ボーカル用プラグインNectar 3には安価版の「Nectar 3 Elements(以下Nectar Elementsと表記)」があります。この記事を読まれている方は、Nectar 3 (Plus)かNectar Elementsのどちらを買おうか迷っているところですね。できるながら安く抑えたいと考えている方も多いのでは?
結論から言いますと、自分でエフェクトを設定したい方、AI処理後も細かに修正を入れたい方、アグレッシブなエフェクトも含めボーカルエフェクトを網羅したい方には、基本的にNectar 3 (Plus)をおすすめします。一方で、Nectar ElementsはAI機能を中心に試してみたい方におすすめです。
ElementsはAI機能が試せるバージョンです。普通のボーカルエフェクトのように設定できませんのでお気をつけください。


ただし、これからNectar 3 (Plus)を買おうかと思っている方には、単品で買うよりもっとおすすめの方法もあります。
この記事では、Nectar Elementsでもできることに触れながらどのような人におすすめなのかを解説。その上で、Nectar 3をよりお得に手に入れる方法も解説。
ぜひ、参考にしてください。
1. Nectar ElementsとNectar 3 (Plus)の違いについて解説!
Nectar ElementsとNectar 3 (Plus)の主な違いはこちらです。
Nectar 3 (Plus) | Nectar 3 Elements | |
Output Pan | ◯ | × |
Width | ◯ | × |
Limiter | ◯ | × |
Saturation | ◯ | × |
Gate | ◯ | × |
Harmony | ◯ | × |
Dimension | ◯ | × |
Delay | ◯ | × |
Melodyne付属 | ◯ | × |
エフェクト順変更 | ◯ | × |
EQ | ◯ | △ |
Compressor | ◯ | △ |
Pitch | ◯ | △ |
De-esser | ◯ | △ |
Reverb | ◯ | △ |
ボーカルアシスタント機能 | ◯ | △ |
詳しくはNectar 3 Features & Comparisonをご覧下さい。
この比較を元にNectar Elementsができることを解説していきます。

2. Nectar Elementsでできること
ElementsはAI機能がメインのバージョンです。AI処理後、全体を以下6つのパラメータで設定します。
- Pitch:ピッチ補正
- Clarity:清澄性
- De-ess:歯擦音除去・ディエッサー
- Dynamics:ダイナミクス・コンプレッション
- Tone:トーン
- Space:空間・リバーブ
iZotope側としてはAI機能を安価で知ってもらうという狙いがあるのかもしれませんね。
AI機能のみを安価で利用したい場合はElementsでも事足りるかもしれません。
※AI機能はあくまで「アシスタント」とされています。時短してパパッと聞かせる音源には便利ですが、iZotope公式では基本的にアシストしてもらう使い方が推奨されています。
ここからはNectar Elementsではできないことを解説します。この点が、Nectar ElementsかNectar 3 (Plus)のどちらを買うかの判断ポイントになると思います。

3. Nectar Elementsでできないこと
ElementsはAI機能が中心です。一つ一つのエフェクトを細かに設定することができません。
また、Nectar 3 (Plus)の記事でも書きましたが、Nectar 3 (Plus)はアグレッシブなエフェクトもできます。しかし、ElementsにはDelay、Demension、Harmony、Saturation、Gateなどのエフェクトはありません。
さらにNectar 3 (Plus)にはMelodyne 5 essentialが同梱されています。
Melodyneはナチュラルにボーカルのピッチ補正ができるプラグインでこちらも大変便利です。Melodyne 5 essentialを単体で買おうと思うと1万円ほどします。Nectar 3なら同梱しているのでめちゃくちゃお得です。もちろん、Elementsではこの恩恵を受けることができません。


4. Nectar 3 (Plus)とNectar Elements価格を比較!もっともお得なのは?
- Nectar Elementsは129ドル(17000円程度)
- Nectar 3 (Plus)は249ドル(32300円程度)
Elementsは安いですが、無料配布される場合もあります。

「Music Production Suite 5.2」とはiZotopeの主要プラグインを網羅したバンドルです。これ一つでミックスを完結することが可能です。Neutron 4やOzone 10、RX 10などどれも素晴らしいプラグインで、AI機能がついているものも多数あり初心者には大変ありがたいプラグインです。バージョン5.2になり、Plugin AllianceやNative Instruments製品も含まれるようになっています。
定価では999ドルですがセールだと半額近くまで落ちることがよくあるのでこまめにチェックしておきましょう。
ただし、お財布が厳しい場合はOzone 10 AdvancedとNeutron 4、Nectar 3 Plusがセットになった「Tonal Balance Bundle」もありますのでそちらもチェックしてみましょう。Tonal Balance Bundleは、新しくAI機能搭載リバーブNeoverbが追加されたMix & Master Bundle Advancedとして販売されています。


iZotope Mix & Master Bundle 一覧 ▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
iZotope Music Production Suite 5.2 一覧 ▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
まとめ
Nectar ElementsはAI機能を試してみたい場合に有効なバージョンだと思います。
ボーカルの処理を網羅したい場合や、自分で処理、修正したい場合はNectar 3 (Plus)にしましょう。
各エフェクトの処理が細かくできないだけでなくDelay、Demension、Harmony、Saturation、GateなどのエフェクトがElementsにはありません。加えて、ピッチ修正のプラグインMelodyne 5 essentialもついてきません。
なので、基本的には『Nectar 3 (Plus)』の方がおすすめです。
Music Production Suite 5.2やMix & Master Bundle Advanced、Tonal Balance Bundleをセール時に買うとNectar 3一つに対する価格はElements以下になるほどお得になります。単価でみるとElementsで安く済ませようとすると返って高くなることもあるので気をつけましょう。