リバーブエフェクトを多数開発するExponential AudioがiZotopeに入り、ついにiZotopeからリバーブ「Neoverb」が登場しました。
Neoverbは、他のiZotope製品同様AIによるアシスタント機能が搭載されたアーリーリフレクション(初期反射)、ミディアム、ラージの3つからなるリバーブエフェクトです。
この記事ではNeoverbをレビュー!メリットや同じくAI機能を搭載したリバーブsonible「smart:reverb」との比較、使い方まで解説します。
是非参考にしてください。
目次
1. iZotope「Neoverb」とは?
Neoverbは、iZotopeが開発するAIによるアシスタント機能を搭載したリバーブです。
アシスタント機能はただAIによって自動でリバーブを作成する機能ではなく、はじめに自分である程度どういったリバーブにしたいか選択します。
Neoverbは実際には3つのリバーブが1つなっており小(アーリーリフレクション:初期反射)、中(ミディアム)、大(ラージ)のアルゴリズムを同時に使用できるだけでなく、3方向のブレンドパッドを使用して、3つの選択を混ぜ合わせることができます。
※AI機能はあくまで「アシスタント」とされています。iZotope公式では基本的にアシストしてもらう使い方が推奨されています。
開発会社 | iZotope |
操作画面 | ![]() |
価格(定価) | 249ドル |
主な仕様 | AIによるアシスタント機能搭載リバーブエフェクト |
Neoverbを含む主なパッケージ
※時期によってパッケージが追加されたり、販売店独自のバンドルも存在する場合があります。
表は横にスクロールできます▼
パッケージ | Music Production Suite 4 | Everything Bundle |
主な収録内容 | Ozone 9 Advanced / Neutron 3 Advanced / Nectar 3 Plus RX 8 Standard / VocalSynth 2 / Insight 2 Exponential Audio NIMBUS / Exponential Audio R4 / Neoverb / Stutter Edit 2 / Tonal Balance Control 2 | Ozone 9 Advanced / Neutron 3 Advanced / Nectar 3 Plus RX 8 Advanced / Dialogue Match / RX Loudness Control VocalSynth 2 / Iris 2 / Trash 2+Expansions Insight 2 / Exponential Audio NIMBUS / Exponential Audio R4 BreakTewaker+Expanded / Stutter Edit / DDLY Dynamic Delay Mobius Filter / Exponential Audio Stratus 3D / Exponential Audio Symphony 3D / Tonal Balance Control 2 / Neoverb |
価格(定価) | 999ドル | 2,499ドル |
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2. 導入するメリット
Neoverbを導入するメリットは主に以下の点が考えられます。
- ブレンドパッドで3つのリバーブをブレンドし、オートメーションも作成可能
- Pre EQ・Reverb EQで不要な帯域を検出し、バランスをとってくれる
ブレンドパッドで3つのリバーブをブレンドし、オートメーションも作成可能
中央に位置するおにぎり(Blend Pad)で、アーリーリフレクションを含むリバーブ3つをブレンドできます。もちろん一つ一つのリバーブはオンオフすることができます。
また、このブレンドパットはオートメーションもできます。時間軸に応じて変化させることが可能です。
他の楽器などとの兼ね合いをみて細かな調整もできますし、変化するアバンギャルドなリバーブも作成できるでしょう。
Pre EQ・Reverb EQで不要な帯域を検出し、バランスをとってくれる
Pre EQのオートカット機能や、Reverb EQ(Post EQ)のアンマスク機能を利用してリバーブによって生じる帯域の問題を自動で検出してくれます。
また、Reverb EQの左上「Masking」からは、NectarやNeutron、Relayなどと連携することが可能なので、他のトラックとの兼ね合いも確認できます。
iZotope製品のプラグインを使用していないトラックをMaskingで選択したい場合はトラックの最後に連携用の「Relay」をさします。

3. sonible「smart:reverb」と比較
同じくAI機能搭載のリバーブといえば、sonible「smart:reverb」があります。
同じようなAI機能搭載のリバーブかと思いきや、この二つはけっこう違います。
smart:reverbはインストゥルメント(楽器)を選びリバーブを作成しますが、Neoverbでは基本的な要素ははじめに自分で設定します。
NeoverbのAIによるアシスタント機能は「アシスタント」という名前の通りリバーブの作成というより、原音と自分のかけたいリバーブをマッチさせる、バランスをとる要素が強いと思います。
もちろん両方ともAI機能のあとに様々な調整ができますが、smart:reverbのAI機能の方がAIに任せる部分が多いといえるでしょう。
smart:reverbの最大の特徴は、帯域、密度などの処理を一定ではなく時間軸に合わせてカスタマイズする点です。
ただし、両製品とも乱れた共振や濁ったリバーブテールなどの問題を回避するという問題意識は同じで
- NeoverbではPre EQ、Post EQ
- smart:reverbでは時間軸に応じた帯域変化
などで処理している点が特徴です。

4. 口コミ・評判を紹介
Neoverbに関する口コミ・評判をまとめました。
話題なだけあって評価は高いです。
【歌ってみたのmixのやり方】 iZotope「Neoverb」の使い方【番外編】
N:https://t.co/nF7mmCXhTa
Y:https://t.co/XkZcx0PHB5本編動画:https://t.co/n4zb9shHoO#歌い手さんMIX師さん絵師さん動画師さんPさんと繋がりたい #RTした人で気になった人フォローする#いいねした人で気になった人お迎え pic.twitter.com/zlGB9YFWmY
— やっち@無償MIX企画実施中 (@Yc_nm0326) October 3, 2020
Neoverbの個人的良いところ
* ERと2つのリバーブを直感的に混ぜられるのでほしいキャラクターを探しやすい
* BPMシンクがある(いつも計算してた)
* ツールチップでちゃんとパラメーターの説明が出る— h i y a m a (@hvmevln) October 3, 2020
Neoverb、単純にすげえよくできててビビってる
— spctrm (@spctrm) October 2, 2020
5. Neoverbに関するセール情報
iZotope製品は頻繁にセールを行います。Neoverbもセール対象になります。
セールに関する詳しい記事はこちらをご覧ください。

