Moogが製造し、Radio Shackが「Realistic」というブランド名で販売したアナログシンセサイザーをモデルとしたSurrealistic MG-1 Plus。
このソフトシンセをCherry Audioはかなり長期間無料で配布しています。※通常25ドル
この記事では、そんなSurrealistic MG-1 Plusをレビュー、導入するメリットやデメリット・注意点からインストール・アクティベーション方法、使い方まで解説します。
是非参考にしてください。
同じく無料配布されているモジュラーシンセCherry Audio「Voltage Modular Nucleus」に関する記事や無料で使えるおすすめフリーソフトシンセ一覧はこちらの記事にてまとめています。
1. Cherry Audio「Surrealistic MG-1 Plus」とは?
Surrealistic MG-1 Plusは、Cherry Audioが開発する80年代にRadio Shackで販売されていた「Realistic Concertmate MG-1」を忠実に再現したシンセサイザーです。
ファットなアナログトーンだけでなく、オリジナルでは使い勝手の悪かった部分も改良されているソフトシンセです。
作曲ソフトDAWの拡張機能AU(Audio Unit)、VST、VST 3、AAXプラグインとして利用できる他に、スタンドアローン(単体で起動)にも対応しています。
通常25ドルですが、長期間無料で提供されています。
開発会社 | Cherry Audio |
操作画面 | |
製品名 | Surrealistic MG-1 Plus |
価格(定価) | 25ドル |
主な仕様 | Realistic Concertmate MG-1モデルシンセ |
2. 導入するメリット
ファットで味のある音が出せる
太さがありながらもレトロで、味のあるサウンドが出せます。
パラメータも多くないので、個人的にはプリセットよりは自分で音作りする方が求めているサウンドになりやすいと思います。
Moogでお馴染みのラダーフィルターをLFOなどで活用したりしながら調整してみることをおすすめします。
3. 利用する前に知っておくべき注意点・デメリット
仕様が変わっていて扱いづらい部分がある
それぞれのセクション名がオシレーター、エンベロープなど一般的な名前ではありません。さらに、名前だけでなく仕様も変わっていてオリジナルから使い勝手が改良されているとはいえ、まだ扱いづらい部分があります。
ポリフォニックにも対応できるシンセですが、オシレーターの使い方によってはモノフォニックになります。詳しくは使い方の項目をご覧ください。
4. 口コミ・評判を紹介!
Surrealistic MG-1 Plusに関する口コミ・評判をまとめました。
評価は高く、無料にもかぎらずちゃんとした音が出ると好評です。
#CherryAudio Surrealistic MG-1 Plus 楽しい。
モノとポリ複合の発音モード面白い。
発音の優先を高音、低音、最後に鳴らした音で変えられるので、リードでトリルや、POLYと複合でトップノートにだけモノの音が乗るとか。POLYとMONOのチューニングちょっとズラしてMONOだけグライドとかも素敵。
シンセサイザー老舗メーカー「Moog」が1981年に500ドルで発売した「Concertmate MG-1」一見、機能を省いたショボイサウンドと思いきやしっかり「Moog」の音がします。その「MG-1」の無料VST「Surrealistic MG-1 Plus Synthesizer」を「MPC Beats」にて試してみました!(^▽^)/
引用:Twitter
5. インストール・アクティベーション方法
Cherry Audio「Surrealistic MG-1 Plus」のオーソライズは以下の4STEPで完了します。
- Cherry Audioでユーザー登録
- シリアルナンバーをhttps://store.cherryaudio.com/redeemから登録
- Surrealistic MG-1 Plusをダウンロード
- 起動してログイン
6. 使い方を解説!
