Arturia(アートリア)は名機シンセだけでなく、名機エフェクトの数々もプラグイン化しています。
それらあらゆる名機モデルのプラグインエフェクトをまとめたパッケージがFX Collection 3です。
様々なエフェクトが含まれますが、評価の高いエフェクトも多いです。
この記事では、そんなFX Collection 4を実際に使ってもらいレビューしていただきました。
是非参考にしてください。
1. Arturia「FX Collection 4」とは?
FX Collection 4は、Arturia(アートリア)が開発する名機エフェクトなどをモデルとした合計30種類のプラグインエフェクトバンドルです。
作曲ソフトDAWの拡張機能VST、AU、AAXプラグインとして利用できNative Instrumentsのコントローラーなどと連携するNKSにも対応しています。
前回バージョンでは、以下のエフェクトが含まれていました。
ミックスバス・マルチエフェクト
- Bus Force:オリジナルの組み合わせ4種モジュール(フィルター:Oberheim SEM / コンプレッサー:Overstayer Modular Channel / イコライザー:Pultec EQ / サチュレーション:Overstayer)
- Comp DIODE-609:Neve 33609 Diode Compressor Limiterモデル
- EQ SITRAL-295:Siemens Sitral Consoleモデル
モジュレーション系エフェクト
- Chorus DIMENSION D:Roland Dimension Dモデル
- Phaser BI-TRON:MU-TRON BI PHASEモデル
- Flanger BL-20:Bel BF-20モデル
- Chorus JUN-6:Roland JUNO-6搭載コーラスモデル
コンプレッサー
- Comp VCA-65:dbx 165Aモデル
- Comp TUBE-STA:Gates STA-Level(RETRO Instruments Sta-Level)モデル
- Comp FET-76:Urei 1176モデル
ディレイ・グラニュラー
- Efx FRAGMENTS:グラニュラーエフェクト
- Delay TAPE-201:Roland RE-201モデル
- Delay MEMORY-BRIGADE:Electro-Harmonix Memory Manモデル
- Delay ETERNITY:オリジナルデジタルディレイ
リバーブ
- Rev PLATE-140:EMT 140モデル
- Rev SPRING-636:Grampian 636モデル
- Rev INTENSITY:オリジナルリバーブ
プリアンプ
- Pre 1973:Neveモデル
- Pre TridA:Tridentモデル
- Pre V76:Telefunkenモデル
フィルター
- Filter MINI:Minimoogフィルターモデル
- Filter M12:Oberheim Matrix-12フィルターモデル
- Filter SEM:Oberheim SEMフィルターモデル
歪み・ディストーション・テープ系エフェクト
- Tape MELLO-FI:Mellotronインスパイアのテープエフェクト
- Dist TUBE-CULTURE:Thermionic Culture Ultra Vultureディストーションモデル
- Dist OPAMP-21:TECH21 Sansampディストーションモデル
これらに加えて新しく4種のエフェクトが追加されています。
新エフェクト1. Rev LX-24
Rev LX-24は、一世代前のリバーブを定義したLexiconのレトロアンビエンスボックスをモデルに強化したクラシックなデジタルアルゴリズミックリバーブエフェクトです。
以下8つのオリジナルリバーブアルゴリズムを完璧にエミュレートしています。
- Small Hall A
- Small Hall B
- Room A
- Constant Plate
- Vocal Plate
- Large Hall B
- Chamber
- Perc Plate A
その他にも以下のような特徴があります。
- スライダーを使ったユニークなインターフェース
- ディケイ、ダンピング、プリディレイ、ドライ/ウェットなど、必要不可欠なコントロールを搭載
- ダークでウォームなサウンドを実現するエミュレートされた12ビットと24ビットコンバーター
- よりクリーンなサウンドを実現するモダンコンバーターモード
- 低音域のレスポンスを調整するクロスオーバーとオフセットコントロール
- 微妙なピッチシフトモジュレーションを実現するモードエンハンスメント
- クリック&ドラッグで素早くリバーブ編集ができるインタラクティブなビジュアライザー
- ダイナミックなエフェクト(ダッキング、ゲート、トレモロ)
- ボーカル、ドラム、ギター、シンセ、抽象的なサウンドデザインに対応した100種類のプリセット
- A/B比較
新エフェクト2. Filter MS-20
Filter MS-20は、シンセ界で最も象徴的なアナログフィルター(※KORG MS-20 Vから)を、攻撃的なディストーションモジュールと組み合わせたものです。
Daft PunkやChemical Brothersなど多くの伝説的なアーティストに使用されたシンセ界を代表するアナログフィルターに、アグレッシブなディストーションを組み合わせた新しいエフェクトで、アナログの硬質な側面を求める音楽制作者のために設計されており、ミックスを未知のサウンドに浸すことができます。Filter MS-20は、わかりやすいユーザーインターフェイスに60以上のプリセットを備えており、ループ、シンセライン、ドラムの完璧なパートナーとなります。
