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u-he「Diva」使い方やレビュー!名機モデルを組み合わせる最強ソフトシンセ

u-he-diva-thumbnails

u-heの中でRepro同様に人気の高いシンセDiva。

クオリティの高い名機ビンテージシンセモデルの各部位を組み合わせることができるソフトシンセです。

オシレーター・フィルター・エンベロープをそれぞれ別モデルから選べるため、実機には存在しない「ハイブリッドなビンテージシンセ」を自分で組み上げられるのが最大の特徴です。

この記事では、そんなDivaをレビュー!メリットやデメリット・注意点から使い方まで解説します。

Reproに関する記事や、ソフトシンセのまとめ記事は以下を参考にしてください。

u-he-repro-synth-thumbnails u-he「Repro」使い方やレビュー!重いって本当?高評価ソフトシンセ synthesizer-thumbnails-2022 【随時更新】ソフトシンセおすすめ最新12選と比較!最強はどれ?人気プラグインの使い方まで解説

1. u-he「Diva」とは?

Divaは5種類の全く違うモデルのオシレーターを搭載したu-heが開発するソフトシンセです。

製品名の「DIVA」は公式によると「Dinosaur Impersonating Virtual Analogue synthesizer」の略で、直訳すると「恐竜(=往年の名機)になりきるバーチャルアナログシンセ」という意味になります。

名機ビンテージシンセをモデルとした

5
種類のオシレーター
5
種類のフィルター
3
種類のエンベロープ

を自由に組み合わせて音作りできます。

他のu-he製品同様にかなりクオリティの高いソフトシンセですが、負荷は重いです。

これはDivaがZDF(ゼロディレイフィードバック)設計と、工業用の回路シミュレーターで使われる手法をリアルタイムで走らせているためで、公式も「高いCPU負荷という代償を払ってでもやる価値があった」と明言しています。

作曲ソフトDAWの拡張機能AU(Audio Unit)、VST3、AAX、CLAPプラグインとして利用できます。

Divaの基本スペック

公式が公開しているDivaの主なスペックは以下の通りです。

表は横にスクロールできます▼

項目内容
オシレーター5モデル(Triple VCO / Dual VCO / DCO / Dual VCO Eco / Digital)
フィルター5モデル(Ladder / Cascade / Multimode / Bite / Uhbie)※すべてZDF設計
エンベロープ3モデルのADS(S)R。AMP用・フィルター用の2スロットにそれぞれ割り当て可能。キーボードフォロー/ベロシティスケーリング対応
LFO2基。ホストシンク対応、複数波形、リスタートオプション、フェイズコントロール
エフェクトステレオ2スロット。コーラス(3モード)/フェイザー(2モード)/プレートリバーブ/ディレイ/ロータリースピーカー
ボイスモードポリフォニック(最大16ボイス)/デュオフォニック/モノフォニック/レガート
アルペジエーターホストシンク対応。レートオフセット(連続可変)、スウィング、各種進行パターン
プリセット1,200以上のファクトリープリセット
モジュレーション加工Modificationsパネルで invert / quantize / rectify / lag / multiply / add
その他ボイスごとのオシレーターデチューン、MIDIラーンページ+編集可能リスト、UIリサイズ70〜200%、NKS対応、MPE対応、MTS-ESP(Oddsound)対応

※ 出典:u-he公式サイトのDiva製品ページ。バージョンアップによって内容が更新される場合があります。

各部位のモデルとされる実機

それぞれの部位は以下がモデルだとされています。

表は横にスクロールできます▼

モデルとされる実機オシレーター名フィルター名エンベロープ名
Moog Minimoog Model DTriple VCOLadderADS
Roland Jupiter 6Dual VCO(analog1)Digital
Roland Jupiter 8Dual VCO(analog2)Cascade(Clean)Analogue
Roland Alpha Juno 2DCO
Roland Juno 60DCOCascade(Rough)Analogue
Korg MS-20Dual VCO EcoBite
Roland JP-8000Digital
Oberheim SEMUhbie
注意
上の対応表は、ユーザーの間で一般的に言われているものです。u-he公式はマニュアル上で具体的な機種名をほとんど明言していません(公式マニュアルで名前が出てくるのはMinimoog™とMoog™ラダーフィルターのみで、他は「ある有名なモノフォニック機」「別のクラシックなポリフォニックシンセ」といった書き方になっています)。ただしファクトリープリセットの「8 TEMPLATES」フォルダには「INIT June-60」「INIT Jupe-6」といった名前のテンプレートが実際に収録されており、どの実機を意識しているかは推測できるようになっています。

