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コンプレッサー(プラグインエフェクト)とは?
プラグインエフェクトのコンプレッサーは、名機をモデルとしたものやソフトウェアオリジナルのもの、最新のものでは人工知能(AI)機能を搭載したものもあります。
オーディオ信号の最大レベルと最小レベルの差を圧縮するだけでなく、色付けやまとまりを作ったり(グルー)多様な使い道があります。
作曲ソフトDAWの拡張機能VST、AU(Audio Unit)、AAXなどのプラグインとして利用できます。
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最新のセール情報まとめは以下の記事を参考にしてください。
無料で使えるフリーコンプレッサープラグイン
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無料で使えるおすすめのフリープラグイン一覧は以下の記事にまとめています。
コンプレッサーの種類と特徴
実機も存在する名機コンプレッサーは主に以下の種類、タイプがあります。それぞれをモデルとしたプラグインエフェクトもたくさんあります。
※それぞれの特徴には例外もあります。
FETコンプレッサー
アタックの速いコンプレッサー。打楽器によく使用されます。
FETコンプレッサーの名前は、ゲインリダクションシステムの心臓部であるFET(Field Effect Transistor)と呼ばれる電子部品に由来しています。スレッショルドが固定されているため、通常スレッショルドコントロールを持ちません。代わりに、圧縮レベルは、コンプレッサーの入力ゲインを使用して調整されます。これにより、入力レベルに合わせて自動的に圧縮がかかり、サウンドをコントロールすることができます。
FET方式のコンプレッサーの代表的な機種としては、Universal Recording Electronics Industries(Urei)の1176があります。1176は、真空管コンプレッサーが全盛の時代に、Universal Audioの創設者であるMilton Tasker “Bill” Putnamによって設立されたUreiより発売されました。1176は非常に速い反応速度を持ち、攻撃的でアグレッシブなサウンドを作り出すことができるため、特にドラムなどの打楽器の音を強調するのに適しています。
また、オリジナルのUrei1176は製造された時代でRev.(リビジョン)A〜Hまであります。これらのリビジョンによって、音の特性やクセが異なるため、オーディオエンジニアやプロデューサーの中には、好みに合わせてリビジョンを選んで使用する人もいます。
現在、Urei1176は復刻版も多く存在しており、ハードウェアコンプレッサーとしてはもちろん、プラグイン形式でも使用することができます。また、FETコンプレッサーは、特にハードロックやヘヴィメタルなどのジャンルで使用され、その攻撃的でパワフルなサウンドは、多くのプロフェッショナルミュージシャンやエンジニアに愛されています。
例:Urei 1176
<レビューや使い方など詳しい記事>
VCAコンプレッサー
マスターバスやグループでよく使用されるきめ細かいコンプレッサー。
VCAコンプレッサーは、オーディオ信号を圧縮するためにVCA (Variable-Gain Amplifier) と呼ばれる回路を使用するコンプレッサーで、VCA方式シンセサイザーなどで見られるVCAと同じ仕組みを利用しています。VCA方式のコンプレッサーは、他の方式に比べて比較的新しいタイプで、スレッショルド、レシオ、アタック、リリースなど、一般的なコンプレッサーと変わらないパラメータがあります。
VCAコンプレッサーは、非常に高速で正確なコントロールが可能であるため、非常に幅広い音楽ジャンルに適しています。
代表的なVCAコンプレッサーとしては、SSL (Solid State Logic)のGシリーズや、dbxの160シリーズがあります。SSL Gシリーズは、1970年代に登場したレコーディングコンソール用のコンプレッサーで、多くのレコーディングスタジオで愛用されています。また、dbx 160シリーズは、VCAコンプレッサーの代表的な機種の一つで、ドラムやパーカッションの音を強調するためなどによく使用されます。
VCAコンプレッサーは、ハードウェアとしても存在するだけでなく、DAWでも多くのプラグインとして提供されており、ハードウェアと同様の効果を手軽に得ることができます。VCAコンプレッサーは、オーディオ制作において必要不可欠なツールであるため、多くのエンジニアやプロデューサーが愛用しています。
例:SSL (Solid State Logic) Gシリーズ / dbxの160シリーズ / API 2500
<レビューや使い方など詳しい記事>
真空管(TUBE)コンプレッサー
真空管コンプレッサーは、コンプレッサーの中でも最古の方式の一つで、オーディオ信号を圧縮するために真空管を使用します。真空管は、温かみのある、滑らかで自然なサウンドを生み出すことで知られており、真空管コンプレッサーはその特性を生かして、オーディオ信号に豊かなハーモニクスを加え、温かみのあるサウンドを作り出します。
真空管コンプレッサーは、典型的には3つの真空管が使用されます。1つは増幅に、1つは整流に、そしてもう1つは出力増幅に使用されます。真空管は、信号を増幅し、オーディオ信号をクリッピングしないようにすることで、非常に大きな音圧レンジを持ちます。また、真空管の特性により、オーディオ信号に豊かなハーモニクスを加えることができ、倍音や歪みを付加することで暖かいアナログな色付けをすることができます。
真空管コンプレッサーには、多くの場合、アタック、リリース、レシオ、スレッショルドなど、一般的なコンプレッサーと同様のパラメータが備わっています。ただし、真空管の特性を生かした独自のサウンドを追求するため、真空管の選定や配線、回路設計にもこだわられます。
代表的な真空管コンプレッサーとしては、Fairchild 670があります。Fairchild 670は、1950年代に登場したレコーディングコンソール用のコンプレッサーで、その高価格と希少性から、コレクターアイテムとしても知られています。
