DTMer御用達のマスタリングツールといえば、今回ご紹介する「Ozone」です。
最新バージョンであるOzone10からはAI機能マスターアシスタントがさらに激変し、アシスタント後の調整など使い勝手が良く、以前のバージョンに比べて、より現代的なアプローチで精度も上がっています。
この記事ではOzone 10の概要やAI機能の解説や使い方をわかりやすく掲載。また、プロのエンジニアさんによる各エフェクトや機能レビューも掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
前回バージョンOzone 9に関する記事は以下をご覧ください。

目次
- 1. iZotope「Ozone 10」とは?
- 2. Ozone 10の新機能!Ozone 9から何が変わった?
- 3. AI機能Master Assistant(マスターアシスタント)が激変!どう変わった?
- 4. 各エフェクトや機能をプロのエンジニアがレビュー!
- 5. Ozone 10 Standard・Advanced・ElementsやOzone 9との違いを比較!どれを買うべき?
- 6. おすすめの買い方・購入前に知っておくべき注意点
- 7. Ozone 10の最新セール情報
- 8. 口コミ・評判を紹介!
- Ozone10まとめ
- <購入後はこちら>iZotope製品のインストール・アクティベーション方法
- <Ozone10マニュアル>各エフェクト紹介と使い方を解説!
1. iZotope「Ozone 10」とは?
Ozone 10は、iZotopeが開発するマスター用のプラグインエフェクトです。
DAWのマスターにさして2Mixの音圧等を調整します。
作曲ソフトDAWの拡張機能AU、AAX、AAX Audiosuite、VST3プラグインとして利用できます。
Ozone 8からAI機能が搭載されており、より広いニーズに対応できるようになりました。AI機能搭載で初心者の味方でありつつ、その質の高さから数多くのプロも利用するプラグインエフェクトです。OzoneはElements、Standard、Advancedの3種類があり、Ozone 10も同様です。
ちなみに、スタンドアローンアプリ(DAWなしでアプリとして立ち上がること)の提供はOzone 9までで終了しました。ですので、Ozone 10ではスタンドアローンの立ち上げはできません。
Ozone 10には、
- マザーシッププラグイン:全てのエフェクトモジュールチェーンとAI機能マスターアシスタントが搭載されたプラグイン
- コンポーネントプラグイン:16種類それぞれの単体エフェクトプラグイン(Advancedのみ)
があり、一般的にマスター用とされていますが、Advancedバージョンでは別々のエフェクトとしても利用できるので、トラックメイクにも活用できます。
追記:Ozone 10 Elementsリリース!他のバージョンとの違いは?何の機能が付いている?
廉価版Ozone 10 Elementsがリリースされました。
Ozone 10 Elementsは、AIによるマスターアシスタント及びアシスタントビューがついた仕様です。
Ozone 10 Elementsに各エフェクトモジュールは含まれません。
<Ozone 10の概要>
開発会社 | iZotope |
操作画面 | ![]() |
価格(定価) | Ozone 10 Elements 129ドル Ozone 10 Standard 249ドル Ozone 10 Advanced 499ドル |
主なエフェクト数 | 16種類 |
AI機能 | あり |
発売日 | 2022年9月13日 |
Ozone10を含む主なパッケージ製品について
時期によってパッケージが追加・廃止されたり、販売店独自のバンドルが存在する場合もあります。
※販売店によっては旧バンドルの取り扱いがある場合があります。
表は横にスクロールできます▼
パッケージ | Mix & Master Bundle Advanced | Music Production Suite 5.2 | Everything Bundle | Elements Suite | Mix & Master Bundle Standard |
主な収録内容 | Ozone 10 Advanced Neutron 4 Nectar 3 Plus (w/ Melodyne Essential) Tonal Balance Control 2 Neoverb Audiolens |
Neutron 4 Symphony 3D Stratus 3D Brainworx bx_boom! Brainworx bx_cleansweep Pro Brainworx bx_delay 2500 Brainworx bx_refinement Brainworx bx_saturator V2 Brainworx bx_subsynth Ozone 10 Advanced RX 10 Standard Nectar 3 Plus (w/ Melodyne Essential) Neoverb Vocal Synth 2 Insight 2 Tonal Balance Control 2 Audiolens Guitar Rig 6 Pro |
Ozone 10 Advanced Neutron 4 Nectar 3 Plus (w/ Melodyne Essential) RX 10 Advanced Dialogue Match VocalSynth 2 Insight 2 Stutter Edit 2 Exponential Audio Stratus 3D Exponential Audio Symphony 3D Tonal Balance Control 2 Neoverb Brainworx bx_boom! Brainworx bx_cleansweep Pro Brainworx bx_delay 2500 Brainworx bx_refinement Brainworx bx_saturator V2 Brainworx bx_subsynth Audiolens Guitar Rig 6 Pro |
Ozone Elements Neutron Elements Nectar Elements RX Elements |
Ozone 10 Standard Neutron 4 |
価格(定価) | 699ドル | 999ドル | 2,499ドル | 199ドル | 399ドル |
- DTM初心者(初心者でなくてもマストバイ!)
- 音楽制作の時短がしたい
- 音圧が出せない(出せるようになりたい)
▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Splice Plugins(月額払い) ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
iZotope Mix & Master Bundle 一覧 ▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
iZotope Music Production Suite 5.2 一覧 ▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
iZotope Everything Bundle 一覧 ▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
Splice Pluginsは、プラグインを月額払い(Rent-to-Own:借りる→払い切ると自分のものに)で利用できる画期的なサービスです。Ozone 10も月額払いで利用できます。Splice Pluginsに関する詳しい記事はこちらをご覧ください。Splice Pluginsは通常の月額払いと違い、全額支払いの義務はなく、いつでも利用停止することが可能です。

iZotope公式にてサブスクリプション販売が開始
iZotope公式のサブスクリプションサービスもあります。
全てのソフトウェアは常に最新版のものに更新される仕様なので、Ozone”10″のような番号ではなく”Pro”という表記が使われているようです。
Music Production Suite Pro 月額19.99ドル / 年額 199ドル
- Neutron Pro
- Nectar Pro
- Vocalsynth Pro
- Ozone Pro
- RX Pro for Music
- Neoverb Pro
- Insight Pro
- Tonal Balance Control Pro
- Relay
- Visual Mixer
- Melodyne 5 Essential
プラグインのサブスクリプションに関する詳しい記事は以下をご覧ください。


