この記事では、Reason Studiosの新製品Reason 14(DAW+プラグイン)とReason Rack 14(プラグインのみ)について、Reason 14とReason Rack 14の違い、新機能、Rackに同梱される93デバイス(買い切りは68デバイス収録)、購入方法までを一気に解説します。
ぜひ参考にしてください。
1. Reason 14・Reason Rackの価格とサブスク20%OFFセール
サブスクリプション(20%OFF対象)
買い切りライセンス(通常価格)
買い切りライセンスとサブスクリプションの違い
買い切りライセンスは一度の支払いでReason 14収録の68デバイス(Reason 14 Selection)と50,000+サウンドを永続的に使える一方、サブスクリプションは月額で全93デバイスに加え今後追加されるデバイス・コンテンツすべてと常に最新版へのアクセスが得られます。
2. Reason Rackとは?
Reason Rackは、Reasonに収録されているシンセ・サンプラー・ドラムマシン・エフェクト・MIDIエフェクトを丸ごとひとつのプラグインに詰め込み、使っているDAW上でVST3/AU/AAXとして動かせるようにした製品です。
Ableton Live・Logic Pro・Pro Tools・Cubase・Studio One・FL Studio・REAPER・Bitwigなど、これらのプラグインフォーマットに対応したDAWであればどこでもRackを呼び出して、その中のシンセやエフェクトを既存のセッションに直接挿せます。
「Rack」というアイデア
ReasonのRackは、本物のハードウェアラックのようにインストゥルメント・エフェクト・MIDIエフェクトを上から下へ積み上げて結線していくスタイルが特徴。各デバイスは独立したラックユニットとして並び、必要なら裏側(Flip the Rack)に回ってオーディオ/CVを自由にパッチングできます。
たとえばシンセのフィルター開閉を、別デバイスのエンベロープフォロワーで動かしたり、LFOでパンを揺らしたり、オーディオ信号をスプリットしてパラレル処理したり──モジュラーシンセに近い自由度を、プラグインとして手に入れることができます。
Reason Rackに含まれるもの
3. Reason 14とReason Rack 14の違い
「Reason 14」と「Reason Rack 14」──名前が似ているため混乱しやすいですが、違いは1行でまとめられます。
Reason Rack 14=Reason Rackプラグインのみ(スタンドアロンDAWは含まれない)
Reason 14とReason Rack 14(どちらも買い切り)に含まれるデバイスは、まったく同じ68デバイス(Reason 14 Selection)です。両者の違いは「スタンドアロンのDAWがついているか/いないか」と価格だけで、Reason 14はDAW+プラグインで$299、Reason Rack 14はプラグインのみで$199、その差は$100です。
一方サブスクリプション(Reason+/Reason Rack)では、収録デバイスが全93デバイスになり、今後追加されるデバイス・コンテンツもすべて対象になります。さらに上位のReason+では、これに加えて「Plus Access to」として無制限のAIステム分離・無制限のAIマスタリング・LANDRによる無制限の楽曲配信・1800サンプルクレジット・$500相当のプラグインバンドル・$1,500相当の追加プラグインまで含まれます。
どちらを選ぶべきか
判断基準はシンプルです。すでにAbleton Live/Logic Pro/Cubase/Pro Tools/Studio OneなどのDAWを愛用していて、これからもそれをメインで使うつもりなら、Reason Rack 14($199)だけで十分。お使いのDAWのプラグインとしてRackを呼び出し、EuropaやThorといったシンセ、RV-9やPulveriserといったエフェクトを既存のセッションに足す形で使えます。
一方、サンプリング・シーケンス・ミックスダウンまで全部Reasonのワークフローで完結させたい場合、あるいはReasonのトラック中心ワークフローや内蔵ミキサーを使い倒したい場合は、Reason 14($299)の方が合います。すでに別DAW環境がある人にとっては、Reason Rack 14の方がコストパフォーマンスが高い選択肢になります。
4. Reason 14の新機能ハイライト
Reason 14/Reason Rack 14は2026年5月に正式リリースされました。Reason 14はDAWとして大きなUIリニューアルが入り、Rack側にも新エフェクトRV-9 Reverb Stationが追加されています。
① トラック中心ワークフローと新「Track Panel」
これまでラック・ミキサー・シーケンサーと画面を切り替えながら確認する必要があったシグナルチェーン・レベル・センドが、シーケンサーの隣に常駐するパネル内で完結します。Track Panelから直接Rackを開いてパッチをブラウズし、シグナルスプリットを可視化、デバイスのツマミをいじる──作業ビューを移動せずにできるようになりました。
② シーケンサー全面アップデート