DAWでも、多くのプラグイン形式の真空管コンプレッサーが提供されており、その温かみと独特のハーモニクスを再現することが可能です。しかし、本物の真空管コンプレッサーは、その独自のサウンドや音質を求めて、多くのプロフェッショナルなエンジニアやプロデューサーによって、現代のレコーディングスタジオでも広く使われています。特に、アナログ音源からデジタル録音に移行する過渡期において、真空管コンプレッサーは、オーディオ信号に温かみと厚みを与え、自然なサウンドを作り出すことで、オーディオファンの間で非常に人気がありました。
また、真空管コンプレッサーは、さまざまな音楽ジャンルにおいて多用されています。ロック、ポップ、ジャズ、クラシックなど、さまざまな音楽ジャンルにおいて、その特徴的な音質を活かした音楽制作が行われています。
真空管コンプレッサーは、プロフェッショナルな音楽制作において重要な役割を果たしており、多くのエンジニアやプロデューサーにとって、不可欠なツールの一つです。
例:Fairchild 670 / Manley Variable Mu
<レビューや使い方など詳しい記事>
OPT(光学式)コンプレッサー
光学式(Opticalオプティカル / OPTオプト)コンプレッサーは、光センサーを使用してオーディオ信号を圧縮するコンプレッサーです。オーディオ信号を変換するための光センサーと、光センサーによって制御される増幅回路から構成されています。
光学式コンプレッサーは、光センサーが制御するため、非常に滑らかな音圧レベル制御を行うことができます。光センサーは、オーディオ信号のレベルに応じて発光ダイオードを制御し、それに応じて増幅回路を制御することで、オーディオ信号のレベルを圧縮します。そのため、瞬時的な音圧変化を捉えることはできませんが、滑らかで自然な音圧制御を実現することができます。
光学式コンプレッサーは、特に、ボーカルやアコースティック楽器など、ナチュラルなサウンドを必要とする音楽制作において、重要な役割を果たしています。また、多くの場合、光学式コンプレッサーは、オーディオ信号に色付けをすることができます。
代表的な光学式コンプレッサーには、Teletronix LA-2AやT4 Optical Tube Compressorがあります。Teletronix LA-2Aは、1950年代に登場したコンプレッサーで、その光学式の回路により、滑らかで自然な音圧制御を実現しています。また、T4 Optical Tube Compressorは、Electro-Optical Dynamicsによって設計されたコンプレッサーで、光学式回路と真空管回路を組み合わせて、非常に柔らかく自然な音圧制御を実現しています。
光学式コンプレッサーは、その特有の音質を求めて、多くのプロフェッショナルなエンジニアやプロデューサーによって広く使われています。また、DAWでも、多くのプラグイン形式の光学式コンプレッサーが提供されており、その滑らかな音圧制御と独特の音質を再現することが可能です。
例:LA-2A
コンプレッサーの基本的なパラメータ・使い方
コンプレッサーには、音圧レベルを制御するための様々なパラメータがあります。以下に、各パラメータの詳細を説明します。
Threshold(スレッショルド):コンプレッサーが働き始めるレベルの閾値を設定します。スレッショルド以下のレベルには何も処理が行われず、スレッショルド以上のレベルに対してだけ、コンプレッションがかかります。スレッショルドの設定は、コンプレッサーが働く範囲を決定するために非常に重要です。
Detection(ディテクション):コンプレッサーがどのようにオーディオ信号を検出するかを決定します。主な検出方法には、ピーク検出やRMS(実効値)検出があります。ピーク検出は、オーディオ信号のピークレベルを検出し、RMS検出は、オーディオ信号の平均レベルを検出します。これらの検出方法によって、コンプレッサーの挙動が大きく異なるため、適切な検出方法を選択することが重要です。
GR(ゲインリダクション):コンプレッサーがどの程度オーディオ信号を圧縮するかを表します。GRの値が大きいほど、オーディオ信号が大幅に圧縮されます。
Knee(ニー):スレッショルド周辺でのゲインリダクションの特性を決定します。ハードニーは、スレッショルドを超えた瞬間に急激にゲインを下げます。ソフトニーは、スレッショルドに近づくにつれて、ゆっくりとゲインを下げます。ニーの設定によって、コンプレッションのかかり方が大きく変わります。
Ratio(レシオ):コンプレッションの強度を表します。例えば、4:1の場合、入力音圧レベルがスレッショルドを超えたときに、出力音圧レベルは1/4になります。レシオが高いほど、コンプレッションの効果が強くなります。
Attack(アタック) / Release(リリース):アタックは、スレッショルドを超えた瞬間から、どの程度速くゲインを下げるかを決定します。アタックが短い場合、音の初めの瞬間からゲインリダクションが働き始めます。逆に、アタックが長い場合、しばらくの間はゲインリダクションが働かず、音が自然に鳴ります。リリースは、レベルがスレッショルド以下になった瞬間から、ゲインリダクションが完全に解除されるまでの時間を表します。リリースが短い場合、ゲインリダクションが速く解除され、音が急激に戻ります。逆に、リリースが長い場合、音がゆっくりと元に戻ります。
Make Up(メイクアップ):圧縮されたレベルを元のレベルに戻すための補正ゲインです。コンプレッションによってレベルが下がるため、メイクアップゲインを使用して、元のレベルに戻します。メイクアップゲインは、GRと比例するように設定されることが一般的です。
Parallel(パラレルコンプレッション):処理された信号(Wet)と処理されていない信号(Dry)をミックスするパラレル処理が可能です。パラレル処理を使用すると、圧縮された信号と圧縮されていない信号を同時にミックスすることができ、自然な音を作ることができる場合があります。
コンプレッサープラグインのサブスクリプション
コンプレッサープラグインはサブスクリプション(月額・年額払い)でも利用できます。サブスクリプションについては下記の記事を参考にしてください。
Splice Pluginsの場合は、一定期間払い終えると自分のものになります。
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