他にも以下のような特徴があります。
- エミュレートされたステレオアナログフィルターとディストーションエフェクト
- 独自のTAE®テクノロジーによる回路精度の高いモデリング
- レゾナントローパス、ハイパスモード
- バンドパススタイルのマスターカットオフ
- フィルターサウンドを広げるためのステレオオフセット
- 入力フィルタリング機能付きESPディストーション回路
- ルーティングの切り替えが可能(ディストーション→フィルター、フィルター→ディストーション)
- 出力ミックスとレベルコントロール
- エンベロープフォロワー
- ファンクションジェネレーター
- 16ステップシーケンサー
- モジュレーションを減衰/ブーストさせるムーブメントマクロ
- A/B比較
Filter MS-20は、過去に無料配布されていました。

新エフェクト3. Dist COLDFIRE
Dist COLDFIREは、豊かなチューブサチュレーションから自由奔放なサウンド破壊まで、数クリックで実現するデュアルエンジンディストーションエフェクトです。アナログ&デジタルアルゴリズムと深いモジュレーションとカスタマイズを組み合わせて、無限に近い歪みの可能性にアクセスできます。
2つのディストーションエンジンで、以下11種類のディストーションアルゴリズムを選択でき、それぞれ固有のコントロールが可能です。
- Tape
- Tube
- Transistor
- Transformer
- Rectifier
- Germanium
- Force
- Bit Crusher
- Bit Inverter
- Wavefolder
- Waveshaper
その他にも以下のような特徴があります。
- 詳細なサウンドデザインを可能にする高度なコントロールパネル
- 5つのルーティングオプション( シリアル、パラレル、ステレオ、ミッド/サイド、バンドスプリット)
- Distortions AとBをブレンドするルーティングバランススライダー(リアルタイムビジュアライザー付き)
- プリ/ポスト3モードダイナミクスモジュール(コンプレッサー、マルチバンド、リミッター)
- フィードバックモジュール
- ディストーションエンジンごとに6モードのプリフィルター(コムフィルタリングを含む)
- ディストーションエンジンごとに2バンドポストフィルター
- 6つの割り当て可能なモジュレーションスロット(それぞれ4つのモード LFO、ファンクション、フォロワー、16ステップシーケンサー)
- 150以上のプリセット
- A/B比較
- オーバーサンプリング
新エフェクト4. Rotary CLS-222
Rotary CLS-222は、Dynacord ロータリースピーカーエミュレーターをクリエイティブなプラグインとして再構築しています。
以下のような特徴があります。
- クラシックなスタジオロータリーエフェクトのエミュレーション
- オペアンプ・プリアンプ回路をモデル化
- バルブプリアンプ回路を追加
- モノラルから120%までの連続的なステレオ幅のコントロールが可能
- 高速、低速、停止モードとその間のランプ機能
- 入力ハイパスフィルター
- BassとTrebleの速度を別々に設定可能(Hzまたは同期)
- 高音と低音の比率を任意に設定可能
- ビジュアライザー(4種類のフェージングオプション)
- BassとTrebleのマルチシェイプ距離コントロール
- ドライ/ウェット
- オプションのモノラル和算入力とドライベース設定
- プリセットライブラリ内蔵
- A/B比較
Arturia FX Collection 4(単体製品あり) ▶︎Plugin Boutique ▶︎ADSR Sounds ▶︎Best Service ▶︎Splice Plugins(月額払い)
▶︎楽天 ▶︎Rock oN ▶︎公式
Arturia製品はSplice Pluginsにて月額払い(Rent-to-Own:借りる→払い切ると自分のものに)でも利用可能です。Splice Pluginsは通常の月額払いと違い、全額支払いの義務はなく、いつでも利用停止そして再開することが可能です。Splice Pluginsに関する詳しい記事はこちらをご覧ください。

2. Arturia製品のインストール・アクティベーション方法
Arturia製品のインストール・オーソライズ方法は、以下の4STEPで完了します。
- Arturiaでアカウント作成・ログインします。
- 右上人型アイコンの「MY ACCOUNT」→「Register New Product」からSN(シリアルナンバー)、UC(アンロックコード)を入力して登録します。
- ASC(Arturia Software Center)をダウンロード・インストールします。
- ASCを起動してログインし、製品をアクティベート・インストールします。
※Splice Pluginsで購入した場合のインストール・オーソライズ方法は下記の記事を参考にしてください。

3. FX Collection 4に関するセール情報
FX Collection 4や各エフェクトは、セールで安くなる場合があります。前回バージョンのFX Collection 3は頻繁にセール価格で販売されていることがあり、ここ最近では最安で¥19,800まで落ちている時もありました。
Arturia公式サイトではクロスグレード価格やアップグレード価格で購入できる場合もあります。
また、単体の各エフェクトはセールで半額になる場合があります。
最新のセール情報は以下の記事を参考にしてください。