2. Ozone 10の新機能!Ozone 9から何が変わった?
まずは、Ozone 10と9の違いは何なのか?何が変わったのか?新機能や改良された機能をご紹介します。
Advancedのみ追加された新機能
- 新エフェクトStabilizer:ミックスをクリアで自然なトーンにダイナミックにシェイプしたり、問題のあるレゾナンスを抑え、ハーシュネスを取り除き、トランジェントをスムーズにしてリスニング環境の変換を改善します。
- 新エフェクトImpact:4つのスライダーで異なる周波数帯域をコントロールし、ミックスに生命を吹き込み、パンチとダイナミックなスペースを追加したり、トラックを接着して厚みのあるサウンドに仕上げることができます。
- Audiolens同梱:Audiolensはストリーミングプラットフォームから直接楽曲の特性を収集し、それに合わせたミックスやマスタリングが可能なアプリです。これを使ってターゲットライブラリを拡張することが可能です。

Standard・Advancedのみ追加された新機能
- Magnify Soft Clip(Maximizer Module内):Miximizerモジュールの新しい設定により、忠実にオーディオを維持しながらラウドネスを高めることができます。
- Recover Sides(Imager Module内):ステレオ情報をモノラルで維持し、問題のある周波数を絞り込む際に深みとパワーを維持することができます。
Advanced・Standard・Elementsのみ追加された新機能
- AI機能Improved Master Assistant:マスターアシスタントがさらに進化しました。音色、ダイナミクス、幅の画期的なマッチング技術により、信頼できるリファレンスファイルや今日のヒット曲のサウンドに合わせることができます。また、トーンバランスカーブにより簡単に測定することができ、アシスタントビューで簡単に調整することが可能です。
Apple siliconのネイティブサポート、インターフェイスのルック&フィールの一新など、その他の機能も充実しています。

3. AI機能Master Assistant(マスターアシスタント)が激変!どう変わった?
Ozone 9同様、Ozone 10にもAI(人工知能)機能「Master Assistant (マスターアシスタント)」が搭載されています。
この機能により初心者でも簡単に2Mixを調整でき、大幅な時短にもなります。
Master Assistant (マスターアシスタント)の利用メリット
AI(人工知能)機能「Master Assistant (マスターアシスタント)」を利用することで、下記のようなメリットが考えられます。
- 初心者でもマスタリングができる
- 瞬時に2Mixを調整でき、時短になる
- 好みの楽曲と同じようなバランス、音圧にできる
基本的に音圧やバランスのとれた音源を作ろうとすると初心者の方はプロに比べて迫力のない音になってしまうでしょう。しかし、この機能を利用すれば一瞬で音圧のある2Mixが完了するので、初心者には大変ありがたい機能となっています。
しかし、頼り過ぎてもいけません、AIによるマスタリングは決まったエフェクトしかかからないため不十分な点もあります。「Master Assistant (マスターアシスタント)」でマスタリングを学びながら、最後は自らの手で行うことも大事です。
※AI機能はあくまで「アシスタント」とされています。時短してパパッと聞かせる音源には便利ですが、iZotope公式では基本的にアシストしてもらう使い方が推奨されています。
Ozone 10でMaster Assistantがさらに進化!
Ozone 10ではそんなMaster Assistant(マスターアシスタント)の仕様が激変しました!
以前のバージョンでは、事前にVintageもしくはModernの処理や音圧の設定が必要でしたが、Ozone 10では事前に設定することはなく音を読み込むだけで完了し、その後、アシスタントビューで自由に調整することができます。
詳しい使い方はこちら「Master Assistant」で解説しています。
4. 各エフェクトや機能をプロのエンジニアがレビュー!
実際に、Ozone 10を使っていただきエンジニアさんにレビューしていただきました。
レビュアー
高慶航 (Rec / Mix / PA / Arrange)
レコーディング、編曲、PAを様々なスタジオ、音響会社、ライブハウスで行っているフリーのエンジニアです。サウンドのキャラクターから音楽を作るように心がけています。
神戸甲陽音楽専門学校講師
■制作実績 : TAMIW、トライコット、MuscleSoul、Newdums、colspan 他
■Spotify Playlist : https://open.spotify.com/playlist/2TskeAQyI0qYwohaAs3f82?si=CEc4Qt-oSyemv1czsQ1d8Q
■Tumblr : https://watarukokei.tumblr.com/
ご依頼はmailにて→ wkokei@gmail.com
マスタリングプラグインのOzoneの最新バージョン。僕は5から使っていてマスタリングが必要な時いつもお世話になっています。
今回のアップデートでオートマスタリングはとうとうここまで来たのかと感動いたしました。
自動でマスタリングをしてくれるMaster Assistantという機能は確か8からの機能で難しいマスタリングの処理を提案してくれるので毎回参考にしているのですが、今回のMaster Assistantは参考にするどころか『え、これでいいやん。』となってしまうぐらいのクオリティーで驚きました。
Master Assistantのレビュー
Master Assistantとは、楽曲のサビ等のエネルギーの大きな部分を分析し、AIが自動でその楽曲に合った処理をしてくれるという機能です。今まではどんな楽曲も一律に平均的な処理をしてくれるといった感じだったのですが、今回(Ozone10)は音楽のジャンルに合ったサウンドに総合的に整えてくれる感じです。
R&BのミックスをしていたらR&Bのマスタリングを、RockのミックスをしていたらRockのマスタリングというように、10のジャンルから楽曲にあったジャンルに合わせてマスタリングをしてくれるので、そこからわずかな調整で仕上げる事ができます。
Master Assistantがターゲットにする10ジャンル以外にも、自身のお手持ちの楽曲からリファレンスを作る事も可能です。自分の目標にしていたMixのリファレンスファイルを作ればかなり近いサウンドになると思います。
