誰もが憧れるSequential Circuitsの名機「Prophet-5」のモノフォニック版と言われる「Pro-One」。
最近ではBEHRINGERがクローンを発売し、さらには本家Sequentialから進化版「Pro 3」が発表され、注目されているビンテージシンセサイザーです。
この記事では、そんなPro-Oneの中古から復刻版、ソフトシンセ(VSTプラグイン)までご紹介します。
是非参考にしていただき、あなたの音楽制作に音源を導入する参考にしてください。
1. Sequential Circuits (SCI)「Pro-One」とは?
Sequential Circuits「Pro-One」は1981年に発売されたシンセサイザーです。同社から出る名機Prophet-5に似ていてProphet-5のモノフォニック版と呼ばれています。
モノフォニックのシンセサイザーですが、太い音でベースシンセで使うのはもちろん、シーケンサーを使った活用もできます。
Depeche Mode、Prodigy、New Orderなど数々のアーティストが使った名機です。
発売当初の価格は23万円ほどで、現在の中古市場でも同じような価格帯で販売されています。
Sequential Circuitsというメーカーは1970年中盤にDave Smithらによって設立されますが、1987年にYAMAHA によって買収されます。
しかし、その後、Dave SmithがSequentialの商標をYAMAHAから譲り受け、現在は「Sequential」という名前になります。
Dave Smithが手がけるシンセサイザーのメーカー名遍歴
Sequential Circuits inc. (SCI) → Dave Smith Instruments (DSI) → Sequential
Sequential Circuits「Pro-One」を使うアーティスト
ここではPro-Oneを使用した楽曲や使うアーティストをいくつかご紹介します。
Tame Impala
0:57〜 Pro-Oneのシーケンサーを使った音です。
Depeche Mode
DAF
2. 中古の実機Pro-Oneの現状と入手方法
Rolandなどと違い海外のメーカーですので、ヤフオクやメルカリなどの取引はほぼありません。
手に入れるためには世界中から出品、購入できるReverb.comを利用する必要があるでしょう。
2020年1月31日現在、Reverb.comでは5点の出品があります。
価格は15〜30万円ほどと、発売当初の定価23万円より安くなっている場合もあります。
3. 復刻版Pro-Oneについて
Dave Smithが手がけるProシリーズはPro-Oneから2、3まで発表されています。どれも基本的にはモノフォニックのシンセサイザーになります。
他にもBehringerからかなり安価でPro-Oneのクローン「PRO-1」が発売されています。
Dave Smith Instruments「Pro 2」
Dave Smith Instrumentsのフラッグシップ機種であったProphet-12のモノフォニック版シンセサイザーPro 2。ただし、4つのオシレーターを別々にすることで最大4音同時に鳴らすことが可能です。
ステップシーケンサーや、モジュラーシンセと互換性のあるCV入出力も付いています。現在生産は終了しています。
Sequential「Pro 3」「Pro 3 SE」
2020年の世界最大の楽器見本市NAMM SHOWにてPro 3が発表されました。
Moogのようにパネルを立ち上がるバージョンPro 3 SEと通常バージョンの Pro 3の2種類あります。
価格はPro 3が1,599ドル、Pro 3 SEが2,099ドルになります。
こちらはSequential Circuits「Pro-One」の進化形というコンセプトで制作されたようで、オシレーターが3基あり、設定によっては3音同時に鳴らすことが可能だとのことです。
BEHRINGER「PRO-1」
BEHRINGERが次々にクローンを発売していますが、Pro-Oneのクローンも登場しています。
価格はなんと4万円ほどと、かなり安価でPro-Oneサウンドが手に入ります。
問題はクオリティですが、中古の実機は個体差があり、PRO-1の方が良いという声もあります。
本家のPro-Oneは過去に何度か触ったけど、買うに値しない状態の筐体が多かった。behringerのpro 1は抜群に良い。特にPulseの太さは特筆。というわけで音出しして速攻でお持ち帰り。
— 瀬川英史 (@acsegawa) December 26, 2019
4. ソフトシンセ(VSTプラグイン)
ソフトシンセでPro-Oneをモデルとするものは少ないですが、かなりオススメのものがあります。
それがu-he「Repro-1」です。Repro-1はPro-OneのモデルだけでなくポリフォニックのProphet-5をモデルとしたRepro-5も同梱されています。
実機との比較動画もありますが、ほぼ同じと言っても過言ではありません。
実機同様太い音で、かなり使えるソフトシンセです。ただし、負荷が重いところが少し難点です。
プロがRepro-1を利用する場面もちょくちょく目にします。
まとめ
ビンテージシンセサイザーは実機が一番ですが、Pro-Oneに限っては、本家以外のBEHRINGER「PRO-1」やu-he「Repro-1」も優秀です。
Pro-3の発売が楽しみですが、安価にPro-Oneの音を手に入れたい場合はソフトシンセやクローンを検討しても良いのではないでしょうか?
この記事が参考になれば幸いです。
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