【1記事で網羅】ブラックフライデーセールまとめ

Arturia「V Collection 9」全て使ってレビュー!セール情報からアップグレードやRento-to-Ownも解説!

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  • V Collection 9めちゃくちゃ内容量あるけど実際使える音源なの?
  • V Collection 9だけで曲は作れる?
  • V Collection 9は重い?

このように思ってこの記事を読んでいるのではないでしょうか?

今回は、主要名機シンセ・鍵盤楽器を網羅したソフト音源Arturia「V Collection 9」をレビューします。

使いこなすのは少々難易度が高めですが、勉強すること込みでDTM初心者の方にもおすすめできるソフト音源です。

V Collection 9にバージョンアップされ、新しく特定の名機シンセや鍵盤楽器のエミュレートではない生音とシンセを融合したAugmentedシリーズも追加され、より幅広いサウンドを備えるパッケージとなりました。

今回は、「V Collection 9」を導入するメリットや注意点とともに入っている音源を一つ一つレビューしていきたいと思います。

ぜひ参考にして下さい。

ソフトシンセに関するまとめ記事はこちらをご覧ください。


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【2023年最新版】ソフトシンセおすすめ21選!無料(フリー)やセール情報、使い方、初心者・ライブ向けまで解説【随時更新】


目次

1. Arturia「V Collection 9」とは?

V Collection 9は、実機のシンセサイザーも出しているArturia(アートリア)が開発する名機シンセサイザー、鍵盤楽器を網羅したソフト音源バンドルです。ビンテージのシンセサイザーだけでなく、ピアノ、エレクトリックピアノ、オルガンなども独自のエミュレート技術やフィジカルモデリングで再現されています。

それぞれのソフト音源は単体でも販売されています。

新しく特定の名機シンセや鍵盤楽器のエミュレートではない生音とシンセを融合したAugmentedシリーズも追加され、より幅広いサウンドを備えるパッケージとなりました。

作曲ソフトDAWの拡張機能VST、AU、AAXプラグインとして利用できNative Instrumentsのコントローラーなどと連携するNKSにも対応していますが、単体での起動(スタンドアローン)も可能です。

<V Collection 9 概要>

開発会社Arturia
操作画面v-collection-9-all-contents
製品名V Collection 9
モデル(シンセや鍵盤ごとに区切り)Mellotron / EMS Synthi AKS / Casio CZシリーズ
Hammond-B3 / Hohner Clavinet / Fairlight CMI /YAMAHA DX7
BUCHLA Music Easel / Synclavier / Minimoog / ピアノ12種
Rhodes / Oberheim Matrix 12 / Farfisa Compact Deluxe Combo Organ
Vox Continental 300 / Solina / Oberheim Sem / Wurlitzer
Roland Jupiter-8 / ARP 2600 / Yamaha CS-80 / Prophet 5 / Prophet VS
Moog IIIc / E-Mu Emulator II / Oberheim OB-Xa / Roland Juno-6
Moog 16 Channel Vocoder / Korg MS-20 / Ensoniq SQ-80
プリセット14000
価格(定価)599ドル
Splice Plugins 24.99ドル / 24ヶ月

システム要件

Mac OS 10.13以上

  • 4 GB RAM
  • 4コアCPU、3.4GHz(4.0GHz Turbo-boost)またはM1 CPU
  • 32GBのハードディスク空き容量
  • OpenGL 2.0対応GPU

Win 10+ (64ビット)

  • 4 GB RAM
  • 4コアCPU、3.4GHz(4.0GHz Turbo-boost)。
  • 32GBのハードディスク空き容量
  • OpenGL 2.0対応GPU
こんな人には特におすすめ!
  • 鍵盤楽器の音源をまとめてほしい
  • 名機シンセの音源をまとめてほしい

V CollectionはSplice Pluginsにて月額払い(Rento-to-Own 借りる→自分のものに)でも利用可能です。Splice Pluginsに関する詳しい記事はこちらをご覧ください。Splice Pluginsは通常の月額払いと違い、支払いの義務はなくいつでも停止そして再開することが可能で払い切ると自分のものになります。


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Splice Plugins使い方や無料トライアル!SerumなどVSTプラグインをサブスク(Rent-to-Own)で買える!


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2. バージョン9へのアップデートによる追加点

バージョン9にアップデートされ、新しく以下の4つの音源が追加されました。

  • Korg MS-20 V:Korg MS-20モデルクラシックなアナログサウンドとセミモジュラーアーキテクチャーを持つシンセ
  • SQ 80 V:Ensoniq SQ-80モデル何千ものデジタル波形の組み合わせとクランチーなアナログフィルターを融合したハイブリッドなローファイクロスウェーブシンセ
  • Augmented STRINGS:サンプリングされたストリングスと最先端のシンセシス、深いモーフィングコントロールを組み合わせたハイブリッド音源
  • Augmented VOICES:人間の声と複数のシンセエンジン、表現力豊かなコントロールを融合させたハイブリッド音源

今までのアップデートでは、基本的に特定の名機モデルをエミュレートした音源が追加されていましたが、新しく生音とシンセを組み合わせたAugmentedシリーズも追加されています。

以下の既存音源も再構築されています。

  • CS-80 V 4:ゼロからリビルドされたYamaha CS-80モデルシンセ
  • Prophet-5 V / Prophet-VS V:元々はProhpet VとしてProphet 5、Prophet VSモデルを組み合わせることができる音源でしたが、別々の音源として独立
  • Piano V 3:ビンテージグランドからモダンシネマティックまで、12種類のモデルを再構築したフィジカルモデリングピアノ音源
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3. 導入するメリット

