- V Collection 10めちゃくちゃ内容量あるけど実際使える音源なの?
- V Collection 10だけで曲は作れる?
- V Collection 10は重い?
このように思ってこの記事を読んでいるのではないでしょうか?
今回は、主要名機シンセ・鍵盤楽器を網羅したソフト音源Arturia「V Collection X(10)」をレビューします。
V Collectionの全ての音源を使いこなすのは少々難易度が高く重いソフトもありますが、勉強すること込みでDTM初心者の方にもおすすめできるソフト音源です。バージョンXになり、39ものソフトウェアが含まれる超大型バンドルになっており、ここまで多いと一部ソフトの存在を忘れてしまいそうですが、一つ一つしっかり機能が詰まった音源です。
今回はそんな「V Collection 10」を導入するメリットや注意点とともに入っている音源を一つ一つレビューしていきたいと思います。
ぜひ参考にして下さい。
ソフトシンセに関するまとめ記事はこちらをご覧ください。
1. Arturia「V Collection 10(X)」とは?
V Collection 10は、実機のシンセサイザーも出しているArturia(アートリア)が開発する名機シンセサイザー、鍵盤楽器を網羅したソフト音源バンドルです。ビンテージのシンセサイザーだけでなく、ピアノ、エレクトリックピアノ、オルガンなども独自のエミュレート技術やフィジカルモデリングで再現されています。
それぞれのソフト音源は単体でも販売されています。新しく特定の名機シンセや鍵盤楽器のエミュレートではない楽器や声とシンセを融合したAugmentedシリーズやハードウェアMiniFreakのソフトウェアバージョンも追加され、より幅広いサウンドを備えるパッケージとなりました。
作曲ソフトDAWの拡張機能VST、AU、AAXプラグインとして利用できNative Instrumentsのコントローラーなどと連携するNKSにも対応していますが、単体での起動(スタンドアローン)も可能です。
<V Collection 10 概要>
開発会社 | Arturia |
操作画面 | |
製品名 | V Collection 10(X) |
モデル(シンセや鍵盤ごとに区切り) | Mellotron / EMS Synthi AKS / Casio CZシリーズ Hammond-B3 / Hohner Clavinet / Fairlight CMI /YAMAHA DX7 BUCHLA Music Easel / Synclavier / Minimoog / ピアノ12種 Rhodes / Oberheim Matrix 12 / Farfisa Compact Deluxe Combo Organ Vox Continental 300 / Solina / Oberheim Sem / Wurlitzer Roland Jupiter-8 / ARP 2600 / Yamaha CS 80 / Prophet 5 / Prophet VS Moog IIIc / E-Mu Emulator II / Oberheim OB-Xa / Roland Juno-6 Moog 16 Channel Vocoder / Korg MS-20 / Ensoniq SQ-80 Yamaha CP-70 / Roland TB-303 / MiniFreak ※合計39ソフトウェア(名機モデル以外の音源あり) |
プリセット | 10,000以上 |
価格(定価) | 599ドル Splice Plugins 24.99ドル / 24ヶ月 |
システム要件
Mac OS 11以上
- 4 GB RAM
- 4コアCPU、3.4GHz(4.0GHz Turbo-boost)またはApple Silicon CPU
- 32GBのハードディスク空き容量
- OpenGL 2.0対応GPU
Win 10+ (64ビット)
- 4 GB RAM
- 4コアCPU、3.4GHz(4.0GHz Turbo-boost)。
- 32GBのハードディスク空き容量
- OpenGL 2.0対応GPU
- 鍵盤楽器の音源をまとめてほしい
- 名機シンセの音源をまとめてほしい
▶︎Plugin Boutique ▶︎ADSR Sounds ▶︎Best Service ▶︎Splice Plugins(月額払い) ▶︎beatcloud ▶︎サウンドハウス ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
V CollectionはSplice Pluginsにて月額払い(Rento-to-Own 借りる→自分のものに)でも利用可能です。Splice Pluginsに関する詳しい記事はこちらをご覧ください。Splice Pluginsは通常の月額払いと違い、支払いの義務はなくいつでも停止そして再開することが可能で払い切ると自分のものになります。
2. バージョン10アップデートによる追加点・変更点
V Collection 10にバージョンアップされ以下の音源が追加されました。
- Augmented GRAND PIANO:ピアノとシンセのハイブリッド音源
- Augmented BRASS:金管楽器とシンセのハイブリッド音源
- Augmented WOODWINDS:木管楽器とシンセのハイブリッド音源
- Acid V:Roland TB-303モデルベースラインシンセ
- CP-70 V:Yamaha CP-70モデルエレクトリックグランドピアノ
- MiniFreak V:同名ハードウェアとリンクできるハイブリッドシンセ
また、以下の収録済の音源も再構築されパワーアップしています。
- Mini V:Minimoogモデルシンセ
- Wurli V:Wurlitzerエレクトリックピアノ
3. Analog Labとの違い
Arturiaには、V Collectionにも収録されているAnalog Labという製品があります。V Collectionにも含まれるAnalog Labは、V Collection収録音源や別売りのソフトシンセPigmentsをまとめてコントロールできるソフト音源です。V CollectionやPigmentsを持っているかどうかによってAnalog Lab内でできることは変わります。
