを調整できます。これはエフェクトチェーンのEqualizerモジュールと連動しています。

Loudness

Maximizer:Maximizerモジュールと連動して、Threshold(しきい値)を+ / -4dBで調整できます。電源ボタンでオンオフも可能です。

マスターアシスタントでは、2つのラウドネスと出力レベルの最適化設定があります。

Streaming:ほとんどのストリーミングサービスの典型的な設定です。MaximizerモジュールのTrue Peakが有効で、出力レベルは-1dBに設定されます。

Full Scale:ほとんどのマスターに適した出力レベルです。MaximizerモジュールのTrue Peakリミッターを無効にして、フルスケールぎりぎりの-0.1 dBに設定されます。

Vocal Balance

電源ボタンでオンオフ可能で、ボーカルレベルを調整できます。Master Rebalanceモジュールと連動しています。目標とするジャンルに対してバランスが取れていると判断した場合、チェックマークが表示され、Master Rebalanceモジュールはチェーンに追加されません。

Extras

Dynamics Match:Impactモジュール全バンドの量を調整、電源ボタンでオンオフできます。

Width Match:Imagerモジュール全バンドの量を調整、電源ボタンでオンオフできます。

Clarity Amount:Clarityモジュールの量を調整、電源ボタンでオンオフできます。Clarityは、ターゲットに適したTilt値を適用します。

Stabilizer Amount:Stabilizerモジュールの量を調整、電源ボタンでオンオフできます。Stabilizerモジュールは、選択したターゲット曲線とも連動しています。

ここからは、各エフェクトの使い方について解説します。

delta-module-ozone-11

新機能すべてのモジュールには左上にDeltaボタンが追加されています。これを選択することで、各モジュールがオーディオにどのような影響を与えているかを正確に確認できます。

Equalizer

ozone-11-equalizer

イコライザーは左上からスペクトラム画面(初期画面)と全バンド画面(球体マーク)の表示が切りかえれます。

その隣からは、EQの仕様を2つのタイプから選択できます。

  • Analog:ミニマムフェイズ IIR(infinite impulse response)フィルター
  • Digital:元信号の位相を保持するデジタルリニアフェイズフィルター

上部真ん中からチャンネル処理モードをStereoMid/Side別、Left/Right別、Transient/Sustain別も変更可能です。右上の更新マークからは設定をリセットできます。

Amount:右上のAmountスライダーから全てのバンドのゲインをスケーリングすることができます。

ozone-11-eq-phase

EQのライン上にカーソルをおくと「+」になりクリックしてバンドを足します。通常のイコライザー同様に、上下でゲイン左右で周波数を調整します。

スペクトラム画面の場合、それぞれのバンドをクリックすることでバンドの詳細があらわれます。詳細の数値を上下することでも調整でき、Sマークからソロ、バツマークからバンドを削除、電源マークでオンオフできます。

バンド両端の「◯」を左右にドラッグすることでQを調整でき、帯域幅や傾斜を調整できます。

DigitalとAnalogで選べるフィルター形状が変わります。

Digital

Bell:Proportional Q、Bell、Band Shelf、Surgical

Low Shelf:Analog、BAxandall、Vintage、Resonant、Surgical

High Shelf:Analog、BAxandall、Vintage、Resonant、Surgical

Lowpass:Flat、Resonant、Brickwall、Surgical

Highpass:Flat、Resonant、Brickwall、Surgical

 

Analog

Bell:Proportional Q、Bell、Band Shelf

Low Shelf:Analog、BAxandall、Vintage、Resonant

High Shelf:Analog、BAxandall、Vintage、Resonant

Lowpass:Flat、Resonant、Brickwall

Highpass:Flat、Resonant、Brickwall

Digitalの場合のみSurgical(極端に整った形状)が選択可能です。

また、Digitalはバンドを選択し「▶︎」からPhase(位相)を調整できます。

通常は0%で位相ずれなしですが、プリリンギング(アタックが不鮮明になる)が発生するので調整が可能です。

※プリリンギングとは?