シーケンサーにはTrack Folders(複数トラックを束ねて整理)、スマートなクリップ、より直感的に編集できるピアノロールが導入されました。アレンジが視覚的にスッキリ整理され、編集速度も上がります。
③ ダークモードがデフォルトに
Reason 14はDAW全体でダークモードがデフォルトに変更。シーケンサーでアレンジしているときも、ミキサーでフェーダーを触っているときも、テーマ設定とインターフェースが一致するようになりました。Track Panel/Edit Area/Groove Mixerなどへの新規ナビゲーションボタンも追加されています。
④ 細かな改善:自動テンポ検出とMIDI Note Chase
インポート時の自動テンポ検出とMIDI Note Chase(再生位置がノートの途中から始まっても、ノートが正しく鳴り続ける)が新搭載。摩擦のないワークフローを支えるディテールが磨き込まれています。
⑤【新デバイス】RV-9 Reverb Station
⑥ 追加コンテンツ
サウンドコンテンツも大幅に増強。900以上の新ドラムサンプル、50の新Europaパッチ、20のインパルスレスポンスが追加されました。Rackを開いた瞬間から次のアイデアを起動できる素材集です。
5. Reason Rackの中身:おすすめデバイス・ピックアップ
Reason Rackには全部で93デバイスが収録されています(買い切り版Reason 14/Reason Rack 14は68デバイス、残りはサブスク同梱または別売アドオン)。数が多いので、ここからはカテゴリごとにおすすめのデバイスをピックアップして紹介し、その他は一覧でまとめます。まずは全体像を4カテゴリで整理します。
インストゥルメント|おすすめピックアップ
Thor(Polysonic Synthesizer) 買い切り同梱
セミモジュラースタイルの大型シンセ。6種類のオシレータータイプ(アナログ/ウェーブテーブル/FM/フェイズモジュレーション/マルチオシレーター/ノイズ)と4種類のユニークなフィルターをスロットに差し替えながら、複数の合成方式を1台で切り替えて音作りできる設計です。さらに16ステップのStep & Modulation Sequencer、9種のディストーションを持つShaper、豊富なCV/オーディオ接続による深いルーティングを内蔵し、デバイス内部でモジュラー的に音を組み上げられる──この拡張性の高さがThorの「万能感」の正体です。
Complex-1(Modular Synthesizer) サブスク
フル・モジュラーシンセをReason Rack内部に詰め込んだデバイス。信号とモジュレーションを自由に結線できます。4xオーバーサンプリングのエンジンに加え、Step Sequencer/Quantizerも内蔵。ReasonのFlip the Rackと組み合わせれば、実機ユーロラックの「ケーブル抜き差し」感をソフトウェアで再現できる、シンセ好きのドリームマシンです。
Polytone(Dual-Layer Synthesizer) 買い切り同梱
クラシックなアナログサウンドを”ひとひねり”加えて高速に作れるシンセ。最大の個性は2つの同型レイヤーA/Bで、単体・ミックス・モーフ(Fader/Global LFO/Velocity/Mod Wheel/CVで制御)を切り替えられます。Ageノブを上げるとビンテージアナログのピッチドリフトが加わり、モッドマトリクスやメニュー潜りなしの直感操作も魅力です。
Umpfシリーズ(Umpf Club Drums/Umpf Retro Beats) サブスク
ジャンル特化型のビート制作デバイス2種。Umpf Club Drumsはハウス/テクノ/EDM系の四つ打ちダンスビートを一気に組み上げる”クラブ仕様”。Umpf Retro Beatsは80〜90年代のオールドスクールなドラムサウンドとグルーヴを詰め込んだドラムマシンで、ヒップホップ/R&Bのクラシックなビート作りに即戦力です。どちらも「鳴らした瞬間にグルーヴが立ち上がる」スタート地点として強力。
その他のインストゥルメント一覧(29デバイス)
エフェクト|おすすめピックアップ
RV-9(Reverb Station/Reason 14新搭載) 買い切り同梱
Reason 14/Reason Rack 14で追加された新リバーブで、Reasonのリバーブ技術の集大成。9つのアルゴリズムを切り替えて、リアルな空間から実験的なテクスチャまで一台でカバーします。クラシックなRoom/Hall/Arena/Cathedral/Plate/Springに加え、Spectral(スペクトラル)/Granular(グラニュラー)/Echoverbの3モードを搭載。コントロールは常に手の届く位置にまとまっていて、即「使える音」になる設計です。
Synchronous(Effect Modulator) 買い切り同梱
自前のモジュレーションカーブ(LFO)を描いて、内蔵のディストーション/フィルター/ディレイ/リバーブとレベルを動かせるエフェクト・モジュレーター。3本の独立したモジュレーションカーブを持ち、各エフェクトにカーブごとのモジュレーション量・Speed/Phase/Offsetを設定できます。クイック・サイドチェーンも素早く作成可能。パッドにうねりを、ベースにワブルを、サンプルにグリッチを──音に動きを加えるモジュレーションパワーハウスです。
Osmium(Distortion Matrix) サブスク
