ビンテージの良さを再現しつつ、モダンで多機能なエフェクトを数々開発するSoundtoys。
その中でもEchoBoyは人気ディレイプラグインエフェクトの1つとしてあげられると思います。
この記事ではそんなEchoBoyを質問形式でレビューしていただきました。インストール・アクティベーション方法、使い方も解説します。
是非参考にしてください。
この記事のレビュアー
Mishio
音楽プロジェクトOpus Innのヴォーカル、プロデューサー。
多種多様なアーティストとのコラボレーション、楽曲をプロデュース。
またアパレルブランドのコレクションやCM、映画などにも楽曲提供を手掛け、様々な方面で活動している。
2017年から2019年にかけてEP3部作、『Time Gone By』『Time Rolls On』『Time Stand Still』をリリース。
また2020年に初となるsingle “Alone”を配信リリース。
■総合リンク : http://smarturl.it/oi.divinetiming
1. Soundtoys「EchoBoy」とは?
EchoBoyは、Soundtoysが開発するディレイプラグインです。
EchoBoyは、ビンテージギアなどをモデルにした計31種類のスタイルが内蔵されたディレイでミックスに合ったエコートーンを簡単に見つけることができます。EchoPlex、Space Echo、Memory Man、DM-2、TelRay oil can delayなどクラシックなエコーボックストーンの数々をモデルとしています。
他にもテープフラッター、サチュレーション、ディフュージョンをコントロールしてよりアナログサウンドを高めることができます。
EchoBoyは、以下の7種類のスタイルがある簡易版のEcho Boy Jr.もあります。
- Studio Tape
- Plex
- Space
- Cheap Tape
- Memory
- Ambient
- Transmitter
EchoBoy Jr.は単体でも購入可能ですが、EchoBoyにも付属しています。
開発会社 | Soundtoys |
操作画面 | |
価格(定価) | EchoBoy 199ドル
EchoBoy Jr. 99ドル |
主な仕様 | 名機モデルディレイ |
2. EchoBoyに関するレビュー
今回は質問形式でEchoBoyについて答えていただきました。
Q1. EchoBoyの一番の魅力はなんですか?
1つのプラグインだけで31種類ものスタイルの中からディレイの特性を選択できることが一番の魅力です。またプリセットも豊富なので使い勝手が良いです。
Q2. STYLEのうち、よく利用するもしくは良いと思うものはどれですか?
- Space Echo:Roland RE-201に近くフィードバックの残響音が綺麗です。
- Cheap Echo:テープエコーのイメージを再現できます。
- FM Radio:ハイ、ミッドに集中したディレイするときに使います。
- Memoly Man:同名のエフェクターを再現した感じ。
- CE-1 Chorus:サイドに空間を広げたい時に使います。
- Verbed:プレートリバーブに近い残響音になります。
Q3. 一般的なディレイパラメータ以外の部分もかなり多いですが、特に利用する機能はありますか?
空間、スペースをコーラスなどで変えたり、リバーブよりなエフェクトとしてもよく使います。
Q4. どういった時やどういった楽器に利用することが多いですか?
空間をガラッと変えたい時やなど、アナログシンセやギターにかけることが多いです。
また、同社のラックプラグイン「Effect Rack」で2、3個並べて使ったり、他のリバーブプラグインと合わせて使い独自の空間を作り出せます。
Q5. 利用する前に知っておくべき注意点はありますか?
多機能かつGUIもアナログに寄せているので、ノブを把握していないと誤操作が生まれそうだと思います。EchoBoyは特殊な効果も多いため、手軽にアナログ感のあるディレイを使いたいなら付属しているEchoBoy Jr.を利用することをおすすめします。
この記事のレビュアー
Mishio
音楽プロジェクトOpus Innのヴォーカル、プロデューサー。
R&B、Electronica、Hiphop等、あらゆるジャンルを昇華させた楽曲などが注目を集めている。今まで多種多様なアーティストとのコラボレーション、楽曲をプロデュース。またアパレルブランドのコレクション、CMや映画などに楽曲提供を手掛け、様々な方面で活動している。2017年から2019年にかけてEP3部作、『Time Gone By』『Time Rolls On』『Time Stand Still』をリリース。また2020年にsingle “Alone”を配信リリース。
■総合リンク : https://smarturl.it/AloneOpusInn
3. 口コミ・評判を紹介!