- Analog Labのみ持っている場合:プリセットと主要なマクロコントロールやエフェクトなどのみ操作可能
- V Collectionを持っている場合:Analog Lab内でV Collection収録の各音源のパラメータを操作可能
- V CollectionとPigmentsを持っている場合:Analog Lab内でV Collection収録の各音源&Pigmentsを操作可能
4. 導入するメリット
Arturia「V Collection 10」の導入するメリットは次の点が考えられます。
- 名機鍵盤楽器・シンセサイザーがまとめて手に入る
- 日本語マニュアルがある
- 豊富なプリセットから欲しい音がすぐ見つかる
- 独自のアナログエミュレートシステムやフィジカルモデリング
- それぞれの音源が抜かりなく機能性が高い
名機鍵盤楽器・シンセサイザー がまとめて手に入る
V Collectionは名機と呼ばれるピアノやエレクトリックピアノ、オルガンなどの主要な鍵盤楽器からシンセサイザーまでを一気に手に入れることができるお得なバンドルです。
ソフト音源を一つも持っていない方は、これを購入するだけで鍵盤楽器・シンセを網羅できるのでおすすめです。
それぞれの音源の元となった楽器などは以下の通りです。
- Mellotron V→Mellotron
- Synthi V→EMS Synthi AKS
- CZ V→Casio CZシリーズ
- B3 V2→Hammond B3
- Clavinet V→Hohner Clavinet
- CMI V→Fairlight CMI
- DX7 V→Yamaha DX7
- Buchla Easel V→BUCHLA Music Easel
- Synclavier V→Synclavier
- Mini V→Minimoog
- Piano V→ピアノ12種
- Stage-73 V→Rhodes
- Matrix-12 V→Oberheim Matrix 12
- Farfisa V→Farfisa Compact Deluxe Combo Organ
- Vox Continental V→Vox Continental 300
- Solina V→Solina
- SEM V→Oberheim SEM
- Wurli V→Wurlitzer
- Jup-8 V→Roland Jupiter-8
- ARP 2600 V→ARP 2600
- CS 80 V→Yamaha CS 80
- Modular V→Moog IIIc
- Jun-6 V→Roland Juno-6
- Vocoder V→Moog 16 Channel Vocoder
- OB-Xa V→Oberheim OB-Xa
- Emulator II V→E-Mu Emulator II
- Korg MS-20 V→Korg MS-20
- SQ 80 V→Ensoniq SQ-80
- Prophet-5 V→Prophet 5
- Prophet-VS V→Prophet VS
- Acid V→Roland TB-303
- CP-70 V→Yamaha CP-70
- MiniFreak V→同名のハードウェアシンセ
- Augmented STRINGS:ストリングス×シンセ
- Augmented VOICES:人間の声×シンセ
- Augmented GRAND PIANO:ピアノ×シンセ
- Augmented BRASS:金管楽器×シンセ
- Augmented WOODWINDS:木管楽器×シンセ
- Analog Lab Pro:V Collection収録音源&別売りソフトシンセPigments
日本語マニュアルがある
公式のマニュアルは、日本語に対応しています。
リリースしてすぐの場合は、日本語マニュアルがないこともありますが、少し待てば日本語マニュアルも用意されます。海外製品の場合は、日本語マニュアルに対応していることが少ないので大変ありがたいです。
それだけでなく、それぞれの名機の仕様や特徴、歴史を細かく知ることができ、勉強にもなります。
名機の仕様や特徴、歴史を勉強するためだけにも利用できる素晴らしい教材でもあります。
豊富なプリセットから欲しい音がすぐ見つかる
もちろんソフトによりますが、プリセットが豊富かつパートで別れて表示できるので欲しい音が見つかりやすいです。プリセットは合計で1万をこえます。
特に全ての個々の音源や別売のソフトシンセPigmentsをまとめてコントロールできるAnalog Lab Proは便利です。
楽器の種類、ジャンル、サウンドデザイナー、様々な条件を設定して、ミックスが必要とするサウンドを簡単に見つけることができ、最速の制作ワークフローを実現します。直感的なマクロコントロールで各プリセットの重要な要素を把握したり、V Collectionのフルインターフェイスを呼び出してワンクリックでフルトーンのコントロールが可能です。つまり、Analog Lab Proでレイヤーされている各シンセは個別で立ち上げた場合同様に1つ1つパラメータを調整することができます。(Pigmentsも持っている場合、Pigmentsもコントロール可能)
独自のアナログエミュレートシステムやフィジカルモデリング
Arturiaのソフトシンセが他と異なるのは、アナログ回路をデジタルで再現するArturia独自の技術が使用されている場合がある点です。動的に生成することで、独特の生き生きした太いサウンドを奏でることができます。
また、アコースティック楽器はフィジカルモデリングで再現されています。これらにより、サンプル音源ではできないような柔軟性、機能性を持ち合わせています。
それぞれの音源が抜かりなく機能性が高い
多くの音源を収録しているバンドルの場合、同じようなパラメータや似たような仕様になりがちです。V CollectionもAugmentedシリーズや鍵盤楽器などで似たような仕様のものもありますが、それぞれの音源に合った独自のパラメータも多く搭載しています。名機シンセサイザーや鍵盤楽器にリスペクトを持ち、丹念に解析して製作されていることがよくわかります。また、一度リリースした音源も再構築してアップデートしており、今回のアップデートされたMini V 4、Wurli V 3はどちらも明らかに進化していました。
価格は高いですがかなりコスパの良いバンドルだと感じます。
5. 利用する前に知っておきたい注意点・デメリット