Arturia「V Collection 9」の導入するメリットは次の点が考えられます。

  • 名機鍵盤楽器・シンセサイザーがまとめて手に入る
  • 日本語マニュアルがある
  • 豊富なプリセットから欲しい音がすぐ見つかる
  • 独自のアナログエミュレートシステムやフィジカルモデリング

名機鍵盤楽器・シンセサイザー がまとめて手に入る

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V Collectionは名機と呼ばれるピアノやエレクトリックピアノ、オルガンなどの主要な鍵盤楽器からシンセサイザーまでを一気に手に入れることができるお得なバンドルです。

ソフト音源を一つも持っていない方は、これを購入するだけで鍵盤楽器・シンセを網羅できるのでおすすめです。

それぞれの音源の元となった楽器は以下の通り。

  • Mellotron V→Mellotron
  • Synthi V→EMS Synthi AKS
  • CZ V→Casio CZシリーズ
  • B3 V2→Hammond B3
  • Clavinet V→Hohner Clavinet
  • CMI V→Fairlight CMI
  • DX7 V→Yamaha DX7
  • Buchla Easel V→BUCHLA Music Easel
  • Synclavier V→Synclavier
  • Mini V→Minimoog
  • Piano V→ピアノ12種
  • Stage-73 V→Rhodes
  • Matrix-12 V→Oberheim Matrix 12
  • Farfisa V→Farfisa Compact Deluxe Combo Organ
  • Vox Continental V→Vox Continental 300
  • Solina V→Solina
  • SEM V→Oberheim SEM
  • Wurli V→Wurlitzer
  • Jup-8 V→Roland Jupiter-8
  • ARP 2600 V→ARP 2600
  • CS 80 V→Yamaha CS 80
  • Prophet V→Prophet 5、Prophet VS
  • Modular V→Moog IIIc
  • Jun-6 V→Roland Juno-6
  • Vocoder V→Moog 16 Channel Vocoder
  • OB-Xa V→Oberheim OB-Xa
  • Emulator II V→E-Mu Emulator II
  • Korg MS-20 V→Korg MS-20
  • SQ 80 V→Ensoniq SQ-80
  • Prophet-5 V→Prophet 5
  • Prophet-VS V→Prophet VS
  • Augmented STRINGS:ストリングス×シンセ
  • Augmented VOICES:人間の声×シンセ

日本語マニュアルがある

公式のマニュアルは、日本語に対応しています。

リリースしてすぐの場合は、日本語マニュアルがないこともありますが、少し待てば日本語マニュアルも用意されます。海外製品の場合は、日本語マニュアルに対応していることが少ないので大変ありがたいです。

それだけでなく、それぞれの名機の仕様や特徴、歴史を細かく知ることができ、勉強にもなります。

名機の仕様や特徴、歴史を勉強するためだけにも利用できる素晴らしい教材でもあります。

豊富なプリセットから欲しい音がすぐ見つかる

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もちろんソフトによりますが、比較的にプリセットが豊富かつパートで別れて表示できるので欲しい音が見つかりやすいです。プリセットは合計で1万をこえます。

特に全ての個々の音源や別売のソフトシンセPigmentsをまとめてコントロールできるAnalog Lab Vは便利です。

楽器の種類、ジャンル、サウンドデザイナー、様々な条件を設定して、ミックスが必要とするサウンドを簡単に見つけることができ、最速の制作ワークフローを実現します。

直感的なマクロコントロールで各プリセットの重要な要素を把握したり、V Collectionのフルインターフェイスを呼び出してワンクリックでフルトーンのコントロールが可能です。つまり、レイヤーされた各シンセは個別で立ち上げた場合同様に1つ1つパラメータを調整することができます。(Pigmentsも持っている場合コントロール可能)


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Arturia「Pigments 4」レビューと使い方やセール情報!重い?アップデートされた機能も解説


独自のアナログエミュレートシステムやフィジカルモデリング

Arturiaのソフトシンセが他と異なるのは、アナログ回路をデジタルで再現するArturia独自の技術が使用されている場合がある点です。動的に生成することで、独特の生き生きした太いサウンドを奏でることができます。

また、アコースティック楽器はフィジカルモデリングで再現されています。これらにより、サンプル音源ではできないような柔軟性、機能性を持ち合わせています。

4. 利用する前に知っておきたい注意点・デメリット

しかしながら、利用する前に知っておくべき注意点・デメリットもあります。

  • 収録されている音源の種類に注意!他の製品が良い場合も
  • 重いものもある

収録されている音源の種類に注意!他の製品が良い場合も

▼表は横にスクロールできます▼

メーカーArturiaUVIUVIIK Multimedia
製品名V Collection 9Vintage Vault 4Synth Anthology 4Syntronik 2
価格599ドル599ドル149ドルCS:無料
SE:一部ハードに付属
通常版:129.99ユーロ
MAX:199.99ユーロ
収録内容鍵盤楽器(ピアノ/エレピ/オルガンなど)
ビンテージシンセ
ビンテージシンセ
リズムマシン
ビンテージ〜近年のシンセビンテージシンセ
個々の音源のパラメータ独立________________________独立________________________共通________________________共通________________________
補足33のArturia製品36のUVI製品
800,000以上のサンプル
200モデル
4000以上プリセット
最大34モデル
200GB以上
詳細  詳細記事 詳細記事詳細記事

