Orra Audioから6つのダイナミクスエンジンを1台に統合した新世代マルチモジュール・シリアルコンプレッサー「Orra Press」がリリースされました!
この記事では、Orra Pressの最新リリース情報から、製品の概要などを解説します。
ぜひ参考にしてください。
1. Orra Press最新リリース情報
Orra Pressリリース
コンパニオンプラグインOrra Link(サイドチェーン送信用)も本体に同梱されています。
2. Orra Audio「Orra Press」とは?
Orra Pressは、6種類のダイナミクスエンジンを6つの並べ替え可能なスロットに自由に配置できる、まったく新しい発想のマルチモジュール・シリアルコンプレッサーです。
従来のコンプレッサーは「1つのエンジン・1つのワークフロー」が基本でした。トーンを整えるためにあるコンプを開き、コントロールのために別のコンプを開き、リミッティングのためにさらに別のプラグインを開く——複数のプラグインウィンドウを行き来し、どのノブをなぜ動かしたか分からなくなる、というのがミックスエンジニアの日常です。
Orra Pressはこの発想を根本から見直し、VCA・Optical・FET・Multiband・Spectral・Limiterという6つの異なるダイナミクスエンジンを1つのウィンドウ内で直列に積み上げられる設計を採用。スロットの順番は矢印ボタンで瞬時に並べ替え可能で、しかも同じエンジンを複数スロットにロードすることも可能(例:3段の浅いClassic、各2dBずつのゲインリダクション)。1プラグインで「曲に合わせたチェーン」を組み立てられます。
▶︎ Orra Pressのコアコンセプト 7項目
| 6つのエンジン | Classic VCA / Optical / FET / Multiband / Spectral / Limiter |
| 6つの並べ替え可能スロット | 任意のエンジンをロード、矢印ボタンで順序変更 |
| 独立サイドチェイン | スロットごとに異なるソースを設定可能 |
| Orra Link 同梱 | DAW内の任意トラックを36chでサイドチェーン化 |
| A / B / C / D スナップショット | プラグイン全体の状態を4つ瞬時に比較 |
| 16ファクトリープリセット | ボーカル・ドラム・ベース・マスター・パラレル網羅 |
| スロット別オーバーサンプリング | Off / 2× / 4× / 8×(Limiterは4× / 8× / 16×) |
6つのダイナミクスエンジン
各スロットには6つのエンジンから自由に選択可能で、重複ロードもOK。スロット上でエンジンを切り替えてもダイヤルした設定は失われないため、自由にオーディションできます。
ワークホース型のVCAコンプ。ステレオリンク・ピークディテクション、ソフトニーのスタティックカーブ、標準的なアタック / リリースを備えたフィードフォワード型VCA。予測可能でトランスペアレント、バス・ボーカル・チェーンの2段目に頼れる存在です。
USE IT FOR(用途例)
- ドラムバスのグルー
- ボーカルのスムージング
- チェーンの2段目
精度よりフィールを優先したオプト・エミュレーション。デュアルステージリリース(孤立したピークには速く、持続するアクティビティには遅く)、押し込むほどレシオが上がるソフトな初期レシオを搭載。CompressモードとLimitモードを切り替え可能。
USE IT FOR(用途例)
- ボーカルのレベリング
- ベースギター
- Limitモードでの2バスグルー
ファストアタックのFETスタイル、インプット駆動エンゲージメント。INPUTノブを押し込むほど強く駆動し、tanhサチュレーションステージがゲインリダクションに連動してスケール。ALLモード(全ボタン押し込み)では20:1超のレシオでBritishモードのカオスを再現します。
USE IT FOR(用途例)
- パラレルのドラムルーム
- ボーカルのピークコントロール
- スネアトップのトランジェントグラブ
リニアフェイズFIRクロスオーバーネットワーク採用の4バンドコンプ。全バンドが同じグループディレイを共有するためバンド間の漏れがなく、クロスオーバーハンドルはドラッグで自由に動かせます。スペクトラム上に各バンドのスレッショルドラインを視覚表示。
USE IT FOR(用途例)
- ディエッシング
- フルミックスのマスタリンググルー
- キック / ベースの分離
約1000本の独立したFFTビン上で動作する周波数領域コンプ。Resonanceコントロールは狭帯域のリンギングピークだけをターゲットにし、ブロードバンドのコンテンツはそのまま通します。Focusハンドルで圧縮する周波数レンジを限定可能。
USE IT FOR(用途例)
- スネアのリング抑制
- ボーカルのデハーシング
- ルームモードのダイナミックなキル
マスタリンググレードのブリックウォールリミッター。ソフトクリップ・プリステージ、ルックアヘッド、パラレル fast/slow リリース、ISP(インターサンプルピーク)予測、ITU-R BS.1770準拠のトゥルーピーク検出を搭載。Clean / Warm / Smashの3スタイル、4× / 8× / 16×の3クオリティティアを切り替え可能。
USE IT FOR(用途例)
- マスタリングの最終ブリックウォール
- ステムのラウドネスブースト
- トランスペアレントなピークコントロール
3ステップのワークフロー:Load → Reorder → Compare
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01
Load(ロード)
6つのスロットのドロップダウンから、Empty / Classic / Optical / FET / Multiband / Spectral / Limiterを選択。スロット上でエンジンを切り替えても設定は上書きされず、ClassicからFETに変えて戻せばダイヤルはそのまま残ります。 |
02
Reorder(並べ替え)
各スロットカードの < > ボタンでチェーン内の前後を瞬時に変更。パラメータはスロットと一緒に移動するため設定が失われません。速くアグレッシブなものを先に、最後にLimiterで仕上げる構成が直感的に組めます。 |
03
Compare(比較)
ヘッダーのA / B / C / Dスナップショットは全スロットのエンジン・パラメータ・チェーン順・SCルーティングを丸ごと記録。瞬時に切り替えてA/B比較ができ、プロジェクトとプリセットに保存されます。 |
サイドチェーンシステム:Orra Link同梱