しかしながら、利用する前に知っておくべき注意点・デメリットもあります。
- 収録されている音源の種類に注意!他の製品が良い場合も
- 重いものもある
収録されている音源の種類に注意!他の製品が良い場合も
▼表は横にスクロールできます▼
メーカー | Arturia | UVI | UVI | IK Multimedia |
製品名 | V Collection 10(X) | Vintage Vault 4 | Synth Anthology 4 | Syntronik 2 |
価格 | 599ドル | 599ドル | 149ドル | CS:無料 SE:一部ハードに付属 通常版:129.99ユーロ MAX:199.99ユーロ |
収録内容 | 鍵盤楽器(ピアノ/エレピ/オルガンなど) ビンテージシンセなど | ビンテージシンセ リズムマシン | ビンテージ〜近年のシンセ | ビンテージシンセ |
個々の音源のパラメータ | 独立________________________ | 独立________________________ | 共通________________________ | 共通________________________ |
補足 | 39のArturia製品 | 36のUVI製品 800,000以上のサンプル | 200モデル 4000以上プリセット | 最大34モデル 200GB以上 |
詳細 | 詳細記事 | 詳細記事 | 詳細記事 |
※価格は変動することがあります。
V Collection 10はビンテージシンセのみならず鍵盤楽器も網羅しているという点が魅力です。しかし、人によっては他の音源を購入した方が良い場合もあります。
例えば、ビンテージシンセのみ欲しい場合はUVI「Vintage Vault 4」の方が種類は多く、リズムマシンまで網羅しています。
もう1つ大きな違いはサンプルベースかどうかです。UVI製品などは1つ1つ実機を収録しているのに対して、V Collectionはアナログ回路をデジタルで再現する独自の技術でエミュレートされている音源があります。好みにはなりますが、アナログ系であればV Collectionの方が太く生きたサウンドが鳴る印象があります。
また、音源にもよりますが1つ1つの操作できることなどを含めて、機能性はサンプルであるUVI製品に比べてV Collectionの方が高い場合が多いです。
ビンテージシンセ収録音源は以下のようなものがあります。
- Arturia「V Collection 10」:鍵盤楽器(ピアノ、エレピ、オルガンなど)、ビンテージシンセ、生楽器とシンセのハイブリッド音源、同社ハードウェアシンセのソフト版
- UVI「Vintage Vault 4」:ビンテージシンセ、リズムマシン
- UVI「Synth Anthology 4」:ビンテージシンセ〜近年のシンセ。一つのプラグイン共通パラメータでコントロールする音源
- IK Multimedia「Syntronik 2」:ビンテージシンセ。一つのプラグイン共通パラメータでコントロールする音源
重いものもある
軽いものもありますがSynthi V、Buchla Easel V、Augmentedシリーズ(特にSTRINGS)など結構重いものもあります。ただし、最近のMacなどパソコンのスペックも上がっていますので、M1以上の方であればある程度大丈夫かと思います。パソコンのスペックに自信がない方は注意が必要です。
6. 口コミ・評判を紹介!
V Collectionの口コミ・評判をまとめました。
V Collection 10にアップグレードした方は少し見受けられましたが、評価するような口コミはあまり見受けられませんでした。今までのバージョンアップに比べて話題性がかなり低いように感じます。
Arturia – V Collection X
NEW: MiniFreak V, Acid V, CP-70 V, Augmented GRAND PIANO / BRASS / WOODWINDS
UPDATE: Mini V 4, Wurli V 3
もうそろそろだと思っていたら出ました
V Collection 9 からのアップグレードは $/€199 でした
もうV Collectionってひとつも使ってないな
いつの間にV Collection X出てたんだ?
V Collectionアプデ地獄だぜヒヤッハー!
毎回Analog Labがサイズ増してダウンロードに時間食いまくるの
引用:X(Twitter)
7. V Collection 10に関するセール情報・アップグレードについて
Arturia製品は、ブラックフライデーのみならずセールをおこないます。
割引率もそこそこ高く、半額ほどになる場合が多いです。V Collection 10だけでなく各種単体音源もセールの対象になることがあります。
V Collection 10は他のArturia製品を持っていると安く購入することも可能で、Arturia公式にログインして「MY ACCOUNT」にクロスグレード価格・アップグレード価格が記載されている場合があります。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。
8. Arturia製品のインストール・アクティベーション方法
Arturia製品のインストール・オーソライズ方法は、以下の4STEPで完了します。
- Arturiaでアカウント作成・ログインします。
- 右上人型アイコンの「MY ACCOUNT」→「Register New Product」からSN(シリアルナンバー)、UC(アンロックコード)を入力して登録します。
- ASC(Arturia Software Center)をダウンロード・インストールします。
- ASCを起動してログインし、製品をアクティベート・インストールします。
※Splice Pluginsで購入した場合のインストール・オーソライズ方法は下記の記事を参考にしてください。
9. V Collection 10を一つ一つレビュー!
ここからは一つ一つソフト音源をレビューしていきたいと思います。
各プラグインの使い方は公式から日本語マニュアルも出ていますので、そちらを参考にしてください。
https://www.arturia.com/support/downloads&manuals
次の順番で紹介します!