2. 導入するメリット

Divaを導入するメリットは以下の点が考えられます。

  • 名機モデルの各部位を組み合わせることができる
  • 1,200を超えるプリセットがある
  • オシロスコープが搭載されている
  • アナログ実機特有の「揺らぎ」まで作り込める

名機モデルの各部位を組み合わせることができる

moog-roland-oberheim-diva

オシレーター・フィルター・エンベロープはそれぞれ別々に選ぶことができます。

例えば

Moogのオシレーター→Oberheimのフィルター→Rolandのエンベロープ

のように名機を掛け合わせた音を出すことができ、実機ではできない音色を出せます。

組み合わせは単純計算で225通り

Divaで差し替えできるモジュールは以下の通りです。

表は横にスクロールできます▼

差し替えできる部位選択肢モジュール名
オシレーター5種Triple VCO / Dual VCO / DCO / Dual VCO Eco / Digital
メインフィルター5種Ladder / Cascade / Multimode / Bite / Uhbie
AMPエンベロープ3種ADS / Analogue / Digital
フィルターエンベロープ3種ADS / Analogue / Digital
中央パネル(HPF系)4種NO HPF(FEEDBACKのみ)/ HPF POST / HPF PRE / HPF BITE

オシレーター5種 × フィルター5種 × エンベロープ3種(AMP)× 3種(フィルター)だけでも225通りの組み合わせがあり、さらに中央パネルのHPFやトリマー類を含めると、事実上ひとつのシンセとは思えない音色の幅になります。

組み合わせの具体例

どの部位をどう組むかで狙える方向性が変わります。公式が各モジュールに与えているキャラクターをもとにすると、例えば以下のような組み方が考えられます。

太くて存在感のあるリード・ベース
Triple VCO VCF|Ladder ADS
3基のオシレーターを持つ最も大きなパネル+24dB/octのラダーフィルター。波形が連続可変なので、ノコギリと矩形の中間といった「実機にない波形」でさらに太さを稼げます。
分厚くきらびやかなパッド
Digital(Multisaw) VCF|Uhbie Analogue
Multisawは公式が「exceedingly rich pads(極めてリッチなパッド)に最適」と説明する7段積みのノコギリ波。そこへシルキーな2ポールのUhbieを合わせると、角の立たない広がりのある音になります。
硬くて歯切れのいいベース・シーケンス
DCO VCF|Bite Digital
DCOは公式いわく「他のアナログ系オシレーターよりcrisper(クリスプ)な音が欲しいとき」向け。Sallen-Key構成のBiteは強烈なレゾナンスが持ち味で、アタックの立ったシーケンス向きです。
CPUを抑えつつアナログ感が欲しいとき
Dual VCO Eco VCF|Cascade Analogue
PWMもFMもない代わりに最も負荷が軽いDual VCO Eco。リングモジュレーションは使えるので、シンプルながら金属的な音まで狙えます。

再現だけで終わらない独自パラメータ

また、ただ名機をそのまま再現しただけでなく、独自のパラメータも追加され、より使いやすくなっています。

連続可変のWAVEFORM
Triple VCOの波形選択はロータリースイッチではなく連続可変。ランプ→三角→ノコギリ→矩形と、その中間のハイブリッド形状まで自由に取り出せます。
「ideal」設定
Dual VCOのSHAPEには実機リビジョン2種に加えて「ideal(理想形)」が用意されています。u-he製品でたまに見かける、理論上の完璧な波形です。
ボイス単位のデチューン
オシレーターごとにボイス単位でデチューン量を設定でき、モジュレーションソースもユーザーが指定できます。
フィルターFM
VCF|Ladderではオリジナルにはないオシレーター1からのフィルターFMを設定できます。

1,200を超えるプリセットがある

preset-diva-u-he

Divaには公式発表で1,200を超えるファクトリープリセットが収録されています。

プリセットは種類に分かれたフォルダから選択できるので選びやすいです。フォルダ構成は以下のようになっています。

1〜7 のフォルダ
ジャンル・音色タイプ別に分けられたメインのファクトリープリセット。
8 TEMPLATES
ゼロから音作りを始めるための初期プリセット。「INIT June-60」「INIT Jupe-6」のように、モデルとなった実機ごとの素の状態が用意されています。
THIRD PARTY
さまざまなサウンドデザイナーが提供したプリセット。さらにこの中の「TREASURE TROVE!」サブフォルダには数百音色が追加で入っています。
MIDI Programs
プログラムチェンジでプリセットを切り替えるためのフォルダ。
User
自分で作った音色や、後から購入したサウンドセットの保存先。