位相ずれをなくしたリニアフェイズEQなどで、発生する副作用。アタックが不鮮明になります。

equalizer-option-ozone-11

右上設定マーク→Equalizerから以下の設定も可能です。

Show Extra Curves:Phase Delay(msで表される位相遅延)、Phase Response(度数で表される位相応答)、Group Delay(msで表されるアンプエンベロープの遅延)を表示できます。

Alto-Solo Filter Q:Altキー(Optionキー)を押しながらスペクトラムをクリックすることでEQに影響なく指定の帯域を確認することが可能です。

Soft Saturation:軽い歪みを加えます。

イコライザーモジュールは「Ozone 11 EQ」として無料配布されています。

ozone-11-eq-free-thumbnails Ozone 11 EQ使い方!無料のiZotopeイコライザープラグインインストール・アクティベーション方法も解説

Match EQ

match-eq-ozone-11

Match EQは、正確なマッチングのために8000以上のバンドを使用する機能を備えたデジタルリニアフェイズイコライザーです。

参考とする音源等を再生し、左側のCaptureを押しStopでキャプチャー終了します。次に変化させたい音源を再生し、右側のCaptureを押しStopでキャプチャー終了します。あとはFINE TUNEからマッチングの調整を行います。

Smoothing:EQの凸凹具合を調整できます。適用する曲線の精度をコントロールできます。

Amount:一致させる強度を調整できます。

両端の縦線をドラッグして適応させる帯域をキャプチャー後も調整できます。

(補足)Match EQを利用する上での注意!

Smoothingを0にする設定は一見複雑で細かなEQがかかっているように見えますが良い設定ではありません。異なる凹凸の曲を無理やり模していることになります。Smoothingは大きく設定して程良い凹凸にし、自分で修正しましょう。

Vintage EQ

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前回バージョン同様ビンテージEQを代表するPultec EQP-1AとMEQ-5を基に設計されています。上の段がEQP-1A、下の段がMEQ-5のモデルです。

丸くなっている部分や扇状の部分は周波数を表し、その周波数を中心にブースト、カットすることが可能です。バンドは全部で6つあります。

Dynamic EQ

dynamic-eq-ozone-11

Dynamic EQはEqualizerモジュール同様に、左上からDigitalとAnalogを選択できます。各バンドもEqualizer同様に調整できますが、EQとコンプレッサーを足したような仕様でただブーストやカットをするだけではなくThreshouldで一定以上オーバーした瞬間のみ抑えることができます。過度に突出するところをおさえる時に特に有効なエフェクトです。

バンドを選択し、「▶︎」を押すことでAttackReleaseOffset(元となるGain)が調整できます。

Auto Scaleはバンドの周波数に応じて自動でAttack、Releaseを決めます。

それぞれのバンド上下にある矢印から「▲(Up)」「▼(Down)」2種類が選択できます。

  • EQをブーストした場合

Down:ブーストしたdBをデフォルトとし、突出した場合下に抑えられる。

Up:0dB(Offset)をデフォルトとし、最大で上のブーストしたdBまで持ち上げられる。

  • EQをカットした場合

Down:0dB(Offset)をデフォルトとし、最大で下にカットしたdBまで下げられる。

Up:カットしたdBをデフォルトとし、突出した場合は上に持ち上げられる。

フィルター形状は以下5種類があります。

  • Proportional Q
  • Bell
  • Band Shelf
  • Baxandall Bass
  • Baxandall Treble

Dynamics

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いわゆるマルチバンドコンプレッサーと言われるものです。最大4バンドに分けてコンプレッサーをかけることが可能です。

  • 上段左上:クロスオーバースペクトラム、ゲインリダクショントレース、検知フィルター
  • 下段右側:一つ一つのバンド(Band ◯)、全バンドの表示(All)

の表示変更ができます。検知フィルターでは、Hipass(ポイントをドラッグして調整)、Tilt(Amountで調整)の検出する帯域を調整するフィルター設定も可能です。

上部の点々部分にカーソルを合わせると+マークになり、クリックすることで好きな帯域で4つまでバンドを分割できます。追加したバンドは電源マークとソロボタン、左下に削除ボタンがあります。バンドの境目(クロスオーバーポイント)を左右にドラッグして帯域を調整できます。

上部から以下の設定も可能です。

  • Link Bands:全バンドのコントロールがリンクされます。
  • Aマーク:オートでゲインを調整できます。
  • Adaptive Release(傾斜マーク):コンプレッサーのリリース時間を自動で調整できます。
  • Learn:再生して押すことでバンドの帯域を自動で調整します。(他のマルチバンド対応エフェクトも同じ)