試しに、Mixしている作品を手持ちのアーティストの作品のリファレンスを作って当てはめてみたところ、かなり近いテイストになりました。自分のミックスとリファレンスの差異も確認できるので答え合わせ的な意味でも使えると思いました。
具体的には、Master Assistantを実行した後のアシスタントビューでターゲットを選び、楽曲にあったジャンルを選択します。自動で選択されますが、違う場合もありますので、その場合はあったものを選択します。この画面では詳しい知識がなくてもザックリと調整できる様になっており、音色、ステレオ幅、ダイナミクスが調整可能です。
より詳しく調整する場合はモジュールビューに入る事でより詳細に調整する事が可能です。
その他16のモジュールのレビュー
Ozone10には全部で16のモジュールがあり、それぞれ強力なプラグインでAdvanced版では単体でも使う事も可能です。
下記より閲覧したいレビューをクリックすることで見ることができます。
8バンドのパラメトリックEQです。Stereo、Mid/Side、Left/Rightでの処理が可能です。AnalogとDigitalの2種類のモードがあり、位相の変化に違いがあります。外科的な処理にはDigitalで、全体のカラーのコントロールはAnalogといった使い分けをしています。
位相のズレなどを視認しやすくする為に、設定からShowExtraCurvesのチェックを入れることをおすすめします。
8,000以上のバンドを用いて正確なマッチングを行う事ができるEQです。マッチさせたい音源と適用したい音源をキャプチャーする事で両者の差異をEQで近づける事が簡単に行えます。SmoothingとAmountによりEQの複雑さと強度を調整する事でより自然で無理のない変化になります。
PultecタイプのビンテージEQです。とても良く効きますので色つけにはこちらを使う事が多いです。
6バンドのダイナミックEQです。
AnalogタイプとDigitalタイプ、Stereo、Mid/Side、Left/Rightの選択が可能です。ダイナミックEQは静的なEQとは違い、あるポイントを超えた帯域に対して動作させる事が出来るので楽曲の特定の場面に処理する事が可能です。
最大4バンドのマルチバンドコンプ・リミッターです。Stereo、Mid/Sideで動作できます。帯域の分割はLearnで自動的に分けてくれるので扱いやすいです。
あまり自分ではマルチバンドコンプを使うことはないのですが、非常に動作が見やすくて使いやすいと思います。AutoGainとAdaptive Releaseの機能がありますがちょっとコンプ感が出過ぎる印象で手動の方がMixが崩れなくて個人的には好みでした。
3種類のModeからなるビンテージタイプのコンプレッサーです。
それぞれキャラクターがあり音楽的にかかります。検出フィルターがあるのでかかり過ぎる低域やボーカルを避ける事も可能です。
Fairchild 670を元に作られたビンテージリミッターです。こちらも3種類の異なるModeのリミッターを選択できます。
Modeを選択し、スレッショルドとCharacterでアタックとリリースの調整をし、Ceilingでアウトの出力を決めるシンプルな構成になります。
とても使いやすく簡単にまとまるのでおすすめです。
Ozoneの代名詞であるMaximizerです。様々なIRCモードがあるので状況に合わせて使い分けましょう。(Maximizerを使用する場合最終形態がどういった媒体になるかで推奨される出力レベルが変わります。OzoneのHPや各種サブスクリプションHP等で詳しく掲載されていますので事前に調べて納品することをおすすめいたします。)
今回から新たにSoftClip機能が追加されました。ラウドネスコントロールがさらにしやすくなったと思います。
Transient EmphasisとStereo Independenceを駆使する事でより自然なマスターを作る事が可能です。
最大4バンドのエキサイターです。帯域毎にサーチュレーションを加える事ができます。
7種類のモードから様々なカラーを付与する事が可能です。Oversampligで動作する事が出来るのでマシンの負荷が許すなら是非こちらのモードでお使い下さい。
StuderA810タイプのアナログテープシミュレーターです。
こちらもとても手軽にアナログテープで得られる効果を再現できるのでとてもおすすめです。色をつけたい時に必ず役に立つと思います。
マルチバンドのステレオイメージャーです。最大4バンドです。
今回からRecoverSidesという機能が追加されました。こちらはStereoWidthを減らした際失われたサイドの音量を補完するための機能です。めちゃくちゃ便利です!
問題が起きている帯域に瞬間的に抑える事ができるプラグインです。マスタリング事に時々発生する耳障りなピーク成分を抑えるのに活躍します。適応箇所をソロで確認する事が出来るのでどれくらい効果が出ているのか分かりやすくとても使いやすいと思います。
低域成分の問題に特化したプラグインです。パンチや濁りを簡単に解決する事ができます。トランジェントの強化にはPunchy、持続音の強化にはSmoothで処理します。
トラックからVocal、Bass、Drumsのバランスを操作する事ができます。あまりマスタリングで使うことはありませんが効果は絶大です。
1プラグインにつき1種類のレベル操作になります。
今回から追加された新モジュールです。帯域毎にダイナミクスを広げたり狭めたりする事ができるプラグインです。
直感的な操作で効果が出ます。ダイナミクス系プラグインの効果として新しい体験でハマってしまいそうです。楽曲で埋もれてしまったアタックを引っ張ってあげたり、過剰になってしまった部分を抑えたりとかなり使えると思います。
こちらも新たに追加されたモジュールで、音楽の状態に合わせて目的のトーナルバランスとの差分を判別し動的にかかるEQとなります。
ターゲットとなるトーナルバランスを選ぶ事で音楽にあった周波数特性のカーブを選択する事ができます。
MasterAssistantから操作するとお手持ちの楽曲からトーナルバランスをご自身で作成する事も可能です。
プロによるOzone10レビューまとめ
海外の音楽はサウンドからジャンルの音がしており、一聴してこれはどういう音楽かわかりやすくできていると思います。日本の音楽は割とどれも綺麗なスタジオの音で整っていますがジャンル毎の差異は少なかった様に思います。
今回のOzoneのアップデートはジャンルのサウンドを作ることを意識させる音楽的なアップデートに思います。身近なマスタリングのパートナーとしてOzone 10をおすすめします。
そして、マスタリングエンジニアさんの魔法はそのさらに先を見せてくれますので、是非マスタリングスタジオでのマスタリングも経験してみて下さい!
