Sofubeのエフェクトが贅沢にも内蔵されているドラムマシン「Heartbeat」。
ドラムシンセ中心ですのでサンプラー音源に比べると音色は劣りますが、音作りのしやすい音源です。
一見するとパラメータが多くややこしそうに見えますが、使い勝手はかなり良いです。
この記事では、そんなHeartbeatをレビュー!導入するメリットや注意点・デメリットからインストール・アクティベーション方法、使い方、セール情報まで解説します。
ぜひ参考にしてください。
1. Softube「Heartbeat」とは?
Heartbeatは、Softubeが開発する8チャンネルのドラムシンセ・ドラムマシン音源です。
サウンドの大部分はSoftube独自のモデリングされたアナログシンセシスに由来し、厳選された波形で補強されています。
Softubeで販売されているエフェクトがアレンジされて搭載されています。
作曲ソフトDAWの拡張機能VST、VST 3、AU、AAXプラグインとして利用でき、Heartbeatのインストゥルメントなどを別製品「Modular」で使用することもできます。
開発会社 | Softube |
操作画面 | |
製品名 | Heartbeat |
価格(定価) | 139ドル |
主な仕様 | 8チャンネルドラムマシン音源 |
2. 導入するメリット
Heartbeatを導入するメリットは以下のような点が挙げられます。
- Softubeエフェクトが内蔵されている
- ワントリガーでレイヤーを奏でることができる
- 設定いらずのパラアウト
Softubeエフェクトが内蔵されている
Heartbeatの内蔵エフェクトには、Softubeの単体プラグインエフェクトValley People Dyna-miteやTSAR-1 Reverbなどがアレンジされて搭載されています。
実際にかけてみてもやはり一般的な内蔵エフェクトより良いかかり方がするなと思いました。
逆に言うと、エフェクトありきな感じになってしまいがちな場合もあります。
ワントリガーでレイヤーを奏でることができる
ワントリガーでレイヤーを奏でる「AUTO LAYER MACHINE」が搭載されています。
重ねたレイヤーを微妙にずらすことも大きくずらして順番に鳴らすことも可能です。
フラムやフィルなど連続的な音を鳴らしたい時に便利です。
全体をベロシティで制御できたり、ディケイをまとめてコントロールするTIME GATEノブもありますので、個々のドラムを設定せずにレイヤー全体で調整もできます。
設定いらずのパラアウト
ドラム音源は、個々のドラムを別トラックにパラアウトする方法が面倒な場合があります。
しかし、Heartbeatはすでに初期状態からパラアウトできる状態になっているため、DAWで新しいトラックを作ってアウトを受け取るだけで完了します。
これはありがたいですね。
3. 利用する前に知っておくべき注意点・デメリット
しかしながら、Heartbeatを利用する前に知っておくべき注意点・デメリットもあります。
限られたドラムサウンド
Heartbeatは8チャンネル(8モジュール)しかないドラムシンセ、ドラムマシン音源ですので幅広い音色のサンプルが搭載されているわけではありません。
ただし一つ一つのドラムは細かく調整でき、使い勝手は良いのでプラスアルファの音源として他のドラムとの兼ね合いを見ながら音作りできます。
特に、Wave(波形)とSynth(シンセ)を融合させるスネア系はかなり好みでした。
4. 口コミ・評判を紹介!
Heartbeatの口コミ・評判をまとめました。
評価はそこそこといったところでしょうか。
個人的にはDAWで完結するので特に必要ないかなと思っていたのですが、シーケンサー機能を欲している方もいました。
今まで一個一個音を探す作業が苦痛で仕方なかったのが解消されそう。
18000か。。
softubeのHeartbeatも悩んでる。
ていうか試してる。
から悩んでる。
softubeはシーケンサー機能がないのが本当に痛い。
なんでつけなかったん?
ちなみに今は、SoftubeのHeartbeatを立ち上げて色々いじくっております。やっべー使い方わかんねぇ~ww
Ableton Liveとプラグインで一緒に遊びましょうの会 だらだら版
引用:Twitter
5. Heartbeatに関するセール情報
Softube製品は、ブラックフライデーのみならず頻繁にセールをおこないます。
Heartbeatもセールの対象になることがあります。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。
6. Softube製品のインストール・アクティベーション方法
Softube製品のオーソライズは以下の4STEPで完了します。
- SoftubeのHP右上LOG INからアカウント作成・ログイン
- MY ACCOUNT→REGISTER LICENSEからシリアルナンバーを入力
- SOFTUBE CENTRALをインストールして起動・ログイン
- 製品をインストール
7. 使い方を解説!