※価格は変動することがあります。

V Collection 9はビンテージシンセのみならず鍵盤楽器も網羅しているという点が魅力です。しかし、人によっては他の音源を購入した方がい良い場合もあります。

例えば、ビンテージシンセのみ欲しい場合はUVI「Vintage Vault 4」の方が種類は多く、リズムマシンまで網羅しています。

もう1つ大きな違いはサンプルベースかどうかです。UVI製品などは1つ1つ実機を収録しているのに対して、V Collectionはアナログ回路をデジタルで再現する独自の技術でエミュレートされている音源があります。好みにはなりますが、アナログ系であればV Collectionの方が太く生きたサウンドが鳴る印象があります。

また、音源にもよりますが1つ1つの操作できることなどを含めて、機能性はサンプルであるUVI製品に比べてV Collectionの方が高い場合が多いです。


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UVI「Vintage Vault 4」全て使ってレビュー!セール情報も解説!ビンテージシンセサイザーを網羅した音源の実力とは?


プラグインソフト音源集やビンテージシンセ収録音源は以下のようなものがあります。

    • Arturia「V Collection 9」
      鍵盤楽器(ピアノ、エレピ、オルガンなど)、ビンテージシンセ
    • UVI「Vintage Vault 4」
      ビンテージシンセ、リズムマシン
    • UVI「Synth Anthology 4」
      ビンテージシンセ〜近年のシンセ。一つのプラグイン共通パラメータでコントロールする音源。
    • IK Multimedia「Syntronik 2」
      ビンテージシンセ。一つのプラグイン共通パラメータでコントロールする音源。
    • Native Instruments「Komplete 14」
      ほぼ全ての音源を網羅。ただしシンセサイザーは独自のものがほとんどで、ビンテージシンセがモデルのものは少ない。
    • IK Multimedia「SampleTank 4」
      ほぼ全ての音源を網羅。一つのプラグイン共通パラメータでコントロールする音源。


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また、もしシンセサイザー以外の鍵盤楽器がまとめて欲しい場合はSpectrasonics「Keyscape」もおすすめです。ただし、Keyscapeにはオルガンの音源が収録されていないのでご注意ください。


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重いものもある

軽いものもありますがSynthi V、Buchla Easel Vなど結構重いものもあります。

また、バージョン9から追加された音源も重いものが多いです。

パソコンのスペックに自信がない方は、注意が必要です。

5. 口コミ・評判を紹介!

V Collectionの口コミ・評判をまとめました。

評価は高く、UVI「Vintage Vault」と比べてもV Collectionの方が良いという方も見受けられます。

しかし、8→9のアップデートより7→8のアップデートの方が評価が高かった印象があります。個人的にも、前回のアップデートの方が良かったなという印象です。

毎度、Arturia V Collectionは安くなった頃を見計らってバージョンアップ費用払っているけど、今回ばかりは発売日当日に買っても良かったと思うぐらい満足してる。特にEmulator IIとVocoderは大満足です

最近のライブステージだと、Arturia Originとか使用されてて、あまりの日本で使ってる場面を観た事が無いから、ほへー、と。
まあ、PC要らずでV Collectionが使える感じになるから、現場だと便利なんでしょうねえ。

Vコレ9にアップデートしました。
Arturiaコンプリート勢の僕はMS-20とVoiceだけかあと思ってたんだけど、CS-80がリビルド、Prophetが5とVSに分かれるの知って、値段的に納得(8からは$149です)。あとPiano Vは全然使ってなかったから今回のリビルドでどうなってるか楽しみ🙂

引用:Twitter

6. V Collection 9に関するセール情報・アップグレードについて

Arturia製品は、ブラックフライデーのみならずセールをおこないます。

割引率もそこそこ高く、半額ほどになる場合が多いです。V Collection 9だけでなく各種単体音源もセールの対象になることがあります。

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V Collection 9は他のArturia製品を持っていると安く購入することも可能で、Arturia公式にログインして「MY ACCOUNT」にクロスグレード価格・アップグレード価格が記載されている場合があります。

最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。


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7. Arturia製品のインストール・アクティベーション方法

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Arturia製品のインストール・オーソライズ方法は、以下の4STEPで完了します。

  1. Arturiaでアカウント作成・ログインします。
  2. 右上人型アイコンの「MY ACCOUNT」→「Register New Product」からSN(シリアルナンバー)、UC(アンロックコード)を入力して登録します。
  3. ASC(Arturia Software Center)をダウンロード・インストールします。
  4. ASCを起動してログインし、製品をアクティベート・インストールします。

※Splice Pluginsで購入した場合のインストール・オーソライズ方法は下記の記事を参考にしてください。


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Splice Plugins使い方や無料トライアル!SerumなどVSTプラグインをサブスク(Rent-to-Own)で買える!


8. V Collection 9のソフト音源を一つ一つレビュー!

ここからは一つ一つソフト音源を紹介していきたいと思います。

各プラグインの使い方は公式から一部日本語マニュアルも出ていますので、そちらを参考にしてください。

https://www.arturia.com/support/downloads&manuals

次の順番で紹介します!

