sonibleが開発するsmart:compやsmart:EQなどのsmartシリーズに新たにリバーブが登場しました。
他のsmartシリーズ同様にAI機能で自動生成できるリバーブプラグインです。自動生成以外でも他のリバーブとは違った仕様で使い勝手の良い面白いプラグインだと思います。
この記事では、そんなsmart:reverbをレビュー、メリットやデメリット・注意点から使い方まで解説します。
是非参考にしてください。
1. Sonible「smart:reverb」とは?
smart:reverbは、sonibleが開発する入力を読み込んで自動生成できるリバーブエフェクトです。
入力の種類を選んで読み込むだけでエフェクトが完了しますが、それよりも魅力的な最大の特徴は時間軸に応じて変化できるパラメータです。ディケイタイムを帯域ごとに時間軸でコントロールできたり、広がりや密度も変化させることが可能です。
作曲ソフトDAWの拡張機能AU(Audio Unit)、VST、VST3、AAXプラグインとして利用できます。
smart:reverbと同じくリバーブプラグインである簡単にAI機能が利用できるバージョンのpure:verbもあります。
pure:verb
pure:verbは、どんな入力信号にも完璧にフィットするリバーブ効果を生み出し、サウンドシェイプのためのシンプルで強力なコントロールセットを提供します。
ユニークな学習機能と入力固有のプロファイルを備えており、プラグインによって計算されたすべてのリバーブが入力信号のスペクトルと時間的特性に一致することを保証しています。このリバーブプラグインを使えば、リバーブエフェクトに付随する技術的に厄介な部分と戦う必要はありません。プロファイルを選択してボタンを押すと、pure:verbが自動的にブーミーなローエンド、マッディーなミッド、ハーシュなハイエンドをケアします。
pure:verbは、ポストプロダクションで空間と深みを加えながら、クリエイティブなフローを維持するために使用します。ソフトなボーカルやソロ楽器を主役にした温かくパーソナルなタッチのミックスでも、オーケストラサウンドやシンセパッドに没入感のある濃密なリバーブ効果を求める場合でも、仮想リバーブ空間の大きさをコントロールするだけで、どんな雰囲気も強調することができます。
開発会社 | sonible |
操作画面 | |
価格(定価) | 129ドル |
主な仕様 | AI機能搭載リバーブエフェクト |
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2. 導入するメリット
導入するメリットは主に以下のような点が考えられます。
- 入力を読み込み自動でリバーブをかけることができる
- 時間軸で変化できるパラメータ
入力を読み込み自動でリバーブをかけることができる
もちろんAIにリバーブエフェクトを完全に任せることは難しいですが、smart:reverbは入力を読み込むことでフィットするようになっており、乱れた共振や合わないリバーブなどの問題を最初から回避することができます。
また、自動生成後XYパッドで簡単に調整できるため、初心者の方でも使いやすいプラグインだと思います。
時間軸で変化できるパラメータ
これが最大の魅力ではないでしょうか?
時間軸に応じてディケイを周波数帯で調整したり、広がりや密度も調整できます。
それらのパラメータを活用して、他のリバーブでは不可能なリバーブもできるでしょう。アバンギャルドな使い方もできると思います。
3. 利用する前に知っておくべき注意点・デメリット
利用する前に知っておくべき注意点・デメリットとして個人的にはですが、smart:reverbならではのパラメータなどを使用して意図的な使い道がある場合に使うと思います。
他のリバーブプラグインと聴き比べもしましたが、通常のリバーブの場合は、別のものを使用するかなと思いました。
4. 口コミ・評判を紹介!
smart:reverbに関する口コミ・評判をまとめました。
評価はとても高いですが、逆の意見もあります。
smart:reverb面白い。これこそプラグインだからできる技術だと思う。
こういうのに慣れるのよくないとは思いつつsmart reverbいいな……馬鹿用で助かる
smart:reverbさすがに全部AIと言うわけにはいかないよな
かなり変な音になる笑
初期反射も弄れないし残響とは何ぞやと考えさせられる
単体の空間を作るのはまだしも、空間に入れ込むのがなぁ
何よりtailの音が美しくない笑
これはこれで使い道はあるから買ったけど
引用:Twitter
5. smart:reverbに関するセール情報
Sonible製品は、ブラックフライデーのみならずセールで安い場合があります。
smart:reverbは他のSonible製品とあわせたパッケージ品もあり、パッケージ・単体ともにセールの対象になることがあります。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。
6. Sonible製品のインストール・アクティベーション方法
Plugin BoutiqueのINSTALLATION INSTRUCTIONSからインストール・オーソライズ方法が確認できます。
Sonible製品のアクティベートは簡単で以下の2STEPで完了します。
- Sonible製品をダウンロード
- DAWでSonible製品を起動し、シリアルナンバーを入力(設定マークからライセンスキーの入力エリアがあります。)
ただし、マシンベースとiLok(USBドングル)の2種類から選択することも可能です。iLokで管理したい場合は、sonible公式のユーザーアカウントダッシュボードにて、ライセンスを追加しtransfer to iLokを選択して、iLokアカウントと紐付けます。
7. 使い方を解説!