- Emulator II V
- OB-Xa V
- Jun-6V
- Vocoder V
- Analog Lab Pro
- Mellotron V
- Synthi V
- CZ V
- B3 V2
- Clavinet V
- CMI V
- DX7 V
- Buchla Easel V
- Synclavier V
- Mini V
- Piano V
- Stage-73 V
- Matrix-12 V
- Farfisa V
- Vox Continental V
- Solina V
- SEM V
- Wurli V
- Jup-8 V
- ARP 2600 V
- Modular V
- CS 80 V
- Prophet-5 V
- Prophet-VS V
- Augmented STRINGS
- Augmented VOICES
- KORG MS-20 V
- SQ 80 V
- Acid V
- CP-70 V
- Augmented GRAND PIANO
- Augmented BRASS
- Augmented WOODWINDS
- MiniFreak V
(1)Emulator II V
Emulator II Vは、8ビットデジタルクランチとウォームなアナログフィルターを組み合わせたローファイサウンドで、あらゆるミックスに個性を与えることができます。Depeche Mode、New Order、Genesis、John Carpenterなど80年代、90年代の音楽でEmulatorサウンドは使われてきました。
上部のパソコン画面で個々のレイヤーされた8つの波形を調整でき、下部のシンセで全体の音作りができます。シンセや鍵盤楽器系だけでなく、ドラムも含むあらゆるサンプルをレトロデジタルなサウンドを奏でることができます。
かなり充実した機能で、レイヤーそれぞれをエディットできるだけでなく、個々にフィルターやVCA、LFOなど調整できます。リンクボタンからリンクして共通パラメータにすることも可能で、サンプルは外部サンプルも利用できます。また、DAコンバータをビンテージの12ビットDAコンバータと現代風のクリーンなDAコンバータから選択できます。
個人的には、ローファイなピアノサウンド系(プリセットのAlpha Pianoなど)が特に好みでした。
(2)OB-Xa V
Van Halenのヒット曲「Jump」の音がデフォルトプリセットになっているOB-Xa V。80年代のチャートに登場した「Jump」シンセの巨大なアナログパワーを現代の音楽制作の時代にもたらし、オリジナルのサウンドに忠実でありながら、新たな機能を搭載しています。
しかし、Oberheimモデルのシンセは現状、下記のような素晴らしいソフトシンセが多くそれらに比べるとどうしても分厚さやシルキーさが劣る印象があります。
- Synapse Audio「Obsession」
- Gforce Software「OB-X」
(3)Jun-6V
モデル:Roland Juno-6
左上から3つのコンディションが選べるJun-6V。DCOの名機、JUNOシリーズのピュアなアナログスピリットを受け継いでいます。クリーミーなサウンドは、現代のクリエイティブなニーズに合わせて最適化され、強化されています。特徴的なコーラスをノイズも含め再現しており、左上からノイズのみオフにすることも可能です。
オリジナル自体もそうですが、初心者の方でも比較的扱いやすい音源です。変化がわかりやすく音作りしやすいです。Unisonモードで6ボイスにしてコーラスも付けると厚みを出すことができますが、Unisonは急激にCPU負荷が高くなり重くなるのでお気をつけください。
(4)Vocoder V
モデル:Moog 16 Channel Vocoder
Vocoder Vは、象徴的な16バンドボコーダーを先進のシンセ、サンプラー、モジュレーション機能でレトロフィットしたものです。Daft Punkの特徴的なロボットボーカルから最先端のフォルマントテクスチャーまで奏でます。
オリジナルのMoog 16 Channel Vocoderは、ボーカル信号を処理するために外部シンセサイザーが必要ですがVocoder Vでは、標準で付属しています。他のトラックや外部からの入力によって鳴らすことはもちろん、サンプルでも再生できます。すでにたくさんのサンプルが入っており、それらをVocoder Vのみで鳴らすことができます。もちろん外部のサンプルも使えます。サンプルは複数選択でき、サイクルして鳴らすこともできますが、MIDIノートによって切り替えて鳴らすことも可能です。
かなり使い勝手良く誰でもダフトパンクになれ、ボコーダーサウンドのサンプルシンセとしてもかなり有能です。
(5)Analog Lab Pro
V Collectionに含まれる音源だけでなく、別売のソフトシンセPigmentsのプリセットもある「Analog Lab Pro」。楽器の種類、ジャンル、サウンドデザイナー、様々な条件を設定して、ミックスが必要とするサウンドを簡単に見つけることができ、最速の制作ワークフローを実現します。直感的なマクロコントロールで各プリセットの重要な要素を把握したり、V Collectionのフルインターフェイスを呼び出してワンクリックでフルトーンのコントロールが可能です。
音作りをあまりせずプリセットを利用したい場合や時短したい場合などに便利なプラグインです。それだけでなく、さらに細かく調整したい場合でも個別で立ち上げた時と同様に1つ1つパラメータを調整することができます。(Pigmentsを持っている場合、Pigmentsもコントロール可能)
無料で使えるフリーバージョンAnalog Lab Play登場!
Analog Lab Playには100サウンドが収録されており、無料バージョンが「Analog Lab Play」なのに対して、有料バージョンは「Analog Lab Pro」という名前に変更されています。数回のクリックで必要なサウンドを絞り込み、プリセットを探索&カスタマイズして、自分だけのライブラリを作成できます。PlayとProの違いなど詳しい記事は以下をご覧ください。
(6)Mellotron V
モデル:Mellotron
MellotronをモデルとしたMellotron V。ストリングスやボーカルなど様々な音源を味のあるビンテージテープサウンドで奏でることができます。テープエミュレーションによる独自のサンプルの演奏機能を備えています。