  1. Emulator II V
  2. OB-Xa V
  3. Jun-6V
  4. Vocoder V
  5. Analog Lab V
  6. Mellotron V
  7. Synthi V
  8. CZ V
  9. B3 V2
  10. Clavinet V
  11. CMI V
  12. DX7 V
  13. Buchla Easel V
  14. Synclavier V
  15. Mini V
  16. Piano V
  17. Stage-73 V
  18. Matrix-12 V
  19. Farfisa V
  20. Vox Continental V
  21. Solina V
  22. SEM V
  23. Wurli V
  24. Jup-8 V
  25. ARP 2600 V
  26. Modular V
  27. CS 80 V
  28. Prophet-5 V
  29. Prophet-VS V
  30. Augmented STRINGS
  31. Augmented VOICES
  32. KORG MS-20 V
  33. SQ 80 V

(1)Emulator II V

モデル:E-Mu Emulator II

Emulator II Vは、8ビットデジタルクランチとウォームなアナログフィルターを組み合わせたローファイサウンドで、あらゆるミックスに個性を与えることができます。Depeche Mode、New Order、Genesis、John Carpenterなど80年代、90年代の音楽でEmulatorサウンドは使われてきました。

上部のパソコン画面で個々のレイヤーされた8つの波形を調整でき、下部のシンセで全体の音作りができます。シンセや鍵盤楽器系だけでなく、ドラムも含むあらゆるサンプルをレトロデジタルなサウンドを奏でることができます。

かなり充実した機能で、レイヤーそれぞれをエディットできるだけでなく、個々にフィルターやVCA、LFOなど調整できます。リンクボタンからリンクして共通パラメータにすることも可能で、サンプルは外部サンプルも利用できます。また、DAコンバータをビンテージの12ビットDAコンバータと現代風のクリーンなDAコンバータから選択できます。

(2)OB-Xa V

モデル:Oberheim OB-Xa

Van Halenのヒット曲「Jump」の音がデフォルトプリセットになっているOB-Xa V。80年代のチャートに登場した「Jump」シンセの巨大なアナログパワーを現代の音楽制作の時代にもたらし、オリジナルのサウンドに忠実でありながら、新たな機能を搭載しています。

しかし、同時期に発売したSynapse Audio「Obsession」とどうしても比べてしまいます。Obsessionは、OB-Xaモデルのかなり評価の高いソフトシンセです。どちらも持っていますが、Obsessionの方がシルキーで高音域も痛くない分厚い音を出すことができ、個人的に好みなサウンドです。


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Synapse Audio「Obsession」レビューと使い方やセール情報!名機モデルの高評価ソフトシンセ


(3)Jun-6V

モデル:Roland Juno-6

左上から3つのコンディションが選べるJun-6V。DCOの名機、JUNOシリーズのピュアなアナログスピリットを受け継いでいます。クリーミーなサウンドは、現代のクリエイティブなニーズに合わせて最適化され、強化されています。特徴的なコーラスをノイズも含め再現しており、左上からノイズのみオフにすることも可能です。

オリジナル自体もそうですが、シンプルな作りのシンセですので初心者の方でも比較的扱いやすいです。

(4)Vocoder V

モデル:Moog 16 Channel Vocoder

Vocoder Vは、象徴的な16バンドボコーダーを先進のシンセ、サンプラー、モジュレーション機能でレトロフィットしたものです。Daft Punkの特徴的なロボットボーカルから最先端のフォルマントテクスチャーまで奏でます。

オリジナルのMoog 16 Channel Vocoderは、ボーカル信号を処理するために外部シンセサイザーが必要ですがVocoder Vでは、標準で付属しています。他のトラックや外部からの入力によって鳴らすことはもちろん、サンプルでも再生できます。すでにたくさんのサンプルが入っており、それらをVocoder Vのみで鳴らすことができます。もちろん外部のサンプルも使えます。サンプルは複数選択でき、サイクルして鳴らすこともできますが、MIDIノートによって切り替えて鳴らすことも可能です。

かなり使い勝手良く誰でもダフトパンクになれます。

(5)Analog Lab V

V Collectionに含まれる音源だけでなく、別売のソフトシンセPigmentsのプリセットもある「Analog Lab V」。楽器の種類、ジャンル、サウンドデザイナー、様々な条件を設定して、ミックスが必要とするサウンドを簡単に見つけることができ、最速の制作ワークフローを実現します。直感的なマクロコントロールで各プリセットの重要な要素を把握したり、V Collectionのフルインターフェイスを呼び出してワンクリックでフルトーンのコントロールが可能です。

サウンドデザイナーなどが手掛けたプリセットなど豊富すぎるプリセットで、それぞれのシンセをレイヤーし、個別で立ち上げた場合同様に1つ1つパラメータを調整することができます。(Pigmentsも持っている場合コントロール可能)Stageモードでは、1つの画面で簡単に操作可能なステージで使えるモードになります。

ただし、個々のシンセを組み合わせていることもあり負荷が重い場合があります。


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Arturia「Pigments 4」レビューと使い方やセール情報!重い?アップデートされた機能も解説


追記:無料で使えるフリーバージョンAnalog Lab Play登場!