ここからは実際に使い方を解説します。公式の英語マニュアルはこちらをご覧ください。
一枚絵でざっくり確認したい場合は以下の画像をご覧ください。
まずは左上レックボタンを押してトラックを再生することで入力を読み込みます。
隣のUniversalからトラックの種類を以下から選択できます。どれにも当てはまらない場合はUniversalを選択しましょう。
- Universal
- Drums
- Snare
- Guitar
- Keys
- Vocals
- Speech
入力の読み込みが完了すると、パラメータが自動生成されます。
緑ボタン:自動生成が完了すると、斜め三本線マークが緑色に変わります。このマークはDecay・Spread・Densityなどのパラメータを変えた際にクリックすることで、元の自動生成されたパラメータに戻すことが可能です。下記で説明しているReverb Matrixを移動させても、同じように元の自動生成されたパラメータに戻ります。
Width:ステレオフィールド内でのリバーブ効果の知覚幅を制限または拡大します。
Color:リバーブの音を暗く、明るく調整します。
Clarity:リバーブ効果の透明度を高めます。
Reverb Time:残響時間を設定します。
Pre-Delay:初期反射が聞こえるようになるまでの長さを設定します。
Dry/Wet:Dry(ダイレクト)とWet(リバーブ)のシグナルをミックスします。そのままの場合、DryとWetがそれぞれ分割して100まで設定可能ですが、真ん中にあるリンクボタンをクリックすることで、通常のリバーブのようにDryとWetを100%間で調整できます。
Freeze:リバーブのテールをキャプチャします。
Infinite:リバーブタイムを無限にします。この設定は、リバーブタイムの設定よりも優先されます。無効にすると、以前に設定したリバーブタイムに戻ります。
Reverb Matrix
自動生成されたリバーブは、XYパッドで自由に調整することが可能です。
Intimate:サウンドに温かみを与えます。ソフトなボーカルやソロの楽器に最適で、比較的小さいサウンドです。
Rich:リッチは、多層的なサウンドを生み出します。シンセパッドやオーケストラサウンドなどで、信号を濃密で生き生きとしたリバーブに完全に浸したい場合に最適です。
Natural:実際の環境で録音されたようにまとまりがあり邪魔にならないナチュラルなサウンドになります。アコースティックな楽器やクリーンなボーカルを使用する場合に効果的です。
Artifical:実際の部屋をシミュレートしようとするのではなく、異なるリバーブ特性で再生します。信号の特性を意図的に変化させ、リバーブをクリエイティブな効果として聴かせたい場合に使用します。
Particle Display
Particle Displayは、リバーブの構造と現在のリバーブの活動を異なる周波数帯で表示します。横軸は時間を表し、縦軸は周波数を表します。
Reverb TimeはParticle Displayの長さになります。
Spectral Shaper Grid
自動生成をすると、Spectral Shaper Gridが有効になります。周波数範囲と時間でリバーブのディケイシェイプをコントロールすることができます。
点を左に動かすと、それぞれの時間枠と周波数帯でリバーブのディケイタイムが減少します。また、2点間のラインを選択して移動させることもできます。
Temporal Shaper
Temporal Shaperでは、リバーブのディケイDecay(緑)、スプレッドSpread(黄色)、密度Density(ピンク)の時間的な変化のカーブを自由にシェイプできます。
Decay:リバーブのエネルギー(Particle Displayのまるい斑点)を時間経過であらわします。
Spread:時間経過に伴うリバーブのステレオスプレッドをあらわします。このパラメータは、時間経過に伴って変化できるWidthのようなパラメータです。
Density:リバーブの密度変化をあらわします。
Pre-Filter EQ
右下にあるPre-Filter EQは、2つのバンドでWet信号をシェイプすることができます。5種類のフィルター(ベル、ハイ&ローパス、ハイ&ローシェルフ)から選択できます。バンドをドラッグするか、テキストボックスに値を入力して周波数とゲインを設定します。Q値の変更は、スクロールまたはALTを押しながら縦方向にドラッグすることで可能です。ピンクと黄色のアイコンをクリックしてフィルターを解除します。
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まとめ
smart:reverbはリバーブの新たな可能性を見出してくれるパラメータがたくさんあります。
他のリバーブでも欲しいなと思う機能が詰まっていますが、それらのパラメータを活用しない場合は魅力が半減すると思います。
この記事が参考になれば幸いです。
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