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【無料】Zebralette使い方とレビュー!u-he「Zebra」の無料版ソフトシンセ

zebralette-thumbnails

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高品質のソフトシンセを数々開発するu-heは無料のソフトシンセもいくつかあります。

評価の高い有料版ゆずりのソフトシンセが無料で利用できます。

その中で今回は、Zebra 2の無料版であるZebraletteをレビュー。導入するメリットやデメリット・注意点から使い方まで解説します。

是非参考にしてください。

無料で使えるおすすめのフリーソフトシンセ一覧は以下の記事にまとめています。

free-soft-synthesizer-thumbnails 【随時更新】フリーソフトシンセ無料一覧と最新おすすめを厳選!VSTプラグイン(スタンドアロンあり)
※追記:バージョン3のパブリックベータ版の無料配布が開始されました!

zebralette-3-public-beta-thumbnails 【無料】u-he「Zebralette 3 Public Beta」無償配布!ウェーブテーブルエディターを中核に幅広カスタマイズが可能なソフトシンセ


1. u-he「Zebralette」とは?

Zebraletteは、u-heが開発する無料ウェーブテーブルソフトシンセです。

有料のZebra 2から取り出した単一のオシレーターを、シンプルで習得しやすいフレームワークに移植したものになります。

Zebra2のオシレーター、LFO、MSEG、エフェクトを取り出してシンプルに利用できるソフトシンセです。

多様なルーティングができるZebra 2に比べるとシンプルなフローですが、十分音作りができるパラメータが備わっておりZebra 2ゆずりの音を鳴らすことができます。

作曲ソフトDAWの拡張機能AU(Audio Unit)、VST2、VST3、AAXプラグインとして利用できます。

開発会社 u-he
操作画面 zebralette-overview
製品名 Zebralette
価格(定価) フリー

Zebra 2 199ユーロ

主な仕様 ウェーブテーブルシンセサイザー

2. 導入するメリット

Zebraletteを導入するメリットを主に以下のような点が考えられます。

  • 無料版とは思えないオシレーターのパラメータ
  • Zebra 2の入門やお試しとして利用できる

無料版とは思えないオシレーターのパラメータ

osc-fx-zebralette

オシレーターは1つのみですが、自由にウェーブテーブルを編集できるだけでなく波形を根本から変化させるスペクトルオシレーターエフェクト(OSC FX)は26種類もありかなり充実しています。

このあたりは有料のソフトシンセなどと比べても全く遜色なくむしろプラスだと思います。

Zebra 2の入門やお試しとして利用できる

多機能なZebra 2を利用する前に、Zebraletteを使いこなした上でステップアップするもしくは購入を検討するお試しとして利用できます。

Zebra 2のようなモジュールのパッチングは難しいですが、各部位は同じような仕様で構成されています。

ZebraletteとZebra 2は一緒にダウンロードされるので、Zebra 2も試すことができます。

3. 利用する前に知っておくべき注意点・デメリット

しかしながら、Zebraletteを利用する前に知っておくべき注意点・デメリットもあります。

  • 使い方がわかりづらい
  • モジュールとしてのフィルターがない

使い方がわかりづらい

Zebra 2の簡易版とはいえ初見では正直わかりづらい部分が多いと思います。

特にウェーブテーブルの変化が表示されず、常に一定の波形表示ですのでパラメータによる波形の変化がわかりづらいです。

無料とはいえ初心者向きとはいえないかもしれません。

モジュールとしてのフィルターがない

モジュールとしてのフィルターは存在しません。

ただし、OSC FXのFilter、Bandworksなどを利用すれば波形自体にフィルターエフェクトをかけることが可能です。

4. 使い方を解説!

ここからは実際にZebraletteの使い方を解説します。

公式の英語マニュアルはこちらをご覧ください。

presets-zebralette

上部PRESETSから全体のプリセットを変更できます。オシレーターにはオシレーターのみのプリセットも存在します。

OSCILLATOR

osillator-zebralette

PWM:Phaseを0に固定したオシレーターの反転コピーを追加します。PhaseをモジュレーションすることでPWM(パルス幅変調)を得ることができます。

Sync:ハードシンク効果を有効にします。

Reset:ノートを演奏するたびに、ウェーブが同じ位置(Phaseノブで設定)からスタートするようにします

Tune:オシレーターのピッチを±48セミトーンで調整できます。

Detune:Stackがsingleに設定されている場合、±50セントのDetuneを行い、StackがDual、Quad、Elevenに設定されている場合、オシレーターの全体的なピッチを上下せずDetuneを均等に広げます。Shift+Tuneで通常の微調整を行うこともできます。

