- Ozone 8って正直使えるの?
- AI機能が搭載ってどういうこと?
- どんなエフェクトがあるのか知りたい!
このように思ってこの記事を見ていますね?
iZotopeのOzone(オゾン)8はマスター用のプラグインエフェクトです。
私も実際にOzone 8を利用していますが、とてもオススメのプラグインです。DTMerはこのソフトを買わない手はないと思います。初心者からプロまで使う最強のプラグインです。
この記事では、Ozone 8のメリットやデメリットを解説。加えて、エフェクトのレビューや使い方にも触れます。
ぜひ、参考にしてくださいね。
Ozone 9が発売しました。Ozone 9に関する記事はこちらをご覧ください。

目次
1. AI機能搭載!iZotope「Ozone 8」とは?
Ozone 8は、マスター用のプラグインエフェクトです。
DAWのマスターにさして2Mixの音圧等を調整します。
スタンドアローン(DAWなしでアプリとして立ち上がること)も可能でその場合はファイルを読み込み処理します。
Ozone 8からAI機能が搭載されて、より広いニーズに対応できるようになりました。
AI機能搭載で初心者の味方でありつつ、数多くのプロも利用するエフェクトです。
最近では星野源さんの「Pop Virus」でエンジニアさんが利用している記事が雑誌に上がっていました。
マスター用とされますが、Advancedバージョンでは、別々のエフェクトとして利用できるので、トラックにも十分使えます。
<Ozone 8の概要>
開発会社 | iZotope,inc. |
価格(定価) | Ozone Elements 129USD
Ozone 8 Standard 249USD Ozone 8 Advanced 499USD Music Production Suite 2 999USD (Ozone 8 Advanced、Neutron 2 Advanced、RX7 Standard、Nectar 3、Vocal Synth 2、Insight 2) O8N2 Bundle 699USD (Ozone 8 Advanced、Neutron 2 Advanced) |
主なエフェクト数 | 11種類 |
AI機能 | あり |
発売日 | 2017年10月5日 |
- DTM初心者(初心者でなくてもマストバイ!)
- 時短したい
- 音圧が出せない
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※価格について
もしあなたがiZotopeのプラグインをお持ちであればOzone 8を安く手に入れることが可能かもしれません。必ず確認しましょう
(補足) Ozone 8スタンドアローン版について
すでに書き出しているファイルを読み込むことになります。対応しているファイルは以下です。
・ファイル形式
wav、aiff、mp3、aac
・ビットデプス
16bit、20bit、24bit
・サンプルレート
11.25kHz、22.05、44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz

2. AI機能ってどういうこと?利用するメリットと注意点!
Ozone 8からAI(人工知能)機能「Master Assistant (マスターアシスタント)」が搭載されました。
この機能により初心者でも簡単に2Mixの音圧等を調整でき、大幅な時短にもなります。
※AI機能はあくまで「アシスタント」とされています。時短してパパッと聞かせる音源には便利ですが、iZotope公式では基本的にアシストしてもらう使い方が推奨されています。
AI(人工知能)機能「Master Assistant (マスターアシスタント)」を利用すれば下記のようなメリットが、
- 初心者の味方
- 2Mixのバランスが瞬時に完了するので時短になる
- 好みの楽曲と同じようなバランス、音圧にできる
基本的に2Mixの調整をすると初心者の方はプロに比べて迫力のない音になってしまうでしょう。しかし、この機能を利用すれば一瞬で音圧のある2Mixが完了するので、初心者には大変ありがたい機能となっています。
しかし、頼り過ぎてもいけません、AIによるマスタリングは決まったエフェクトしかかからないため不十分な点もあります。
「Master Assistant (マスターアシスタント)」でマスタリングを学びながら、最後は自らの手で行うことも大事です。
詳しくは以下の記事にて解説しています。

私はOzoneをAI機能が搭載されるもっと前のOzone 5から利用しています。プロがOzoneを使う主な理由はAI機能ではなく、単純に各エフェクトの性能が素晴らしいからだと思います。

3. Ozone 8の各エフェクト紹介と使い方を解説!
ここからは、各エフェクトを簡単に紹介、使い方も解説していきます。
公式マニュアルはこちらをご覧ください。
iZotope製品を使用可能(アクティベート)にする方法はこちらの記事を参考にしてください。