5. Ozone 10 Standard・Advanced・ElementsやOzone 9との違いを比較!どれを買うべき?
ここからはOzone 10 Standard、Advanced、Elementsどれが良いか?前回バージョンOzone 9とどう違うのか?どれを買うべきなのか解説します。
Ozone 10 Standard、Advanced、Ozone 9 Advancedの違いについて
Ozone 10 Standard、Advanced、Ozone 9 Advancedの主な違いは以下です。
Ozone 10 Standard | Ozone 9 Advanced | Ozone 10 Advanced | |
新機能Stabilizer | ◯ | ||
新機能Impact | ◯ | ||
新機能Audiolens同梱 | ◯ | ||
Tonal Balance Control同梱 | ◯ | ◯ | |
Master Rebalance | ◯ | ◯ | |
Low End Focus | ◯ | ◯ | |
Spectral Shaper | ◯ | ◯ | |
Codec Preview | ◯ | ◯ | |
個別のプラグインになる | ◯ | ◯ | |
スタンドアローン(DAWなしで起動) | ◯ |
ちなみに、Ozone 10 ElementsはAIによるマスターアシスタント及びアシスタントビューがついた仕様となります。Ozone 10 Elementsにモジュールは含まれません。
これ以外にも違いはありますので詳しくはiZotope公式ページをご覧ください。
購入すべきバージョンとその理由
結論を先に言いますと買うなら間違いなくAdvanced一択です。
ここからは、特に重要な違いを1つずつ解説します。
新エフェクトStabilizer・Impact
表を見てわかるとおり、Ozone 10 Advancedのみにしか新しいエフェクトStabilizerやImpactがありません。そして前回追加されたLow End Focus、Master Rebalanceなども引き続きAdvancedのみに搭載されています。
StabilizerやImpactはAI機能マスターアシスタントでも使われているエフェクトです。前回のOzone 9 Advancedはもちろん、Ozone 10 Standardと比べてもAI機能マスターアシスタントの仕様や使い勝手が異なります。
個々のエフェクトにできる
個々のプラグインにできるかどうかも快適性の面で重要です。
Advancedのみが別々のプラグインエフェクトとして利用できます。全ての機能が詰まったマザーシッププラグインは、重い場合がありますが、個々のプラグインとして必要なものだけ利用することで軽減することが可能です。
Audiolens
新しくAudiolensというアプリがリリースされ、Ozone 10 Advancedに同梱されています。
Audiolensは、音源ファイルのダウンロードやDAWの設定に時間を費やすことなく、ストリーミングプラットフォームから直接楽曲の特性を収集し、Ozone 10やNeutron 4とシームレスに繋げて収集した特性に合わせたミックスやマスタリングが可能となります。これを使ってターゲットライブラリを拡張することが可能です。

Tonal Balance Control
前回のOzone 9 Advanced同様に、Tonal Balance Controlが同梱されています。
最後に全体のバランスを確認するために利用でき、自宅で音が出せないなどモニター環境の違いやそれに伴う感覚の違いで間違ったバランスを取っている場合Tonal Balance Controlを見ることで修正点がわかります。また、自分の好みの曲と同じようなバランスをとることも可能です。

Codec Preview (コーデックプレビュー)
Codec Previewは、MP3やACCに変換する際にデータ損失を補正してくれる機能です。
この機能もAdvacedのみにしかありません。
- スタンドアローン(DAWなしで起動)
- ビンテージモジュール選択でのマスターアシスタント
特にスタンドアローンを利用していた方は注意が必要です。
6. おすすめの買い方・購入前に知っておくべき注意点
Ozone 10を購入する前に知っておくべき点は次の2点です。
- アップグレード・クロスグレード
- バンドル
アップグレード・クロスグレード
iZotopeの製品を持っているとアップグレード(バージョンをアップする)・クロスグレード(その製品からバージョンアップや他の製品を一緒に安く購入できる)が可能です。
- Upgrade from 〜:〜からアップグレード
- Crossgrade from 〜:〜からクロスグレード
- Crossgrade from any paid iZotope product:iZotopeの有料製品からクロスグレード
例えばElementsを持っている場合は
- Upgrade、Crossgrade from Elements:Elementsからアップグレード・クロスグレード
- Crossgrade from any paid iZotope product:iZotopeの有料製品からクロスグレード
が購入可能となります。
すでに対象製品を持っている方はこちらを利用するようにしましょう!
バンドル
Ozone 10 Advancedを購入する場合、単体で買うよりお得なパッケージがあります。
特におすすめなパッケージがMix & Master Bundle AdvancedもしくはMusic Production Suite 5.2です。
収録内容:(Ozone 10 Advanced / Neutron 4 / Nectar 3 Plus (w/ Melodyne Essential) / Tonal Balance Control 2 / Neoverb / Audiolens)
価格(定価):699ドル
収録内容:(Neutron 4 / Symphony 3D / Stratus 3D / Brainworx bx_boom! / Brainworx bx_cleansweep Pro / Brainworx bx_delay 2500 / Brainworx bx_refinement / Brainworx bx_saturator V2 / Brainworx bx_subsynth / Ozone 10 Advanced / RX 10 Standard / Nectar 3 Plus (w/ Melodyne Essential) / Neoverb / Vocal Synth 2 / Insight 2 / Tonal Balance Control 2 / Audiolens / Guitar Rig 6 Pro)
価格(定価):999ドル


特にAI機能搭載トラックメイクをアシスタントするNeutron 4やAI機能搭載ボーカル用エフェクトNectar 3を持っていない方は一緒に手に入れるべきでしょう。
これら二つを組み合わせクロスグレード+パッケージで買うのが一番お得になります。
Neutron 4やNectar 3、MIx & Master Bundle Advancedに関する記事はこちらをご覧ください。



▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Splice Plugins(月額払い) ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
iZotope Mix & Master Bundle 一覧 ▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
iZotope Music Production Suite 5.2 一覧 ▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
iZotope Everything Bundle 一覧 ▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
7. Ozone 10の最新セール情報
iZotope製品はブラックフライデーのみならず頻繁にセールをおこないます。
およそ50%OFF〜ものによっては90%OFFをこえるものもあります。
特に時期によって限定で販売されるパッケージ品
- Black Friday Bundle
- Music Maker’s Bundle
- Holiday Bundle
- 初めてのiZotopeセット
などは割引率が高いの場合が多いです。
※これらのパッケージはセール期間が終わると販売しません。
また、Elementsの場合は無料配布される場合があり、Ozone 8、9ともにElementsは期間限定で無料配布されています。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。



8. 口コミ・評判を紹介!
Ozone 10に関する口コミ・評判をまとめてみました。
今までのバージョンアップの中でもかなり評価が高いです。
今回はガチでOzone 9→10にした価値あり過ぎる
Ozone10キタ。(現在デモ中)
オートで既存曲を検証中。
メイン画面のジャンル選び直すだけで各パラメーターの提案が変わる…
しゅごい。
Ozone10すごい、マスタリングの世界では「Ozone10とそれ以外」のレベルに達してる。間違いなく人間の聴力ではとても到達できないところまで処理できる。マスタリングエンジニアはみんな失業覚悟しろ
GainMatchの挙動の変化と、新しいモジュールがiZotope社の今後のビジョンを明確に表してるとおもう
引用:Twitter
Ozone10まとめ
Ozoneシリーズは初心者からプロまで利用するマスタリングツールです。
DTMerなら間違いなく持っていた方が良いですが、購入する場合はAdvanced一択です。ただし、スタンドアローンができない点だけご注意ください。
また、クロスグレード+パッケージで購入する方法が一番お得になります。
この記事が参考になれば幸いです。
▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Splice Plugins(月額払い) ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
iZotope Mix & Master Bundle 一覧 ▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
iZotope Music Production Suite 5.2 一覧 ▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
iZotope Everything Bundle 一覧 ▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
<購入後はこちら>iZotope製品のインストール・アクティベーション方法
iZotope製品のインストール・オーソライズ方法はこちらの記事を参考にしてください。

<Ozone10マニュアル>各エフェクト紹介と使い方を解説!
