拡張可能なソフトウェアモジュラーシンセサイザーModular。
Sofutbe製品の中にはModularで使用可能と記載されている製品があり、多くのSoftube製品をお持ちの方であれば、かなり拡張したModularを利用できます。
しかし、逆に何も持っていない方にとっては少し物足りない場合もあるかもしれません。
この記事では、そんなModularをレビュー!導入するメリットやデメリット・注意点からインストール・アクティベーション方法、セール情報、基本的な使い方まで解説します。
是非参考にしてください。
1. Softube「Modular」とは?
Softubeが開発するModularは、プラグインとして利用できるユーロラックモジュラーシンセサイザーでエフェクトモジュール(Modular FX)としても利用することができます。
実際のユーロラックモジュラーシンセサイザーと同じように、異なるモジュールを追加し、パッチコードを使って組み合わせて使用することができます。
Dieter Doepferとの協力のもとに開発され、6つのDoepferモジュールと20以上のSoftube独自のユーティリティモジュールがModularの基本パッケージに含まれています。
さらにモジュールを別途購入することで、基本パッケージのオプションを拡張することができます。また、他のSoftubeプラグインはModularのモジュールとして使用可能な製品もあります。
作曲ソフトDAWの拡張機能VST、VST 3、AU、AAXプラグインとして利用できます。
拡張モジュール(Add-Ons)
- Buchla 296e Spectral Processor
- Buchla 259e Twisted Waveform Generator
- Mutable Instruments Rings
- Mutable Instruments Clouds
- Mutable Instruments Braids
- 4ms Spectral Multiband Resonator(SMR)
- 4ms Pingable Envelope Generator(PEG)
- Doepfer A-188-1 BBD
- Doepfer A-101-2 Vactrol LPG
- Intellijel uFold Ⅱ
- Intellijel Rubicon
- Intellijel Korgasmatron Ⅱ
- Vermona Random Rhythm
Modularで使用可能なプラグイン
- TSAR-1R Reverb
- TSAR-1 Reverb
- Model 72 Synthesizer System
- Model 84 Polyphonic Synthesizer
- Statement Lead
- Monoment Bass
- Parallels
- Heartbeat
- Overstayer M-A-S
- British Class A
- Spring Reverb
- Tube Delay
- Tape Echoes
- Fix Phaser
- Fix Flanger and Doubler
- Saturation Knob
※2021年1月現在
開発会社 | Softube |
操作画面 | |
製品名 | Modular |
価格(定価) | 89ドル |
主な仕様 | モジュラーシンセサイザー |
2. 導入するメリット
Modularを導入するメリットは主に以下のような点が考えられます。
- 他のSoftube製品で拡張できるモジュラープラットフォーム
- ハードウェアの入門として使える
他のSoftube製品で拡張できるモジュラープラットフォーム
Modularは、拡張モジュールだけでなくSoftubeの他のプラグインと連携することができます。特にSoftubeのソフトシンセを多数お持ちの方であれば、Modularを持っていた方が良いです。
各Softubeのソフトシンセは、オシレーターのみなど1つのモジュールとして利用できるわけではなく
- Model 72 Synthesizer System:7モジュール
- Model 84 Polyphonic Synthesizer:7モジュール
- Statement Lead:3モジュール
- Monoment Bass:3モジュール
- Parallels:5モジュール
- Heartbeat:8モジュール
とかなり大きな拡張になります。
また、無料のフリープラグインSaturation Knobもモジュラーに対応していますので、もらっておきましょう。
ハードウェアの入門として使える
それぞれのモジュールは、モデル元となるハードウェアが存在する場合があります。そういったモジュールは選択画面に「BUY HARDWARE」というボタンがあります。
モジュラーシンセをはじめてみたいという方も実機をモデルとしたそのままのモジュールを使って安価に勉強することができるのでおすすめです。
3. 利用する前に知っておくべき注意点・デメリット
しかしながら、Modularを利用する前に知っておくべき注意点・デメリットもあります。
- 少ないオシレーターモジュールから組み立てる必要がある
- CPU負荷が高く重い
少ないオシレーターモジュールから組み立てる必要がある
Modularの初期モジュールでは、オシレーターが少ないです。
ノイズジェネレーター、簡単なサインオシレーターなどありますが基本的にはDoepfer A-110 VCOが中心になります。
もちろんプリセットを利用できますが、ある程度モジュラーシンセサイザーに詳しい方でないと幅広い音作りが難しい場合があります。
ただし、Softubeのソフトシンセなどをお持ちの方であれば拡張できます。
CPU負荷が高く重い
全体的に重たいです。
特に複雑なパッチングをした場合は、かなり重くなり楽曲中に使用することも難しい場合があります。
4. 口コミ・評判を紹介!
Modularに関する口コミ・評判をまとめました。
評価は高く、パソコンへの負荷を軽くする方法をツイートしている方もいました。
右上設定マークから「Use OpenGL〜」をオフにします。試してみましたが、私の環境ではそこまで大きな変化はありませんでした。
ハード世代にはお馴染みのDoepferとの共同開発による本格音源。上級者だけでなく初めての人でも使えるように200以上のプリセット搭載。
softubeのmodular安かったから買ってみたがおもろい。
僕だけか分からないからDTMerに拡散希望します。SoftubeのModularってプラグインが重すぎて使用に耐えない件。プラグイン右下のSETUPから画像で赤〇した箇所のチェックを外してDAWを再起動するとサクサク動くようになった。各自のGPUの環境によっては、チェックした方が快適かも?