マルチバンドディストーションとモジュラーコアを融合した新世代の歪み。入力を最大3バンドに分割し、マトリクスのスロットにエフェクトモジュールを挿して信号経路を自由に構築できます。バンド分割の前後にエフェクトを足したり、モジュールを自由ルーティングしてパラレル処理を組んだり、モジュレーションマトリクスで動きを与えたり──さらに外部エフェクトをチェーンに組み込みCVで制御することも可能。
Audiomatic(Retro Transformer) 買い切り同梱
スマホの写真フィルターにインスパイアされたサイコアコースティックレトロエフェクト。VHS/ヴァイナル/テープなど、好みの「過去の風味」をノブひとつでサウンドに適用できます。狙った質感に一発で持っていける、手軽なローファイ/キャラ付けの即戦力です。
その他のエフェクト一覧(33デバイス)
Player MIDI FX|おすすめピックアップ
ReasonのPlayerは、ホストのMIDIノートをリアルタイムに加工・生成するMIDIエフェクト。サウンドそのものではなく「演奏内容」を変容させる点が特徴で、入力MIDIを変換して下流のインストゥルメントに渡したり、自動でMIDIを生成したりします。Reason DAW内のインストゥルメントだけでなく、MIDI OUTデバイス経由でホストDAWやプラグインへも信号を送れるため、他DAWユーザーにも有用です。
Beat Map(Algorhythmic Drummer) 買い切り同梱
主にドラム向けに設計された、アルゴリズムでビートを生成するPlayer。「マップ」上を動き回って様々なビートを発見でき、複雑なビート構築の手間を取り除いて予想外で面白いパターンを提案してくれます。スタイル別の6つのマップを切り替え、Densityでドラムヒットの密度を増減、Lock Posで気に入った位置を固定したままマップを探索、Mirrorでカウンターリズムやゴーストノートを生成。CVで他のRackデバイスをシーケンスすることも可能です。打ち込みに行き詰まったとき、アイデアの起点を一瞬で作れる生成系Playerです。
Quad Note Generator サブスク
予測不能なノート列を無限に生成するPlayer。最大4本の異なるランダム・シーケンスを同時生成し、気に入った箇所はフリーズで固定。Pitchパラメータで生成傾向を誘導し、Rhythmセクションはユークリッドパターンとそのバリエーションを生成、各ラインにNote Length/Velocityも設定できます。CVで他デバイスを動かすことも可能。
PolyStep Sequencer サブスク
ポリフォニックステップシーケンサー。リアルタイム/ステップ/描画でノート・コードを入力でき、各パターンに最大4つのバリエーション(自動切替)を持てます。単音からKey/Scaleに沿ったコードを生成し、コードをアルペジオやストラムに変換も可能。ピッチ/ベロシティに加えプロバビリティ(発音確率)/タイミングオフセット/レガート/スライドまで作り込めるので、ストレートな打ち込みからジャム、作曲の和声探求まで幅広くこなします。
その他のPlayer一覧(10デバイス)
Utilities(9デバイス)
Utilitiesは派手さこそないものの、Rackを組む上で必須となるルーティングモジュレーションパターン制御のためのデバイス群です(全9個、すべて買い切り同梱)。ここでは一覧でまとめます。
Rack Extensionsによる無限拡張
Reason Studiosのショップでは、CombinatorやRackに追加できるRack Extensions(サードパーティ製デバイス)が販売されています。Rob Papen(Predator/Quad/RP-Verbなど)やSynapse AudioのLegend HZ、Turn2onのQuantWave、Ekssperimental SoundsのDM-999 Drum Machineなど、インディー開発者から有名ブランドまで多数のデバイスが揃います。Rack ExtensionsはReason本体のデバイスと同様にオーディオ/CVケーブルで結線でき、OSバージョンやアーキテクチャ更新後も動作互換性を維持される設計です。
まとめ
Reason 14とReason Rack 14をまとめて解説しました。要点を3つに圧縮すると次のとおりです。
Europaの壮大なウェーブテーブル、Thorのセミモジュラー設計、Mimicのモダン・サンプリング、新リバーブRV-9の9アルゴリズム、Combinatorの「自分だけのラックデバイス」設計──これらすべてを、お使いのAbleton/Logic/Pro Tools/Cubase/Studio One/FL Studio等の中で、自然に共存させられるのがReason Rackの最大の価値です。
「いつものDAWを変えるつもりはないけれど、Reasonのあのサウンドだけは欲しい」というDTMerにとって、買い切りのReason Rack 14(68デバイス)は無理せずReason資産を手に入れる正解。さらにObjektやAlgoritm、Complex-1といった尖ったデバイスや最新コンテンツまで全部使いたいなら、全93デバイスが揃うサブスクという選択肢もあります。ぜひあなたのトラックにReasonのサウンドを呼び込んでみてください。
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