Analog Lab Playには100サウンドが収録されており、無料バージョンが「Analog Lab Play」なのに対して、有料バージョンは「Analog Lab Pro」という名前に変更されています。数回のクリックで必要なサウンドを絞り込み、プリセットを探索&カスタマイズして、自分だけのライブラリを作成できます。PlayとProの違いなど詳しい記事は以下をご覧ください。


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【無料】Arturia「Analog Lab Play」無償配布!V CollectionやPigmentsなどから厳選されたシンセ&鍵盤楽器100サウンド音源


(6)Mellotron V

モデル:Mellotron

Mellotronをモデルとした約61のプリセットがあるMellotron V。オーケストラやコーラスのサウンドを鍵盤ひとつで奏でることができるキーボードプレイヤーの可能性を広げる楽器です。すべてのオリジナルテープと、テープエミュレーションによる独自のサンプルの演奏機能を備えています。

BeatlesのStrawberry Fields Foreverでお馴染みのMellotronサウンド。Mellotronのプラグインは割とありますが、Mellotron Vの特徴は自分の録音などサンプルを入れ込むことが可能なところです。さらに3つのレイヤーを組み合わせて利用することができます。デフォルトであるサンプルもかなり多く、機能面ではUVIのVintage Vaultに入っているMelloより優れているでしょう。

(7)Synthi V

モデル:EMS Synthi AKS

EMS Synthi AKSをモデルとした約295のプリセットがあるSynthi V。パッチピンモジュラーとして、モジュラーンセシスに新たな風を吹き込んだ英国生まれのシルバーマシンです。新たに拡張されたモジュレーション、パワフルなエフェクト、アップデートされたシーケンサー、ピンをグループ化して完全にコントロールする機能で生まれ変わっています。

かなりいかついサウンドも作れますが、独特なピンマトリクスで使い方がわかりづらいかもしれません。縦列がソース、横列がデスティネーションになりますが、それらもそれぞれ2つに分類されます。Sourcesはオシレーターなど信号を出力するもの、Treatsmentはフィルターなど出力するために何らかの入力が必要なものです。Signal Inputsは信号を接続、Control Inputsはコントロール信号を接続します。重いのも難点です。

(8)CZ V

モデル:Casio CZシリーズ

Casio CZシリーズをモデルとした約455のプリセットがあるCZ V。伝説となった格安シンセ。時間とともに波形自体を変化させるフェイズディストーションサウンドで、デジタルシンセに革命をもたらした楽器です。ソフトウエアとして強化され、モジュレーションとエフェクトが追加されています。

画面の波形を見てもらうとわかると思いますが、波形自体が時間によって変化していきます。これは、AdvancedビューにあるDCWで調整できます。DCWは、プリセット波形を選択できるだけでなく、なんと自分で描いてベースとなる波形、ターゲットとなる波形を作成できます。UVI「Vintage Vault」に入っているCameoと比べるとかなり使い勝手が良いです。良い意味で歪みがかったサウンドを奏でます。

(9)B3 V2

モデル:Hammond B3

オルガンの名機Hammond B3をモデルとした約50のプリセットがあるB3 V2。電子オルガンの王者B-3の豊かなサウンドは、半世紀以上にわたってジャズ、ゴスペル、ハードロック、レゲエの定番として親しまれてきました。ロータリースピーカーやドローバーモジュレーションを搭載し、アニメーションやシンコペーションのような新しいエフェクトを実現しています。

プリセットによってはブーンと音が鳴っているように聴こえる場合がありますが、右上FXのエフェクトによるノイズです。左右にPANが揺れているように聴こえるのはロータリースピーカーのエフェクトが原因です。もしエフェクトが必要なく気になる場合は切りましょう。他のシンセ同様にエンベロープやLFOのモジュレーションも可能で、シーケンサーも備わっているため、動きのあるサウンドを作ることができます。しかし、ハモンド公認の音源IK Multimedia「Hammond B3-X」に比べるとアタック音のリアルさなどどうしても劣ってしまう印象があります。


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IK Multimedia「Hammond B-3X」レビューと使い方やセール情報!メーカー公認オルガン音源


(10)Clavinet V

モデル:Hohner Clavinet

Hohner Clavinetをモデルとした約75のプリセットがあるClavinet V。発売以来、ファンク、R&B、ソウル、ジャズのサウンドを支えてきたこの素晴らしい楽器を、Arturiaのモデリングノウハウにより、オリジナルの唸り声と躍動感を備えています。アンプ、最大5種のエフェクトをかけることが可能です。こちらもノイズが気になる場合はAdvancedビューから、PICK UP NOISEのパラメータを下げましょう。各パラメータの他に、6つの異なるハーモニックプロフィールで音色を変えることができます。

同じくフィジカルモデリング音源のMODARTT「Pianoteq」にあるClavinetと比べると、Pianoteqの方が使い勝手やフィジカルモデリングらしい機能性が高く細かく音作りしやすい印象があります。Pianoteqはピアノ音源としてみられがちですが、他の鍵盤楽器もかなり使える音源です。


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Pianoteq 8使い方!MODARTTのフィジカルモデリングピアノ音源


(11)CMI V

モデル:Fairlight CMI

Fairlight CMIをモデルとした約426のプリセットがあるCMI V。サンプラーの母であり、画期的なアディティブシンセであるオリジナルは、ポップミュージックを再定義しました。10個のマルチティンバー、ポリフォニックスロット、リアルタイム波形整形、エフェクト、シーケンサー、そして新しいスペクトルシンセをアップデートされています。