引用:Twitter
5. Modularに関するセール情報
Softube製品は、ブラックフライデーのみならず頻繁にセールをおこないます。
Modularもセールの対象になることがあり、6000円程度で購入できる場合があります。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。
6. Softube製品のインストール・アクティベーション方法
Softube製品のオーソライズは以下の4STEPで完了します。
- SoftubeのHP右上LOG INからアカウント作成・ログイン
- MY ACCOUNT→REGISTER LICENSEからシリアルナンバーを入力
- SOFTUBE CENTRALをインストールして起動・ログイン
- 製品をインストール
7. 基本的な接続方法・使い方を解説!
ここからは実際にModularの基本的な接続方法・使い方を解説します。
公式の英語マニュアルはこちらをご覧ください。
左上からプリセットを選択できます。「Open Preset Collection」からプリセットを見やすく表示するページが開きます。
タグでソートして選んだり右上から
- ADD PRESET:プリセットを追加
- SAVE:プリセットを上書き保存
- SAVE AS:新しくプリセットを保存
- TAGS:タグを表示 / 非表示
- INFO:右側の情報ページを表示 / 非表示
- TILE / LIST:プリセット一覧をリスト表示 / タイル表示
を選択できます。
左真ん中あたりには以下のボタンやパラメータがあります。
- ADD:新しいモジュールを追加します。
- MOVE / DELETE:モジュールを移動、削除します。
- PERFORM:パフォーマンスノブの設定をします。(下記にて解説)
- MAIN OUTPUT:最終的に接続する必要があるメインの出力です。Lだけを接続すると、モノラル信号が出力されます。
- VOLUME:アウトプットの音量を調整できます。
モジュールは主に以下のような種類があります。
- CV(Control Voltage):他のモジュールを制御するための信号
- VCO(Voltage Controlled Oscillator):オシレーターモジュール
- VCF(Voltage Controlled Filter):フィルターモジュール
- ADSR(Attack / Decay / Sustain / Release):オンオフ情報を可変アタック、ディケイ、サスティン、リリースを備えたエンベロープに変換するエンベロープモジュール
- VCA(Voltage Controlled Amplifier):CV制御のボリュームノブで、通常ADSRエンベロープを適用して信号の音量を制御するために使用するアンプモジュール
- LFO / VCLFO(Low Frequency Oscillator):LFOモジュール
まずは、「DAW AND MIDI USERFACING」からMIDI TO CVモジュールなどを選択して、DAWやMIDIコントローラーから入力されるMIDI信号にModularを反応させる必要があります。(MIDIで制御する場合)
基本的な接続として以下のような接続ができます。
プラグからプラグをドラッグしてパッチを接続でき、解除する際も同じです。
出力側から入力側へとドラッグして接続し、入力側から出力側へとドラッグして接続を解除します。
- MIDI TO CVからオシレーターVCO / エンベロープADSRに接続:MIDI TO CVは、「NOTE」をVCOモジュールに、「GATE」オンオフをADSRモジュールに送ります。
- オシレーターVCOからフィルターVCFに接続:VCOモジュールの波形を、VCFモジュールに接続します。
- エンベロープADSRからアンプVCAに接続:ADSRモジュールの「Output」をVCAモジュールに接続して制御します。
- フィルターVCFをアンプVCAに接続:波形からフィルターに渡った信号をVCAモジュールに送られ(上記画像の場合24dBローパスフィルター)、そのボリュームは「Cv In」を介してADSRモジュールによってコントロールされます。
- アンプVCAからメイン出力へ接続:VCAモジュールからメインのアウトプットへの接続します。
DAWと同期するシーケンサー
DAW SYNCモジュールは、シーケンサーモジュールに接続してDAWと同期したシーケンサーができます。
DAW SYNCモジュールのクロック(上記画像の場合1/16)を出力し、シーケンサーモジュールの「CLOCK IN」にパッチングします。DAWの再生が再開されたときにシーケンサーが最初から始まるようにするためには、DAW SYNCモジュールの「RESET」をシーケンサーモジュール「RESET IN」に接続します。
「CV OUT」をVCOモジュール(Doepfer A-110 VCO)の「CV1」に接続すると、ピッチを制御することができます。「GATE OUT」「TRIG OUT」は、ADSRモジュールをトリガーするために使用することができます。GATE OUTは、TRIG OUTと違って長くプログラムされたゲートを複数回連続させることでレガートノートを作成することができます。
パフォーマンスノブ
PERFORM「EDIT」ボタンから1つの便利なノブで簡単にアクセスできるように任意のパラメータをリンクさせることができます。
以下の4STEPで完了します。
- 「EDIT」を選択して緑色になったノブを選択します。
- 最小値、最大値(SET MIN / SET MAX)と名前(SETNAME)を設定してもう一度ノブをクリックします。
- 適用可能な他のノブが緑色になるので選択します。
- 「EDIT」を再度選択します。
連携されたノブは赤色になります。
まとめ
Modularは、SoftubeのModular対応プラグインをたくさん持っている方であれば持っておくべきモジュラーシンセだと思います。
値段もどんどん安くなっているので比較的手に入れやすいです。
ただし、デフォルトのみで利用する場合は、オシレーターの少なさなど物足りなく感じる方もいるでしょう。
この記事が参考になれば幸いです。
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