EchoBoyに関する口コミ・評判をまとめました。
定番のディレイプラグインで、評価はかなり高いです。
ディレイで言えばSoundToysのEchoBoyは気に入っている。
いわゆるデジタル系のディレイは綺麗過ぎてギターには不向きだった。
歴史的な30種のエコースタイルを再現できるディレイ。Eventideの開発者も参加。エコーのタイミングや量など奇抜でなく音楽的に細かく高性能に調整可能。ディレイはどれも同じという概念をぶち破ります。
SoundToys EchoBoyをフィルターとして使ってテレフォンやラジオボイスを作るtips。
ポイントはDelay TimeとFeedbackを0、WET 100%の状態でSTYLEで音質を変える。
音はすごくナチュラル。
ラップのガヤにも使えそう。
引用:Twitter
4. EchoBoyに関するセール情報
Soundtoys製品は、たまにセールをおこないます。
全製品セールになることもありますが、対象製品はかぎられている場合もたまにあります。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。
5. インストール・アクティベーション方法
Plugin Boutiqueにてインストール・オーソライズ方法が解説されています。
Soundtoys製品はiLokアカウントでの認証(iLok USBはなしでもOK)が必要になります。
iLok License Managerの使い方はこちらの記事を参考にしてください。
主に以下の3STEPで完了します。
- iLokアカウント登録・iLok License Managerダウンロード
- Soundtoysで製品登録・ダウンロード(販売サイトで手に入れたライセンスナンバーはこちらで登録します)
- iLok License Managerを起動しログイン・アクティベート
6. 使い方を解説!
ここからは、実際にEchoBoyの使い方を解説します。
公式の英語マニュアルはこちらをご覧ください。
STURATION:ディレイ信号にチューブやテープのような圧縮感、強調感、微妙な歪みを与えることができます。STYLEの設定に依存します。
INPUT / OUTPUT:エコー回路に送られる信号の入力出力レベルをコントロールしてクリーンにすることも汚すこともできます。エコー信号にのみ影響し、ドライ信号は変化しません。
STYLE
様々なエコースタイルを選択できます。以下の31種類あります。
- Master Tape:Ampex ATR-102 30ipsモデル
- Studio Tape:Ampex ATR-102 15ipsモデル
- EchoPlex:EP-3モデル
- SpaceEcho:Roland RE-201 Space Echoモデル
- Tube Tape:モダンなテープエコーモデル
- Cheap Tape:様々なビンテージ民生用テープストックモデル
- Memory Man:Electro-Harmonix Memory Manモデル
- DM-2:Boss DM-2モデル
- TelRay: Tel-Ray Adinekoモデル
- Binsonette:Binson Echo-Rec / Echo-Rec IIモデル
- Telephone:ナローバンドのテレフォンエフェクト
- AM Radio:AMラジオモデル
- FM Radio:FMラジオモデル
- Shortwave:誇張された距離の離れたラジオの音
- Transmitter:CBラジオタイプのレスポンスに似た歪んだサウンド
- Digital Delay:クリーンでクリアなデジタルディレイ
- Analog Delay:1970~80年代のビンテージラックマウントディレイをモデルとした暖かく軽く歪んディレイ
- Digital Chorus:80年代のコーラスサウンド
- Analog Chorus:オールマイティなWarmコーラス
- CE-1 Chorus:Boss CE-1モデル
- Vibrato:トゥルーピッチビブラート
- Saturated:誇張されたテープディストーション
- Fat:非常に温かみのある歪んだエコー
- Distressed:高いコンプレッションの歪んだエコー
- Limited:リミッター内蔵
- Distorted:ディストーション
- Queeked:マルチバンドコンプレッションエコー
- Diffused:アンビエントリバーブ
- Ambient:ディストーション+ディフュージョン
- Splattered:反射率の高いディレイ
- Verbed:フィードバックとサチュレーションのコントロールに反応しやすいエコー
MIX:Dry / Wetのミックスバランスを調整できます。
FEEDBACK:入力にフィードバックして、リピートするエコーを作り出します。
ECHO TIME(TIME/DOT/NOTE/TRIP):4つのオプションから選択し、エコーの間の時間を調整できます。
PRIME NUMBERS:レゾナンスの影響を最小限に抑えるために、ディレイのリピートが特別な方法で時間的に少し変化します。すべてのリピートがまったく同じ時間間隔である場合に発生するレゾナンスの蓄積からリピートするエコーを守ります。
LOW CUT / HIGH CUT:ローカット、ハイカットでエコー周波数を調整できます。
TWEAK:エコーエフェクトをカスタマイズできるコントロールが表示されます。MODEによってパラメータが変わります。
