かなり評価が高いOB-XaモデルのソフトシンセObsession。
実際使ってみて、機能面ではどんなメリットがあるのか?どんな特徴があるのか?使い方まで解説したいと思います。
是非参考にしてください。
ソフトシンセに関するまとめ記事はこちらをご覧ください。
1. Synapse Audio「Obsession」とは?
Obsessionは、Synapse Audioが開発する名機シンセサイザーOberheim「OB-Xa」をモデルとしたソフトシンセです。
OB-Xaをモデルとしたソフトシンセは多数ありますが、その中でもObsessionはかなり評価の高いソフトシンセです。
ボイスを一つ一つをコントロールでき、分厚いサウンドを鳴らすことができます。
作曲ソフトDAWの拡張機能AU(Audio Unit)、VST、AAXプラグインとして利用することができます。
開発会社 | Synapse Audio |
操作画面 | |
価格(定価) | 99ドル |
主な仕様 | OB-Xaモデルのソフトシンセサイザー |
2. Obsessionの特徴・導入するメリット
機能面でのObsessionの特徴は、以下のような点があげられます。
- ボイスをそれぞれコントロールできる
- 異なるパラメータを設定できるDual、Splitモードも可能
- 最大128のステップLFO搭載
ボイスをそれぞれコントロールできる
最大16のボイスをそれぞれをオンオフできるだけでなく個々にエンベロープやピッチ、フィルターなどを標準値からずらすことができます。
ですので、ピッチやフィルターなどが微妙に統一されていない味のある分厚いサウンドに設定することが可能です。
また、全てのボイスを同時に再生するかなり強力なモノフォニックユニゾンモードもあります。
異なるパラメータを設定できるDual、Splitモードも可能
ボイスごとだけでなく全てのパラメータ設定した音を完全に分けて鍵盤でスプリットしたり、ミックスすることも可能です。
最大128のLFO STEPS搭載
最大128ステップまで可能なステップLFOが搭載されています。
フィルターなどをモジュレーションして、太い味のあるサウンドにもかかわらずかなり今っぽいアレンジをすることも、アバンギャルドなアレンジをすることもできるでしょう。
3. 利用する前に知っておくべき注意点
しかしながら、利用する前に知っておくべき点もあります。
あくまでも1つのモデルを再現したシンセ
上記メリットであげたような面白い仕様はありますが、オシレーター部分など基本的な部分はOB-Xaをモデルとしたシンセですので、幅広いパラメータが搭載されているとはいえないかもしれません。
例えば、フィルターにあるノイズボタンのレベルは固定されています。変化させたい場合は、MOD MATRIXでモジュレーションする必要があります。
4. 口コミ・評判を紹介!
Obsessionに関する口コミ・評判をまとめました。
評価はかなり高く、絶賛されています。
Synapse Audio − Obsession
文句なし!
素晴らしい!
この音で思ったより負荷も高くないのが驚きだった
SynapseらしくVintageな音も新しい方向の音もどちらも練れてて凄い
実機のFilterの遅い反応の感じもよく出てる笑
中身が伽藍堂でスイッチ押すと響くんだけどそこだけ再現されてないというレベル笑
Synapse Audioの新作Obsession、マジで良すぎ😆
トップレベルのシンセデベロッパになったと証明する大傑作
めちゃ分厚いけどシルキーで圧倒的美音😍
一発目のパッチだけで良すぎて感動。負荷も決して軽いとは言わないけど、和音でも全然実用範囲。OB-Xa戦争の勝者だと断言🥇
引用:Twitter
5. Obsessionに関するセール情報
Synapse Audioはブラックフライデーなどの期間以外にも稀にセールをおこないます。
半額程度で買える場合もあるので、その時期を逃さないようにしましょう。
ただし、セール期間や対象製品はかなり限られている場合があります。
最新のセール情報は以下の記事をご覧ください。
6. 使い方を解説!