Orra Pressの最大の特徴の一つが、スロットごとに完全独立したサイドチェーンソースを持つ点です。各スロットのノブエリア直上にSIDECHAINソースのドロップダウンがあり、ここから3カテゴリのソースを選択できます。同梱のコンパニオンプラグインOrra Linkを使えば、ホストのルーティングを完全にバイパスして、セッション内のあらゆるトラックをサイドチェーンソースとして利用できます。
スロットごとに3つのサイドチェインモード
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Off
デフォルト。自身の入力をキーとした通常のコンプレッション動作。 |
External
ホストの専用ステレオSidechainバス。DAWでプラグインのSC入力に流したソースがディテクションを駆動(例:キック→ベースのダッキング)。 |
Link 1 〜 36
Orra Linkが供給する36chのサイドチェーン。Linkを任意トラックに挿してチャンネル選択→任意のPressカードから参照可能。 |
5種のコンプエンジン(Classic / Optical / FET / Multiband / Spectral)すべてがサイドチェーンに対応。Limiterスロットでは設計上サイドチェーンを使わないため、SIDECHAINドロップダウン自体が非表示になります。
Orra Link本体の操作
Orra Linkは送信専用(sender-only)の小さなプラグインで、挿したトラックのオーディオを番号付きLinkチャンネルへ放送し、プロジェクト内の全Orra Pressインスタンスから読み取れる共有バスに乗せる役割を持ちます。UIは3つのコントロールのみ:
| CHANNEL | Unassigned、またはLink 1〜Link 36のいずれかを選択するドロップダウン |
| SEND | チャンネル割り当てを保ったまま、放送だけをソース側でミュートできるトグル |
| OUTPUT | ソーストラックのフェーダーを動かさずに、サイドチェーン送出のゲインステージだけを調整するゲインノブ |
ヘッダーのステータスピップには、現在チャンネルが放送中かどうかが Live(放送中)または Bus unavailable(バス利用不可、後述)として表示されます。
基本の運用フロー
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STEP 1
送信元にLinkを挿す
送信元トラックにOrra Linkを挿し、CHANNELドロップダウンで任意のチャンネル番号(例:Link 1)を選択。ステータスが「Live」になっていれば放送中です。 |
STEP 2
Pressのスロットを開く
サイドチェーンさせたいトラックにOrra Pressを挿し、対象スロット上部のSIDECHAINドロップダウンを開く。 |
STEP 3
同じチャンネルを選択
①と同じチャンネル番号(Link 1)を選択 → 送信元の信号がそのスロットのディテクターを駆動します。 |
アナライザー上でのビジュアル化
サイドチェインがアクティブな時、ScopeにはGRストリップの上に赤いSCストリップが追加表示されます(上から塗りつぶされ、背が高いほどSCが大きい)。Spectralビューではper-binのGR表示がサイドチェーンのFFT表示に置き換わり、サイドチェーンのどの周波数成分がメイン信号を削っているかが一目で分かります。Multibandスペクトラムは各バンドを現在のバンド別SCドライブ量で色付け表示。
MultibandとSpectralもサイドチェーン対応
Multibandはサイドチェーンを自身のFIRクロスオーバーバンクで分割し、各バンドのディテクターが対応するSCバンドをキーにします。Spectralはサイドチェーンに対して並列のFFTを実行し、サイドチェーンがエネルギーを持つ周波数空間で主信号を削ることが可能。
使用上の注意
Orra Linkは送信側と受信側の間にオーディオ1ブロック分のレイテンシーが発生します。DAWはこのクロストラック依存関係を把握できないためブロック順序は未定義で、最悪のケースで1ブロック前の音声が使われます(クロストラック・サイドチェイン系プラグイン共通のトレードオフ)。
一部のDAWはAUプラグインをサンドボックス内で動かしており、Orra Linkの共有メモリ接続がブロックされる場合があります。その場合ステータスは「Bus unavailable」と表示されますが、Linkはオーディオをトランスペアレントにスルーで通すので壊れたりはしません。動作しないときはホストのExternal SCバスにフォールバックしてください。
その他の特徴
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▶ パラレルコンプ用Mixノブ
全エンジンにMixノブを搭載。アグレッシブな設定で30〜50%にすると1つのインスタンス内でパラレルコンプレッションが完結——AUXバスなしで「ニューヨーク」ドラムテクニックが実現できます。 |
▶ 16種類のファクトリープリセット
ボーカル系(Tight FET / Smooth Opto / FET + Opto / Spectral Polish)、ドラム系(Gentle Glue / Parallel Crush / Punchy FET on kick)、ベース系(Classic Control / Multiband Tight)、マスター系(Transparent Glue / Opto + Classic / Final Limiter Light)、Spectral活用(De-Resonate / Broadband Tame)を網羅。 |
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▶ スロットごとのオーバーサンプリング
ディテクターとゲインステージに対してOff / 2× / 4× / 8×をスロット別に指定可能。LimiterはStandard(4×)/ High(8×)/ Ultra(16×)の3ティアを公開し、ISP対応のタイトなトゥルーピーク制御を実現。 |
▶ トラッキングフレンドリー
Classic / Optical / FETはオーバーサンプリングOff時にゼロレイテンシー動作のためレコーディング中の挿入でもタイミングがズレません。Multiband / Spectral / Limiterはレイテンシーが発生しますが、ホストのPDC(Plugin Delay Compensation)により自動補正されます。 |
Orra Pressに関するリリース情報をお届けしました。
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