タグと検索で目的の音にすぐ辿り着ける

数が多いぶん、探す仕組みもしっかりしています。ブラウザ左側の「TAGS」タブでは以下の3系統で絞り込みができます。

Categories
Bass / Leads / Keys / FX / Drums / Seq+Arp / Pads / Other(さらにサブカテゴリあり)
Features
Airy、Analogue、Digital など音色の特徴
Character
Soft⇔Bright、Clean⇔Dirty といった対になる性格づけ

さらにDIRECTORYには「Search History(検索履歴)」「Saved Searches(保存した検索)」「Banks」「Favourites(お気に入り)」「Junk」「Tags」「Authors(作者別)」といったスマートフォルダも用意されており、気に入った音にお気に入りを付けて後から呼び出すといった使い方ができます。

注意
プリセットは表示されている部分だけでなく、かなり多くあります。下部にスライダーが表示されている場合は別ページにスライドできます。

公式サウンドセットでさらに拡張できる

u-he公式サイトではDiva専用のサウンドセットも配布・販売されています。

Automata
300音色以上のモーション系サウンド。
Atmos
Divaを極端な方向に振り切った実験的なサウンド。
Performer
キーボードの演奏履歴を使って表情をつけるサウンドセット。

※ このほかサードパーティ製のサウンドセットも多数あります。詳しくはu-he公式のサウンドセットページをご覧ください。

オシロスコープが搭載されている

diva-u-he-scope

周波数(水平方向の解像度)とスケール(垂直方向の解像度)をコントロールできるオシロスコープが搭載されています。

FREQUENCY
波形表示の水平方向の解像度を調整します。1周期をどれくらいの幅で表示するかが変わります。
SCALE
波形表示の垂直方向の解像度を調整します。振幅の見え方が変わります。

これはかなり便利で、パラメータをいじった際に、波形がどのように変化しているか一目でわかるでしょう。

オシロスコープがあると何が嬉しいのか

具体的には、以下のような「耳だけでは判断しづらい変化」が目で確認できます。

  • PW / PWM:パルス幅がどこまで狭くなっているか、無音(100%)に近づいていないかが分かる
  • SYNC:ハードシンクがかかった瞬間に波形が切り落とされる様子が見える
  • FM・CROSS MOD:かけすぎて波形が破綻していないかを確認できる
  • WAVEFORM(連続可変):ランプ〜三角〜ノコギリ〜矩形のどのあたりにいるかを視覚で把握できる
  • TriWrap / SPIKE UP:Digitalオシレーターの独特な波形加工が、どう効いているか一目瞭然

また、Divaのオシロスコープはエフェクトを通す前の出力信号を表示します。コーラスやリバーブで見た目が濁らないため、素のオシレーター+フィルターの状態を正確に確認できます。

メモ
オシロスコープを右クリックすると描画スタイルをeco / fast / glow / fire / windの5種類から選べます。下にいくほど見た目が派手になりますがCPU負荷も増えるので、ecoモードにするとCPU負荷を減らすことができます。

アナログ実機特有の「揺らぎ」まで作り込める

Divaが「アナログっぽい」と言われる理由は、モデリングの精度だけではありません。実機の個体差やクセを再現するための専用パネルが2つ用意されています。

TRIMMERS(トリマー)パネル

実機は基板の部品公差などによって、オシレーターのチューニングが少しずつズレていたり、エンベロープの立ち上がりが揃っていなかったりします。TRIMMERSパネルはそれを意図的に作り出すための設定です。

ボイスデチューン
オシレーターごとに、ボイス単位のデチューン量を設定。
ボイススタッキング
複数ボイスを重ね、それぞれのチューニングを個別に設定できます。
Glide
コンスタントタイム/コンスタントレートを切り替え可能。オシレーターごとのオフセットとレンジも設定できます。
Variance(slop)
カットオフ・エンベロープ・パルス幅・グライドレートに、ランダムなばらつきを与えます。
Global Drift
全体をゆっくり揺らし、経時的なピッチの不安定さを再現します。
Transient Mode
4種類のトランジェントモード+オシレーターごとのフェイズ設定。発音時の位相の揃い方をコントロールできます。

公式も「個々の効果は微妙かもしれないが、積み重なることでより本物らしいアナログサウンドになる」と説明しています。

MODIFICATIONS(モディフィケーション)パネル

こちらは逆に、実機にはできないことをするためのパネルです。モジュレーション信号そのものを加工するプロセッサーが用意されています。

Invert
モジュレーション信号の極性を反転させます。
Rectify
信号を整流します。
Quantize
信号を階段状に量子化します。
Lag
信号の変化を鈍らせます(スルーレート制限)。
Multiply
2つの信号を掛け合わせます。
Add
2つの信号を足し合わせます。

LFOをQuantizeしてステップシーケンサー的に使ったり、エンベロープをLagで滑らかにしたりと、ビンテージモデリングという枠を超えた音作りが可能になります。