あとは、一般的なコンプレッサーに見られるようなパラメータになります。

Peak / Env / RMS:レベル検出モードをPeak(ピークレベル)、Env(エンベロープレベル)、RMS(平均レベル)から設定できます。

Threshold:リミッターとコンプレッサーのしきい値を調整できます。

Ratio:コンプレッションレシオ(圧縮比)です。例えば4:1の場合入力がスレッショルドから4dB超過した場合、その超過分を1dBに抑えるという仕様です。

Attack / Release:アタックは、入力信号がスレッショルドをこえたときに、どれだけ速くフルレシオの値まで引き下げるかを決定します。リリースはその逆で、信号が圧縮されていない状態に戻るまでの総時間を表します。

Knee:信号に適用されるゲインリダクションの特性を決定します。ハードニーは、コンプレッサーがスレッショルドをこえたときに急激にゲインを下げ始めますが、ソフトニーは、信号がスレッショルドに近づくにつれて緩やかにゲインを下げていきます。

Parallel:パラレルコンプレッションと呼ばれる処理された信号(Wet)と処理されてない信号(Dry)をミックスする調整ができます。

Band Gain / Global Gain:処理後に適用されるゲイン量を各バンド(Band ◯ Gain)、全バンド(Grobal Gain)調整できます。

Vintage Comp

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フィードバックループに検出フィルターを備えたビンテージアナログコンプレッサーの最高の要素を組み合わせた仕様です。

左上からゲインリダクショントレース、検知フィルターの表示変更が可能です。検知フィルターは3つのフィルター操作点があり、ソロボタンから検出回路にフィルタリングされた入力を聴くことができます。

モードは

  • Sharp:信号本体を維持しながら、鮮明なダイナミクスとトランジェントに重点を置いたモードです。
  • Balanced:ダイナミクス維持と信号全体の強化の間でバランスがとれたモードです。
  • Smooth:トランジェントを滑らかにし、残りの信号を強化するより厚いサウンドのモードです。

の3種類から選ぶことができます。

あとは、一般的なコンプレッサーのパラメータと、Aマークは未処理のオーディオと同等レベルに処理するメイクアップゲインとして機能するオートゲインです。

Vintage Limiter

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Fairchild 670をモデルとしたビンテージリミッターです。左上からスペクトラムアナライザー、ゲインリダクショントレース表示が可能です。

モードは

  • Analog:アナログ回路の特徴である滑らかさ、厚さを提供しながら、ローエンドのトランジェントを引き出します。
  • Tube:よりバランスの取れたリミッターで、受信信号に応じて異なる音響特性を備えたスムーズなフィードバックリミッティングです。
  • Modern:より厚いビンテージと幅広いノンリニアを、現代のIRCリミッティングなどとともにブレンドしています。

の3種類から選択できます。

Threshold:リミッターのしきい値を調整できます。

Ceiling:ビンテージリミッターの最大出力レベルを調整できます。

リンクマーク:ThresholdとCeilingをリンクして調整できます。

True Peak:デジタルサンプルのレベルだけでなく、最終的に生成される信号のレベルも考慮に入れることができます。

Character:ビンテージリミッターのアタックとリリースを調整できます。選択したモードによって異なりますが、速い(0.0)〜遅い(10.0)まで調整できます。

Maximizer

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全部で5つのIRC(インテリジェント・リリース・コントロール)で違和感なくラウドネスを得ることが可能です。左上からスペクトラムアナライザー、ゲインリダクショントレース表示が可能です。

IRC Low Latency

IRC Iの低レーテンシー版

IRC 1

インテリジェントなデジタルラウドネスを提供します。素材を分析し、トランジェントは迅速に反応、安定した低音はよりゆっくり反応します。

IRC 2

IRC Iと似ていますが、さらにトランジェントを最適化されているため、強めにかけてもシャープでクリアな音像です。

IRC 3

最も積極的なリミッターにも対応可能なバージョンです。しかし、CPU負荷は高く、重いです。4種類あり、Clippingが最も強いリミッターに対応したモードです。Pumping<Balanced<Crisp<Clipping