ここからは、Ozone10の各エフェクトを簡単に紹介、使い方も解説していきます。
公式のマニュアルは、Ozoneを起動して右上?マークから確認できます。
別々のエフェクトではないエフェクトチェーンの場合は、左から右にエフェクトがかかり以下の設定ができます。
- +:新しいエフェクトを追加
- 電源マーク:それぞれのエフェクトをオンオフ
- Sマーク:ソロ
- リストマーク:プリセット読み込み
- バツマーク:削除
それぞれのエフェクトモジュールは、ドラッグ&ドロップで順番を変えることが可能です。
・Master Assistant
<エフェクト一覧>
- Equalizer(イコライザー)
- Match EQ(マッチイコライザー)
- Vintage EQ(ビンテージイコライザー)
- Dynamic EQ(ダイナミックイコライザー)
- Dynamics(ダイナミクス)
- Vintage Comp(ビンテージコンプレッサー)
- Vintage Limiter(ビンテージリミッター)
- Maximizer(マキシマイザー)
- Exciter(エキサイター)
- Vintage Tape(ビンテージテープ)
- Imager(イメージャー)
- Spectral Shaper(スペクトラルシェイパー)
- Low End Focus(ローエンドフォーカス)
- Master Rebalance(マスターリバランス)
- 新機能Stabilizer(スタビライザー)
- 新機能Impact(インパクト)
Master Assistant
1. 上部の虹色まるマークを選択
上部の虹色まるマークを選択します。
2. オーディオを読み込む
最低でも8秒間ほどオーディオを再生して読み込みます。最良の結果を得るために、なるべくボリュームの大きい部分を再生しましょう。
マスターアシスタントは、基本的に以下のようなエフェクトチェーンで構成されています。
Equalizer→Stabilizer→Impact→Imager→Dynamic EQ→Maximizer
※Advancedの場合
Ozone 10 Standard以下の場合、StabilizerモジュールやImpactモジュールによるエフェクトが利用できません。これらのエフェクトは、Advancedのみに搭載されています。
3. マスターアシスタントビューで調整する
読み込みが完了するとアシスタントビューが表示されます。上部ヘッダーから以下の設定ができます。
タブマーク:マスターアシスタントで適用された各種エフェクトのチェーンを表示して細かく調整できます。
2つのメーターマーク:Bypassのとなりにあるこのマークは、ゲインマッチです。Ozoneの入力と出力レベルを一致させることができます。
Bypass:処理の無効にします。
Relearn:オーディオを読み込むフェーズに戻ります。
ターゲットライブラリ
左側のターゲットライブラリからは、さまざまなターゲット曲線を利用して調整できます。ターゲットを選択すると、自動で処理が調整されます。
Targets:デフォルトでは最新のトップチャートから派生した10ジャンルのターゲットを選択できます。
+ボタン:プラスボタンから自分のファイルをターゲットライブラリに追加できます。
ゴミ箱ボタン:選択したターゲット曲線を削除します。
新しいターゲットを追加することもできますが、デフォルトの10ジャンルターゲットがかなり優秀だと感じました。まさに最新のトップチャートサウンドに近づけることができます。
Audiolens
新しくAudiolensというアプリがリリースされ、Ozone 10 Advancedに同梱されています。Audiolensは、音源ファイルのダウンロードやDAWの設定に時間を費やすことなく、ストリーミングプラットフォームから直接楽曲の特性を収集し、Ozone 10やNeutron 4とシームレスに繋げて収集した特性に合わせたミックスやマスタリングが可能となります。これを使ってターゲットライブラリを拡張することが可能です。

Tone Match
ターゲット曲線が表示されているTone Match画面上部からは2つのエフェクトの適用量などを調整できます。
EQ:EQのゲインを0%〜100%まで調整、電源ボタンでオンオフできます。これはエフェクトチェーンのEqualizerモジュールと連動しています。
Stabilizer:周波数補正を適用してトーンバランスを調整するアダプティブマスタリングイコライザーの適用量を調整、電源ボタンでオンオフできます。これはエフェクトチェーンのStabilizerモジュールと連動しています。Stabilizerモジュールは、選択したターゲット曲線とも連動しています。
Width Match
マスターアシスタントは、4つのバンドでMid/Sideのバランスを分析します。Width Matchは、Imagerモジュールと連動しており、電源ボタンでオンオフ、適用量はImagerモジュール右上Amountと連動しています。
Dynamics Match
マスターアシスタントは、4つのバンドでダイナミクスを分析し、ImpactモジュールやMaximizerモジュールを使って調整します。
Impact:信号のマイクロダイナミクスを制御する全体の適用量を調整できます。Impactモジュールと連動しており、電源ボタンでオンオフ、適用量はImpactモジュール右上Amountと連動しています。
Maximizer:Maximizerモジュールと連動して、Threshold(しきい値)を+ / -4dBで調整できます。電源ボタンでオンオフも可能です。
マスターアシスタントでは、2つのラウドネスと出力レベルの最適化設定があります。
Streaming:ほとんどのストリーミングサービスの典型的な設定です。MaximizerモジュールのTrue Peakが有効で、出力レベルは-1dBに設定されています。デフォルトであるジャンルターゲットの場合は、マキシマイザースライダーの中央を-10LUFSに設定し、自分で読み込んだファイルがターゲットの場合は、そのファイルの最も大きな8秒間を統合したラウドネスになります。
DJ Player:クラブやフェスティバルなどでのDJ演奏の典型的な設定です。MaximizerモジュールのTrue Peakが無効で、出力レベルは-0.1dBに設定されています。ストリーミング設定より、Thresholdがさらに2dB押し込まれています。
Equalizer
イコライザーは左上からスペクトラム画面(初期画面)と全バンド画面(球体マーク)の表示が切りかえれます。
その隣からは、EQの仕様を2つのタイプから選択できます。
- Analog:ミニマムフェイズ IIR(infinite impulse response)フィルター
- Digital:元信号の位相を保持するデジタルリニアフェイズフィルター
上部真ん中からチャンネル処理モードをStereo、Mid/Side別、Left/Right別も変更可能です。右上の更新マークからは設定をリセットできます。
Amount:右上のAmountスライダーから全てのバンドのゲインをスケーリングすることができます。Mid/SideやLeft/Right別の場合も両方に適用されます。マスターアシスタントでは0〜100%まで連動して調整されますが、200%まで(0〜2倍まで)調整可能です。
EQのライン上にカーソルをおくと「+」になりクリックしてバンドを足します。通常のイコライザー同様に、上下でゲイン左右で周波数を調整します。
スペクトラム画面の場合、それぞれのバンド番号をクリックすることでバンドの詳細があらわれます。詳細の数値を上下することでも調整でき、Sマークからソロ、バツマークからバンドを削除できます。
バンド両端の「◯」を左右にドラッグすることでQを調整でき、帯域幅や傾斜を調整できます。
DigitalとAnalogで選べるフィルター形状が変わります。
Digital
Bell:Proportional Q、Bell、Band Shelf、Surgical
Low Shelf:Analog、BAxandall、Vintage、Resonant、Surgical
High Shelf:Analog、BAxandall、Vintage、Resonant、Surgical
Lowpass:Flat、Resonant、Brickwall、Surgical
Highpass:Flat、Resonant、Brickwall、Surgical
Analog
Bell:Proportional Q、Bell、Band Shelf
Low Shelf:Analog、BAxandall、Vintage、Resonant
High Shelf:Analog、BAxandall、Vintage、Resonant
Lowpass:Flat、Resonant、Brickwall
Highpass:Flat、Resonant、Brickwall
Digitalの場合のみSurgical(極端に整った形状)が選択可能です。
また、Digitalはバンドを選択し「▶︎」からPhase(位相)を調整できます。
通常は0%で位相ずれなしですが、プリリンギング(アタックが不鮮明になる)が発生するので調整が可能です。
※プリリンギングとは?