3. 利用する前に知っておくべき注意点・デメリット

ただし、1点だけ、Divaを利用する前に知っておくべき注意点があります。

重い

重いです。使い方によってはかなり重くなる場合もあります。

Ecoと書かれているモードは基本てきには負荷を減らすことができる設定ですが、それを利用しても重い場合が多々あります。

これはDivaが工業用の回路シミュレーターと同じ手法をリアルタイムで走らせている、という設計そのものに由来するもので、公式も「高いCPU負荷という代償」があることを認めています。

メモ|負荷を下げる設定
Divaには音質と負荷のバランスを決める「Accuracy」設定があり、公式マニュアルでは以下のように説明されています。

Draft
CPUに最も優しい設定。ただしFMは荒くなり、レゾナンスも簡易的(ZDFではなくなる)。
Fast
古めのマシンや、許容できる品質でポリ数を稼ぎたいときに。
Great
高性能マシンでの、品質とポリ数の最良のバランス。
Divine
ZDFフィルターの最高品質。必要になることは滅多にないが、必要なら使える。
OfflineAcc
書き出し時の品質。「same(Accuracy設定と同じ)」か「best(最高品質)」を選択。制作中はDraft/Fastで軽く動かし、書き出しだけbestにするという使い方ができます。
Multicore
ボイスをCPUの複数コアに分散します。ただしプロセッサーによっては逆効果になる場合があるとされています。

4. 口コミ・評判を紹介!

Divaに関する口コミ・評判をまとめました。

かなり評価は高いですが、重いという声もあります。

えーっと、太いをどう感じるかだから僕の感じる太さと違うかもしれないけど。。。僕はAnalog系のシンセが好きで、最近のは凄いと思ってます。
その中でも u-he – Diva, Repro, Bazille Synapse – The Legend, Obsession は外せないと思ってます。 特に最近の速いCPU Multicoreに対応してるDiva, Reproは音質を最上まであげると笑う音になります。負荷凄いですが、ハードウェアを超えた音質になり、コンピューターの進化を改めて感じます。
U-he Divaすげぇ
すげぇ音だ
個人的に最高なソフトシンセ。
・u-he Zebra2(作り込みの自由っぷり)
・u-he DIVA(ハード並みの音の厚さ)
・u-he Repro(究極のProphetエミュ)
・reFX Nexus(プロ御用達のプラシーボ)
・Arturia ANALOG LAB(V Collectionなくて良い)
・Arturia PIGMENTS(激押し)
・MPowerSynth(?)
U-He Divaの音が良さげなので体験版インストール。音は良いけど思ったより負荷が高くて(仕様ではCPU負荷を40%も軽減とはあるけど…)購入断念。
同じU-Heでハンスジマーも使ってるらしい Zebra2 は似たような音で負荷も比較的低い。U-Heのシンセリードは素晴らしいのでZebra2にしようかなぁ…。

引用:X(旧Twitter)

5. Divaに関するセール情報

u-he製品は、ブラックフライデーも含めてあまりセールをおこないません。

稀にセールを行う場合もありますので、そのタイミングを逃さないようにしましょう。

最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。

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6. u-he製品のインストール・アクティベーション方法

Plugin Boutiqueにてインストール・オーソライズ方法が記載されていますが、以下の3STEPで簡単に完了します。

1
シリアルナンバーを登録する
redeem.u-he.com にアクセスし、購入時に入手したシリアルナンバーとアカウント情報を入力します。
2
プロダクトをダウンロード・インストールする
u-he.comからDivaのインストーラーをダウンロードし、インストールして起動します。
3
アクティベートする
届いたメールに記載してあるシリアルナンバーとユーザーネームを入力してアクティベートします。
メモ
u-he製品はiLokなどのドングルが不要で、シリアルナンバーとユーザーネームの入力だけで認証できます。デモ版をインストールしてからシリアルを入力してフルバージョンに解除する、という流れでもOKです(デモ版は不定期にノイズが入る仕様です)。

7. 使い方を解説!