BeatlesのStrawberry Fields Foreverなどで有名な楽器でMellotronのプラグインは割とありますが、Mellotron Vの特徴は自分の録音などサンプルを入れ込むことが可能なところです。さらに3つのレイヤーを組み合わせて利用することができます。デフォルトであるサンプルも多く、機能面ではUVIのVintage Vaultに入っているMelloなどより優れているでしょう。
(7)Synthi V
モデル:EMS Synthi AKS
EMS Synthi AKSをモデルとしたSynthi V。パッチピンモジュラーとして、モジュラーンセシスに新たな風を吹き込んだ英国生まれのシルバーマシンです。
ユニークないかついサウンドも作れますが、独特なピンマトリクスで使い方がわかりづらいかもしれません。縦列がソース、横列がデスティネーションになりますが、それらもそれぞれ2つに分類されます。Sourcesはオシレーターなど信号を出力するもの、Treatsmentはフィルターなど出力するために何らかの入力が必要なものです。Signal Inputsは信号を接続、Control Inputsはコントロール信号を接続します。
ひとまずは、オシレーターからどこに繋がっているか辿っていきましょう。一般的なプリセットの場合は、オシレーター→フィルター→エンベロープと繋がっていると思います。このように一つ一つどこと繋がっているか紐解いていくことで徐々に使いこなせるようになると思います。
ただし、Synthi Vは重いのでご注意ください。
(8)CZ V
モデル:Casio CZシリーズ
Casio CZシリーズをモデルとしたCZ V。伝説となった格安シンセ。時間とともに波形自体を変化させるフェイズディストーションサウンドで、デジタルシンセに革命をもたらした楽器です。ソフトウエアとして強化され、モジュレーションとエフェクトが追加されています。
画面の波形を見てもらうとわかると思いますが、波形自体が時間によって変化していきます。これは、AdvancedビューにあるDCWで調整できます。DCWは、プリセット波形を選択できるだけでなく、なんと自分で描いてベースとなる波形、ターゲットとなる波形を作成できます。UVI「Vintage Vault」に入っているCameoと比べるとかなり使い勝手が良いです。
使い勝手もサウンドも素晴らしいです。
(9)B3 V2
モデル:Hammond B3
オルガンの名機Hammond B3をモデルとしたB3 V2。電子オルガンの王者B-3の豊かなサウンドは、半世紀以上にわたってジャズ、ゴスペル、ハードロック、レゲエの定番として親しまれてきました。プリセットによってはブーンと音が鳴っているように聴こえる場合がありますが、気になる場合は右上FXのエフェクトやマスターボリューム、プリアンプドライブを調整しましょう。
他のシンセ同様にエンベロープやLFO、シーケンサーなどのモジュレーションが備わっており、ドローバーに動きをつけて他のオルガン音源ではあまりみない変化あるサウンドにすることができます。しかし、ハモンド公認の音源IK Multimedia「Hammond B3-X」に比べるとアタック音のリアルさなどどうしても劣ってしまう印象があります。
(10)Clavinet V
モデル:Hohner Clavinet
Hohner ClavinetをモデルとしたClavinet V。発売以来、ファンク、R&B、ソウル、ジャズのサウンドを支えてきたこの素晴らしい楽器を、Arturiaのモデリングノウハウにより、オリジナルの唸り声と躍動感を備えています。アンプ、最大5種のエフェクトをかけることが可能です。こちらもノイズが気になる場合はAdvancedビューから、PICK UP NOISEのパラメータを下げましょう。各パラメータと6つの異なるハーモニックプロフィールで初心者の方でも音作りしやすく簡単に音色を変えることができるので素早くサウンドのバリエーションを確認して最適な音作りを発見できます。
比較的ライブ感あるサウンドのプリセットが多い印象です。
(11)CMI V
モデル:Fairlight CMI
Fairlight CMIをモデルとしたCMI V。サンプラーの母であり、画期的なアディティブシンセであるオリジナルは、ポップミュージックを再定義しました。
Emulator Ⅱ V同様に、上部の画面から各サンプルを細かく調整できます。自分のサンプルを入れ込むことも可能です。それだけでなく、CZ Vと同じく波形を自ら整形することもでき、10スロットもあるのでできることはかなり多いです。シーケンサーも搭載されており、各スロットにドラムサウンドを置いてレトロなリズムマシンのグルーヴを奏でるプリセットもあります。サウンドエフェクトやオーケストラヒットからドラムまでデジタルレトロなサウンドを奏でることができます。
(12)DX7 V
モデル:Yamaha DX7
Yamaha DX7をモデルとしたDX7 V。プログラミング方法を簡素化し、モッドマトリクス、カスタムエンベロープ、波形、2つ目のLFO、エフェクトなどで拡張されています。伝説的なFMデジタルシンセサイザーが元となっているため金属的なエレクトリックピアノサウンドなどが特徴的で、多くの波形が搭載された6つのオペレーターを32のアルゴリズムで利用できます。アルゴリズムの表示は、オペレーターのルートがどのようになっているか一目でわかるようになっており扱いやすいです。
(13)Buchla Easel V
モデル:BUCHLA Music Easel
BUCHLA Music EaselをモデルとしたBuchla Easel V。Don Buchlaが1973年に発表したアナログシンセであるMusic Easelは、アンビエント、ワイドスクリーンのテクスチャー、シーケンスを作成し、オルタナティブなサウンドデザインを探求するのに最適です。
こちらも重いのが難点ですが、シーケンサーとパッチケーブルが特徴的なシンセサイザーです。暴れん坊なサウンドで、パッチケーブルの黒は入力、それ以外は出力になっています。一見ややこしそうに見えますが、それぞれのノブや接続部分が色分けされていて同じ色の部分は同じ機能エリアになります。また、接続できる場所に赤い丸が付くので接続先がわかりやすいです。
Advancedビューも特徴的で、右手(パラメータのモジュレーション)、左手(鍵盤・シーケンサー)、そしてグラビティという独特なXYコントロールが搭載されています。グラビティではピンボールゲームのように自由に移動するポイントを反射する壁や重力のあるプラネットオブジェクトを置いて制御します。一筋縄では行かない自由なサウンドでアナログ感溢れる素晴らしいシンセです。