位相ずれをなくしたリニアフェイズEQなどで、発生する副作用。アタックが不鮮明になります。
右上設定マーク→Equalizerから以下の設定も可能です。
Show Extra Curves:Phase Delay(msで表される位相遅延)、Phase Response(度数で表される位相応答)、Group Delay(msで表されるアンプエンベロープの遅延)を表示できます。
Alto-Solo Filter Q:Altキー(Optionキー)を押しながらスペクトラムをクリックすることでEQに影響なく指定の帯域を確認することが可能です。
Soft Saturation:軽い歪みを加えます。
Match EQ
Match EQは、正確なマッチングのために8000以上のバンドを使用する機能を備えたデジタルリニアフェイズイコライザーです。
参考とする音源等を再生し、左側のCaptureを押しStopでキャプチャー終了します。次に変化させたい音源を再生し、右側のCaptureを押しStopでキャプチャー終了します。あとはFINE TUNEからマッチングの調整を行います。
Smoothing:EQの凸凹具合を調整できます。適用する曲線の精度をコントロールできます。
Amount:一致させる強度を調整できます。
両端の縦線をドラッグして適応させる帯域をキャプチャー後も調整できます。
(補足)Match EQを利用する上での注意!
Smoothingを0にする設定は一見複雑で細かなEQがかかっているように見えますが良い設定ではありません。異なる凹凸の曲を無理やり模していることになります。Smoothingは大きく設定して程良い凹凸にし、自分で修正しましょう。
Vintage EQ
前回バージョン同様ビンテージEQを代表するPultec EQP-1AとMEQ-5を基に設計されています。上の段がEQP-1A、下の段がMEQ-5のモデルです。
丸くなっている部分や扇状の部分は周波数を表し、その周波数を中心にブースト、カットすることが可能です。バンドは全部で6つあります。
Dynamic EQ
Equalizerモジュール同様に、左上からDigitalとAnalogを選択できます。各バンドもEqualizer同様に調整できますが、EQとコンプレッサーを足したような仕様でただブーストやカットをするだけではなくThreshouldで一定以上オーバーした瞬間のみ抑えることができます。過度に突出するところをおさえる時に特に有効なエフェクトです。
バンドを選択し、「▶︎」を押すことでAttack、Release、Offset(元となるGain)が調整できます。
Auto Scaleはバンドの周波数に応じて自動でAttack、Releaseを決めます。
それぞれのバンド番号上下にある矢印から「▲(Up)」「▼(Down)」2種類が選択できます。
- EQをブーストした場合
Down:ブーストしたdBをデフォルトとし、突出した場合下に抑えられる。
Up:0dB(Offset)をデフォルトとし、最大で上のブーストしたdBまで持ち上げられる。
- EQをカットした場合
Down:0dB(Offset)をデフォルトとし、最大で下にカットしたdBまで下げられる。
Up:カットしたdBをデフォルトとし、突出した場合は上に持ち上げられる。
フィルター形状は以下5種類があります。
- Proportional Q
- Bell
- Band Shelf
- Baxandall Bass
- Baxandall Treble
Dynamics
いわゆるマルチバンドコンプレッサーと言われるものです。最大4バンドに分けてコンプレッサーをかけることが可能です。
- 上段左上:クロスオーバースペクトラム、ゲインリダクショントレース、検知フィルター
- 下段右側:一つ一つのバンド(Band ◯)、全バンドの表示(All)
の表示変更ができます。検知フィルターでは、Hipass(ポイントをドラッグして調整)、Tilt(Amountで調整)のフィルター設定も可能です。
上部の点々部分にカーソルを合わせると+マークになり、クリックすることで好きな帯域で4つまでバンドを分割できます。追加したバンドは電源ボタンとソロボタン、左下に削除ボタンがあります。バンドの境目(クロスオーバーポイント)を左右にドラッグして帯域を調整できます。
上部から以下の設定も可能です。
- Link Bands:全バンドのコントロールがリンクされます。
- Aマーク:オートでゲインを調整できます。
- Adaptive Release(傾斜マーク):コンプレッサーのリリース時間を自動で調整できます。
- Learn:再生して押すことでバンドの帯域を自動で調整します。(他のマルチバンド対応エフェクトも同じ)
あとは、一般的なコンプレッサーに見られるようなパラメータになります。
Peak / Env / RMS:レベル検出モードをPeak(ピークレベル)、Env(エンベロープレベル)、RMS(平均レベル)から設定できます。
Threshold:リミッターとコンプレッサーのしきい値を調整できます。
Ratio:コンプレッションレシオ(圧縮比)です。例えば4:1の場合入力がスレッショルドから4dB超過した場合、その超過分を1dBに抑えるという仕様です。
Attack / Release:アタックは、入力信号がスレッショルドをこえたときに、どれだけ速くフルレシオの値まで引き下げるかを決定します。リリースはその逆で、信号が圧縮されていない状態に戻るまでの総時間を表します。
Knee:信号に適用されるゲインリダクションの特性を決定します。ハードニーは、コンプレッサーがスレッショルドをこえたときに急激にゲインを下げ始めますが、ソフトニーは、信号がスレッショルドに近づくにつれて緩やかにゲインを下げていきます。
Parallel:パラレルコンプレッションと呼ばれる処理された信号(Wet)と処理されてない信号(Dry)をミックスする調整ができます。
Band Gain / Grobal Gain:処理後に適用されるゲイン量を各バンド(Band ◯ Gain)、全バンド(Grobal Gain)調整できます。
Vintage Comp
フィードバックループに検出フィルターを備えたビンテージアナログコンプレッサーの最高の要素を組み合わせた仕様です。
左上からゲインリダクショントレース、検知フィルターの表示変更が可能です。検知フィルターは3つのフィルター操作点があり、ソロボタンから検出回路にフィルタリングされた入力を聴くことができます。
モードは
- Sharp:信号本体を維持しながら、鮮明なダイナミクスとトランジェントに重点を置いたモードです。