Emulator Ⅱ V同様に、上部の画面から各サンプルを細かく調整できます。自分のサンプルを入れ込むことも可能です。それだけでなく、CZ Vと同じく波形を自ら整形することもでき、10スロットもあるのでできることはかなり多いです。シーケンサーも搭載されており、各スロットにドラムサウンドを置いてレトロなリズムマシンのグルーヴを奏でるプリセットもあります。

(12)DX7 V

モデル:Yamaha DX7

Yamaha DX7をモデルとした約490のプリセットがあるDX7 V。プログラミング方法を簡素化し、モッドマトリクス、カスタムエンベロープ、波形、2つ目のLFO、エフェクトなどで拡張されています。伝説的なFM音源のデジタルシンセサイザーが元となっているため金属的な音色が特徴で、6つのオペレーターをオリジナルと同じ32のアルゴリズムで利用できます。

(13)Buchla Easel V

モデル:BUCHLA Music Easel

BUCHLA Music Easelをモデルとした約300のプリセットがあるBuchla Easel V。Don Buchlaが1973年に発表したアナログシンセであるMusic Easelは、アンビエント、ワイドスクリーンのテクスチャー、シーケンスを作成し、オルタナティブなサウンドデザインを探求するのに最適です。

こちらも重いのが難点ですが、シーケンサーとパッチケーブルが特徴的なシンセサイザーです。暴れん坊なサウンドで、パッチケーブルの黒は入力、それ以外は出力になっています。一見ややこしそうに見えますが、それぞれのノブや接続部分が色分けされていて同じ色の部分は同じ機能エリアになります。また、接続できる場所に赤い丸が付くので接続先がわかりやすいです。

Advancedビューも特徴的で、右手(パラメータのモジュレーション)、左手(鍵盤・シーケンサー)、そしてグラビティという独特なXYコントロールが搭載されています。グラビティではピンボールゲームのように自由に移動するポイントを反射する壁や重力のあるプラネットオブジェクトを置いて制御します。一筋縄では行かない自由なサウンドを作成できます。

(14)Synclavier V

モデル:Synclavier

Synclavierをモデルとした約724のプリセットがあるSynclavier V。マイケルジャクソンの「Beat It」始まりのゴング音でお馴染みのFMシンセで、クールな音が特徴です。オリジナルデザイナーのキャメロン・ジョーンズと提携し、彼の発案したシンセをソフトウェアで忠実に再構築されています。80年代初頭の大ヒット曲や映画のサウンドトラックを支えたエリートデジタルシンセサイザーが、拡張機能と再合成によって、アップデートされています。

12個のパーシャルティンバーと呼ばれる各レイヤーは、倍音や位相を調整してキャリア波形とモジュレーター波形を別々に自由にカスタマイズでき、時間軸で別々の波形を作ることで変化させることが可能です。

(15)Mini V

モデル:Minimoog

Minimoogをモデルとした約553のプリセットがあるMini V。おそらく歴史上最も有名なシンセであるこのモノシンセは、そのファットでウォームなベースとリードで伝説となっています。ボブ・ムーグ本人と提携し、70年代には不可能だった新機能を搭載しています。こちらはモノフォニックアナログシンセの名機がモデルですが、ポリフォニックにすることが可能です。これはMinimoogなのか?という音もたくさんあります。

また、Advancedビューにあるモーションレコーダーでは自由に描いた線でモジュレーションできるので便利です。

(16)Piano V

モデル:ピアノ12種

ピアノ12種からなるPiano Vが新しく進化しました。フィジカルモデリングピアノ音源だからこそできるマイクポジションや弦、ハンマーの質感を調整でき、ベロシティカーブも自分のMIDIキーボードにあった形でキャリブレーションできます。

プリセットが豊富で変わった音もたくさんあり、現実では不可能な調整、音を奏でることができるので便利で柔軟に使えます。音は劣る可能性もありますが、一般的なピアノ音源では出せない音作りができます。

(17)Stage-73 V

モデル:Rhodes

Rhodesをモデルとした約80プリセットがあるStage-73 V。数々のヒット曲を生み出した伝説のFender Rhodesのサウンドをフィジカルモデリングのパワーにより、ツメやキャビネット、エフェクターやアンプに至るまで、あらゆるニュアンスを再現しています。右上からStageとSuitcaseが選べるだけでなく、Advancedビューから7つのモデルが選べます。Stageにある’73、’74は年代を表し、’73年以前は左側のノブがTone、’74年以降は左側のノブがBASS BOOSTになります。

フィジカルモデリングならではの音が鳴る構造自体をカスタマイズできる音源ですが、同じような仕様のものでAAS「Louge Lizard」やPianoteqのエレピ音源などもあります。それらに比べると利用しないかなと感じます。ちなみに個人的にはPianoteqのエレピが硬い音が出せるので好きです。


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AAS「Lounge Lizard EP-4」レビューと使い方やセール情報!フィジカルモデリングエレクトリックピアノ音源


(18)Matrix-12 V

モデル:Oberheim Matrix 12

Oberheim Matrix 12をモデルとした約463プリセットがあるMatrix-12 V。伝説のアナログポリシンセMatrix-12は、比類なきマトリクスモジュレーションと15モードフィルターによって、大きく華やかなOberheimサウンドを実現しました。さらに多くのモジュレーションソースと27×47マトリクスを追加して、その機能を拡張されています。

12個のボイスそれぞれを調整することができ、厚みのあるサウンドを奏でることができます。ライバル製品が少ないこともありますが、V CollectionのOberheimモデルの中では一番好みです。ただし、波形画像など絵が少ないので操作はわかりづらいかもしれません。

