大注目のRolandの歴史を集約した新しいシンセサイザー。
それがJUPITER-Xシリーズです。
名機のシンセサイザーを一同に介したようなそのシンセサイザーは
- 61鍵のJUPITER-X
- 37鍵のJUPITER-Xm
が発表されています。
この記事では、その大注目のシンセサイザーシリーズから、現在発売されているJUPITER-Xmを実際に利用する永田誠氏にレビューしていただきました。
メリットや注意点を丁寧に解説していただいております。
ハードシンセは値段も高く簡単に購入を決めずらい印象もありますので、この記事を是非参考にしていただき、購入するかの検討材料にしてください。
1. Roland「JUPITER-Xm」とは?
JUPITERといえば、Rolandの名機アナログシンセサイザーです。具体的には、JUPITER-4、JUPITER-6、JUPITER-8が有名です。
Roland「JUPITER-Xm」はそれらのJUPITERシリーズのみならずSH101、JUNO-106など数々のRoland名機アナログシンセサイザーからステージピアノとしてプロも使用するRDシリーズ、PCMシンセサイザーXV-5080などデジタルシンセサイザーまでモデリングしたシンセサイザーです。
また、名機リズムマシンTR-808、TR-909、CR-78など定番のドラムサウンドまで搭載されています。
JUPITER-Xmは37鍵のコンパクトなシンセサイザーですが、2020年4月には61鍵のJUPITER-Xが発売予定です。こちらは見た目もほぼJUPITER-8となっており、名機の面影を醸し出しています。
2. 導入するメリット
ここからは実際にJUPITER-Xmを利用する永田誠氏に JUPITER-Xmを利用するメリットから注意点までを解説していただきます。
永田誠
Hip-Hop系の楽曲、CM楽曲や映画への楽曲提供など様々なジャンルへの楽曲提供を行う。The fin. のサポートギタリストを務める。2020年からソロプロジェクトも始動。
メリット1. プリセットの豊富さ
何と言ってもプリセットの豊富さに魅力があると思います。
Jupiter-Xmを購入する際、音作りに不安があったのですが、大量のプリセットのおかげでこのシンセがどんな音を出せてどんなことが出来るのかを知ることが出来ました。
ちなみにプリセットはjupiter-Xm独自のものもあるのですが、モデリングをしているシンセに当時プリセットとしてあったものまであり、その豊富さは目を見張るところがあります。
メリット2. ディスプレイがわかりやすい
ここはハードシンセの購入を決める上で結構大事なところかなと思います。
とにかくディスプレイがわかりやすいです。
いままでソフトシンセを使ってきて、エンベロープやLFOなどの波形を見ながら音作りをしてきたので、それらがディスプレイに表示されるのはとてもありがたいと感じました。
ハードシンセを初めて触る人はこれがあるのと無いのとではだいぶ使いやすさが変わってくるかなという印象です。
メリット3. 操作性が良い
操作性も押したいポイントになります。
実際に使っていて、色々なシンセの音色を比較したい時にボタンひとつで切り替え出来るのはかなり効率がいいと思いました。また、ソフトシンセでは出来ないスピード感で作業が進めれることもあり重宝しています。
メリット4. I-ARPEGGIOが良い
これは今回の機種から採用されたAIを搭載したアルペジエーターで、シンセのアルペジオ+ドラムパターンを自分の演奏に合わせて自動でパターンを生成してくれます。
購入してすぐに試してみたのですが、色んなジャンルの曲が手軽に演奏でき、楽しいですね。
メリット5. フィルターの種類が多く、新しい組み合わせができる
フィルターが3種類(Rolandの他に2大巨塔Moog、Sequential)搭載されているのですが、それぞれに特徴があります。
- JupiterをMoogのフィルターで
- JunoをProphetのフィルターで
というようにただのモデリングのシンセとは違った楽しさがあり世界が広がります。
メリット6. 内蔵スピーカー
曲作りや音作りに直接関係ないところかもしれませんが、内蔵スピーカーで鳴らすの楽しいです。
ローは物足りないものの最初に音を鳴らした時に音の振動が指に伝わってきてテンション上がりました。
自分はもともとギタリストなので「楽器を鳴らしてる」という感覚が味わえるのはモチベーションを上げてくれるので嬉しいです。
3. 購入前に知っておくべき注意点・デメリット
しかしながら、購入する前に知っておくべき注意点・デメリットがあります。
この点においても解説していただきました。
注意点1. エフェクトが物足りない
内臓エフェクトにディレイやリバーブなどがあるのですが、ちょっと物足りないかなと思いました。エフェクターやDAW上などでエフェクトをかける方が良い気がします。
注意点2. 変わった音作りの幅が少々狭い
これはデメリットというか個人的な好みもあるのですが、最近盛り上がりを見せているモジュラーシンセやセミモジュラーシンセのような変わった音作りは難しい感じがします。
これに関しては目的が違う気もしますが…
ただ逆に、汎用性があり基本的な音はほとんど作れますので、個々人の好みといったところだと思います。
注意点3. ドラムサウンドの調整が手間
TR-808などのリズムマシンの音なのですが、アルペジエーターなどでリズムマシンっぽく使えるのですが結構手間だったりします。
Decay等も各音源で調整ではなく、一括での操作になるっぽいです。
なので、DAWでMIDIでパターンを作って鳴らすといった感じになります。TR-808などと同じ操作感で使えるといったものでは無いとういう点を理解しておくべきだと思います。
以上永田誠氏よるレビューでした。
ただハードシンセとして鳴らすだけではなく、DTMで利用する上での注意点まで解説していただきました。
文章をいただいて、私自身もなるほどなと思いながら読ませていただきました。
ここからはRoland-Xmが実際にどう思われているのか口コミ・評判をまとめました。
4. 口コミ・評判を紹介!
全体的には好印象ですが、Korgから新しく発表されたwavestateと比べる口コミが多くありました。
wavestateは2020年2月発売で、同じく37鍵あるシンセサイザーです。
しかし、Rolandの名機の音を網羅したJUPITER-Xmとはまるで方向性の違うシンセサイザーなどで操作性以外比べることは難しいでしょう。
あと、この間初めてJUPITER-Xm触ったよ。価格相応というか、ガジェットなシンセだったねぇ。
あのデザインでもキーボードがアフタータッチだったら買ったかも。
#CES2020 #Roland ブースに、気になっていた新製品 #JUPITERXm があったので触ってみた。近頃はソフトシンセばかりだったけれど、ハードウェアシンセの良さを再認識。弾いたときのダイレクト感や、Rolandらしい音がかなり好み。欲しい。
wavestateはJupiter-xmと二段積みにするのがいまどきかなー。
引用:Twitter
まとめ
Roland-Xmは最新のアプローチもありながら、Rolandの名機シンセサイザーを一つにまとめた魅力的なシンセサイザーです。
実際に使っている永田誠氏にレビューしていただくことにより、たくさんのメリットが見えてきました。
ハードシンセは高い買い物だと思いますので、この記事があなたの参考になったのなら幸いです。
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