- Balanced:ダイナミクス維持と信号全体の強化の間でバランスがとれたモードです。
- Smooth:トランジェントを滑らかにし、残りの信号を強化するより厚いサウンドのモードです。
の3種類から選ぶことができます。
あとは、一般的なコンプレッサーのパラメータと、Aマークは未処理のオーディオと同等レベルに処理するメイクアップゲインとして機能するオートゲインです。
Vintage Limiter
Fairchild 670をモデルとしたビンテージリミッターです。左上からスペクトラムアナライザー、ゲインリダクショントレース表示が可能です。
モードは
- Analog:アナログ回路の特徴である滑らかさ、厚さを提供しながら、ローエンドのトランジェントを引き出します。
- Tube:よりバランスの取れたリミッターで、受信信号に応じて異なる音響特性を備えたスムーズなフィードバックリミッティングです。
- Modern:より厚いビンテージと幅広いノンリニアを、現代のIRCリミッティングなどとともにブレンドしています。
の3種類から選択できます。
Threshold:リミッターのしきい値を調整できます。
Ceiling:ビンテージリミッターの最大出力レベルを調整できます。
リンクマーク:ThresholdとCeilingをリンクして調整できます。
True Peak:デジタルサンプルのレベルだけでなく、最終的に生成される信号のレベルも考慮に入れることができます。
Character:ビンテージリミッターのアタックとリリースを調整できます。選択したモードによって異なりますが、速い(0.0)〜遅い(10.0)まで調整できます。
Maximizer
全部で5つのIRC(インテリジェント・リリース・コントロール)で違和感なくラウドネスを得ることが可能です。左上からスペクトラムアナライザー、ゲインリダクショントレース表示が可能です。
IRCLL
IRC Iの低レーテンシー版
IRC I
インテリジェントなデジタルラウドネスを提供します。素材を分析し、トランジェントは迅速に反応、安定した低音はよりゆっくり反応します。
IRC II
IRC Iと似ていますが、さらにトランジェントを最適化されているため、強めにかけてもシャープでクリアな音像です。
IRC Ⅲ
最も積極的なリミッターにも対応可能なバージョンです。しかし、CPU負荷は高く、重いです。4種類あり、Clippingが最も強いリミッターに対応したモードです。Pumping<Balanced<Crisp<Clipping
IRC Ⅳ
重なった楽器の音などスペクトルを分析して最適なリミッターをかけます。
Classic:旧Ozoneからあるクラシックバージョンです。
Modern:現代っぽくディテールと清澄性に長けたバージョンです。
Transient:トランジェントをできる限り保持するバージョンです。
新機能Soft Clip
IRCマキシマイザーの前にソフトクリップ処理を設定できるようになりました。電源ボタンでオンオフでき、上下にドラッグしてDry/Wet量を調整することでよりラウンドネスブーストを得ることができます。ソフトクリッパーのスレッショルドはマキシマイザーとリンクしています。様々な方法でラウドネスブーストを得られ、3つの異なる方法でサチュレーションさせます。
- Light:スレッショルド3dB下でサチュレーションし始めます。
- Moderate:スレッショルド9dB下でサチュレーションし始めます。
- Heavy:スレッショルド30dB下でサチュレーションし始めます。
Transient Emphasis:電源ボタンでオンオフでき、量を調整してトランジェントを強調したい場合に利用できます。ドラムなどシャープなサウンドを維持したい場合に役立ちます。
Stereo Independence:チャンネル間のTransient、Sustainにリミッターがどのように反応するか調整できます。リンクボタンから2つをリンクさせることができます。
Learn Threshold:隣の値を設定してから、Learn Thresholdの文字をクリックして再生すると設定したLUFSの値に合うように変化します。5秒間ほど入力を読み込んで自動でオフになります。
Exciter
最大4バンドでサチュレーションやカラーを付けることができるエフェクトです。バンドの設定方法は他のマルチバンドエフェクト同様で、左上からクロスオーバースペクトラム、ゲインリダクショントレース、ポストフィルターが選択できます。ポストフィルターでは、ハイシェルフフィルターで影響を受ける帯域を調整できます。
- Analog:トランジスタタイプの奇数倍音をエミュレートし、ドライブの効いたグリッド感を与えます。
- Retro:トランジスタの特性に基づいたゆっくりと減衰する奇数倍音を持ちます。
- Tape:アナログテープのサチュレーションに含まれる奇数倍音により明るいサチュレーションを加えます。
- Tube:ダイナミックでトランジェントなアタックに重点を置いたクリアな音が特徴です。
- Warm:偶数倍音のみを発生させ、素早く減衰します。
- Triode:真空管回路をモデル化し、リアルなアナログの暖かさを実現します。Dual Triodeより繊細なオーバードライブです。
- Dual Triode:真空管回路をフルに活用し、よりウォームなトーンでオーバードライブが得られます。
の7つのモードがあり、Amountでハーモニクス適用量を調整、MixでDry/Wet量を調整できます。
Oversampling:設定のサンプリングレートより高い処理能力を利用することで質を向上させる機能です。この機能は全てのバンドに適用されます。
Bands(リンクマーク):全てのバンドを一緒に調整できます。
Vintage Tape
OSTUDER A810 2トラックテープデッキにインスパイアされ設計されたビンテージテープエフェクトです。表示は、スペクトラムアナライザーのみになります。
Speed:テープ速度を7.5、15、30ips(インチ/秒)の3つのスピードから設定できます。このスピードは磁気テープがテープヘッドを通過する速度を決定し、より速い速度で高周波数レスポンスや全体的な品質を向上できます。遅くなると、周波数レスポンスが均一に低下し、バッググラウンドノイズが低周波数にシフトし、増加する可能性があります。
Input Drive:テープエミュレーションの入力信号のゲインを調整できます。サチュレーション度合いが調整できます。