ここからは実際にDivaの使い方を解説します。公式の英語マニュアルはこちらをご覧ください。

長くなりますので、今回はオシレーター・フィルター編となります。続きは別記事にて解説します。

u-he-diva-how-to-use u-he「Diva」の使い方②/重い負荷を軽くする設定

プリセット

presets-u-he-diva

フォルダ内のプリセットは上部でも選択できますが、全てのプリセットは下部の「PRESETS」別ブラウザにあります。

DIRECTORY(左)
フォルダツリー。ファクトリープリセットが入った「Local」と、自作音色・追加サウンドセットを保存する「User」に分かれます。
プリセット一覧(中央)
選択したフォルダの中身が表示されます。
Search(左上)
プリセット名などでの文字検索。検索履歴や保存した検索も呼び出せます。
TAGS(左上)
カテゴリ・特徴・キャラクターのタグをクリックしてプリセットを絞りこめます。

プリセットは種類別にフォルダ分けされており、「8 TEMPLATES」ではそれぞれモデルとなったシンセサイザーの基本プリセットがあります。また、「THIRD PARTY」には様々なサウンドデザイナーが作成したプリセットがあり、その中の「TREASURE TROVE!」フォルダにはさらに数百音色が収録されています。

メモ
プリセットを変えた場合もメインの操作画面には切り替わりません。プリセットが決まれば、クリックして下部の操作したい項目を選択しましょう。

オシレーター

diva-u-he-osc

MAIN」の左上がオシレーターエリアで、Divaは5種類のオシレーターがあります。

オシレーターやフィルター、エンベロープなどはパネル左下の「▼」から変更できます。

表は横にスクロールできます▼

モデル名OSC数特徴
Triple VCO3基最も大きなパネル。波形は連続可変。FM・シンク・波形モジュレーション・フィードバックを搭載
Dual VCO2基1オシレーターにつき複数波形を同時選択可。PWM・シンク・クロスモジュレーション対応。リビジョン3種
DCO1基唯一のシングルオシレーター。パルス+ノコギリ+サブ+ノイズの4系統を合算。他より硬質な音
Dual VCO Eco2基PWM・FMなしのシンプル構成で最も軽い。リングモジュレーションは使用可
Digital2基デジタル臭さも含めて再現。Multisaw・TriWrapなど独特な波形を搭載

Triple VCO

triple-vco-diva-u-he

その名の通り、3つのオシレーターからなるDivaで最も大きなオシレーターパネルです。1、2、3右横列のノブ(RANGE〜VOLUME)がそれぞれのオシレーターに対応しています。

左側の3連スイッチは、「▼」から指定したモジュレーションソースを有効にするスイッチです。上から順に1〜3のオシレーターをあらわします。

TUNE MOD
ピッチモジュレーションの量を設定します(バイポーラ=プラス方向・マイナス方向どちらにも効きます)。デフォルトのモジュレーションソースはENV2。左側の上段スイッチからそれぞれのオシレーターを有効にして調整します。
SHAPE MOD
波形(シェイプ)モジュレーションの量を設定します。こちらもバイポーラで、デフォルトソースはLFO2。左側の下段スイッチから各オシレーターを有効にします。
FM 1->2/3
オシレーター1がオシレーター2、3を周波数変調(Frequency Modulation:FM)させる量を設定します。複雑な音や不協和音、ベルのような音に便利です。※オシレーター2、3両方とも均等に変調させます。
RANGE
オクターブを32’〜2′で切り替えます。
DETUNE
オシレーター2、3のみ。5回転ポテンショメーターのように動作し、回しきるとオクターブ単位でひっくり返すこともできます。
SYNC
オシレーター2、3のHard Syncを有効にします(どちらもオシレーター1に同期)。同期させたオシレーターのピッチは、通常オシレーター1より高くします。
WAVEFORM
Minimoogとは異なり、WAVEFORMコントロールはロータリースイッチではありません。ランプ→三角→ノコギリ→矩形と連続的に変化し、さらに細いパルス波まで到達します。SHAPE MODと組み合わせる場合、設定値8.00(パルス幅25%)で最大のPWMが得られます。
MIXER
各オシレーターのVOLUMEとNOISEジェネレーターのボリュームコントロールがあります。NOISEボリュームノブの下にはトーンスイッチがあり、PINK、WHITEノイズを選択できます。
FEEDBACK
フィルターの後から取り込まれたシグナルをミキサーにフィードバックする量を調整します。控えめな低音のブーストから、サブハーモニクスや荒々しいハウリングノイズまで作れます。