(19)Farfisa V

モデル:Farfisa Compact Deluxe Combo Organ

Farfisa Compact Deluxe Combo Organをモデルとした約144プリセットがあるFarfisa V。トランジスタオルガンは、60年代のヒット曲のバックボーンであり、それ以来、アップビートなジャンルの中で鳴り続けています。このクラシックなサウンドに、ユーザー定義可能な波形、エンベロープ、エフェクトなど、シンセサイザー機能が追加されています。

良い意味でチープな味のある音が特徴です。音をCからBまでキー調整できる機能があり、わざとピッチをはずしてレトロ感をさらにだすことも可能です。低いキーの黒色、灰色の鍵盤はベースパートとして機能することもできます。また、Advancedビューでは波形を作成できる細かく密集したスライダーがあります。

(20)Vox Continental V

モデル:Vox Continental 300

Vox Continental 300をモデルとした約117プリセットがあるVox Continental V。トランジスタドローバーオルガンは、「ブリティッシュインベイジョン」や西海岸のヒットファクトリーですぐに採用されました。後のJennings J70エンジンの代替品も含み、フルドローバー、追加波形、ロータリーキャビネット、エフェクトが追加されています。ギターアンプもVoxになっています。

黒い鍵盤が特徴的なオルガンで、2段+ペダルボードでコントロールすることも可能です。Advancedビューから、こちらも音をCからBまでキー調整できる機能があり、音が多少異なるVoxとJennings2つのエンジンを切り替えることも可能です。

(21)Solina V

モデル:Solina

Solinaをモデルとした約148プリセットがあるSolina V。初期のプロトシンセとオルガンのハイブリッドであるSolinaは、電子的に豊かなストリングスとオーケストラのサウンドを奏でます。モノラルとステレオの両方のバージョン、エフェクト、Polymoogにインスパイアされた新しい音色を利用することができます。

リアルではないですが味のあるストリングスサウンドが特徴です。こちらは、数々のストリングスシンセを網羅し組み合わせることが可能なUVI Vintage Vault 3にあるString Machines 2の方が良いかなと思いました。

(22)SEM V

モデル:Oberheim Sem

Oberheim Semをモデルとした約574プリセットがあるSEM V。実機は同時発音数分実機を用意しなければいけなく、8音にするには8個必要という代物でしたが、当然SEM Vではポリフォニックにすることが可能です。ユニークなポリフォニー、モジュレーションマトリックス、ノイズ、サブオシレーター、アルペジエーター、ポルタメントを搭載してアップデートされています。

しかし、Semモデル(8個分の8-Voiceモデル)ではTom Oberheim本人も絶賛しパーソナルエンドースを受けた初めてのソフト音源GForce Software「OB-E」があります。OB-Eでは、Sem一つ一つ別々に全てのパラメータを設定でき、それぞれの微妙な音の違いからより分厚いサウンドを奏でることができます。


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GForce Software「OB-E V2」レビューと使い方やセール情報!トム・オーバーハイム本人が関わり絶賛した名機モデルソフトシンセ



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トム・オーバーハイム本人が関わったOberheim 8 VoiceモデルソフトシンセGForce Software「OB-E V2」使い方②


(23)Wurli V

モデル:Wurlitzer

Wurlitzerをモデルとした約190プリセットがあるWurli V。フィジカルモデリングを使用したArturia初のクラシックキーボードエミュレーションで、リード、ハンマー、メカニカルノイズ、増幅、プラスチックボディの共鳴音などの音響特性を再現し、優れたリアリズムと柔軟性を備えたバーチャルインストゥルメントを作成できます。

エレクトリックピアノといえばRhodesとWurlitzer。V Collectionはどちらも入っています。他の音源と比べるとシンプルでパラメータも少ないですが、味のあるサウンドを奏でることができます。フィジカルモデリングですので、音が鳴る構造自体を変化させWurlitzerからかけ離れたサウンドにすることも可能です。

(24)Jup-8 V

モデル:Roland Jupiter-8

Roland Jupiter-8をモデルとした約581プリセットがあるJup-8 V。カラフルな見た目が印象的な伝説のシンセサイザー。ファットでありながらエアリーでクリアなこのクラシックなポリシンセはPrince、Duran Duran、Moby、Depeche Modeなど様々なアーティストに愛されてきました。

Roland公式のRoland CloudにもJupiter-8がありますが、そちらと比べるとArturia独自の機能がプラスされています。複雑なLFOの組み合わせモジュレーション可能なダイナミックエフェクト、高度なステップシーケンサーを追加されています。

Roland CloudやJUPITER-8については下記の記事を参考にしてください。


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Rolandのシンセサイザー「JUPITER-8」とは?中古での入手方法や復刻版、ソフトシンセ(VSTプラグイン)まで解説!