別々のエフェクトではない場合は左から右にエフェクトがかかり、+でエフェクトを追加、それぞれオンオフ、プリセット読み込み、ソロ、削除、ドラッグ&ドロップで順番を変えることが可能です。
<下記の順で紹介!>
- EQ (イコライザー)
- Compressor (コンプレッサー)
- Limiter (リミッター)
- Exciter (エキサイター)
- Vintage Tape (ビンテージテープ)
- Imager (イメージャー)※無料版あり
- Spectral Shaper (スペクトラル成形)
- その他
順番に見ていきましょう!
(1)EQ (イコライザー)
イコライザーは
- Equalizer (イコライザー)
- Vintage EQ (ビンテージEQ) ※Ozone 8 Advancedのみ
- Dynamic EQ (ダイナミックEQ)
の3種類があります。
Equalizer (イコライザー)
画面はスペクトラム画面、全バンド画面、詳細バンド画面、の3つあります。
8つのバンドでバンドの両端にある◯でQ(帯域幅)の広さ、右クリックでフィルター形状が設定ができます。またEqualizerにはアナログとデジタルがあり、デジタルの場合はSurgical Mode(整形モード)で音楽的ではないが整ったフィルター形状にすることも可能です。
フィルター形状一覧
Vintage EQ (ビンテージEQ) ※Ozone 8 Advancedのみ
Vintage EQはビンテージのEQを代表するPultec EQP-1AとMEQ-5を基に設計されております。上の段がEQP-1A、下の段がMEQ-5のモデルです。他のPultec EQP-1AとMEQ-5モデルに比べると視覚的にも見やすくわかりやすいので便利です。
丸くなっている部分や扇状の部分は周波数を表し、その周波数を中心にBOOST、CUTすることが可能です。バンドは全部で6つあります。
Dynamic EQ (ダイナミックEQ)
EQとコンプレッサーを足したような仕様でただブーストやカットをするだけではなくThreshouldで一定以上オーバーした瞬間のみ抑えることができます。過度に突出するところを抑える時に特に有効なエフェクトです。
フィルター形状一覧
Auto Scaleはバンドの周波数に応じて自動でAttack、Releaseを決めます。
抑え方はDownとUpがありそれぞれ以下のようにはたらきます。
EQをブーストした場合
- Down:ブーストしたdBをデフォルトとし、突出した場合下に抑えられる
- Up:0dBをデフォルトとし、最大で上のブーストしたdBまで持ち上げられる。
EQをカットした場合
- Down:0dBをデフォルトとし、最大で下にカットしたdBまで下げられる。
- Up:カットしたdBをデフォルトとし、突出下場合は上に持ち上げられる。
(2)Compressor (コンプレッサー)
コンプレッサーは
- Dynamics (ダイナミクス)
- Vintage Compressor (ビンテージコンプレッサー) ※Ozone 8 Advancedのみ
の2種類です。
Dynamics (ダイナミクス)
いわゆるマルチバンドコンプと言われるものです。最大4バンドに分けてコンプすることが可能です。
- 上段:クロスオーバー、ゲイン削減トレース表示、検知フィルター
- 下段:一つ一つのバンド、全バンドの表示
が可能です。
上段左の+、×で4つのバンドを追加、削除できます。右側のLearnは再生して押すことでバンドの帯域を自動で調整します。(Imager、Exciterも同じ)
Adaptive Releaseはリリースを自動調節、Autoはオートでゲインを調整します。
Linkは全バンドのコントロールがリンクされます。
Vintage Compressor (ビンテージコンプレッサー) ※Ozone 8 Advancedのみ
フィードバックコンプレッサー(出力のレベルを検知する)仕様です。ゲイン削減トレース表示、検知フィルターの表示が可能です。
検知フィルターは3つのフィルター操作点があります。
モードはSharp、Balanced、Smoothの3種類あります。
(3)Limiter (リミッター)
リミッターは
- Vintage Limiter (ビンテージリミッター) ※Ozone 8 Advancedのみ
- Maximizer (マキシマイザー)
の2種類です。
Vintage Limiter (ビンテージリミッター) ※Ozone 8 Advancedのみ
フィードバックベースのFairchild 670をモデルとしています。Analog、Tube、Modernの3種類から音像を選べます。
スペクトラムアナライザー、ゲイン削減トレース表示が可能です。
Characterは速0.00〜遅10.00までアタックとリリース時間を調節します。
Maximizer (マキシマイザー)
Ozone 8の売りの一つでもあるマキシマイザー。スペクトラムアナライザー、ゲイン削減トレース表示が可能です。
プロがOzone 8を利用している場面で多く見られるエフェクトです。
全部で5つのIRC(インテリジェント・リリース・コントロール)で違和感なくラウドネスを得ることが可能です。
- IRCLL:IRC Iの低レーテンシー版
- IRC I:分析し、トランジェントは速く反応、ベーストーンは緩やかに反応します。
- IRC II:IRC Iと似ていますが、さらにトランジェントを最適化されているため、強めにかけてもシャープでクリアな音像です。
- IRC Ⅲ:最も強いリミッターにも対応可能なバージョン。しかし、CPU負荷が重い。4種類あり、Clippingが最も強いリミッターに対応可能。Pumping<Balanced<Crisp<Clipping
- IRC Ⅳ:重なった楽器の音を分析して最適なリミッターをかけます。Classic:旧Ozoneからあるバージョン、Modern:現代っぽくディテールと清澄性に長けたバージョン、Transient:トランジェントをできる限り保持するバージョン
Stereo Independenceはステレオ独立機能でTransient、Sustainそれぞれ設定できます。Transient Emphasisはトランジェントを強調したい場合に利用します。
(4)Exciter (エキサイター)
最大4バンドでサチュレーションできるエフェクトです。
Analog、Warm、Retro、Tape、Tube、Triode、Dual Triodeの7つがあります。
クロスオーバー表示とポストフィルターがあります。
(5)Vintage Tape (ビンテージテープ) ※Ozone 8 Advancedのみ
STUDER A810にインスパイアされ設計されたビンテージテープ。
7.5ips、15ips、30ipsの3つのスピードが設定可能です。
(6)Imager (イメージャー)
ミックスのステレオ感を調整できるイメージャー。こちらも最大4バンドで調整可能です。
クロスオーバー、ステレオ幅スペクトラム表示、相関性トレース表示の3種類の他に
右にあるベクトロスコープでステレオ感を判断することが可能です。
ベクトロスコープも両極サンプル、両極レベル、リサージュの3種類があります。
(7)Spectral Shaper (スペクトラル成形) ※Ozone 8 Advancedのみ
Ozone 8から導入された新機能。ボーカルなどの耳につく音をリダクション(削減)するエフェクトです。アクションリージョン、ゲイン削減トレース表示が可能です。
青い部分がエフェクトが反映される帯域です。
(8)その他
AI機能のMaster Assistant (マスターアシスタント)、Dither (ディザー)、Advancedのみについている機能としてMP3やACCに変換する際にデータ損失を補正するCodec Preview (コーデックプレビュー)や楽曲のバランスを確認する時に最適な「Tonal Balance Control (トーナルバランスコントロール)」があります。
AI機能のMaster Assistant (マスターアシスタント)
AI(人工知能)が分析し自動で2Mixを調整してくれる機能です。
初心者にオススメな機能です!
時短や好みの楽曲と同じような処理にすることが可能です。
詳しくは以下の記事でも解説しています。

