なにこれ?と思うようなすごいGUI(操作画面)のプラグインSketchCassette Ⅱ。
インディーズ感ある見た目のプラグインですが、4トラックカセットレコーダーにインスパイアされた細かいエフェクトから過激なエフェクトからまで可能なLoFiエフェクトプラグインです。
この記事では、そんなSketchCassette IIをレビュー!メリットやデメリット・注意点から使い方まで解説します。
是非参考にしてください。
1. Aberrant DSP「SketchCassette Ⅱ」とは?
SketchCassette IIは、Aberrant DSPが開発するカセットレコーダーにインスパイアされたプラグインです。
12のテープタイプだけでなく、カセットテープでみられる症状を細かくコントロールできるプラグインで、微妙なワブルから過激なエフェクトまでできます。
開発会社 | Aberrant DSP |
操作画面 | |
価格(定価) | 30ドル |
主な仕様 | カセットテープエフェクト |
2. 導入するメリット
SketchCassette IIを導入するメリットは主に以下の点が考えられます。
- 見た目最高
- 12のテープタイプから選択できる
- 個々のパラメータを独立してミックスできる
見た目最高
落書きのようなセンスある見た目でテンション上がります。
しかもテープが回っていたり、メーターが動いたりとこの落書きのような絵が実際に動きます。
またユーモアがあるのはGUIだけでなく、マニュアルの最後には猫と製作者の写真が載せてあり、猫のJonは開発チームの一員とされています笑
12のテープタイプから選択できる
テープは
- 「TYPE I」(鉄)
- 「TYPE Ⅱ」(クロム)
- 「TYPE IV」(金属)
の3種類から選択した後に
- 「CHEAP」
- 「VALUE」
- 「STANDARD」
- 「MASTER」
4つの品質を設定できます。さらにAGEノブで経年劣化も再現できます。
個々のパラメータを独立して使用できる
SketchCassette IIは、WOW/FULTTERエフェクトやヒスノイズなどのみを独立してコントロールすることができます。
MIXのノブがありますが、これはテーププロファイルをコントロールするノブで、他のエフェクトは普通にかかります。全体にテープの色を加えずエフェクトのみ適用することができるので、使い勝手が良いです。
3. 利用する前に知っておくべき注意点・デメリット
しかしながら、SketchCassette IIを利用する前に知っておくべき注意点もあります。
似たような製品がある
この手のLoFiエフェクトは割とあると思いますが、同じようなカセットテープエフェクトとしてはWavesfactory「Casette」が挙げられるでしょう。
こちらも細かく調整できるカセットテープエフェクトです。しかもフリー版が存在します。
ただし、有料のCasetteは¥6,000ほどに対して、SketchCassette IIは¥3,000ほどと定価では、SketchCassette IIの方がだいぶ安いです。
4. 口コミ・評判を紹介!
SketchCassette IIに関する口コミ・評判をまとめました。
評価はけっこう高いです。
Aberrant DSPさんからSketchCassette IIリリースしたよーとお知らせがあったので、早速インストールしてマニュアルを眺めてたら、最後の最後が猫多めのサービスページになっててとても和んで心がふにゃけました😊
SketchCassetteはサイコー
TDKやmaxellみたいな感じにはならないけど楽しい。JST Gain Reductionとかとは違うエグさがあるね。KlanghelmのDAW Cassetteより全然濃い味付け、あとBIAS値が調整出来たらもっと嬉しかったけど... でも好きw
引用:Twitter
5. SketchCassette IIに関するセール情報
Aberrant DSP製品はセールで安くなる場合があります。
最新のセール情報はこちらをご覧ください。
6. 使い方を解説!
ここからは実際に使い方を解説します。公式の英語マニュアルはこちらをご覧ください。
Tape Type
左上から、12のテープ周波数特性が選べます。一番上の行では、以下の種類から選択できます。
「TYPE I」(鉄):最も一般的で安価なテープで、低域のレスポンスが良く高域が抑えられています。
「TYPE Ⅱ」(クロム):「Type I」よりも優れた高域レスポンスを持ち、場合によっては高域を数dB向上させることもあります。
「TYPE IV」(金属):最もフラットで拡張された周波数特性を持っています。
「BYPASS」ではフィルタリングを完全にバイパスすることができます。
2列目には、テープの品質を設定できます。各タイプごとに「CHEAP」「VALUE」「STANDARD」「MASTER」4つの異なるプロファイルが用意されており、すべてそのタイプの実際のテープをモデルにしています。
AGE:カセットは経年劣化すると、高域の内容がどんどん失われていきます。スライダーを使って経年変化を大きくすると、信号にローパスフィルタリングが追加されます。
HISS:カセットテープの特徴的なヒスノイズのレベルを調整できます。
SATURATION:ハーモニクスと微妙なコンプレッションが導入されます。右側のABボタンでは、2つのサチュレーションアルゴリズムを切り替えることができます。
サチュレーションはゲイン補正が含まれています。
DROPOUTS:カセットテープが古くなったり、磨耗したりするとテープに保存されているオーディオの一部が失われます。このパラメータは、ドロップアウトと呼ばれるこの症状を再現するためのものです。「DEPTH」で全体的な強さを調整し、「INTENSITY」はドロップアウトの長さや大きさを調整します。「WIDTH」は、左右のチャンネルに適用される振幅変調の分離量をコントロールします。右に回すとドロップアウトエフェクトのステレオ幅が大きくなります。
WOW / FLUTTER:カセットプレーヤーの老朽化によって引き起こされる効果WOWとFLUTTERです。古いカセットプレーヤーは信号を一貫性のない速度で再生する傾向があり、これによりピッチが揺らぎます。「WOW」は低域の変調を表す用語で、「FLUTTER」は高域の変調を表す用語です。
DEPTH:モジュレーションの深さを調整できます。
RATE:モジュレーションの速さを調整できます。
波形選択:モジュレーションの波形を選択できます。
TEMPO SYNC:DAWのテンポと同期したRATEで設定できます。
FLANGING:WOWとFLUTTERモジュレーションされたシグナルとドライシグナルをミックスし、フランジングエフェクト効果をうみだします。
FM(Flutter Modulation):TEMPO SYNC下のボタンからWOWがMOD.となり、FLUTTERモジュレーターのレートを変更します。
NR COMP.:オーディオ信号のテープヒスを低減するためのノイズリダクションスイッチを再現しています。マルチバンドコンプでこのサウンドをエミュレートし、高域ブーストは「BRIGHT.」で調整でき、全体的な強さは「AMOUNT」で調整できます。
MIX:テープのDry/Wetをミックスする「TAPE」、NR Comp.のDry/Wetをミックスできる「COMP」ノブがあります。
TAPEノブが0の場合も、それぞれ個々のパラメータ(WOW、FLUTTERやHISS、SATURATIONなど)は別で使用することができます。
まとめ
SketchCassette IIはLoFiエフェクトを求めている方はチェックしてみる価値あるプラグインだと思います。
ただし、あまりカセットテープエフェクトを必要としない方は、見た目だけで買ってしまうと出番があまりないかもしれません笑
この記事が参考になれば幸いです。
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