(25)ARP 2600 V

モデル:ARP 2600

約604プリセットがあるARP 2600をモデルとしたARP 2600 V。アタッシュケースになる実機そのままのデザインでオシレーターが3つあるのが特徴です。パッチコードでオーバーライドできる接続を備えており、クリアで明るいリードからR2D2の声までシンセシスの学習と探求ができます。ポリフォニー、トラッキングジェネレーターモジュール、シーケンサー、エフェクトなど、多くの機能拡張がされています。パッチケーブルで信号をコントロールし様々なモジュールに繋ぐことで多様なモジュレーションが可能ですが、シンセサイザー初心者の方にはパッチの扱いが難しいかもしれません。

(26)Modular V

モデル:Moog IIIc

約537プリセットがあるMoog IIIcをモデルとしたModular V。Moog IIIcはタンスの愛称やYMOが使用していたことで知っている人もいるかもしれません。ボブ・ムーグと協力して、プログラム可能なプリセット、ポリフォニー、9つのVCO、3つのVCF、そしてBode 1620周波数シフターのような珍しいオリジナルモジュールを搭載して、この巨大なシステムがアップデートされています。

モジュールが多すぎる故に混乱する方も多いかもしれませんが意外と機能が似ているもしくはわかりやすいものが多くシンセサイザー初心者の方には難しいですが、モジュラーシンセを勉強したい方には良い教材だと思います。

(27)CS 80 V

モデル:Yamaha CS 80

Yamaha CS 80をモデルとしたCS 80 Vがアップデートされました。8音のポリフォニックシンセサイザーがモデルでVCO、VCF、VCAが2系統あるのが特徴です。

コントロールできるスライダーが多く戸惑うかもしれませんが、24種のボタンからなるTONE SELECTORで系統ごとにまとめてプリセットを変えることも可能です。音の特徴とパラメータ設定のお手本として使うことができます。他のシンセ同様にAdvancedビューから細かくモジュレーションすることもできます。ただし、重い傾向にあります。

(28)Prophet-5 V

モデル:Prophet 5

Prophet 5、Prophet VSをモデルとしたProphet Vが別々の音源になりました。独自のアナログエミュレート技術によってRev 2のパワーを自由に使うことができます。Arturiaらしい生き生きした太いサウンドでProphet-5を奏でることができます。Prophet/Pro-Oneモデルで質の高いシンセとしてu-he「Repro」がありますが、そちらに比べると軽く利用しやすいでしょう。ただし、個人的にはReproの方が音は好きです。

Prophet-5やReproについては下記の記事を参考にしてください。


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(29)Prophet-VS V

モデル:Prophet VS

Prophet-VS Vは、デジタルオシレーターのサウンドとアナログフィルターやVCAのキャラクターを、伝説的なハードウェアと同様に忠実に一体化させています。

特徴的なモーフィングジョイスティックによって4つの波形をブレンドさせ、これを過激にモジュレーションすることでかなり今っぽいサウンドの音を作ることもできます。Advancedビューのひし形コントロールにポイントを追加して時間軸に応じて位置を変化できます。波形はプリセットだけでなくユーザーの波形も入れることができます。

(30)Augmented STRINGS

サンプリングされた弦楽器と最先端のシンセシス、深いモーフィングコントロールを組み合わせたインストゥルメントです。

ついに、V Collectionに名機シンセや鍵盤楽器モデル以外の音源が追加されました。

シンセとサンプルを組み合わせることが可能なレイヤーが2つあり、真ん中の大きなコントロールノブでレイヤーをモーフィングします。オートメーションやMIDIコントロールなど曲に合わせて操作すると良い味がでます。一瞬シンプルなモーフィングレイヤー音源かと思いきや、Advancedビューからは各レイヤーのシンセやサンプルを細かく調整できます。特にシンセ部分は、Pigments譲りだなと思うような仕様でアナログ、グラニュラー、ハーモニック、ウェーブテーブルの4タイプから選択できます。

ただ、重い点は注意が必要です。

(31)Augmented VOICES

人間の声と複数のシンセエンジン、表現力豊かなコントロールを融合させハイブリッドサウンドを実現しています。

STRINGS同様の仕様で、ボーカルとシンセを組み合わせたパッドサウンドなどで使用できます。ただし、同様に重いです。

(32)KORG MS-20 V

モデル:Korg MS-20

KORGとのパートナーシップによってMS-20のエミュレーションが追加されました。パッチケーブルなど初心者の方が扱いづらい仕様もありますが、アナログの太いサウンドとモジュラー、シーケンサーによるサウンドデザインで自由にカスタマイズできます。こちらも若干重い傾向にあります。2つの異なるフィルターも再現されていますが、攻撃的なキャラクターのMK1(KORG 35)タイプは、もう一つのMK2(OTA)タイプより負荷が重いです。和音も出せますが、やはりモノフォニックでシーケンサーなどを使った方が映えるなと思いました。

(33)SQ80 V

モデル:Ensoniq SQ-80

オリジナルやArutria独自の波形を追加した3つからなるデジタルオシレーターとエミュレートされたアナログフィルターによって不完全で暖かいローファイな音色を奏でることができます。クランチーな独特のレトロデジタルサウンドを奏でることができます。ドラムサウンドもあり、楽曲に80’s感を加えることができます。Synthesisビューから3つのオシレーターを調整できますが、Transwavesフォルダにある波形は2つのモジュレーションインプットがあり、波形を変化させることができます。

まとめ

V Collection 9はこれ一つで鍵盤楽器が網羅できるお得バンドルです。

最初のソフト音源として勉強する上でも良い製品ですが、CPU負荷が高いのでパソコンのスペックに自信がない方は注意が必要です。

DTM初心者の方にとっては扱いが難しいソフトもありますが、プリセットも豊富で使いやすいのでこれを機にビンテージシンセサイザーについて勉強し、あなたの曲に取り入れてみてはいかがでしょうか?

この記事が参考になったのなら幸いです。

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