4. FX Collection 4を全てレビュー!
ここからは、実際に全てのエフェクトを使ってレビューしていただきました!
この記事のレビュアー
高慶航 (Rec / Mix / PA )
Sound AiDE所属のレコーディング・PAエンジニア
音のキャラクターやカラーを大切に、録音、ミキシング、PAオペレートしています。
■制作実績 : Funny Factures, TAMIW, Monomouth, um-hum, colspan, DuckHouse, DinoJr, Kuniyuki Natsu 他
■Spotify Playlist : https://open.spotify.com/playlist/2TskeAQyI0qYwohaAs3f82?si=CEc4Qt-oSyemv1czsQ1d8Q
■instagram : https://www.instagram.com/watarukokei/
ご依頼はmailにてお気軽にお問い合わせください→ kokei.soundaide@gmail.com
■Studio AiDE : https://soundaide.co.jp/rec-studio/
それぞれのクリックするとその項目に飛びます▼
ミックスバス・マルチエフェクト
- Bus Force:オリジナルの組み合わせ4種モジュール(フィルター:Oberheim SEM / コンプレッサー:Overstayer Modular Channel / イコライザー:Pultec EQ / サチュレーション:Overstayer)
- Comp DIODE-609:Neve 33609 Diode Compressor Limiterモデル
- EQ SITRAL-295:Siemens Sitral Consoleモデル
モジュレーション系エフェクト
- Chorus DIMENSION D:Roland Dimension Dモデル
- Phaser BI-TRON:MU-TRON BI PHASEモデル
- Flanger BL-20:Bel BF-20モデル
- Chorus JUN-6:Roland JUNO-6搭載コーラスモデル
- Rotary CLS-222:Dynacord CLS-222モデル
コンプレッサー
- Comp VCA-65:dbx 165Aモデル
- Comp TUBE-STA:Gates STA-Level(RETRO Instruments Sta-Level)モデル
- Comp FET-76:Urei 1176モデル
ディレイ
- Delay TAPE-201:Roland RE-201モデル
- Delay MEMORY-BRIGADE:Electro-Harmonix Memory Manモデル
- Delay ETERNITY:オリジナルデジタルディレイ
リバーブ・グラニュラー
- Rev LX-24:Lexiconモデル
- Rev PLATE-140:EMT 140モデル
- Rev SPRING-636:Grampian 636モデル
- Rev INTENSITY:オリジナルリバーブ
- Efx FRAGMENTS:グラニュラーエフェクト
プリアンプ
フィルター
- Filter MS-20:MS-20フィルターモデル
- Filter MINI:Minimoogフィルターモデル
- Filter M12:Oberheim Matrix-12フィルターモデル
- Filter SEM:Oberheim SEMフィルターモデル
歪み・ディストーション・テープエフェクト
- Tape MELLO-FI:Mellotronインスパイアのテープエフェクト
- Dist TUBE-CULTURE:Thermionic Culture Ultra Vultureディストーションモデル
- Dist OPAMP-21:TECH21 Sansampディストーションモデル
- Dist COLDFIRE:オリジナル複数モード搭載歪みエフェクト
Bus Force
- モデル:オリジナルの組み合わせ4種モジュール(フィルター:Oberheim SEM / コンプレッサー:Overstayer Modular Channel / イコライザー:Pultec EQ / サチュレーション:Overstayer)
チャンネルストリップ、メーター類の視認性が良くルーティングがユニークでとても理にかなっていると感じました。
Dry Path、Comp Path、Sat Pathがありインサートの途中からマトリックスでミックスできるようになっていて普段別トラックを立ち上げてやっていたことがプラグインで完結できるのは便利です。
サチュレーションがいい感じで大きな音になるから良くなった気がするんで音量合わせて比較しないとやりすぎちゃうので注意です!