Stack:1(single)、2(dual)、4(quad)、11(eleven)のオシレーターがユニゾンします。

Vibrato:LFO1から直接得られるピッチモジュレーション量を設定します。

Phase:波形の開始位置を調整します。ソースセレクター付きのモジュレーション量ノブがあります。

Sync:ハードシンク効果のオフセット量です。Syncボタンがアクティブになっている場合のみ動作します。ソースセレクター付きのモジュレーション量ノブがあります。

Wave Editor

zebralette-waveform

OSCILLATORパネルの中央部では、独自の波形を作成、編集します。エディターの一番上にはセレクターがあります。

Wave:1~16の波形をスムーズに変更します。モジュレーション量のノブとソースセレクターがあります。

メモ

波の補間がどの程度スムーズに行われるかは、GROBALにあるResolutionの値に依存します。

Morph / Blendモード:波形を編集するモードです。

GeoMorph:最大32個のポイントを設置でき、それらを結ぶ線の曲率を調整して波形を描くことができます。右クリックしてinsert pointから新しいポイントを追加できます。選択したポイントからsmooth、linear、peaks3つの曲線を選択できます。

SpectroMorph:GeoMorph同様に描くことができますが、波形ではなく倍音スペクトルを描きます。

GeoBlend:波形1つのサイクルが128本の縦棒で定義され、ドラッグしてフリーハンドで描くことができます。GeoBlendはGeoMorphと同様に実際の波形です。ただし、波形の位置が調整されたり変調されたりするとモーフィングされるのではなく、ブレンド(クロスフェード)されます。右クリックからblur、sharpen、maximizeで全体的に変更するオプションもあります。

SpectroBlend:128本のバイポーラバーで表現された倍音を、ドラッグしてフリーハンドで描くことができます。GeoBlend同様にモーフィングされるのではなく、ブレンド(クロスフェード)されます。

OSC FX

osc-fx-zebralette

1から2直列にルーティングされた2つのスペクトルオシレーターエフェクトによって、波形を根本的に変えることができます。ノブの下にあるラベルからエフェクトを選択します。下部のノブとラベルはモジュレーション量とソースセレクターです。

以下の種類があります。

  • Fundamental:基本音のレベルを調整します。
  • Odd for Even:偶数倍音は奇数倍音にクロスフェードされ、負の値では奇数倍音が偶数倍音になります。
  • Brilliance:高い倍音を増減して波形を明るくしたり暗くしたりします。
  • Filter:ローパス(負)とハイパス(正)を組み合わせたフィルターです。
  • Bandworks:バンドパスフィルター(正)とノッチフィルター(負)の組み合わせです。
  • Registerizer:基本音任意のオクターブをブーストし、他すべての倍音を減衰させ、オルガンのようなサウンドになります。
  • Scrambler:FMシンセサイザーのオペレーターフィードバックと同様に、波形の位相を変調し多くの倍音が生まれます。
  • Turbulence:倍音を周期的にランダムにシャッフルします。
  • Expander:スペクトルが広がります。
  • Symmetry:周期の最初または最後に向かって波形を収縮させます。
  • Phase Xfer:Phase Distortionの一種です。元の波形は直接出力されず、追加の正弦波のPhase Response(位相応答)として使用されます。
  • Phase Root:元の波形は、正弦波の位相応答を乗算しています。
  • Trajector:正弦波をオシレーターの波形で変調したものです。
  • Ripples:波形に倍音をかけて、擬似的な共鳴音を得ることができます。
  • Formanzilla:スペクトルに可変倍音をかけることで、フォルマントのようなスペクトルが得られます。
  • Sync Mojo:時間軸を収縮させた後、波形を書き戻すことでハードシンクをシミュレートします。
  • Fractalz:Sync Mojoのように収縮した波形を何度も収縮させることで、さらに多くの倍音を得ることができます。
  • Exophase:オリジナルの波形に7ステージのフェイザーをかけます。
  • Scale:倍音の相対的な振幅を2の累乗または3の累乗でスケーリングすることで、静かな倍音をより細かく分解し、倍音構造をより正確にコントロールすることができます。
  • Scatter:Scramblerと似ていますが、ここでは波形の位相がそれ自身の2乗によって変調されます。
  • ChopLift:より弱い倍音のレベルを上げます。負の場合は、アンプスレッショルドを上げて倍音がフェードアウトします。
  • HyoerComb:元の波形のコピーを3つウェーブテーブルに追加します。位相がランダムにシフトし、コーラスのような微妙な効果から劇的な効果までが得られます。
  • PhaseDist:80年代のCasio CZシリーズのシンセサイザーのような位相の歪みのPhase Distortionです。
  • Wrap:スレッショルドをこえた、または下回った波形の部分を反転させます。
  • DX:Trajectorと同じですが、約10倍の強度があります。
  • Smear:スペクトルを一方向(負は下、正は上)にぼかします。
注意