Dither (ディザー)
オーディオの量子化ビット数をディザリングしながら効果的に変換する機能です。
Codec Preview (コーデックプレビュー) ※Ozone 8 Advancedのみ
MP3やACCに変換する際にデータ損失を補正する機能です。
Tonal Balance Control (トーナルバランスコントロール) ※Ozone 8 Advancedのみ
最後に全体のバランスを確認するための機能です。
詳しくは以下の記事でも解説しています。また、ここで紹介したものに加え、あまり知られていないOzone 8ならではの機能をまとめた記事も参考にしてくださいね!


4. 口コミ・評判をチェック!プロの意見は?
実際に、プロの方がどのようにiZotope「Ozone 8」を評価しているのか気になりませんか?
そこで、SNSで徹底調査してみました!
- 初心者やDTMerはマスターアシスタントを絶賛。
- プロは個々のエフェクトを評価する声が多く見受けられました。
iZotope – Ozone8, Neutron2
今日一日仕事しながら使ってみた。
Ozoneは細部のブラッシュアップはされていて7からBasicは変わってないけど確かな進化は遂げている。
特にEQ部分が劇的に変化を遂げていてTargetの場所のEQに全体を近づける事が出来る pic.twitter.com/fS7hIBQhL2— Fionatich (@fionatching) October 5, 2017
もともとの素材にないものはダメだけどEQでいくらいじっても解決しない場合エキサイターって手もありますよ〜、エキサイター何?って人も昔のエキサイター知ってる人もOZONE8のエキサイターは一味も二味も違うのでLearn押してタイプ選んでアマンウトあげれば解決するんじゃないかな? pic.twitter.com/HoDxkO9clM
— 田辺恵二 (@KG_Tanabe) March 19, 2019
■ミックスのコツ。
・Neutron2を挿す。■マスタリングのコツ。
・Ozone8を挿す。— 西森夢理【超DTM速報】 (@MuriNishimori) March 21, 2019
5. Ozone 8はAdvancedにすべき?ElementsやStandardとの違いを解説!
詳しくは以下の記事でも解説していますが、基本的にはAdvancedをおすすめします。

そのため、基本的にはAdvancedをおすすめします。
ただし、Ozone 9 Advancedに他、Neutron 3やNectar 3、RX 9などがついてくる「Music Production Suite 4.1」というプラグインパックがあり、ほかのプラグインも持ってない方にはこちらがおすすめです。

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まとめ
Ozone 8は、AI機能が搭載され、初心者からプロまで利用できる最強のマスター用プラグインエフェクトになったと思います。
Ozone 8はAI機能が有名ですが、私はAI機能が搭載されるもっと前のOzone 5から利用しています。プロがOzoneを使う主な理由はAI機能ではなく、単純に各エフェクトの性能が素晴らしいからだと思います。
昔から積み上げてブラッシュアップしてきたiZotopeには脱帽です。DTMerはこのソフトを買わない手はないと思います。
はじめはAI機能に頼り、徐々に自分で修正していき、最終的には自分で全てエフェクトするようになる。Ozone 8とともに成長することが可能です。
ちなみ、バージョンはAdvancedをおすすめします。
この記事が参考になったのなら幸いです。
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