6. iZotope製品のインストール・アクティベーション方法
Portalを使ったiZotope製品のインストール・オーソライズ方法は以下の記事を参考にしてください。

7. 使い方を解説!
ここからは実際にNeoverbの使い方を一応解説しますが、iZotope公式から使い方動画がすでに出ていますので、そちらをご覧ください。
Reverb Assistant
上部「Reverb Assistant」からiZotopeのおなじみAIによるアシスタント機能が利用できます。Reverb AssistantはただAIによって自動でリバーブを作成する機能ではなく、はじめに自分である程度どういったリバーブにしたいか選択します。
Reverb Assistantのパラメータは変更すると、音に反映されます。リバーブをかけるトラックを再生して、音を確認しながら設定できます。
Style:Realistic〜Dramatic間でリバーブのスタイルを決定します。
Size:XS〜XL間でリバーブのサイズを設定します。
Dry/Wet:原音とリバーブのミックスを調整します。
Tone:Clean・Dark・Bright・Airyからリバーブの音色を設定します。
決まれば、「Next」を選択し音源を再生し、読み込みが終われば「Accept」を選択して完了です。
メイン画面右側には「Dry / Wet」、「Level」(アウトプットゲインの調整)の他に以下のパラメータがあります。
Pre-Delay:リバーブが始まるまでの時間を調整します。左上の音符マークからDAWのBPMと同期して調整できます。
Smooth:リバーブテールを滑らかにします。左上の電源ボタンでオンオフできます。
右上にはコーラスがあります。2種類から選択できます。
:ランダム化されたモジュレーションを使用してエフェクトします。
:ピッチモジュレーションを使用してエフェクトします
Depth:コーラスの深さを制御します。
Rate:コーラスのレートを制御します。
Neoverbは実際には3つのリバーブが1つなっており小、中、大のアルゴリズムを同時に使用できるだけでなく、3方向のブレンドパッドを使用して、3つを混ぜ合わせることができます。
それぞれ3つは丸いマークをクリックしてオンオフでき、「▶︎」から細かな設定ができます。
アーリーリフレクション(Reflections)
Space:初期反射のサイズと時間を変更します。このパラメータを上下すると「Time」と「Size」が同時に変更されます。
Time:初期反射の時間を調整します。
Size:初期反射のサイズを調整します。
Diffusion:初期反射の密度を調整します。
Angle:初期反射の角度(迎角)を調整します。Angleが低いと、はやい反射が最も強いことを意味します。
Lowpass:初期反射のローパスフィルターを調整します。
ルーム(Room) / プレート(Plate) / ミディアムチェンバー(M. Chamber)
紫のミディアムリバーブは「◀︎▶︎」からRoom、Plate、M. Chamber3つのモードを変更できます。
Space:ミディアムリバーブのサイズと時間を変更します。このパラメータを上下すると「Time」と「Size」が同時に変更されます。
Time:ミディアムリバーブの減衰時間を調整します。左上の音符マークからDAWのBPMと同期するようにリバーブのテールを調整します。
Size:ミディアムリバーブのサイズを調整します。
Diffusion:ミディアムリバーブの密度を調整します。
Attack:どれだけ速く信号が入るかアタックを調整します。
Crossover:上部のパラメータの傾きで、ミディアムリバーブのトーンを明るくまたは暗くし、下部のスライダーで、低周波数と高周波数の間のクロスオーバーポイントを調整します。
Damping:上部のパラメータでローパスロールオフの周波数を調整し、高音域の周波数を減衰させます。下部のスライダーで、減衰させるレートを調整します。
ホール(Hall) / ラージチェンバー(L. Chamber)
オレンジのラージリバーブは矢印からHall、L. Chamber2つのモードを変更できます。
パラメータは基本的に、紫のミディアムリバーブと同じです。
Pre EQ
オートカット機能を使って入力信号にEQカーブを提案することができます。最終的なリバーブ出力に不要なアーティファクトを生み出す可能性のある濁ったハーモニクスを持つ領域を特定します。
電源ボタンでオンオフ、「Auto Cut」を選択し、再生すると入力を読み込みEQをかけます。EQが適用されると「Amount」スライダーに変わり全体の量を調整できます。もちろん3バンドを手動で調整することも可能です。
3バンドのEQはそれぞれ選択すると最下部に詳細の設定があらわれます。
Reverb EQ
Post EQであるReverb EQは、リバーブとソースの間で発生するオーバーラップや周波数の混雑を最小限におさえます。
右側は「Unmask」を選択し、再生するとPre EQ同様に、EQが提案され「Amount」で調整できます。
左側「Masking」から、Dry vs. Wet以外にもNeutronやNectar、Relayを別トラックにさしておくとここで選択でき、かぶりを確認できます。
iZotope製品のプラグインを使用していないトラックをMaskingで選択したい場合はトラックの最後に「Relay」をさしましょう。
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まとめ
Neoverbはリバーブによって生じる帯域の問題を回避できる調整が充実したリバーブです。
単体トラックでみるのではなく、楽曲の中で使うことでよりその魅力が発揮できるでしょう。
この記事が参考になれば幸いです。