Bias:ディストーション曲線の形状が変化します。マイナスで高音域がブーストし、プラスでダイナミックレンジを制限し始め、異なるタイプのサチュレーションを加えます。
Harmonics:出力信号に追加された偶数次倍音の歪み量を調整できます。
Low Emphasis:ローエンドのレゾナントピークのゲインと形状を調整できます。
High Emphasis:高周波の損失を補填してオーディオにエネルギーを与えます。
Imager
ミックスのステレオ幅を調整できるエフェクトです。DynamicsやExciter同様の設定で最大4バンドで調整可能です。
左上からクロスオーバー、ステレオ幅スペクトラム、相関トレース表示の3種類の他に、右側にあるベクトルスコープでステレオ感を判断することが可能です。ベクトルスコープも両極サンプル、両極レベル、リサージュの3種類があります。
Stereo Width:Sideチャンネルに適用するゲイン量を調整できます。
リンクマーク:全ての帯域のStereo Widthの調整をリンクさせます。
Stereoize:自然なサウンドでステレオ幅を追加することができます。電源ボタンでオンオフでき、全てのバンドに適用され、Stereo Widthを利用している時に効果を発揮します。ModeⅠは、Midチャンネルの遅延コピーを作成しサイドに付加します。ModeⅡは、オリジナルと少し異なる音質でトランジェントを維持することができます。
新機能Recover Sides:電源ボタンでオンオフ、Sマークでソロモードができ、全てのバンドに適用され、Stereo Widthをマイナス方向に利用している時に効果を発揮します。Sideチャンネルのゲインオフセット量を調整でき、その名のとおりリカバーできます。
Imagerは無料で手に入れることも可能です。
Spectral Shaper
ボーカルなどの耳につく音など問題のある周波数に高解像度の減衰を加えて削減することができるエフェクトです。
左上からアクションリージョンスペクトラム、ゲインリダクショントレース表示が可能です。アクションリージョンでは、縦線に左右にドラッグして適用する帯域を調整できます。青い部分がエフェクトが反映される帯域です。Sマークからソロモードにして範囲内を確認することができます。
Low<Medium<Highと強度が選べます。
Threshold:適用されるレベルを設定できます。
Delta:アウトプット(処理の結果)とインプットの差を確認することができます。
Tone:スペクトルの傾き(Tilt)を調整できます。プラスで全体的に明るく、マイナスで全体的に暗くなります。
Attack:Thresholdを超える信号に対してゲインリダクションが適用するまでの時間を調整できます。
Release:Thresholdを下回る信号に対してゲインリダクションを適用しなくなるまでの時間を調整できます。
ここからはOzone 9から新登場したエフェクトです。
Low End Focus
EQやDynamicsなど従来のツールでは簡単に改善できない場合に利用できるローエンドを調整するエフェクトです。最近の音楽はサブベースなどが流行っていることもあり低音の処理は重要ですので利用できます。
Spectral Shaper同様にアクションリージョンスペクトラム表示で、最大で20Hz〜300Hzまで帯域を縦線をドラッグして調整できます。Sマークからソロモードにして範囲内を確認することができます。
処理のタイプは、2種類から選択できます。
Punchy:より速いレスポンスで一時的なコンテンツを強調します。
Smooth:持続的なコンテンツを強化するために遅いレスポンスになっています。
Contrast:低レベルと高レベルのコンテンツの違い、コントラストを調整できます。上げるほどパンチの効いたサウンドになります。
Gain:適用する帯域のメイクアップゲイン量を調整できます。
Delta:アウトプット(処理の結果)とインプットの差を確認することができます。
Master Rebalance
トレーニングされた機械学習アルゴリズムを活用してマスターからボーカル、ベース、ドラムを特定し、ゲインを上げることができるエフェクトです。
同社のRXでできる音源からボーカルやドラムを抜き出す技術が生かされているなと感じます。
使い方は非常に簡単でVocals、Bass、Drumsを選択してGainを上げるだけのシンプルなエフェクトです。
ここからはOzone 10から新登場したエフェクトです。
Stabilizer
周波数補正を適用してトーンバランスを調整するアダプティブマスタリングイコライザーです。
Delta:アウトプット(処理の結果)とインプットの差を確認することができます。
ターゲット:Stabilizerはマスターアシスタントと連動しており、ターゲットはマスターアシスタントのものと同じになります。
ターゲットに合わせて行うEQ調整は2つのタイプから選択できます。
Shape:ターゲットのトーンバランスにシェイプし、EQブーストとカットを適用します。
Cut:ターゲットのトーンバランスにシェイプするよう、EQカットのみを適用します。
Amount:適用するゲイン量を調整できます。ブーストできる最大ゲインは9dBになっています。
Speed:Stabilizerの補正がオーディオにどれだけ速く反応するかを制御できます。
Smoothing:トーンバランスの輪郭(EQの細かさ)を制御できます。
Sensitivity:レゾナンスを検出する感度を制御できます。
Tame Transients:瞬時に反応し、あらゆるトランジェント素材のトーンを補正します。
Low / Mid / High:3つの帯域で補正の量を調整できます。
Impact
信号のマイクロダイナミクスを直接制御し、ダイナミックレンジの拡張と圧縮を可能にする簡単エフェクトです。他のマルチバンドエフェクト同様に4つのバンドで調整できます。キックなど打楽器単体トラックに使用する用途も考えられます。
Stereo Link:左右チャンネルに同じ調整を適用します。
Amount:全てのバンドの適用量を調整できます。
Impact:各バンドでマイクロダイナミクスの拡張、圧縮を調整できます。
Envelope:拡張、圧縮から戻る時間を調整できます。msもしくはSyncボタンが有効な場合は同期されたテンポで調整できます。
Auto:インパクト処理によって生まれたレベル差を補正するオートゲインです。
Bands:全てのバンドのImpactの量調整をリンクできます。
Delta:アウトプット(処理の結果)とインプットの差を確認することができます。