ここからは実際にObsessionの使い方を解説します。
公式の英語マニュアルはこちらをご覧ください。
上部右上から種類別になったプリセットを選択できます。右上端の反転マークからステップLFOなど、さらにパラメータを表示できます。
左上端からサイズを変更でき、通常Singleとなっている部分は以下の設定に変更できます。
DUAL:隣のABフェーダーを使って2つの異なる音をミックスできます。
SPLIT:鍵盤によってABをスプリットすることができます。スプリットする境目は右上端の反転マークから表示されるパラメータにある「SPLIT」から調整できます。
8、16 voices:個々にコントロールできるボイスを8、16から変更できます。左下部にあるボイスエディット部分が変更されます。
OSCILLATORS
2つのオシレーターが搭載されています。
FREQUENCY:3オクターブ範囲でOSC 1のピッチを調整できます。2つ目のFREQUENCYノブは、63セミトーン範囲でOSC 2のピッチを調整できます。
PULSE WIDTH:両方のオシレーターのパルス幅を調整できます。
WAVEFORM:ノブ下にあるスイッチで波形の形状を設定できます。SAW、PULSEのどちらかもしくはミックス、スイッチオフの場合TRIANGLEになります。
SYNC:ハードシンクを有効にします。有効にするとOSC 1のサイクルが終了するたびに、OSC 2がリセットされます。
F-ENV:有効にするとOSC 2の周波数はフィルターエンベロープによってモジュレーションされます
FILTER
FREQUENCY:カットオフ周波数を調整できます。
RESONANCE:レゾナンスを調整できます。
ENV AMT:フィルターエンベロープの量を調整できます。
下部には以下のスイッチがあります。
OSC 1、2:それぞれのOSCをフィルターに送ります。
NOISE:ノイズをフィルターに送ります。(ノイズレベルは固定)
BP:バンドパスフィルターに切り替わります。
TRACK:キーに応じてカットオフ周波数変わります。高いキーほどカットオフ周波数が高くなります。
ENVELOPES
アンプエンベロープ(LOUDNESS)とフィルターエンベロープ(FILTER)2つのエンベロープがあり、ADSR(ATTACK、DECAY、SUSTAIN、RELEASE)を調整できます。
最上部には以下のパラメータがあります。
PB/MW:ピッチベンドとモジュレーションホイールを調整できます。
PORTAMENTO:新しいノートに移行する時間ポルタメントを調整できます。
UNISON:有効にするとモノフォニックになり、すべてのボイスが同時に再生されます。
OSC 2 DETUNE:OSC 2の細かなピッチを調整できます。
OSC 2 X-MOD:OSC 2のピッチがOSC 1の出力によってどれだけモジュレーションされるかを制御します。
EFFECTS:3つのエフェクトをまとめてオンオフできます。
TUNING:全体のチューニングを±1音範囲で調整できます。
SPREAD:ボイスのステレオをまとめて調整できます。右に回すと、ボイス1,3,5,7,…は左に、ボイス2,4,6,8,…は右にパンされます。
VOLUME:POST FXのマスターボリュームを調整できます。
LFO
Obsessionは2つのLFOが搭載されています。1、2のボタンで変更して調整できます。
RATE:LFOの速さを調整できます。ステップモードの場合、DAWに同期したテンポで調整できます。
SHAPE:波形をサイン、スクエア、S/H(サンプル&ホールド)、ステップモードに切り替えます。
DEPTH:LFOの深さを調整できます。2つのDEPTHノブがあり「FREQUENCY」はオシレーターとフィルターに影響を与え、「PULSE WIDTH」は、パルス波形選択時のパルス幅に影響を与ます。
VOICE ADJUSTMENT EDIT
8つもしくは16のボイスを個々に調整することができます。ボイスを1つ選択し、それぞれのノブを左に回すと平均より低く、みぎに回すと平均よりも高くなります。
ACTIVE/MUTE VOICE:再生中のボイスを表示し、ミュートするためのスイッチとしても利用できます。
ここからは右上端の反転マークから表示されるパラメータです。
MOD MATRIX:6つのスロットで、モジュレーションソースとターゲットを設定してAMTでモジュレーション量を調整できます。
DELAY / REVERB / CHORUS:それぞれのエフェクトはACTIVEからオンオフできます。
VCA Sat:アンプのサチュレーションをオンオフできます。
LIMITER:リミッターをオンオフできます。
ORGANIC:すべてのボイス、すべてのパラメータをランダムにモジュレーションします。
PB RANGE:ピッチベンドの範囲を設定できます。
TRANSPOSE:-2オクターブ〜+2オクターブ範囲で全体の音程を調整できます。
SPLIT:スプリットしたポイントを設定できます。
LFO STEPS
LFOをステップモードに選択した場合にここから細かくステップを調整できます。
LFO 1、2:エディットするLFOを選択します。
STEPS:ステップ数を最大128ステップまで選択できます。デフォルトでは16ステップです。
ONE SHOT:1回だけステップをトリガーします。
FILTER ENV RETRIG:各ステップでフィルターエンベロープをリトリガーします。
まとめ
Obsessionは評価が高いだけあって素晴らしいサウンドが鳴ります。
また比較的扱いやすいシンセで、シンセサイザーの基礎知識さえあれば誰でも扱えるのではないかなと思います。
この記事が参考になれば幸いです。
質問等ございましたら下部のコメント欄からどうぞ!