この記事では、無料でケロケロボイス作成も可能なピッチ補正ソフト・プラグインをまとめてご紹介します。
作曲ソフトDAWの拡張機能(VST・AUなど)プラグインとして使えるフリープラグインです。キーとスケールを指定するだけの自動補正タイプから、MIDIで音程を直接指定するタイプ、Melodyneのように画面上でノートを編集するタイプまで、方式ごとに整理しています。
無料のピッチ補正プラグインを一覧でまとめつつ、特におすすめのものもピックアップしています。まず「1. 使い方」で補正方式の違い(スケール指定/MIDI指定/手動編集)を押さえてから、「2. 一覧」の早見表と各製品の解説を見ていただくと選びやすいです。
🔄 この記事は、新しいピッチ補正プラグインが見つかり次第、随時更新していきます。
🎚️ 同じくピッチをコントロールできる「ボコーダー」「ピッチシフター」プラグインは、こちらの記事でまとめています👇
🎧 簡単な聴き比べ比較は、以下の動画を参考にしてください👇
1. ピッチ補正プラグインの使い方・やり方
ピッチ補正の3つの方式
無料のピッチ補正プラグインは、「音程をどうやって決めるか」で大きく3つの方式に分かれます。
どの方式も「声を正しい音程へ寄せる」という目的は同じですが、操作感と得意な用途が変わります。ケロケロボイス(ハードチューン)を作りたいだけなら①で十分、メロディを狙って作り込みたいなら②、録音済みのボーカルを1音ずつ直したいなら③が向いています。
プラグインファイルの管理
プラグインは、vstファイル(VSTプラグイン)やcomponentファイル(AUプラグイン)で管理されます。
これらのファイルが適切なフォルダにあることでDAWなどで使用できます。DAW側で読み込むフォルダは変更できますが、Windows・macOSそれぞれ基本的に以下がデフォルトのプラグインフォルダです。
通常はインストールすると自動でフォルダに配置されますが、無料プラグインではダウンロード後にvstファイル・componentファイルを自分で移動する必要があることがあります。その場合は、DAWが読み込めるフォルダへ手動で移動しましょう。Macの場合、セキュリティ機能(Gatekeeper)によってブロックされることがあります。許可や解除が必要になることがあります。
MIDIコントローラーで制御する方法

ピッチ補正プラグインは、MIDIコントローラーを使ってピッチをコントロールできるものがあります。
DAWによって方法が異なる場合がありますが、Abletonの場合は以下の3STEPで完了します。ボーカルトラックにプラグインを挿し、MIDIトラックからそのトラックへMIDIを送る、という流れはGraillon 3・GSnap・PitchCure・MotTune MIDIで共通です。
- ピッチ補正を適用したいオーディオトラックに、ピッチ補正プラグインをインサート
- MIDIトラックを作成し、MIDI(MIDI TO)をピッチ補正プラグインがインサートされたトラックに送る
- MIDIコントローラーでMIDIトラックを演奏
💡 MIDIモードとスケールモードの切り替え方は製品によって異なります。GSnapは「Fixed/MIDI」のスイッチで完全に分かれており、PitchCureは「MIDI Target」でスケール設定を上書き、MotTune MIDIはMIDIをルーティングしない場合にKey/Scaleモードで一般的な自動補正として動作します。MIDI・オーディオの制御方法など詳しい使い方は、各DAWの例とともにTAL-Vocoderの公式マニュアルにも記載されているので参考にしてください。
2. フリーピッチ補正プラグイン一覧とおすすめ
無料で利用可能なフリーピッチ補正プラグインをまとめました。まずは早見表で全体を確認してください。
| 製品 | 方式 | MIDIで音程指定 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| Graillon 3 おすすめ | スケール/MIDI | 対応 | 3つのピッチエンジン+内蔵エフェクト。GUIがわかりやすい |
| TrapTune Core おすすめ | スケール | 非対応 | ナチュラルからハードチューンまで。UI内に広告あり |
| MAutoPitch | スケール(MIDIも可) | 対応(完全固定は難しい) | フォルマントシフト・ステレオ拡張付き |
| MXTune | スケール/手動編集 | 非対応 | Melodyne風のノート編集。Windows・Linuxのみ |
| GSnap | スケール/MIDI | 対応 | FixedモードとMIDIモードが完全に独立 |
| Vox Tune | スケール | 非対応 | Smoothノブでケロケロ感を調整 |
| VocalShifter LE | 手動編集(ソフト) | 非対応 | ピッチ・フォルマント・タイミングをグラフィカル編集。Windowsのみ |
| Spoton | スケール | 非対応 | AmountとSpeedの2ノブ。低レイテンシー |
| PitchCure | スケール/MIDI | 対応 | Humanizeで歌の表情を残す |
| PitchNet | 手動編集(AI再合成) | 非対応 | ノート編集+AI再合成。ARA対応 |
| MotTune MIDI | MIDI/スケール | 対応 | 追加レイテンシー0。ボコーダーとブレンド可 |
