Universal Audio(ユニバーサルオーディオ)が開発するUADプラグインは、数多くありあらゆる名機モデルのプラグインエフェクトやソフト音源が揃っています。
しかし、多すぎるが故にどれから買えば良いのかわかりにくい場合もあります。
この記事では、そんなUADプラグインの中でおすすめのものをいくつかピックアップしていただきました。
是非参考にしてください。
1. UADプラグインとは?
UADプラグインは、Universal Audioが開発する専用DSP上で強力なアナログエミュレーションを実行するプラグインの総称です。オーディオ業界の最大手ブランドとの共同開発による100以上のプラグインが収録されています。
UADプラグインは、ハード機材DSPアクセラレーターやUniversal AudioのDSP搭載オーディオインターフェースが必要でした。
プラグインはDSP上で実行しているためパソコンへの負荷を減らすことができますが、ハード機材に搭載されているDSPは1基(SOLO)、2基(DUO)、4基(QUAD)、6基(HEXA)、8基(OCTO)など製品によって異なり、それぞれのプラグインによってDSP使用量があります。
詳しくはDSP使用量の公式チャートをご覧ください。
ハード機材には無料で付属する「Analog Classics Plus」などのバンドルやその他、自由に選択できるプラグインがセットになった製品もあります。
※Nativeで利用可能なSonnox製品やSoftube製品、Eventide製品など他社製品のUADプラグインバージョンもあります。
ハードウェアなしで利用できるネイティブプラグイン開始!
UAD Sparkというサブスクリプションが開始され、こちらで使用できるプラグインはハードウェアなしの通常ネイティブ(Native)プラグインとして利用できます。
また、ネイティブプラグインの単体での販売も開始しました。以下の2種類が同梱されている場合と、Nativeのみの製品があります。
- UAD Native:UAハードウェアを使用せずにMacやWindowsで動作します。
- Apollo Realtime & UAD-2:ApolloオーディオインターフェースとUAD-2ハードウェアで高速に動作します。
2. おすすめのUADプラグイン10選
ここからは、実際にUADプラグインでおすすめの10プラグインを解説していただきます。ハードウェアなしで利用できるネイティブプラグインに対応している製品もあれば、ハードウェアを持っている場合でしか利用できないプラグインもありますのでご注意ください。
この記事のレビュアー
高慶航 (Rec / Mix / PA )
Sound AiDE所属のレコーディング・PAエンジニア
音のキャラクターやカラーを大切に、録音、ミキシング、PAオペレートしています。
■制作実績 : Funny Factures, TAMIW, Monomouth, um-hum, colspan, DuckHouse, DinoJr, Kuniyuki Natsu 他
■Spotify Playlist : https://open.spotify.com/playlist/2TskeAQyI0qYwohaAs3f82?si=CEc4Qt-oSyemv1czsQ1d8Q
■instagram : https://www.instagram.com/watarukokei/
ご依頼はmailにてお気軽にお問い合わせください→ kokei.soundaide@gmail.com
■Studio AiDE : https://soundaide.co.jp/rec-studio/
Universal Audioからリリースされているプラグインシリーズから僕が普段使っているおすすめのプラグインをいくつかご紹介したいと思います。
どれを購入しようか迷っている方は参考にして頂ければと思います。筆者環境はApollo 8P QUADとさらに追加でQUADカードを2枚合計12コアで作業しています。
サンプリングレート96kHzのセッションでは毎回何トラックかフリーズしなきゃならないくらいDSPを使い切っています。
Neve 1073 Preamp & EQ Collection
- モデル:Neve 1073
- 主な仕様: プリアンプ・イコライザー
大事なトラックには大体ささります。グッとリッチにしたい時の第一候補。トリムであおってフェーダーで下げると出来上がりです。EQの効きも素晴らしいです。
Helios Type 69 Preamp & EQ Collection
- モデル:Helios Type 69
- 主な仕様: プリアンプ・イコライザー
こちらもNeveと同じ使い方でキャラクター違いです。ギラっとさせたい時はこちらを使います。
1176 Classic Limiter Collection
- モデル:Universal Audio 1176 Rev A、E、AE
- 主な仕様:FETコンプレッサー
- ネイティブプラグインあり(VST、AU、AAX)
大体このコンプ使ってれば上手くいく。それくらい信用しています。実機もよく使うのですが再現度に感動してUADを導入するキッカケになったプラグインです。
3つのモデルがセットになっていてrev A、E、AEとキャラクターが違い楽器で使い分けています。Aはギター、ベース、Eは革物、AEはボーカルといった感じです。
Ampex ATR-102 Mastering Tape Recorder
※Studer A800 Multichannel Tape Recorderとのバンドルの場合「Magnetic Tape Bundle」
- モデル:Ampex ATR-102
- 主な仕様:テープレコーダーシミュレート
マスタリング時には大体これが入ります。マスタリング用のプリセットが秀逸でテープスピードとテープの種類で好みの物を選んで少しさわるくらいでサウンドがまとまります。