DUAL VCO

dual-vco-u-he-diva

Triple VCOよりシンプルになりますが、各オシレーターで複数の波形を同時に選択できるのが大きな違いです。

PW / PWM
左上の2つのフェーダーは、両方ともパルス波の幅に影響を与えます。「PW」は非常に狭い状態から50%を経て100%(無音)まで幅を設定できます。もう一方のフェーダーは、パルス幅モジュレーションの深さを調整します(デフォルトソースはLFO2)。下部のスイッチでオシレーター1のみ/1と2両方のどちらに適用するかを選べます。
RANGE / DETUNE
Triple VCO同様のオクターブスイッチ(32’〜2′)と、オシレーター2のみのDETUNEノブでピッチを決定します。
SYNC
中央のSYNCボタンは、VCO2をVCO1に同期させます。VCO2のピッチはVCO1より高くしておきます。シンクスウィープの効果を最大にしたい場合は、VCO1を32’、Transposeを24に設定します。
1 / BOTH / 2 / SPLIT
この4つに切り替わるスイッチはピッチモジュレーションターゲットを指定します。VCO1とVCO2を独立して変調する場合は、SPLITを選択します。デフォルトのソースはENV2とLFO2です。
波形選択
縦のボタンで波形を選択します。VCO1は三角波・ノコギリ波・パルス/PWM・ノイズ、VCO2は三角波・ノコギリ波・パルス/PWM・サイン波。複数の波形を選択しても、全体の音量は維持されます。
CROSS MOD
Triple VCOの FM 1->2/3 に似ています。違いは、クロスモジュレーション量を右のノブで決定したソースで直接モジュレーションできることです。
MIX
VCO1とVCO2のボリュームバランスを決定します。Modificationsパネルからモジュレーションでき、エンベロープやLFOで2つのオシレーターをクロスフェードさせることも可能です。
SHAPE
Dual VCOの「ハードウェアリビジョン」を3種類から選択できます。このスイッチはすべての波形のサウンドに影響を与えます(トライアングルで最も顕著)。また、音域によっても効き方が変わります。
  • ideal:理想形(実機には存在しない理論値)
  • analog 1:ハードウェアリビジョン1
  • analog 2:ハードウェアリビジョン2

※ analog 1 / analog 2 はそれぞれRoland Jupiter 6 / Jupiter 8とされることが多いですが、公式マニュアルでは機種名まで明記されていません。

DCO

dco-u-he-diva

Divaで唯一のシングルオシレーターモデルですが、サブオシレーターとノイズを備えており、アナログタイプよりも複雑で明るいサウンドを実現します。公式も「他のアナログオシレーターよりクリスプな音が欲しいときに」と説明しています。

左半分はDual VCOと同じですが、VCO2はなく、クロスモジュレーションはできません。

しかし、出力は

  • PULSE(パルス波)
  • SAWTOOTH(ノコギリ波)
  • SUBOSCILLATOR(サブオシレーター)
  • NOISE(ノイズ)

4つのソースの合計になります。

注意
pluse-diva-u-hePULSE・SAWTOOTHのセレクターで直線になっているものは「無音(オフ)」を意味します。また、パルス幅の設定(PWなど)に反応するのは、それぞれ上から4番目の波形です。
SUBOSCILLATOR
パルス波をベースにした6つの波形が選択できます。上4つの波形は全てメインオシレーターより1オクターブ下、他の2つは2オクターブ下となっています。
SUB / NOISE
右上には、サブオシレーター「SUB」とノイズ「NOISE」のレベルをコントロールする2つのフェーダーがあります。

Dual VCO Eco

dual-vco-eco

シンプルな2つのオシレーターで、PWMもFMもありませんが、Divaの中では最もCPU負荷が軽いモデルです。ただしEcoの名がついていても、Diva自体が重いので「軽い」とまでは言えません。

VCO1
波形選択とパルス幅調整「PULSEWIDTH」、オクターブ「OCTAVE」が設定できます。ノイズも含まれているため、Modificationsパネルの「Noise & Dual VCO Mix」でノイズ量をモジュレーションできます。
VCO2
オクターブ「OCTAVE」に加えてDETUNEがあります。波形選択で「RING」に切り替えると、VCO2の通常出力が、VCO1の選択波形とVCO2の矩形波によるリングモジュレーションに置き換えられます。
TUNE MOD
2つのピッチモジュレーション(デフォルトはENV2とLFO2)は、オシレーターを個別にチューニングできても両方とも全体のピッチに適用されます

Digital

digital-u-he-diva

デジタルサウンドのオシレーターです。公式によると「オリジナルのざらつきや“欠点”までモデリングした」とのことで、Divaの音色パレットを大きく広げています。

波形の選択によってそれぞれパラメータが変わります。(画像の「DETUNE」「MULTI」部分)