これらを含むフリーソフト音源やプラグインエフェクトまとめは以下の記事を参考にしてください。
Auburn Sounds「Graillon 3」おすすめ
主な特徴
- スケールを設定するオートピッチ補正(ハードチューン・ナチュラル両対応)
- わかりやすいGUI
- MIDIで完全にキーを調整可能
- G2 / G3 / I1 の3つのピッチエンジンと内蔵エフェクト
Graillon 3は、独自のピッチトラッキングモジュレーションプラグインです。フリーバージョンでは、ピッチシフト、フォルマントシフト、ピッチ補正を搭載しています。スケール指定もしくはMIDIコントロールで補正できます。
真ん中の円から現在の音程がリアルタイムでわかるので、どのキーを省くべきか簡単に判断できます。また、MIDIコントロールで完全にキーをコントロールできるので簡単にピッチ補正でき、扱いやすいプラグインです。
バージョン3になり、3つのピッチエンジンから選択できるようになりました。G2はGraillon 2のサウンドをそのまま残したもの、G3は見直し・更新されたサウンド、I1は同社INNER PITCHのピッチエンジンです。内蔵エフェクトとしてコンプレッサー、ゲート、コーラス、プリアンプ、ビットクラッシャーも利用可能で、いずれもボーカル向けにチューニングされ、レイテンシーを追加しません。
<詳しい記事>
United Plugins「TrapTune Core」おすすめ
主な特徴
- スケールを設定するオートピッチ補正
- ハードからナチュラルまで対応
- プラグインUI内に広告表示あり
TrapTune Coreは、「TrapTune」が誇るパワフルなピッチ補正エンジンを、必要最小限の機能まで凝縮した軽量オートチューナーです。伝説的とも言える「Tune-in」セクションだけに焦点を絞ることで、余計なかさばりを排しながらも上位版と同じオートチューニング性能を提供します。クリーンなピッチ補正から、いわゆる”ハードチューン”によるケロケロボイス効果まで、一つでこなせるライトウェイトツールです。
United FREE Bundleに収録されている製品で、収録プラグインはいずれも機能制限なし・期限なしで使用できます(プラグインUI内に広告が表示されます。ライセンス購入で広告を除去可能)。登録も不要で、UnitedPlugins Managerをダウンロードしてインストールするだけで即座に使用を開始できます。
<詳しい記事>
MeldaProduction「MAutoPitch」
主な特徴
- スケールを設定するオートピッチ補正
- MIDIでスケール指定可能
- フォルマントシフト・ステレオ拡張も搭載
MAutoPitchは、ボーカルやモノフォニックな楽器向けに設計されたシンプルな自動チューニング&ピッチ補正プラグインです。スケールを設定して利用できます。MIDIコントロールでも制御することが可能ですが、ピッチを完全にMIDI通りにコントロールすることは難しいです。
音程を揃えるだけでなく、フォルマントシフトやステレオ拡張といったクリエイティブな機能も備えています。無料バンドル「MFreeFXBundle」に収録されています。
<詳しい記事>
liuanlin-mx「MXTune」
主な特徴
- Melodyneのようなノート編集による手動補正+オート補正
- キー検出機能
- WindowsとLinuxのみ
MXTuneは、liuanlin-mxが開発するピッチ補正プラグインです。
他のピッチ補正プラグインに似ておりMelodyne、Waves Tune、Autotuneなどのソフトウェアに慣れていれば、扱いやすいプラグインです。指定されたスケールに自動的にピッチを拘束することができます。また、Melodyneやその他のチューニングソフトウェアと同様のノート編集インターフェイスを使用して、手動チューニングを行うことも可能です。ノードをドラッグすることで、制約されたピッチに合わせ、シームレスにボーカルラインを編集することができます。キー検出機能も備えています。
ピッチ補正アルゴリズムは、オープンソースのAutotalentとSoundtouchをベースにしています。
ただし、WindowsとLinux(VST 64bitのみ)で利用できMacでは利用できませんのでご注意ください。
<詳しい記事>
GVST「GSnap」
主な特徴
- スケールを設定するオートピッチ補正(Fixedモード)
- MIDIで完全にキーを調整可能(MIDIモード)
- 入力と補正後のピッチをグラフ表示
GSnapは、Graillon同様にスケール指定もしくはMIDIコントロールで補正するプラグインです。MIDIモードとスケールモードが完全に分かれている仕様で、「MIDI」モードでは押されているMIDIノートに最も近い音へスナップし、「Fixed」モードでは鍵盤表示で選択した音へスナップします。
こちらも入力元(赤)と補正後(緑)の音程がリアルタイムでグラフ表示されるため、扱いやすいです。ただし、Graillonと比べると少し音程が制御しにくい場合があります。
Vox Samples「Vox Tune」
主な特徴
- スケールを設定するオートピッチ補正
- Smoothコントロールでオートチューンのケロケロ感を調整可能
- 鍵盤表示で個別の音の選択も可能
Vox Tuneは、簡単にピッチ補正できるスケール設定のプラグインです。「Key」と「Scale」のノブを曲に合わせて設定するだけで使え、個別の音を編集したい場合は下部の鍵盤表示で音を選択できます。