IRC 4

重なった楽器の音などスペクトルを分析して最適なリミッターをかけます。

Classic:旧Ozoneからあるクラシックバージョンです。

Modern:現代っぽくディテールと清澄性に長けたバージョンです。

Transient:トランジェントをできる限り保持するバージョンです。

新機能Upward Compress

新機能のUpward Compressは、透明度の高いコンプレッションで、ピークのゲインを下げるのではなく、静かな部分のゲインを上げます。Upward CompressはIRC Maximizerの前に適用されます。

Soft Clip

IRCマキシマイザーの前にソフトクリップ処理を設定できます。電源ボタンでオンオフでき、上下にドラッグしてDry/Wet量を調整することでよりラウンドネスブーストを得ることができます。ソフトクリッパーのスレッショルドはマキシマイザーとリンクしています。様々な方法でラウドネスブーストを得られ、3つの異なる方法でサチュレーションさせます。

  • Light:スレッショルド3dB下でサチュレーションし始めます。
  • Moderate:スレッショルド9dB下でサチュレーションし始めます。
  • Heavy:スレッショルド30dB下でサチュレーションし始めます。

Transient Emphasis:電源ボタンでオンオフでき、量を調整してトランジェントを強調したい場合に利用できます。ドラムなどシャープなサウンドを維持したい場合に役立ちます。

Stereo Independence:チャンネル間のTransientSustainにリミッターがどのように反応するか調整できます。リンクボタンから2つをリンクさせることができます。

Learn Input Gain:隣の値を設定してから、Learn Input Gainの文字をクリックして再生すると設定したLUFSの値に合うように変化します。5秒間ほど入力を読み込んで自動でオフになります。

Exciter

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最大4バンドでサチュレーションやカラーを付けることができるエフェクトです。バンドの設定方法は他のマルチバンドエフェクト同様で、左上からクロスオーバースペクトラム、ポストフィルターが選択できます。ポストフィルターでは、ハイシェルフフィルターで影響を受ける帯域を調整できます。

  • Analog:トランジスタタイプの奇数倍音をエミュレートし、ドライブの効いたグリッド感を与えます。
  • Retro:トランジスタの特性に基づいたゆっくりと減衰する奇数倍音を持ちます。
  • Tape:アナログテープのサチュレーションに含まれる奇数倍音により明るいサチュレーションを加えます。
  • Tube:ダイナミックでトランジェントなアタックに重点を置いたクリアな音が特徴です。
  • Warm:偶数倍音のみを発生させ、素早く減衰します。
  • Triode:真空管回路をモデル化し、リアルなアナログの暖かさを実現します。Dual Triodeより繊細なオーバードライブです。
  • Dual Triode:真空管回路をフルに活用し、よりウォームなトーンでオーバードライブが得られます。

の7つのモードがあり、Amountでハーモニクス適用量を調整、MixでDry/Wet量を調整できます。

Oversampling:設定のサンプリングレートより高い処理能力を利用することで質を向上させる機能です。この機能は全てのバンドに適用されます。

Bands(リンクマーク):全てのバンドを一緒に調整できます。

Vintage Tape

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OSTUDER A810 2トラックテープデッキにインスパイアされ設計されたビンテージテープエフェクトです。表示は、スペクトラムアナライザーのみになります。

Speed:テープ速度を7.5、15、30ips(インチ/秒)の3つのスピードから設定できます。このスピードは磁気テープがテープヘッドを通過する速度を決定し、より速い速度で高周波数レスポンスや全体的な品質を向上できます。遅くなると、周波数レスポンスが均一に低下し、バッググラウンドノイズが低周波数にシフトし、増加する可能性があります。

Input Drive:テープエミュレーションの入力信号のゲインを調整できます。サチュレーション度合いが調整できます。

Bias:ディストーション曲線の形状が変化します。マイナスで高音域がブーストし、プラスでダイナミックレンジを制限し始め、異なるタイプのサチュレーションを加えます。

Harmonics:出力信号に追加された偶数次倍音の歪み量を調整できます。

Low Emphasis:ローエンドのレゾナントピークのゲインと形状を調整できます。

High Emphasis:高周波の損失を補填してオーディオにエネルギーを与えます。

Imager

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ミックスのステレオ幅を調整できるエフェクトです。DynamicsやExciter同様の設定で最大4バンドで調整可能です。