Comp DIODE-609
- モデル:Neve 33609 Diode Compressor Limiter
NEVE 33609タイプのコンプレッサーです。コンプのかかり方がかっこよくてドラムで重宝しそうなキャラクターです。深くかけて潰しても気持ちいいです。
オートリリースが2種類あってだいたいどちらかで決まります。リミッターの方はちょっと優しい印象。UADと比べると落ち着いたサウンドです。
Comp FET-76
- モデル:Urei 1176
1176タイプのFETコンプレッサーです。こちらも気持ちいいかかり方です。アタック、リリースが早目でトランジェントを整えるのに重宝します。ドラム、ギター、ボーカル、ベース何でもいけちゃいます。起動時インアウトのボリュームがリンクしています。
若干高域が抑えられていて後からEQしたくなりますね。Ratio Allのサウンドもまさにといった印象です。
<使い方記事>

Comp TUBE-STA
- モデル:Gates STA-Level(RETRO Instruments Sta-Level)
モデルとなったのはGATES Sta-Levelですが、これを元にTRIPLE Modeや独立したRecovery Timeが追加されたリクリエイションモデルRETRO Instruments Sta-Levelと同じ機能がComp TUBE-STAにも搭載されています。
RETRO Instruments Sta-Levelタイプの真空管コンプレッサーです。とても自然なかかりかたなのでボーカルやベースなどの初段の方のインサートに使うとまとめやすくなると思います。
3段階のアタックとリリースのタイムをセレクトできるのですが、倍音に変化があるのでキャラクターを使い分けることができます。
こちらも5kHz辺りから緩やかに若干ハイが抑えられている印象です。
<使い方記事>

Comp VCA-65
- モデル:dbx 165A
dbx165AタイプのVCAコンプレッサーです。一般的なコンプレッサー同様のパラメーターがあるので使いやすいと思います。
しっかりかけて潰すこともできてバスでまとめてDry / Wetで混ぜてもかっこよくなると思います。こちらも若干ハイをおさえてあります。
サイドチェインの機能がこのシリーズだけMIDIでトリガー出来るようになっているのが面白いですね。カッコいいかかり方です。
<使い方記事>

Pre 1973
- モデル:Neve
NEVEタイプのHAとEQのチャンネルストリップです。タイプ1、2があってキャラクターが異なります。2の方が倍音が多くて低域が若干持ち上がります。
インプット-50近辺からドライブしてくる印象です。自動ゲイン補正がそなわっていてインプットを上げても音量が変化することはないので音質にのみ集中して操作できるのは便利だと思います。
Pre TridA
- モデル:Trident
Tridentタイプのチャンネルストリップです。こちらはデフォルトから倍音が若干出ていて元気な印象です。EQの効きも良くざっくり使っても破綻しにくいと思います。
PRE 1973より若干レンジが上な印象です。こちらも自動ゲイン補正が効いています。
Pre V76
- モデル:Telefunken
Telefunken V76タイプのチャンネルストリップです。個人的にこちらが一番好みでした。インプットゲイン30近辺からの倍音の感じがとても気持ちいです。EQもついつい上げたくなってしまうサウンドでした。
アナライザーで比較すると3つの中で一番レンジが狭いのですが不思議ですね。高音域に少しだけ膨らみをもたせているようです。
Rev PLATE-140
- モデル:EMT 140
EMTのプレートリバーブ140ですね。UADのものと比較してこちらはデフォルトでEQがかかっていてハイを抑えているのですがバイパスするとほぼ同じ系統のリバーブサウンドになりました。若干こちらの方が複雑な成分が混ざっている感じがします。
3種類のモデルが選べるので色んな場面で使えると思います。ドライブは密度を増やしたい時に便利そうですね。モジュレーションは自然なかかり方でギター等に使うと良いと思います。
Rev INTENSITY
- モデル:オリジナルリバーブ
質の良いデジタルリバーブをベースに様々な変化をさせる工夫が盛り込まれたエフェクターです。
エンベロープやファンクションを使って任意のパラメータを動かすことができます。リバーブのディケイを変化させたりプリディレイを動かしたりとかなり自由に作り込めます。また、エンベロープのソースにはサイドチェインで他のトラックの音に反応させることも出来るので色んな使い方ができそうです。
Rev SPRING-636
- モデル:Grampian 636
Fenderのスプリングリバーブをモデルにしたリバーブでオリジナルのタンクの他に7種類の異なるスプリングリバーブを使うことができます。