(14)Synclavier V
モデル:Synclavier
SynclavierをモデルとしたSynclavier V。マイケルジャクソンの「Beat It」始まりのゴング音でお馴染みのFMシンセで、クールな音が特徴です。オリジナルデザイナーのキャメロン・ジョーンズと提携し、彼の発案したシンセをソフトウェアで忠実に再構築されています。80年代初頭の大ヒット曲や映画のサウンドトラックを支えたエリートデジタルシンセサイザーが、拡張機能と再合成によって、アップデートされています。
12個のパーシャルティンバーと呼ばれる各レイヤーは、倍音や位相を調整してキャリア波形とモジュレーター波形を別々に自由にカスタマイズでき、時間軸で別々の波形を作ることで変化させることが可能です。こちらもかなり機能性の高いシンセとなっていていじりがいがあります。
(15)Mini V
モデル:Minimoog
MinimoogをモデルとしたMini V。おそらく歴史上最も有名なシンセであるこのモノシンセは、そのファットでウォームなベースとリードで伝説となっています。ボブ・ムーグ本人と提携し、70年代には不可能だった新機能を搭載しています。こちらはモノフォニックアナログシンセの名機がモデルですが、ポリフォニックにすることが可能です。これはMinimoogなのか?という音もたくさんあります。
V4になり、より太さを感じるMoogらしいサウンドになったと感じました。Moog本家からリリースされている素晴らしいサウンドの極太ソフトシンセ「Mariana」もありますが、ポリフォニック対応や負荷を考えるとMini Vも十分利用する価値があります。
(16)Piano V
モデル:ピアノ12種
ピアノ12種からなるPiano Vが新しく進化しました。フィジカルモデリングピアノ音源だからこそできるマイクポジションや弦、ハンマーの質感を調整でき、ベロシティカーブも自分のMIDIキーボードにあった形でキャリブレーションできます。
プリセットが豊富で変わった音もたくさんあり、現実では不可能な調整、音を奏でることができるので便利で柔軟に使えます。少し軽いサウンドになってしまう可能性もありますが、一般的なピアノ音源では出せない音作りができ、使い勝手がかなり良いです。
(17)Stage-73 V
モデル:Rhodes
RhodesをモデルとしたStage-73 V。数々のヒット曲を生み出した伝説のFender Rhodesのサウンドをフィジカルモデリングのパワーにより、ツメやキャビネット、エフェクターやアンプに至るまで、あらゆるニュアンスを再現しています。右上からStageとSuitcaseが選べるだけでなく、Advancedビューから7つのモデルが選べます。Stageにある’73、’74は年代を表し、’73年以前は左側のノブがTone、’74年以降は左側のノブがBASS BOOSTになります。
フィジカルモデリングならではの音が鳴る構造自体をカスタマイズできる音源ですが、同じような仕様のものでAAS「Louge Lizard」やPianoteqのエレピ音源などもあります。個人的にはPianoteqのエレピが硬い音が出せるので好きですが、Stage-73 Vも扱いやすい音源です。
(18)Matrix-12 V
モデル:Oberheim Matrix 12
Oberheim Matrix 12をモデルとしたMatrix-12 V。伝説のアナログポリシンセMatrix-12は、比類なきマトリクスモジュレーションと15モードフィルターによって、大きく華やかなOberheimサウンドを実現しました。さらに多くのモジュレーションソースと27×47マトリクスを追加して、その機能を拡張されています。
12個のボイスそれぞれを調整することができ、厚みのあるサウンドを奏でることができます。V CollectionのOberheimモデルの中では一番好みです。ただし、波形画像など絵が少ないので初心者の方は操作はわかりづらいかもしれませんでご注意ください。
(19)Farfisa V
モデル:Farfisa Compact Deluxe Combo Organ
Farfisa Compact Deluxe Combo OrganをモデルとしたFarfisa V。トランジスタオルガンは、60年代のヒット曲のバックボーンであり、それ以来、アップビートなジャンルの中で鳴り続けています。このクラシックなサウンドに、ユーザー定義可能な波形、エンベロープ、エフェクトなど、シンセサイザー機能が追加されています。
良い意味でチープな味のある音が特徴です。音をCからBまでキー調整できる機能があり、わざとピッチをはずしてレトロ感をさらにだすことも可能です。低いキーの黒色、灰色の鍵盤はベースパートとして機能することもできます。こちらもノイズが気になる場合はAdvancedビューから、NOISE LEVELのパラメータを下げましょう。Advancedビューでは波形を作成できる細かく密集したスライダーがあり、カスタマイズ性も高いです。
(20)Vox Continental V
モデル:Vox Continental 300
Vox Continental 300をモデルとしたVox Continental V。トランジスタドローバーオルガンは、「ブリティッシュインベイジョン」や西海岸のヒットファクトリーですぐに採用されました。後のJennings J70エンジンの代替品も含み、フルドローバー、追加波形、ロータリーキャビネット、エフェクトが追加されています。ギターアンプもVoxになっています。
黒い鍵盤が特徴的なオルガンで、2段+ペダルボードでコントロールすることも可能です。Advancedビューから、こちらも音をCからBまでキー調整できる機能があり、音が多少異なるVoxとJennings2つのエンジンを切り替えることも可能です。こちらも味のあるサウンドを奏でることができます。
(21)Solina V
モデル:Solina
SolinaをモデルとしたSolina V。初期のプロトシンセとオルガンのハイブリッドであるSolinaは、電子的に豊かなストリングスとオーケストラのサウンドを奏でます。モノラルとステレオの両方のバージョン、エフェクト、Polymoogにインスパイアされた新しい音色を利用することができます。