ここからは実際に使い方を解説します。
公式の英語マニュアルはこちらをご覧ください。
TONE SOURCE
アナログオシレーターが2基搭載していて、オシレーターはOSCなどではなく「TONE SOURCE」となっています。
SYNC 2>1:TONE SOURCE ONEがTONE SOURCE TWOの波形の開始点を強制的にリセットし、幅広いハーモニックトーンが得られます。
Octave:各オシレーターの音域をオクターブ単位で設定します。
DETUNE(TONE SOURCE TWOのみ):デチューンしてオシレーターの音程に微妙な差を作ることができます。
WAVE SHAPE:波形を選択できます。
POLY
最大32音を同時に鳴らすことができるポリセクション(POLY)です。
OCTAVE:ポリセクションの音域をオクターブ単位で設定します。
WAVE SHAPE:波形を選択できます。
TUNING
TONE SOURCE:TONE SOURCEのマスターチューニングで、±300セントの範囲で調整できます。
POLYPHONY:POLYのマスターチューニングです。
鍵盤左のスイッチ
NOTE PORIORITY:TONE SOURCEはモノフォニックなので、複数の鍵盤を同時に弾いたときに、どの音を鳴らすかを決定します。
- LAST:最後の音が優先されます。
- HIGH:最も高い音が優先されます。
- LOW:最も低い音が優先されます。
TRIGGER MODE:LEGATOでは、他のキーが押されていない場合にのみリトリガーされます。RETRIGは、常にリトリガーされます。
MASTER TRANSPOSE:オリジナルより音域を広くするトランスポーズスイッチが追加されています。
FILTER
フィルターは、Moogで有名なラダーフィルターです。
KEYBOARD TRACKING:キーボードで音を上げていくと、カットオフ周波数が上がっていきます。
- OUT:カットオフ周波数は、キーボード全体で一定です。
- 1/2:カットオフ周波数は、キーボードのCV半分で追従します。
- FULL:カットオフ周波数がキーボードのCVと同じ値で追従します。キーボードを1オクターブ演奏するごとにカットオフ周波数が1オクターブ上昇します。
CUTOFF FREQ:カットオフ周波数を調整できます。
PEAK EMPH:レゾナンスを調整できます。
CONTOURED CUTOFF:カットオフ周波数にCONTOUR(エンベロープ)のモジュレーションを適用します。
CONTOUR(エンベロープ)
RISE TIME:鍵盤を弾いたときに、完全にレベルが上がるまでの時間を設定します。
SUSTAIN:OUTに設定するとRISE TIMEからすぐにFALL TIMEに移行します。INに設定するとキーが押されている間保持されます。
FALL TIME:鍵盤を離したときに、フルサステインレベルから下がるまでの時間を設定します。
TONE SOURCES:アンプの動作を定義します。
- CONTOURED:CONTOURの各パラメータがアンプに適用されます。
- KEYED:CONTOURの各パラメータはアンプに影響を与えず、音は単純なオンオフで再生されます。
- CONTINUOUS:ノートは連続して鳴り続けます。
MODULATION
LFOが搭載されています。TONE SOURCE、POLY、FILTERそれぞれのモジュレーション量を設定できます。
WAVE SHAPE:LFOの波形を選択できます。
MOD WHEEL:オンにするとモジュレーションホイールでLFOがコントロールされます。
AUTO CONTOUR TRIGGER:INにすると繰り返しトリガーされます。
EXT SYNC:オンにするとDAWのマスターテンポでロックされます。
KEYBOARD GLIDE:音程間の移行時間を調整し、スライド効果を得ることができます。キーボードグライドはTONE SOURCEにのみ作用し、ポリセクションの音程には作用しません。
MIXER
ミキサーセクションでは、すべての信号がミックスされてから、右上のMASTER VOLUMEを経て出力されます。
それぞれのオシレーターのレベルの他に、ノイズジェネレーターのNOISE、ベルトーンリングモジュレーションBELL TONEの音を追加できます。
まとめ
Surrealistic MG-1 Plusは使い勝手はそこまでよくないですが、レトロでファットな音が鳴らせるので味を加えることができるシンセだと思います。
この記事が参考になれば幸いです。
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