インプットはMicとAUX 1MΩの切り替えが出来るようになっていてインプットを煽るとドライブするようになっています。
もちろんギターに使うとバッチリなのですが、ドラムやシンセ等にダビーなミックスをする時にはかかせないサウンドです。プリとポストのフィルターがとても使いやすいです。
Delay ETERNITY
- モデル:オリジナルディレイ
ETERNITYは様々な機能を取り入れたモダンディレイですが、操作は比較的シンプルで使いやすく使えるディレイです。
LINE1とLINE 2の2系統のディレイがあり、別々で使ったり直列に使うことができます。
ディレイ音にビットクラッシャをかけたりLFOで様々なパラメーターに変化を付けることが可能です。TIME MODEが3種類あるのも嬉しいですね。
Delay MEMORY-BRIGADE
- モデル:Electro-Harmonix Memory Man
Memory Manタイプのディレイです。BBD方式のアナログディレイらしいピッチのなまった素敵な音がします。
若干こもった印象なのでEQしたくなるかもしれません。こちらもエンベロープ、LFOがありパラメーターをモジュレーションできます。BBDのサイズを変更できるのでロングディレイが可能です。
Delay TAPE-201
- モデル:Roland RE-201
Roland RE201をモデリングしたテープエコーです。味わい深いエコーが得られます。
テープらしい質感でフラッターやモーターのトルク等も設定できます。トルクを弱くするとテープの回転が落ち着くまで時間がかかりピッチがゆっくり変化する効果が得られます。
プリアンプが3種類あり、クリーン、オリジナル、ビンテージと選べて質感を変えることができます。こちらはLFOが1つあり、パラメータをモジュレーションできます。
EQ SITRAL-295
- モデル:Siemens Sitral Console
Siemensのイコライザーをモデリングしたものです。とてもナチュラルにかかるEQなのでミックスバスで仕上げに使うと良いと思います。
キャラクターを2種類選べて、オーガニックなオリジナルのキャラクターとは別にオルタナティブにすると低域の倍音が若干増えるセッティングになります。
RANGEスイッチを切り替えることでイコライザーの効き方を調整することができます。
Filter M12
- モデル:Oberheim Matrix-12フィルター
Oberheimのフィルター部分をモデルとしたプラグインです。15種類のフィルターが2系統使えて、どれもしっかりとまとまったサウンドです。
モジュレーションがマトリックスになっていて視覚的にわかりやすく使いやすいです。エンベロープは3種類あり、複雑な動きも可能です。
デフォルトでも若干フィルターがかかってしまいます。バイパスを外すと音が変わるので注意が必要です。
Filter MINI
- モデル:Minimoogフィルター
Minimoogのフィルターをモデルとしたプラグインです。まさにといった効き方でイメージ通りの効き方をしてくれます。
アナライザーで見るとM12のLowPass1Pとほぼ同じカーブです。Soundtoysのフィルタープラグイン「FilterFreak」の2 Polesよりはゆるやかです。

Filter SEM
- モデル:Oberheim SEMフィルター
Oberheim SEMのフィルターをモデルとしたプラグインです。こちらは上記の2つと違いローパスからノッチ、ハイパスと連続でモード変更できるステートバリアブルフィルターとなっています。フィルターの可変の仕方が他とは違い、例えばローパスの場合カットオフしていくと低音に行くにつれてボリュームが抑えられる動きになっていて聴感上とても滑らかにかかっている印象です。
ステップシーケンサーもGATE SEQUENCERというトリガー方式の物が採用されていて他とは違う使い方ができます。
Chorus DIMENSION-D
- モデル:Roland Dimension D
RolandのDIMENSIONをモデリングしたプラグインです。まさにあの音を再現しつつさらにエディットができるようになっています。
Dimenson Mode 0は元々バイパスでしたが、こちらはコーラスは無しで内部回路を通ったウォームなサウンドが得られます。
アドバンスパネルにはコーラスのLFO波形を変更できるモードと内部のコンプ、エキスパンダー処理のアタックリリースのパターン違いが変更できるようになっています。
Chorus JUN-6
- モデル:Roland JUNO-6搭載コーラス
Roland JUNOのコーラスをモデルとしたプラグインです。モードが1、2と同時押しの他にマニュアル設定が可能で、Rate、Depth、Phaseが調整できます。