TAP TEMPO:タップしてテンポを決定します。
MIDI:DAWのテンポでコントロールできます。
GROOVE:エコーパターンにシャッフルやスウィングさせる量を調整できます。
FEEL:ディレイ全体をシフトさせます。
MODE
4つのエコーモードを切り替えることができます。それぞれTWEAKを含めたパラメータが変わります。
SINGLE ECHO
WIDTH:ステレオの広がりをコントロールできます。
L/R OFFSET:左右チャンネルの間にディレイの差を加えることができます。
ACCENT:上げると、ディレイのリピートが大きくなったり小さくなったりを繰り返すようになります。
DUAL ECHO MODE
デュアルエコーモードのコントロールはシングルエコーモードと同様ですが、2つの独立したエコーチャンネルがあります。
BALANCE:左右チャンネルの相対的な音量をコントロールできます。
FB MIX:片方のエコー出力の一部をもう片方のエコーにフィードバックさせることができます。
FB BAL:通常はエコー1とエコー2に均等に影響しますが、FB BALでバランスをコントロールできます。
PING PONG ECHO MODE
ピンポンモードは、左右の出力チャンネルの間を行ったり来たりするエコーを作るために使用します。TWEAKのパラメータは、広がりを調整できるWIDTHと左右のバランスを調整できるBALANCEがあります。
RHYTHM ECHO MODE
このモードでは、REPEATSから設定して最大16個のエコーアウトプットを持つことができます。リズムエディターウィンドウから、グリッド上の任意の位置にエコーを配置し再生するパターンを作成することができます。各エコーの音量は、それぞれの緑色バーの高さで表されます。ウィンドウをドラッグして自由にエコーを描くことができます。ECHO TIMEには、PATTというボタンが追加されており、カスタマイズしたリズムパターンを呼び出したり、保存したりすることができるようになっています。
SHAPE
エコーにさまざまな音量のシェイプを適用することができます。以下のシェイプパターンがあります。
- DECAY:左から右に向かって徐々に音量が小さくなっていきます。
- REVERSE:Decayの反対です。
- SWELL:最初は音量が小さく、途中で大きくなり、また小さくなります。
- FADE:Swellの反対です。
- NONLIN:セミランダムなパターンです。これは、AMS RMX16のNonLinear設定をモデルにしています。
TWEAKでは、他と同様のパラメータの他に以下のパラメータがあります。
PAN SHAPE:パンニングをプリセットから選択できます。
RHYTHM GRID:すでに配置されているエコーに影響を与えることなく、リズムエディターのグリッドスケールを変更することができます。
LENGTH:リズムパターンの全体的な長さを決めることができます。
STYLE EDIT
このボタンからいくつかのパラメータが表示されます。
EQ:Low、Mid、High3バンドのイコライザーがあります。通常のイコライザー通りに動作しますが、DECAYで連続したエコーによって徐々に変化させることができます。例えば、HIGH EQのDECAYを負の値に設定すると、連続したエコーのリピートはどんどん暗くなっていきます。
DIFUSSION:拡散により音の輪郭がはっきりしなくなりエコーを和らげる効果がありますが、同時にレゾナンスを増加させる効果もあります。
SIZE:ディフュージョンの特性を調整します。小さく設定するとより繊細なディフュージョンが得られ、大きく設定するとよりリバーブのようなエフェクトが得られます。
LOOP / POST:ディフュージョンをどの位置に配置するかを決定します。POSTでは、シグナルチェーンの最後で拡散され、各エコーのリピートは同じように拡散されます。LOOPでは、ディフュージョンはエコーのフィードバックループに移動し、各リピートは次第に拡散されていきます。
WOBBLE
テープレコードやテープエコーマシンのワウのように、エコーに変化するスピード効果を加えます。
DEPTH:エコーに適用されるピッチの揺れの量を設定できます。
SHAPE:下部のディスプレイからエフェクトの形状を選択できます。
FB:オンにすると、モジュレーションは最初のエコーとメインコントロールパネルのFEEDBACKから生じるエコーの両方に適用されます。
OUT:オンにすると、モジュレーションはウェット信号に適用されます。ドライ信号には影響がありません。
SYNC:ノブを回す方向に応じて、様々なエコーパスがすべて同じレートで整列してモジュレーションするかどうかを調整できます。
SATURATION:TWEAKのサチュレーションコントロールは、メインコントロールパネルにあるSATURATIONと連動しています。この2つのノブにより、ディレイのみ(DECAY SAT)、または全体の信号(OUT SAT)のいずれかに対して、独立してサチュレーションを設定することができます。下部のディスプレイからは、サチュレーションのタイプを選択できます。
まとめ
EchoBoyは、あらゆるディレイを集約しつつ、多機能に操れる使い勝手の良いプラグインです。
これひとつあればかなり多様に使えるのではじめてのディレイプラグインとしてもおすすめできます。
この記事が参考になれば幸いです。
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