ビンテージ感あるストリングスシンセサウンドなどを奏でることができます。こちらは、数々のストリングスシンセを網羅し組み合わせることが可能なUVI Vintage Vault 3にあるString Machines 2に比べると1つのモデルにフォーカスされたものですので、音色の幅は狭くなります。しかし、音作りのパラメータはString Machines 2より充実しているのでちょうど良いバランスのサウンドにすることができます。
(22)SEM V
モデル:Oberheim Sem
Oberheim SemをモデルとしたSEM V。実機は同時発音数分実機を用意しなければいけなく、8音にするには8個必要という代物でしたが、当然SEM Vではポリフォニックにすることが可能です。ユニークなポリフォニー、モジュレーションマトリックス、ノイズ、サブオシレーター、アルペジエーター、ポルタメントを搭載してアップデートされています。
Semモデル(8個分の8-Voiceモデル)ではTom Oberheim本人も絶賛しパーソナルエンドースを受けた初めてのソフト音源GForce Software「OB-E」があります。OB-Eでは、Sem一つ一つ別々に全てのパラメータを設定でき、それぞれの微妙な音の違いからより分厚いサウンドを奏でることができます。
(23)Wurli V
モデル:Wurlitzer
WurlitzerをモデルとしたWurli V。フィジカルモデリングを使用したArturia初のクラシックキーボードエミュレーションで、リード、ハンマー、メカニカルノイズ、増幅、プラスチックボディの共鳴音などの音響特性を再現し、優れたリアリズムと柔軟性を備えたバーチャルインストゥルメントを作成できます。
エレクトリックピアノといえばRhodesとWurlitzer。V Collectionはどちらも入っています。V4になり、かなり音が変わった印象で利用しやすいサウンドになっていると感じました。モデルも4種類から選べるようになっています。フィジカルモデリングですので、音が鳴る構造自体を変化させWurlitzerからかけ離れたサウンドにすることも可能です。
(24)Jup-8 V
モデル:Roland Jupiter-8
Roland Jupiter-8をモデルとしたJup-8 V。カラフルな見た目が印象的な伝説のシンセサイザー。ファットでありながらエアリーでクリアなこのクラシックなポリシンセはPrince、Duran Duran、Moby、Depeche Modeなど様々なアーティストに愛されてきました。
Roland公式のRoland CloudにもJupiter-8がありますが、そちらと比べるとArturia独自の機能がプラスされています。複雑なLFOの組み合わせモジュレーション可能なダイナミックエフェクト、高度なステップシーケンサーを追加されています。
Roland CloudやJUPITER-8については下記の記事を参考にしてください。
(25)ARP 2600 V
モデル:ARP 2600
ARP 2600をモデルとしたARP 2600 V。アタッシュケースになる実機そのままのデザインでオシレーターが3つあるのが特徴です。パッチコードでオーバーライドできる接続を備えており、クリアで明るいリードからR2D2の声までシンセシスの学習と探求ができます。ポリフォニー、トラッキングジェネレーターモジュール、シーケンサー、エフェクトなど、多くの機能拡張がされています。
パッチケーブルで信号をコントロールし様々なモジュールに繋ぐことで多様なモジュレーションやシーケンスが可能ですが、シンセサイザー初心者の方にはパッチの扱いが難しいでしょう。
(26)Modular V
モデル:Moog IIIc
Moog IIIcをモデルとしたModular V。Moog IIIcはタンスの愛称やYMOが使用していたことで知っている人もいるかもしれません。ボブ・ムーグと協力して、プログラム可能なプリセット、ポリフォニー、9つのVCO、3つのVCF、そしてBode 1620周波数シフターのような珍しいオリジナルモジュールを搭載して、この巨大なシステムがアップデートされています。
モジュールが多すぎる故に混乱する方も多いかもしれませんが意外と機能が似ているもしくはわかりやすいものが多くシンセサイザー初心者の方には難しいですが、モジュラーシンセを勉強したい方には良い教材だと思います。
(27)CS 80 V
モデル:Yamaha CS 80
Yamaha CS 80をモデルとしたCS 80 Vがアップデートされました。8音のポリフォニックシンセサイザーがモデルでVCO、VCF、VCAが2系統あるのが特徴です。
コントロールできるスライダーが多く戸惑うかもしれませんが、24種のボタンからなるTONE SELECTORで系統ごとにまとめてプリセットを変えることも可能です。音の特徴とパラメータ設定のお手本として使うことができます。他のシンセ同様にAdvancedビューから細かくモジュレーションすることもできます。
重い傾向にありますが、素晴らしいサウンドをしています。
(28)Prophet-5 V
モデル:Prophet 5
Prophet 5、Prophet VSをモデルとしたProphet Vが別々の音源になりました。独自のアナログエミュレート技術によってRev 2のパワーを自由に使うことができます。Arturiaらしい生き生きした太いサウンドでProphet-5を奏でることができます。Prophet/Pro-Oneモデルで質の高いシンセとしてu-he「Repro」がありますが、そちらに比べると軽く利用しやすいでしょう。ただし、個人的にはReproの方が音は好きです。
Prophet-5やReproについては下記の記事を参考にしてください。
(29)Prophet-VS V
モデル:Prophet VS
Prophet-VS Vは、デジタルオシレーターのサウンドとアナログフィルターやVCAのキャラクターを、伝説的なハードウェアと同様に忠実に一体化させています。
特徴的なモーフィングジョイスティックによって4つの波形をブレンドさせ、これを過激にモジュレーションすることでかなり今っぽいサウンドの音を作ることもできます。Advancedビューのひし形コントロールにポイントを追加して時間軸に応じて位置を変化できます。波形はプリセットだけでなくユーザーの波形も入れることができます。
(30)Augmented STRINGS
サンプリングされた弦楽器と最先端のシンセシス、深いモーフィングコントロールを組み合わせたインストゥルメントです。
ついに、V Collectionに名機シンセや鍵盤楽器モデル以外の音源が追加されました。