実機と比べると地味な印象ですが、EQやレベルを上げれば問題ないので実機よりエディットできるこちらの方が使いやすいかもしれません。
SERUMなどウェーブテーブルシンセ等のJUNOの波形を使えば、ちゃんとJUNOの音がします。
Flanger BL-20
- モデル:Bel BF-20
Bel BF-20をモデルとしたプラグインです。オリジナルの機材については全然知らなかったのですが、効き方といいサウンドカラーといいとても理想的なフランジャーです。
Waves「MetaFlanger」より有機的で扱いやすいと思います。位相反転やスウィープを反転させて大きく表情が変えられるのと、ハイパスフィルターがあるのが便利です。
Phaser BI-TRON
- モデル:MU-TRON BI PHASE
MU-TRON BI PHASEをモデルとしたプラグインです。あこがれのフェイザーでプラグインも素晴らしいサウンドです。
LFOとフェイザーABの2基あり、それぞれに適用できマニュアルでも揺らすことが可能です。LFO個別にRチャンネルに位相反転スイッチがあったり、フェイザーBに反転スイッチがあったりオールパスフィルターのPoleを2〜12まで変更できたりとより自由度の高いフェイザーになっています。それぞれの設定の組み合わせでかなりカラーが変わります。
2基のフェイザーの信号の流れもモノラルやステレオ、シリアルやパラレルと変更可能で用途に合わせて使えるフェイザーです。
Tape MELLO-FI
- モデル:Arturia Mellotron
こちらのプラグインはArturia MellotronをベースにしたLoFiエフェクトプラグインです。
Mellotronとはテープを使ったサンプラーのような鍵盤楽器で各鍵盤にテープが内臓されていてキーを押すとそれぞれのテープが再生されると言った楽器でテープゆえの独特な質感やゆらぎがMellotronでしか表現できないサウンドを生み出しました。
Tape MELLO-Flはそうしたキャラクターをオーディオトラックに与えるプラグインです。
Toneノブの質感とWow / Flutter の揺らぎが良くできていてToneノブはMellotron M400のトーン回路の特性をモデリングしていて複雑なフィルターになっています。
Flutterは高周期のピッチ変化、Wowは低周期のピッチ変化になります。Wearはテープの摩擦による消耗具合による音の変化、Mechanicsはモーターのノイズです。このようにマシーン固有のサウンドの劣化具合を様々に調整することで好みのローファイサウンドを作ることが出来ます。
インプット段のドライブが付いていてテープへの送り込みによるハーモニックディストーションを調整できるのも魅力です。
そしてこれは使ってみたいと思ったのがテープをスローダウンして停止させる機能で、ターンテーブルで言う針を乗せたまま回転を止めるような事のオープンリールでするような効果です。停止までの時間を調節出来たり。停止以外にも再生も出来たりと曲のアレンジにも使えそうな機能です。
<使い方など詳しい記事>

Efx FRAGMENTS
こちらはグラニューラーシンセシスができるプラグインです。グリッチやスタッター等様々なサウンドに変化できるプラグインになります。
グラニューラーシンセスとはオーディオの断片を非常に細かくスライスし配置や加工をして再編成する事で全く新しいサウンドを作り出す手法になります。
Grainの生成のモードは3種類あり、用途に合わせて使いやすく出来ています。
- ClassicMode:一番自由度が高いモードで、基本的なパラメーターが揃っています。
- TextureMode:刻々と変化するテクスチャーやドローンの作成に適したモード、グレインをレイヤーすることが出来ます。
- RhythmicMode:グレインからリズムを作り出すことが出来るモード。ドラムのサンプルはもちろんですがピアノなんかも面白いです。
Captureの動作もコントロールしやすくランダマイズの調整やLFOで揺らぎを与えることも簡単なのである程度は狙ってイメージに寄せることができました。
グラニューラー系のプラグインやソフトシンセはなかなか複雑な挙動をするのでマニュアルを見ながら触ってパラメータの役割を理解しながら使うとイメージを近づけやすいと思います。かく言う筆者もこの手のプラグインは憧れはあれどなかなか使いこなせておらず、Spliceでダウンロードしたサンプルで一頻り遊んでみましたがEfx FRAGMENTSはざっくりと触っても雰囲気のあるサウンドになるので時間を忘れてさわっていました。
Dist TUBE-CULTURE
- モデル:Thermionic Culture Ultra Vulture