TurbulenceのスピードはResolutionに依存します。

MIXER

mixer-zebralette

アウトプットパネルです。

Pan:パンニングを調整できます。

Volume:プリエフェクターの出力レベルです。

Pan、Volumeはそれぞれ下部にソースセレクター付きのモジュレーション量ノブがあります。

Width:dual、quad、elevenの場合、スタックされたオシレーターのステレオ幅をコントロールします。

Norm(ノーマライズ):生成された波形の出力レベルを分析(RMS)し、低レベルの波形をブーストします。

GLOBAL

global-zebralette

Glide:連続するノート間のスラーを調整します。

Resolution:連続した波形間の時間をコントロールします。高いほどより正確なトランジションが得られますが、CPU負荷も高くなります。

VCA:エンベロープとして、GATEまたはENV1を選択することができます。ここでGATEを選択すると、エンベロープを他の使い道として解放することができます。

VOICES

上部セレクター:Zebraletteが一度に演奏する音の最大数を減らすことができます。

  • few:4ノート
  • medium:8ノート
  • many:16ノート

下部セレクター

  • poly:通常のポリフォニックです。
  • mono:モノフォニック、新しいノートの度エンベロープが作動します。
  • legato:モノフォニック、連続したノートの間にスペースを空けるまでエンベロープはリトリガーされません。

Bend:ピッチベンドの範囲を0~±24セミトーンで設定できます。

ENVELOPE

envelope-zebralette

エンベロープはADSR(アタック/ディケイ/サスティン/リリース)の他に以下のパラメータがあります。

F/R:サスティンとリリースの間にあるF/Rはゼロまで下降、または最大まで上昇する設定ができます。

Velocity:キーボードのベロシティによって、エンベロープの出力レベルが変化します。

MODE

エンベロープステージの曲率を設定します。

  • quadric:指数曲線です。アタックは凸型、ディケイとリリースは凹型。
  • linear:まっすぐな線です。
  • v-slope:Slopeパラメータによる指数関数的な曲率。

LFO

Zebraletteは2つのLFOを搭載しています。

LFO1

lfo-1-zebralette

Waveform:LFOの波形を選択できます。

Time / Rate:Timeで設定した基準を元にLFO1のレートです。

Phase:新しいノートが演奏されるたびにLFO波形が再開する位置を設定します。

Restart

LFOのリセットを設定できます。

  • sync:ノートごとに位相がオフセットされ、曲との同期が最適化されます。
  • gate:ノートごとに同じ位相で開始されます。
  • single:モノフォニックになり、すべてのノートに同じ位相が適用されます。
  • random:ノートごとにランダムな位相で開始されます。

DEPTH MOD:LFO1のモジュレーションを設定できます。

注意

LFO1はTuneパネルのVibratoに直接接続されていることに注意してください。

Delay:LFOの開始を遅らせることができます。

LFOG

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グローバルLFOは、LFO1よりもシンプルでボイスごとにリトリガーすることはなく、モノフォニックでフリーランニングです。Restartは小節数で設定することができます。

MSEG

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MSEG(Multi Stage Envelope Generator)は、複雑に設定できるモジュレーションソースです。左上のPresetsからプリセットを選択できます。線やポイントをドラッグして調整でき、新しいポイントはcmd(mac)もしくはalt(win)を押してMSEGの背景をクリックすることで追加できます。ポイントを右クリックしてremove pointから削除できます。終了位置のポイントの上部にある▼もしくはバーをドラッグすることでループ範囲を設定できます。

Trigger

MSEGのリトリガー動作を設定できます。

  • poly:標準的なポリフォニックです。
  • single:すべてのノートがリリースされた後にのみリトリガーされます。
  • mono:標準的なモノフォニックです。

Velocity:MSEGの出力レベルをスケーリングします。

MOD FX

fx-zebralette

MOD FXボタンから全体をオンオフできるモジュレーションエフェクトとイコライザーです。Modeからエフェクトを選択できます。

  • Chorus:ショートディレイラインを使ったコーラス/フランジャー
  • Phorus:オールパスフィルターを使ったコーラス/フランジャー
  • Phaser:クラシックなフェイザーユニット

Delay

Zebraletteのディレイモジュールは、パラメータが自由にモジュレーションできないことを除けばZebra2と同じです。4つのディレイラインがあり、それぞれタイムスケーリングとパンコントロールを備えています。

まとめ

Zebraletteは無料ですが、u-heの素晴らしい音が体感できるソフトシンセです。

これは知るとu-he製品に手を出したくなることは間違いないでしょう。

この記事が参考になれば幸いです。

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