左上からクロスオーバー、ステレオ幅スペクトラム、相関トレース表示の3種類の他に、右側にあるベクトルスコープでステレオ感を判断することが可能です。ベクトルスコープも両極サンプル、両極レベル、リサージュの3種類があります。

Width:Sideチャンネルに適用するゲイン量を調整できます。

リンクマーク:全ての帯域のStereo Widthの調整をリンクさせます。

Stereoize:自然なサウンドでステレオ幅を追加することができます。電源ボタンでオンオフでき、全てのバンドに適用され、Stereo Widthを利用している時に効果を発揮します。ModeⅠは、Midチャンネルの遅延コピーを作成しサイドに付加します。Modeは、オリジナルと少し異なる音質でトランジェントを維持することができます。

Recover Sides:電源ボタンでオンオフ、Sマークでソロモードができ、全てのバンドに適用され、Stereo Widthをマイナス方向に利用している時に効果を発揮します。Sideチャンネルのゲインオフセット量を調整でき、その名のとおりリカバーできます。

Imagerは無料で手に入れることも可能です。

Spectral Shaper

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ボーカルなどの耳につく音など問題のある周波数に高解像度の減衰を加えて削減することができるエフェクトです。

左上からアクションリージョンスペクトラム、ゲインリダクショントレース表示が可能です。アクションリージョンでは、縦線に左右にドラッグして適用する帯域を調整できます。Sマークからソロモードにして範囲内を確認することができます。

LightMediumHeavyと強度が選べます。

Amount:適用されるレベルを設定できます。

Tone:スペクトルの傾き(Tilt)を調整できます。プラスで全体的に明るく、マイナスで全体的に暗くなります。

Attack:Thresholdを超える信号に対してゲインリダクションが適用するまでの時間を調整できます。

Release:Thresholdを下回る信号に対してゲインリダクションを適用しなくなるまでの時間を調整できます。

Low End Focus

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EQやDynamicsなど従来のツールでは簡単に改善できない場合に利用できるローエンドを調整するエフェクトです。最近の音楽はサブベースなどが流行っていることもあり低音の処理は重要ですので利用できます。

Spectral Shaper同様にアクションリージョンスペクトラム表示で、最大で20Hz〜300Hzまで帯域を縦線をドラッグして調整できます。Sマークからソロモードにして範囲内を確認することができます。

処理のタイプは、2種類から選択できます。

Punchy:より速いレスポンスで一時的なコンテンツを強調します。

Smooth:持続的なコンテンツを強化するために遅いレスポンスになっています。

Contrast:低レベルと高レベルのコンテンツの違い、コントラストを調整できます。上げるほどパンチの効いたサウンドになります。

Gain:適用する帯域のメイクアップゲイン量を調整できます。

Master Rebalance

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トレーニングされた機械学習アルゴリズムを活用してマスターからボーカル、ベース、ドラムを特定し、ゲインを上げることができるエフェクトです。

同社のRXでできる音源からボーカルやドラムを抜き出す技術が生かされているなと感じます。

使い方は非常に簡単でVocalsBassDrumsを選択してGainを上げるだけのシンプルなエフェクトです。

Stabilizer

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周波数補正を適用してトーンバランスを調整するアダプティブマスタリングイコライザーです。

ターゲットStabilizerはマスターアシスタントと連動しており、ターゲットはマスターアシスタントのものと同じになります。

ターゲットに合わせて行うEQ調整は2つのタイプから選択できます。

Shape:ターゲットのトーンバランスにシェイプし、EQブーストとカットを適用します。

Cut:ターゲットのトーンバランスにシェイプするよう、EQカットのみを適用します。

Amount:適用するゲイン量を調整できます。ブーストできる最大ゲインは9dBになっています。

Speed:Stabilizerの補正がオーディオにどれだけ速く反応するかを制御できます。

Smoothing:トーンバランスの輪郭(EQの細かさ)を制御できます。

Tame Transients:瞬時に反応し、あらゆるトランジェント素材のトーンを補正します。

Low / Mid / High:3つの帯域で補正の量を調整できます。

Impact

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信号のマイクロダイナミクスを直接制御し、ダイナミックレンジの拡張と圧縮を可能にする簡単エフェクトです。他のマルチバンドエフェクト同様に4つのバンドで調整できます。キックなど打楽器単体トラックに使用する用途も考えられます。