こちらはマスタリングで倍音を付加するエフェクターUltra Vultureをエミュレートしたプラグインです。UltraVultureはBiasを調整することが出来たり4つのディストーションモードを選べたりとマスターのサウンドカラーを多彩にコントロールできたり、ミキシングでのディストーションとして使えたりと多彩な製品となっています。
Biasとはこの場合ディストーション用の真空管に送り込む電流の調整で、このノブでディストーションのキャラクターを調整します。
Functionノブで真空管の動作モードを選択します。
- T:最もクリーンなモード。偶数次倍音が生じます。倍音調整用
- P1:奇数次倍音主体のディストーション
- P2:クリーンからアグレッシブまで対応
- P3:最もアグレッシブ
Tは暖かくなる印象で、ソフトに使うとリッチに感じます。Pは鮮やかになる印象です。
Biasノブが特殊でちょっと難しそうに感じるかも知れませんがさわってみると意外と分かりやすく変化するので使いやすく感じました。マニュアルに3mAが基準とあるのでそこからの変化でキャラクターを探ると分かりやすいと思います。
AdvancedパネルではMSの切り替えや、ワンノブタイプのダイナミクス、アウトプットEQなどもあります。
Dist OPAMP-21
- モデル:TECH21 Sansamp
SansAMPのプラグインです。SansAMPのプラグインは色々なメーカーから出ていますが、こちらの製品はミキシング向けにより使いやすく出来ている印象です。SansAMPのドライブ感が上手く表現されていて懐かしくて色々な楽器に使ってみたくなりました。
OPAMP-21は4つのmodeと8のCharacterスイッチがあり、歪みの個性を素早く選択できます。フロントパネルにあるツマミも便利で、真ん中のHighはHighCutフィルターなので、ドライブして出てき過ぎた不快なHi成分を素早く調整できます。
Mode
- Modren:一般的なディストーションプラグインとして使うチャンネル
- Normal:MesaBoogieスタイル
- Lead:Marshallスタイル
- Bass:Fenderスタイル
Character(複数選択可)
- MidBoost1
- MidBoost2
- LowDrive
- CleanAmp
- BrightSwitch
- VintageTubes
- SpeakerEdge
- CloseMiking
Arturiaお馴染みのAdvancedパネルもあり、歪みの前段のフィルターや出力前のEQがあります。Curveというスイッチが便利で、オンにすると低域のみあまり歪まなくなります。
Rev LX-24
- モデル:Lexicon 224
Lexicon224をモデリングしたソフトウェアバージョンである本機はシンプルながら自由度が高くとても扱いやすいリバーブな印象です。
Lexiconライクなルックスのモードと視認性の良いAdvancedモードがあり、Advanced モードの扱いやすさに驚きました。
リバーブの動作モードは3種類あり、Vintage 12は12bit動作、Vintage24は24bit動作、Vintageモードはオリジナル同様の20,480Khz のサンプリングレートで動作します。ModernはDAWのサンプルレートで動作しています。どのモードも特徴的で美味しいサウンドになっており、これだけで3種類のリバーブを手に入れた気分です。12bitのザラ付きの魅力もしっかり感じれました。
また、音作りの幅が豊富で、インプットにはドライブとフィルターがあり、ダイナミクスエフェクトも搭載されマスターセクションには明るさと広がりを調整できるパラメータが備わっていて、一台でエフェクトチェーンが完成するので素早くイメージを形にできると思います。
Dist COLDFIRE
普段ディストーションプラグインで最初にさわるのがSoundtoysのDvil-loc Deluxeです。これ単体では求める歪みに行かないことが多く、その前後に何かをインサートして色んな歪みを作ることが多いです。ArturiaのDist COLDFIREはこれ1つで11種類の歪みを作れて2つの種類の歪みをミックスすることができます。激しい歪みからこっそり倍音を足すタイプの物まで揃っていてしかもかなり品質が良いと思います。
センターの絵が歪によって変わるのも視覚的でイメージしやすいですね。ミックスの仕方も面白くてセンターの絵が歪んだり濃くなったり変化するのでどんな処理をしているのか感じやすいです。またミックスタイプも複数あり、画像が混ざるのでどう言う混ざり方をしているのか理解しやすくなっています。
歪みと一口に言っても激しい物から倍音を足して個々の音をカラーリングするような処理にも使えて、かつ、MSや帯域毎に別な歪みを処理できたりと、本気で使える作りになっています!