シンセとサンプルを組み合わせることが可能なレイヤーが2つあり、真ん中の大きなコントロールノブでレイヤーをモーフィングします。一瞬シンプルなモーフィングレイヤー音源かと思いきや、Advancedビューからは各レイヤーのシンセやサンプルを細かく調整できます。特にシンセ部分は、Pigments譲りだなと思うような仕様でアナログ、グラニュラー、ハーモニック、ウェーブテーブルの4タイプから選択できます。
細かな調整なしでも、オートメーションやMIDIコントロールなどを使って曲に合わせてメインページのノブを操作するだけで変化を加えることができ、簡単に雰囲気作りができます。ただ、重い点は注意が必要です。
(31)Augmented VOICES
人間の声と複数のシンセエンジン、表現力豊かなコントロールを融合させハイブリッドサウンドを実現しています。
STRINGS同様の仕様で、ボーカルとシンセを組み合わせたパッドサウンドなどで使用できます。クワイアなどのパッドサウンドが主体となっているため、ボーカル音源というよりシンセ色が強いです。個人的には、フレーズなどでもっと現代的なアプローチもできればなと思いました。ただし、シネマティックなどで雰囲気作りにはかなり使えると思います。
(32)KORG MS-20 V
モデル:Korg MS-20
KORGとのパートナーシップによってMS-20のエミュレーションが追加されました。パッチケーブルなど初心者の方が扱いづらい仕様もありますが、アナログの太いサウンドとモジュラー、シーケンサーによるサウンドデザインで自由にカスタマイズできます。こちらも若干重い傾向にあります。2つの異なるフィルターも再現されていますが、攻撃的なキャラクターのMK1(KORG 35)タイプは、もう一つのMK2(OTA)タイプより負荷が重いです。和音も出せますが、やはりモノフォニックでシーケンサーなどを使った方が映えるなと感じました。
(33)SQ80 V
モデル:Ensoniq SQ-80
オリジナルやArutria独自の波形を追加した3つからなるデジタルオシレーターとエミュレートされたアナログフィルターによって不完全で暖かいローファイな音色を奏でることができます。クランチーな独特のレトロデジタルサウンドを奏でることができます。ドラムサウンドもあり、楽曲に80’s感を加えることができます。Synthesisビューから3つのオシレーターを調整できますが、Transwavesフォルダにある波形は2つのモジュレーションインプットがあり、波形を変化させることができます。
(34)Acid V
モデル:Roland TB-303
シーケンサーが特徴的な名機ベースラインシンセがモデルの音源です。サブオシレーターも搭載されています。特徴的なレゾナンスは、強烈でありながらも嫌なサウンドになりにくく良い感じにおさまりやすいフィルターでとても扱いやすいです。
また、14種類ものタイプがあるディストーションがかなり良い味付けになります。ディストーションタイプは、それぞれかなり違うサウンドに変化してくれます。レゾナンスやカットオフにモジュレーションをかけて歪みを加えることで素晴らしいサウンドになります。これを使う時は歪ませたい!と思う音源でした。
(35)CP-70 V
モデル:Yamaha CP-70
エレクトリックピアノとアコースティックピアノの間のようなサウンドが特徴的なCP-70モデルの音源です。程よい硬さと質感のあるサウンドでデフォルトプリセットだけで十分やっていけます。パラメータはあまり多くないですが、プリセットが豊富で多様なサウンドを奏でることができます。
(36)Augmented GRAND PIANOS
他のAugmentedシリーズ同様に、シンセとレイヤーされた多様なサウンドを奏でるハイブリッドピアノ音源です。Piano Vと比べてシネマティックな雰囲気あるピアノ音源になっています。オーケストラやシネマティック音源を多く開発するメーカーから出ていてもおかしくないような雰囲気作りにうってつけのピアノ音源です。
ピアノのサンプルはフェルトやハンマーノイズ、プリペアド系など多様なサウンドがあり、レイヤーすることでより質感をより強調してリアリティを強めたピアノサウンドにすることができます。
(37)Augmented BRASS
他のAugmentedシリーズ同様に、シンセとレイヤーされた多様なサウンドを奏でるハイブリッドブラス音源です。こちらもシネマティックな雰囲気が強いブラス音源で、レイヤーされたサウンドで1トラックとは思えない複雑に重なった変化あるブラスサウンドを作ることができます。
ポップスなどではなかなか利用しづらい可能性もありますが、ブラス音源という固定概念を捨ててシンセだと割り切って使った方が良さそうです。
(38)Augmented WOODWINDS
他のAugmentedシリーズ同様に、シンセとレイヤーされた多様なサウンドを奏でるハイブリッド木管楽器音源です。クラシックな木管楽器をシンセと融合させることで独特のサウンドを作り上げることができます。他のAugmentedシリーズ同様にシネマティックな雰囲気ある音源となっており、緊張感や壮大さを表現しながら一癖あるサウンドで現代的に仕上げることができます。
(39)MiniFreak V
MiniFreak Vは、同名のハードウェアMiniFreakと同期して利用することが可能なソフトウェア版のMiniFreakです。シンセサイザーに関する知識がある程度ある人であれば、すぐに利用できるシンセで操作画面がかなりわかりやすいなと感じました。波形やフィルター表示がモジュレーションによってちゃんと変化するところが素晴らしいなと感じます。比較的シンプルな仕様ですが、波形によってそれに適したパラメータが搭載されており、それをモジュレーションすることで変化ある多彩なサウンドを奏でます。全体的に冷たさを感じるサウンドをしています。
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まとめ
V Collection 10はこれ一つでシンセ・鍵盤楽器が網羅できるお得バンドルです。
最初のソフト音源として勉強する上でも良い製品ですが、CPU負荷が高いのでパソコンのスペックに自信がない方は注意が必要です。
DTM初心者の方にとっては扱いが難しいソフトもありますが、プリセットも豊富で使いやすいのでこれを機にビンテージシンセサイザーについて勉強し、あなたの曲に取り入れてみてはいかがでしょうか?
この記事が参考になったのなら幸いです。
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