上から順に以下の波形になります。

Multisaw
7段積みのノコギリ波です。「DETUNE」はチューニングの広がりを調整し、「MULTI」はオリジナルの波とデチューンされた波形のバランスを調整します。公式は「ファジーなダンスミュージック系サウンドや、極めてリッチなパッドに最適」としています。
TriWrap
三角波をラップ(折り返し)したものです。正のピークが波形の下側に、負のピークが上側に現れます。「WRAP」はラップ機能のスレッショルドを調整し、「BEND」は水平方向の対称性を調整します。
Noise
レゾナント・ローパスフィルターを通したデジタルホワイトノイズです。「TUNE」はカットオフを調整し、「Q」はレゾナンスを調整します(Qを上げると低域はかなり失われます)。
Feedback
短いディレイで送られてくるノコギリ波をフィードバックして、エレキギターに似た音色を作り出します。「TUNE」はディレイの長さを調整し、「FEEDBACK」はコムフィルター効果の強さとデジタル歪みの量を設定します。
Pulse
スクエア/パルス波のミックスです。「PW」はパルス幅を調整します。「SPIKE UP」は、3.00の時点ですでに波形をノコギリ波に変え、さらに上げるとノコギリ波を多重化して複雑な“擬似シンク”効果を生みます。エイリアシングがかなり発生する場合があります。
Sawtooth
ノコギリ波に同期したサイン波を加えたものです。「HARMONICS」はサイン波のレベルと極性を調整します(50.00で「純粋な」ノコギリ波)。「BEND」はサイン波を1オクターブ上に連続的にシフトします。
Triangle
三角波に同期したサイン波(1オクターブ上)を加えたものです。「HARMONICS」はサイン波のレベルを調整し、「BEND」は水平方向の対称性を調整します。
OCTAVE
全てのオシレーター共通で、オシレーター1のピッチをオクターブ単位で調整します。
TUNE(OSC2)
オシレーター2のピッチを±30半音の範囲で精密に調整できます。
SYNC
オシレーター2の下部にあるSYNCスイッチを押すと、Hard Syncが有効になります(オシレーター2はオシレーター1に同期します)。※Multisawでは元の波にのみ適用され、Noiseでは効果がありません。
TUNE 2 MOD / PW MOD / SHAPE MOD
中央のパネルで、各オシレーターのモジュレーションソースと量を設定します。モジュレーションソースは共有しており、それぞれのオシレーターとの間にあるスイッチでオンオフをします。
TUNE MOD(下部)
両方のオシレーターのピッチを同時に調整することができます。
CROSS
クロスモジュレーションです。オシレーター1がオシレーター2を周波数変調する量を調整します。
RING
DUAL VCO ECOのRINGと同じように、オシレーター2の出力を2つのオシレーター間のリングモジュレーションの結果に置き換えます。
MIX
2つのオシレーターのレベルを調整します。
HIGH QUALITY
エイリアシングを低減しますが、CPU負荷が加わります。
注意
DigitalオシレーターのWAVEスイッチをオートメーションで切り替えるのは避けたほうがよいと公式マニュアルに明記されています。大きなノイズスパイクが発生する場合があります。

ハイパスフィルター・フィードバック

Triple VCOにはミキサーが搭載されていますが、他のオシレーターでは中央パネルを4種類から交換することができます

表は横にスクロールできます▼

モデル名位置特徴
NO HPF(JUST FEEDBACK)ハイパスなしFEEDBACKノブのみ。Triple VCOのミキサーに内蔵されているものと同じ回路
HPF | POSTメインフィルターの低音のブースト、または既にフィルターされた信号からの低域除去
HPF | PREメインフィルターのフェーダーで周波数のみをコントロールするシンプルな構成
HPF | BITEメインフィルターのカットオフモジュレーションとレゾナンスを備えた本格的なHPF。リビジョン2種

NO HPF(FEEDBACKのみ)

no-hpf-u-he-diva

Triple VCOに統合されたものと同じフィードバック回路です。一つだけあるノブは、フィルターの後から取り込まれたシグナルをミキサーにフィードバックする量を調整します。

メモ
このフィードバックは、Minimoog™の外部出力を自分のオーディオ入力に挿し戻すという昔ながらのテクニックを再現したものだと公式マニュアルに書かれています。

HPF | POST

hpf-post-diva-u-he

メインフィルターの左側にありますが、信号経路上ではメインフィルターの後に位置しています。そのため、メインフィルターへの入力レベルを変えてしまうことがなく、メインフィルターの音色に影響を与えません。低音をブースト「BOOST」するか、既にフィルターされている信号から低域を除去します。

HPF | PRE

hpf-pre-u-he-diva

メインフィルターの前にあるハイパスフィルターで、フェーダーで周波数をコントロールします。メインフィルターに届く低域が減るため、メインフィルターの音色そのものが変化します。

HPF | BITE

hpf-bite-diva-u-he

メインフィルターの前にある本格的なハイパスフィルターで、カットオフモジュレーションとレゾナンスを備えています。

REV(リビジョン)
2種類のモデルを切り替えられ、それぞれ異なる特性を持っています。
カットオフモジュレーション
モジュレーションソースを選択して量を調整します。