Filter MS-20
- モデル:Korg MS-20
さわった瞬間に楽しくてお気に入りになりました!さすがシンセを作っているメーカーです。MS-20らしさがどういった感じかは実機をさわった事がほとんどないので語れないのですが、歪みとフィルターの相性が最高で、ずっとツマミを触っていられます!
MasterCutoffというノブがあり、HiPassとLowPassを-100%から+100%として同時にさわる事が出来ます。マウス操作の場合これがとても便利です。フィルターがとても特徴的で聞いたことある!って音がします。歪みとセットで触って頂きたいですね。
Modulationセクションは既にパッチされていて、アサインできるノブには右側に小さく丸いメータが付いており、Modulation量を調整出来るようになっています。
一つのパラメータ操作が他のパラメータへ影響する場合は影響されるノブに薄く弧が表示されるのでどれだけ影響されているかが分かりやすくできています!何にでも使えるフィルターですが、特にシンセに良くてソフトシンセがMS20になってしまう感覚です。ビートにもよく合って、どちらも潰してフィルターするのが楽し過ぎます!
Rotary CLS-222
- モデル:Dynacord CLS-222
ロータリースピーカーシミュレーターのDynacord CLS-222を忠実にモデリングしたプラグインです。実機を使ったことが無いのですが、自然なステレオ感でリアルなサウンドで、1980年にこの製品が登場したということに驚きます。シミュレーターのシミュレーションを作るほどこの製品を知ってもらいたいと言うArturiaの愛を感じます。
スピードや回転の仕方、高音と低音のそれぞれの回転の変化がとても素晴らしく、アニメーションでも表示されてとてもわかりやすいです。Distanceの変化が面白く、縦に回転したり複雑に回転させたりすることが可能です。PreAmpセクションが個人的にドライブ感が違うかなと思ったのですが他のプラグインで代用できるので問題ないと思います。
Dist COLDFIREの後にインサートするととてもいいサウンドでした!オルガン以外の音にも使えるプラグインだと思います!
Arturia FX Collection 4(単体製品あり) ▶︎Plugin Boutique ▶︎ADSR Sounds ▶︎Best Service ▶︎Splice Plugins(月額払い)
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5. 口コミ・評判を紹介!
FX Collectionに関する口コミ・評判をまとめました。
かなり評価が高く、シンセ・鍵盤楽器バンドルのV Collection同様に人気の製品です。
ボクはArturia社のファンなので、新しく発売されたFX collectinをさっそく購入。コンプ、ディレイ、リバーブ、フィルターのソフトウエアプラグインが3種づつ。特に欲しかったコンプはVCA、チューブ、FETとそろっていてうれしい。3月4日までキャンペーン価格とか。
ブラックフライデー前後でお金使ったもの:
・ProTools Ultimateのお布施
・Wavesのお布施
・Arturia FX Collection (ようやく買った)
・Pianoteq6→7
・Blue Giant Supreme 11巻
・Blue Giant Explorer
ARTURIAのFX COLLECTION 2がとても良い。今までノーマークだったけど、ソフトシンセがあれだけモデリングできるんだからそりゃそうだよな、、てなってる。
引用:Twitter
まとめ
Arturiaのプラグインをまとめてレビューしてみました。
どのプラグインもハイクオリティなのですが、何より使う時の事を非常に良く考えられていると感じました。
複雑そうなことも解りやすく操作できるようになっていたり、より深く作り込みたい時にさらに操作できるオプションがあったりと、モデリング以上の今の時代に使えるプラグインとして存在感のある製品だと感じます。
玄人の方はもちろん、プラグインをこれから買ってみようと思っている方はきっと長く音楽に刺激を与えてくれる製品だと思います。マニュアルも面白くてわかりやすい読み応えのある内容で買う前に見ても楽しめると思います!
使い方や製品に関する詳しい内容がわかる公式のマニュアルはこちらをご覧ください。日本語にも対応しています。
この記事が参考になれば幸いです。
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