Stereo Link:左右チャンネルに同じ調整を適用します。

Amount:全てのバンドの適用量を調整できます。

Impact:各バンドでマイクロダイナミクスの拡張、圧縮を調整できます。

Envelope:拡張、圧縮から戻る時間を調整できます。msもしくはSyncボタンが有効な場合は同期されたテンポで調整できます。

Auto:インパクト処理によって生まれたレベル差を補正するオートゲインです。

Bands:全てのバンドのImpactの量調整をリンクできます。

Clarity

clarity-ozone-11-overview

Clarityは、数百のバンドを使用してオーディオのスペクトルパワーを最大化します。これは、平坦なノイズに向かって適応的にスペクトルの輪郭を調整することで達成されます。Clarity処理によって、まったく同じ統合LUFSでマスターの知覚ラウドネスを増加させることができることも分かっています。

Amount:Clarityのスペクトル処理のゲインを調整できます。ブーストまたはカットできる最大ゲインは6dBです。

Tilt:Clarityが輪郭を描くフラットターゲットを調整します。

Attack:Clarity が入力信号に反応するまでの時間(ms)を調整します。

Release:Clarityがゲインを変化させないベースラインに戻るまでの時間(ms)を調整します。

その他の機能

インプットアウトプットゲイン&メーター

ozone-11-meter-setting

右側にはインプットアウトプットゲインとメーターがあります。

I/O:ここを選択するとメーターの対象となる音源の種類(ステレオもしくはMid/Side)、メーターの基準となる数値のタイプを選択できます。Replace input with referenceをチェックすると入力メーターは現在選択されているリファレンストラックに基づいて測定データを表示します。Show reference spectrumをチェックすると、選択したリファレンストラックのスペクトルが、すべてのモジュールのスペクトル表示でセカンダリースペクトルとして表示されます。

リンクボタン: 左右のI/Oゲインコントロールの調整をリンク/リンク解除します。

+/-:メーターの分解能を調整できます。

Bypass:プラグインの処理をバイパスします。

Gain Match: 出力信号のゲインマッチングの有効/無効を切り替えます。動作は右上設定マーク→I/Oの「Enable modern bypass gain match behavior」設定に依存します。

丸が重なったマーク:選択するとステレオ出力チャンネルをモノラル信号に合計します。モノラルの互換性をチェックするのに便利です。

左右矢印マーク:左右の出力チャンネルを入れ替えます。

Codec Preview

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MP3やAACのようなオーディオフォーマットは、全体のファイルサイズを小さくするために、音響心理学的アルゴリズムを使ってオーディオファイルの聴き取りにくい部分を識別し、削除します。この処理によって、圧縮ファイルにさまざまなアーティファクトが発生する可能性があります。画面右下から電源マークでオンオフできるCodec Previewは、マスターを書き出す前に、非可逆圧縮フォーマットを試聴し、望ましくないアーティファクトを補正することができます。

Dither

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画面右下から電源マークでオンオフできるDitherは、スタジオ品質のオーディオを様々な配信フォーマットに対応させるための包括的なディザリングツールが含まれています。

Bit Depth:エクスポートするファイルのターゲットビット深度を設定します。

Auto-Blanking:入力信号に0.7秒以上の無音(0ビットオーディオ)が検出されると、ディザー出力(ディザーノイズ)を自動的にミュートします。

Dither Amount:信号に加えるディザーの目標ビット数(振幅)を選択できます。Mediumが推奨設定です。

Harmonic Suppression:トランケーションは、信号に倍音を加え、音色を歪ませる倍音クオンタイズ歪みを引き起こすことがあります。このオプションを有効にすると、倍音量子化歪みを可聴周波数の倍音から遠ざけるために、トランケーションルールが変更されます。Harmonic Suppressionは、Dither AmountがOffに設定されているときのみ有効です。

Limit Peaks:極端なディザー設定によって生じる出力信号のピークを抑制します。

Noise Shaping:ディザリング処理中に適用されるノイズシェイピングの量を、OffからMax(約14 dBの可聴ノイズ抑制)の範囲で決定します。

Reference

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画面右下から電源マークでオンオフできるReferenceは、最大10の参照トラックをインポートし、オーバーレイされたスペクトルメータリングで音楽の違いを視覚化し、オーディオをすばやくAB比較できます。

 

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