Mixではドラムのミックスバスに入る事が多いです。Studer A800 Multichannel Tape Recorderも良いですがAmpexの方がピントがしっかりした感じです。Studerはドラムだと個々のトラックに入れて、テープタイプやスピードなどの調整を同じように行うGangコントロールで同期して使います。
EMT 140 Classic Plate Reverberator / EMT 250 Classic Electronic Reverb
※バンドルの場合「EMT Classic Reverb Bundle」
- モデル:EMT 140、EMT 250
- 主な仕様:プレートリバーブ、デジタルリバーブ・モジュレーションエフェクト
この2つのリバーブが有れば大体対応できると思います。特に140は使いやすいです。
250はボーカルの長めのリリースのリバーブでファーストチョイスになりやすいです。リバーブ後のPANとEQで整えると最高にカッコよく仕上げられます。
AKG BX 20 Spring Reverb
- モデル:AKG BX 20 reverb
- 主な仕様:スプリングリバーブ
スプリングリバーブの王様。こちらはロングテイルでしっかり存在感のあるリバーブを使いたい時におすすめです。リバーブも楽器と捉えて使うといいと思います。
Lexicon 480L Digital Reverb and Effects
- モデル:Lexicon 480L
- 主な仕様:デジタルリバーブ
- ネイティブプラグインあり(VST、AU、AAX)
言わずと知れたリバーブの王様。最高です。PAでもよく使います。
Fender ’55 Tweed Deluxe
- モデル:Fender tweed Deluxe
- 主な仕様:アンプシミュレーター
UADのアンプシミュレーターの中で一番出番が多いのがこちら。
Unisonで使う事も多いですが、ラインで録音して後からLineモードでリアンプする事でギターを直接アンプに繋いだのと同じ挙動をしてくれます。
Unisonは、Apolloオーディオインターフェースで利用できる元のハードウェアを通したようなレコーディングを実現する機能です。Unison対応のUADプラグインは、物理的な入力インピーダンスやゲインのステージングレスポンスなどのパラメータをエミュレートされたプリアンプの特性に合わせて設定します。
Massenburg DesignWorks MDWEQ 5 Parametric EQ
- 主な仕様:イコライザー
地味ですが大事なEQ。掃除用です。引き算で使うのに丁度いいEQです。EQをさわっているポイントをソロで聴くことが出来るので目的のポイントを探しやすいです。音が破綻せず掃除が出来る素晴らしいEQです。
※MDWEQ 6はPro ToolsのAAX(DSP&Native)でも利用できます。
Chandler Limited Zener Limiter
- モデル:Chandler Limited TG12413 Zener Limiter
- 主な仕様:リミッター・コンプレッサー
- ネイティブプラグインあり(VST、AU、AAX)
バスコンプレッサーとしてよく使います。COMP1(RS124モード)、COMP2(中間モード)、LIMITER(Fairchild660モード)と3種類の機能とコンプをせずに倍音だけ付加するモードがあり、使い分けています。MSでもかけられるので色んなソースで使えます。ステムでまとめたグループに使っています。
3. UADプラグインに関するセール情報
UADプラグインはブラックフライデーのみならず、頻繁にセールをするようになりました。安く購入できる場合があります。
最新のセール情報は以下の記事をご覧ください。
4. 口コミ・評判を紹介!
UADプラグインに関する口コミ・評判をまとめました。
評価は高いですが、やはり導入コストが高い点がネックになってなかなか手を出せていない方も多いです。
金食い虫のUADさん
これひとつで十数万
我が家ももうこれで3つ目になってしまった
1つにつき挿せるプラグインの数が限られるのでトラック数の多い楽曲を作る人間は諦めて買うしかない
その代わりに良い音を届けられれば何より
UADのプラグイン使ってみてえなぁ、Apollo買っちまうか〜?
UADプラグインの聴き比べ〜!
SHADOW HILLSのトランス変えても音の違いがわからない^^;でも、通すだけでいい感じ(笑)
MANLEYのコンプ、音変わりすぎてヤバい(笑)
他におすすめコンプありますか??
引用:Twitter
5. インストール・アクティベーション方法
Universal Audioのインストール・アクティベートは以下の4STEPで完了します。
- Universal Audioでアカウント作成・ログイン
- https://www.uaudio.jp/my/redeemでメールアドレスとシリアルナンバーを入力
- 案内にしたがってUA Connectをダウンロード・インストール
- UA Connectを起動して製品のACTIVATE LICENSE→DOWNLOADを選択
※iLokでライセンスを管理したい場合は、UA Connect右上Settings→License Location「Manage」からiLok Cloudで管理することが可能です。
サブスクリプションUAD Sparkへの登録方法・オーソライズ方法は以下の記事を参考にしてください。
まとめ
UADのプラグインは再現度が素晴らしくスタジオで実機を使う際の勉強にもなるのでおすすめです。
使い方がわからない方も日本語マニュアルが充実しているので必ずチェックしましょう。使い方だけでなく歴史やヒントに溢れています。
日本語マニュアル:https://hookup.co.jp/support/posts/4469
プラグインのプリセットや先人達の使い方からMixを学ぶ事もできますし、歴史のある名機は必ず聞いた事のある音がしますのでそこからさらに音楽を深めることもできます。
是非ふれてみてください!
質問等ございましたら下部のコメント欄からどうぞ!