2021年2月のPlugin Boutique購入者無料特典はAAS「Objeq Delay」です。
AASは、フィジカル(物理)モデリング音源を多数開発するメーカーです。
Objeq Delayもただのディレイではなく、様々な共振をモデルとしたレゾネーターが搭載されています。
この記事では、そんなObjeq Delayをレビュー。メリットやデメリット・注意点からインストール・アクティベーション方法、使い方まで解説します。
是非参考にしてください。
1. AAS(Applied Acoustics Systems)「Objeq Delay」とは?
Objeq Delayは、フィジカルモデリング音源を得意とするAAS(Applied Acoustics Systems)が開発するディレイプラグインです。
ディレイモジュールの他に、フィルター、アコースティックレゾネーターが組み合わさったエフェクトで共振音を付け加えるエフェクトとしても利用できます。
最大の特徴はオブジェクト(Object)と呼ばれるレゾネーター部分で
- String
- Plate
- Drumhead
- Beam
の共振特性を利用して幅広い音色のディレイを作ることができる点です。
作曲ソフトDAWの拡張機能AU(Audio Unit)、VST 2、VST 3、AAXプラグインとして利用できます。
開発会社 | AAS(Applied Acoustics Systems) |
操作画面 | ![]() |
価格(定価) | 139ドル |
主な仕様 | レゾネーター/ディレイ |
2. 導入するメリット
Objeq Delayを導入するメリットは主に以下の点が考えられます。
- 様々なオブジェクトを利用して幅広い音作りができる
- 豊富なプリセット
様々なオブジェクトを利用して幅広い音作りができる
プレートのみならず4種のオブジェクトと呼ばれるレゾレーターを利用して、幅広い音色のディレイを作りことができます。
原音とはかなり異なるディレイを生み出すことができます。
またディレイとして利用するだけでなく、ディレイモジュールをオフにしてレゾネーターのみを付け加えることも可能です。
フィジカルモデリング音源を数々開発するAASならではの製品だと思います。
豊富なプリセット
かなり豊富なプリセットがあります。ディレイはもちろんドローンや、ドラムエンハンサーまで8つのバンクに分類されており、Richard Devineなど音楽家によるプリセットもあります。
一般的なディレイのプリセットは少なく、実験的なレゾネーターやディレイがたくさんあります。
3. 利用する前に知っておくべき注意点・デメリット
しかしながら、利用する前に知っておくべき注意点もあります。
入力音とオブジェクトの組み合わせに注意
オブジェクト部分は、入力音との相性も試される製品だと思います。入力音によってフィルターを含めて細かく設定することをおすすめします。
特にレンジが広い音に使う場合は高いキーでも低いキーでも耳障りの悪い音にならないレゾネーター設定にする必要があると思います。
4. 口コミ・評判を紹介!
Objeq Delayに関する口コミ・評判をまとめました。
ディレイの枠を超えたエフェクトとして評価が高いです。
いっこ千円ちょいのプラグイン🥶
Objeq Delayはクリエイティブなディレイとしてはなかなか良さげでプリセットがもはやディレイって感じじゃないw
BUTE Limiter 2は結構難しいと言うか、リリースがオート設定の時、GRが1〜2くらいまで行くと途端に崩れないこれ?NaturalがあんまNaturalじゃない……
Objeq Delayが素晴らしい
引用:Twitter
5. Objeq Delayに関するセール情報
AAS製品は、ブラックフライデーのみならずセールで安い場合があります。
半額以上安くなる場合もあります。
Objeq Delayは、Plugin Boutiqueにて購入者無料特典として配布されている時期もありました。
最新のセール情報はこちらをご覧ください。

6. AAS製品のインストール・アクティベーション方法
Plugin Boutiqueにて解説されていますが、AAS製品のインストール・オーソライズ方法は簡単で以下の2STEPで完了します。
- https://www.applied-acoustics.com/package/でシリアルナンバーと名前、メールアドレスを入力
- 製品をダウンロード・インストール
7. 使い方を解説!
ここからは実際に使い方を解説します。
公式の英語マニュアルはこちらをご覧ください。
プリセットは上部から「Bank」を選択し、バンク内の「Program」から選べます。
Objeq Delayは、4つオンオフ可能なモジュールとMixerからできています。それぞれのモジュールは左上の赤いランプからオンオフすることが可能です。
Filter
オブジェクトモジュールでのフィルタリングに加えて「Low Cut」「High Cut」を使用してフィルターを調整することができます。これらのフィルターの傾斜は、「Poles」を使って調整することができます。
Object
オブジェクトモジュールは、入力信号をフィルタリングして、音色を変化させるために使用します。オブジェクトの種類や特性を変えることで、様々な効果を得ることができます。オブジェクトは、オブジェクト画面をクリックするか上部のセレクターから変更できます。オブジェクトは以下のモデルがあります。
- String:伸縮性のあるストリング
- Beam:断面が一定の長方形のはり
- Plate:長方形のプレート。
- Drumhead:円形の膜
Frequency:オブジェクトの基準周波数です。
Decay:減衰時間を調整できます。
Material:周波数に対する減衰時間を調整することができます。左に回すと低い周波数の減衰時間が長く、右に回すと高い周波数の減衰時間が長くなりよりメタリックなサウンドになります。
Formant:レゾネーターのどこに振動を加える信号を適用するかを調整するために使用されます。最小値は物体の境界に適用された入力に対応し、最大値は中心部分に適用された入力に対応します。
Delay
ディレイモジュールは、2つのディレイラインを持つ2つのチャンネルを持っています。最初のラインは入力信号にシンプルなディレイを適用し、2番目のラインがフィードバックループとなっています。最初のディレイの長さは「First」で調整し、2 番目のディレイの長さは「Echoes」で調整します。「Sync」でDAWと合ったテンポで調整でき、右上「#」から細かく調整できます。「Link」から両方のディレイを同期して調整することも可能です。
Echoesは、6 dB/octaveの「High Cut」「Low Cut」と「Feedback」の後にディレイラインに戻されます。
Ping Pong:ピンポンディレイで使用することができます。入力信号の左チャンネルと右チャンネルがミックスされ、左チャンネルのFirstディレイを通過します。
LFO
モジュレーションソースとしてLFOが使用できます。
Rate:LFOの速さ(周波数)を調整します。「Sync」でDAWと同期でき、ディレイモジュール同様「#」から細かく調整できます。
Type:LFOの波形を選択できます。
PW:パルス幅を調整できます。波形がピーク値から最小値に達するまでの時間を変化できます。
Phase:波形の開始点を調整します。0%で波形はピークから開始します。
Destination:どのパラメータがモジュレーションされるかを選択するために使用します。
Polarity:極性を「–」「+」「±」から選択し、モジュレーションの適用方法を制御してDestinationの値を変更します。
Amount:LFOからのモジュレーション量を調整できます。
Mixer
Balance:Wet/Dryの量を調整することができます。
Output:マスターレベルを調整できます。
Out/In:信号を入力、もしくは出力に送ります。このスイッチはバイパスとは異なり、切り替えてもエフェクト内にエコーが残っている場合は鳴ります。
まとめ
Objeq Delayはディレイという名前がついていますが、どちらかというとレゾネーター部分が中心のエフェクトだと思います。
かなり実験的な使い方もできますが、少し音を付加するエフェクトとしても十分利用できるでしょう。
この記事が参考になれば幸いです。
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