大きな「Smooth」ノブでケロケロ感を調整でき、0%がポップスやヒップホップでよく使われるクラシックなオートチューン効果、20%以上でより自然なチューニングになります。モノラルのエフェクトプラグインのため、ステレオトラックでは右下の「L/R」で補正するチャンネルを選択します。
Ackie Sound「VocalShifter LE」
主な特徴
- ピッチ、フォルマント、ダイナミクス、パン、タイミングをグラフィカルに編集可能
- ピッチ自動補正、ビブラート付加、ケロケロボイスなど多数の機能
- Windowsのみ
VocalShifterは、ピッチ、フォルマント、ダイナミクス、パン、タイミングをグラフィカルに編集可能なボーカル編集ソフトです。フォルマントを保った自然なピッチシフトが可能で、ピッチ等を手書きで編集できるペンツールや直線ツール、ピッチ自動補正、ビブラート付加、ケロケロボイスなど多数の機能が搭載されています。無料のLE版と、有料のシェアウェア版があります。
ただし、WindowsのみでMacでは利用できませんのでご注意ください。
Sixth Sample「Spoton」
主な特徴
- スケールを設定するオートピッチ補正
- Amount(量)とSpeed(反応スピード)のシンプルコントロール
- ターゲットノートを個別に選択・オートメーション可能
Spotonは、クリーンなサウンドと低レイテンシーを備えた無料の自動ピッチ補正プラグインです。オクターブのキーでスケールを選択し、2つのノブで補正スタイルを設定します。シンプルかつパワフルにボーカルをチューニングできます。
ターゲットノートは個別に選択でき、オートメーションにも対応。Ctrl/Cmdを押しながらのスケールクイック選択や、10種類のテーマ+カスタムカラーでの見た目の変更も可能です。
Saint Mike DSP「PitchCure」
主な特徴
- スケールを設定するオートピッチ補正(キーの自動検出あり)
- 歌の表情を残すHumanizeエンジン
- MIDIで完全にキーを調整可能(MIDI Target)
PitchCureは、タイムドメイン処理によるアーティファクトフリーなピッチシフトに加え、Humanizeエンジンが自然なビブラートや感情表現をマッピングして残してくれるため、自然で歌心のあるチューニングを実現します。
Key/Scaleの設定にはAuto Detect(自動検出)とChromaticがあり、鍵盤表示から使う音を個別に編集できます。Speed(Soft〜Hard)、Humanize(Tight〜Loose)、Transition(Snap〜Glide)、Color(Dark〜Bright)の4ノブで補正のキャラクターを調整し、MIDI Targetを使えばスケール設定を上書きして、鍵盤で弾いたコードやメロディにボーカルを完全に追従させることも可能です。
<詳しい記事>
Session Loops「PitchNet」
主な特徴
- Melodyneのようなノート表示で補正
- AIによる再合成で自然な音色に再構築
- ARA対応・オープンソース
PitchNetは、AIによりボーカルのピッチを自動検出し、Melodyneのように編集可能なノート領域として表示して自然なピッチ補正ができるAIピッチ補正プラグインです。元の波形を変形させるだけでなく、AIによる再合成を用いて、より滑らかな変化とより自然な音色を持つ調整されたボーカルを再構築します。
対応DAWではARA連携により、タイムラインに追従して高速に解析できます。無料のオープンソースソフトウェアとして配布されており、AI再合成を使うため専用GPUが推奨されています(内蔵グラフィックスでも性能は落ちるものの動作します)。
<詳しい記事>
DeeJei.Tokyo「MotTune MIDI」
主な特徴
- 追加レイテンシー0のリアルタイム・ピッチ補正&ボコーダー
- MIDIで弾いた音程に声をロック(ケロケロ)。内蔵シンセのボコーダーとBalanceつまみでブレンド
- MIDIをルーティングしない場合に使える、一般的な自動ピッチ補正のためのKey/Scaleモードを搭載
- 録音済みボーカルの編集向けに、先読みを使った高音質のStudioモードも搭載
MotTune MIDIは、先読みバッファを使わず追加レイテンシーゼロで動作し、歌いながら・弾きながらその場でモニターできるリアルタイム・ピッチ補正&ボコーダープラグインです。ボーカルトラックにエフェクト(Fx/インサート)として挿し、MIDIトラックからプラグインへルーティングすると、鍵盤で弾いた音程の通りに声の音程が動きます。歌ってみた・DTM・トラックメイク・ライブ配信向けとされています。
エフェクトはA側とB側の2つの側面を持ち、A側は音作りパネル付きの内蔵シンセによるクラシックなボコーダー、B側は声のキャラクターを保ったまま入力MIDIノートにピッチをロックする「ケロケロ」で、Balanceつまみで両者をブレンドします。MIDIをルーティングしない場合は、Key/Scaleモードで一般的な自動ピッチ補正としても使えます。先読みバッファを使わないReal Timeモードに加え、録音済みボーカルの編集向けに先読みを使った高音質のStudioモードも搭載しています。モノラルの声に特化した設計です。
公式解説動画
<詳しい記事>
まとめ
ピッチ補正プラグインの無料配布情報をお届けしました。
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