メインフィルター

フィルターはオシレーター同様に5つのモードがあります。それぞれのモデルはオシレーターとは少し違っている場合があります。

Divaのフィルターはすべて「ZDF(ゼロディレイフィードバック)」設計で、アナログ回路をモデリングする際に通常発生する遅延を大幅に減らしています。公式によると、これがレゾナンスを限界まで上げたときの挙動の“本物らしさ”につながっているとのことです。

表は横にスクロールできます▼

モデル名タイプ特徴
VCF | LADDER24dB/oct(12dB切替可)4ポールのクラシックなラダーフィルター。オリジナルにないフィルターFMも搭載
VCF | CASCADE24dB/oct(12dB切替可)Ladderよりクリーンなサウンド。Rough/Cleanスイッチで性格が変わる
VCF | MULTIMODELP4 / LP2 / HP / BPCascadeに近い構成で、ハイパス・バンドパスまで選べる
VCF | BITESallen-Key構成非常に個性的なキャラクター。強烈なレゾナンス。リビジョン2種
VCF | UHBIE2ポール ステートバリアブルLP→BR/BP→HPをクロスフェードできるシルキーなフィルター

VCF | LADDER

vcf-ladder-u-he-diva

オクターブあたり24dB(4ポール/12dBの2ポールに変更可能)のクラシックなラダーフィルターです。

CUTOFF
カットオフ周波数を設定します。
EMPHASIS
レゾナンスです。上げていくと自己発振に近い状態まで持っていけます。
モジュレーション×3
「CUTOFF」と「EMPHASIS」ノブの両側には、3つのカットオフモジュレーションソースがあります。選択可能な2つのソース(デフォルトはENV2とLFO2)とキーフォロー「KYBD」です。
FM
モデルとなったオリジナルにはない機能で、オシレーター1からフィルターを周波数変調できます(バイポーラ)。
12dB / 24dB
フィルターの傾きを切り替えます。12dBにすると明るく、緩やかな効き方になります。

VCF | CASCADE

vcf-cascade-u-he-diva

Ladderよりもクリーンなサウンドのフィルターです。

Ladderとの主な違いは、「Rough/Clean」スイッチです。このスイッチは、全体的な音色の特徴を変えるだけでなく、トップエンドのレゾナンス量にも影響を与えます。Ladderと同様に12dB/octへの切り替えも可能で、全体のキャラクターを保ったまま明るくできます。

VCF | MULTIMODE

vcf-multimode-u-he-diva

Cascadeと似たような見た目でパラメータもほぼ同じですが、ハイパスとバンドパスのオプションを追加したモードです。

中央のスイッチで以下の4つから選べます。

  • LP4:4ポール(24dB/oct)のローパス
  • LP2:より明るい2ポール(12dB/oct)のローパス
  • HP:ハイパス
  • BP:バンドパス

VCF | BITE

vcf-bite-u-he-diva

他のモデルとほとんど変わらないパラメータですが、Sallen-Key(サレンキー)構成のため音は非常に特徴的です。

音色はオシレーターのレベル、選択されたリビジョン「REV」、「PEAK」(レゾナンス)の値に大きく依存します。

メモ
入力レベルで音が変わるタイプのフィルターなので、オシレーターのVOLUME/MIXを動かすだけでも歪み方やレゾナンスの暴れ方が変化します。強めのキャラクターが欲しいときに向いています。

VCF|UHBIE

uhbbie-u-he-diva

3種類の異なるタイプ(ローパスからノッチまたはバンドパス、ハイパスまで)の間でクロスフェードを行う、シルキーで滑らかな2ポール・ステートバリアブルフィルターです。

ほとんどがすでに解説しているようなパラメータですが、右上のスイッチとノブが他とは違います。

MORPH
ローパスからBR / BPを経てハイパスへと連続的にクロスフェードします。下のノブからモジュレーションソースと量を設定できるので、LFOやエンベロープでフィルタータイプそのものを動かせます。
BR / BP
中央のポジションをノッチ(バンドリジェクト)「BR」かバンドパス「BP」のどちらかに切り替えます。

まとめ

Divaはかなり評価の高いソフトシンセです。名機が複数あるので、音作りの幅も一つがモデルのシンセより広く、ビンテージシンセモデルのソフトシンセの中ではかなり即戦力だと思います。

Divaのポイント
音の質
ZDF設計+リアルタイム回路シミュレーションによる、実機に迫るアナログサウンド。
音作りの幅
オシレーター5種 × フィルター5種 × エンベロープ3種×2スロットで225通りの組み合わせ。実機にない音が作れる。
即戦力
1,200を超えるファクトリープリセット+タグ検索で、そのまま使える音がすぐ見つかる。
唯一の弱点
CPU負荷が重い。Accuracy設定やEcoモードである程度は緩和できる。

ただし、重い点だけ注意が必要でしょう。

この記事が参考になれば幸いです。

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