ここからは実際にHeartbeatの使い方を解説します。
英語の公式マニュアルはこちらをご覧ください。
全体のプリセットは左上から選択できます。
それぞれのドラムチャンネル及びAUTO LAYER MACHINEの上部には、LEARNを選択してMIDI入力で設定可能なMIDIの設定があります。設定されているノートナンバー部分を上下にドラッグすることで調整することも可能です。
LEARNの右側にある下矢印から個々のドラムプリセットを選択することができます。
ミキサー
それぞれのミキサーチャンネルにはFX
- REV:各チャンネルからTSAR-1D Reverbユニットへ送られる信号レベル
- ECHO:各チャンネルからFilter Echoに送られる信号レベル
のエフェクトセンド量と
- EQ:各インストゥルメントに適合したイコライザー
- Ping Pong:自動パンニング機能
が備わっています。
その下に
- PAN:パンノブ
- ボリュームフェーダー
- S:ソロ
- M:ミュートボタン
が備わっています。
ここからは一つ一つのドラムについて解説します。
BD1(Bass Drum 1)
Decay:バスドラムの音の長さを設定します。
Attack:アタックのトランジェント波形のレベルを設定します。
Attack Type:アタックトランジェントのキャラクターを設定します。反時計回りに回すとエレクトロニックスタイルの荒々しいサウンドに、時計回りに回すとウッディーでアコースティックなサウンドになります。
Pitch:アナログシンセシスの初期ピッチを設定します。
Bend:時計回りに回すと上昇し、再び下降する高速なピッチベンドが可能です。反時計回り一杯に設定するとバイパスします。
Harmonics:シンセサイザーのトーンにハーモニクスディストーションを加えます。
EQ:バスドラムの低域をブーストまたはカットします。
KICK(Bass Drum 2)
Decay:バスドラムの音の長さを設定します。
Attack:アタック クリックの初期トランジェントのフィルターレベルを調整します。
Pitch:バスドラムの音のピッチを設定します。
Harmonics:クリッピングディストーションの量を設定します。
EQ:バスドラムの低音域をブーストまたはカットします。
SD RIM(Snare / Rimshot)
スネアドラムの波形とアナログシンセシスを融合させたチャンネルです。両者のバランスは上部のスライダーで決定し、WaveとSynthの部分にはそれぞれWaveは緑、Synthは青のノブでそれぞれのサウンドキャラクターを調整します。
Wave / Synth:ドラムサウンドの波形とシンセサイザー部分のバランスを設定します。
Type:サウンドのキャラクターを設定します。Wave(緑)はガラガラしたスネアからハードなリムショットまで、Synth(青)は音程を取った音からノイズ音まで対応します。
Pitch:各サウンドのピッチと、シンセサイザーパートのノイズのカットオフを設定します。
Decay:WaveとSynthの各パートの継続時間を設定します。
EQ:スネアドラムの音色が多く含まれる周波数帯域をブーストまたはカットします。
SD CLP(Snare / Clap)
Wave / Synth:ドラムサウンドの波形とシンセサイザー部分のバランスを設定します。
Type:サウンドのキャラクターを設定します。Wave(緑)は、異なるスネアサウンドからタイトなクラップまで、Synth(青)はややノイジーな音色キャラクターから、ダークでまどろんだクラップサウンドまで、幅広いサウンドを提供します。
Pitch:各サウンドのピッチと、シンセサイザーパートのノイズのカットオフを設定します。
Decay:WaveとSynthの各パートの継続時間を設定します。
EQ:スネアドラムの音色が多く含まれる周波数帯域をブーストまたはカットします。
HIHAT
クローズとオープンの両方の音を出すことができます。オープンハイハットの後にクローズドハイハットを鳴らすと、オープンハイハットはクローズドハイハットによってすぐにカットされます。2つのスネアと同じようにレイアウトされています。
Wave / Synth:ドラムサウンドの波形とシンセサイザー部分のバランスを設定します。
Type:サウンドのキャラクターを設定します。Wave(緑)は、クラシックなドラムマシンのようなハイハットサウンドから、よりアコースティックなサウンドのキャラクターまで幅広く対応します。シンセ(青)は、反時計回りに回すとハイパスフィルターをかけたパルス波形のクラスターから、時計回りに回すとフィルターをかけたホワイトノイズのようなサウンドになります。
Pitch:Wave(緑)のピッチを設定し、Synth(青)にはローカットフィルターをかけます。
Decay:WaveとSynthの各パートの継続時間を設定します。
EQ:ハイハットの音色が多く含まれる周波数帯域をブーストまたはカットします。
PERC(Percussion 1 or 2)
パーカッションは2チャンネル搭載されています。サウンドは、純粋にアナログシンセシスのモデルから生成されています。ダイヤルで次の5つのモードが選択できます。
Decay:音の長さを設定します。
Pitch:オシレーターの初期ピッチを設定します。
Tone:ローパスフィルターの最初のカットオフ周波数を設定します。
Time:ピッチベンドの速度とノイズモードではフィルタースウィープの速度を設定します。
Range:ピッチベンドやノイズモードでのフィルタースウィープの量を設定します。
Up / Down:ベンドが上か下かを設定します。(ノイズモードではフィルタースウィープ)
EQ:ドラムの音色の大部分を占める周波数帯域をブーストまたはカットします。
CYMBAL
Decay:音の長さを設定します。
Ring:よりベルに近い高音のリンギングサウンドを得るために使用します。
Pitch:シンバル音に含まれる倍音のフィルタリングミックスを調整します。
EQ:シンバルの音色の大部分を占める周波数帯域をブーストまたはカットします。
AUTO LAYER MACHINE
2つ以上の楽器の音を重ねて新しいテクスチャーを作ったり、フラムやオートフィルをトリガーしたりできます。4つのチャンネルで構成されており、それぞれにMIDIノートナンバーが割り当てられています。
入力されたMIDIノートのベロシティでトリガーされます。後続の各ステップでは、ベロシティは自動的にあらかじめ定義された量だけ下がります。つまり、入力されるMIDIがかなり低いベロシティで始まると、後続のステップは 0 ベロシティ以下になり、インストゥルメントを全くトリガーしない場合があります。
右上ONボタンでオンオフも可能です。
4つのチャンネルは、DRUMとDELAYの列に分かれています。
DRUM:チャンネルごとに4つのスロットがあります。名前部分をクリックもしくは上下にドラッグしてドラムの音を選択します。
DELAY:ノブを調整してLAYER側で発音するタイミングにディレイをmsで追加できますFILL側は、DAWに同期したテンポで調整できます。LAYERで0に設定すると全て同時にトリガーされます。
CHAOS:4つのトリガーチャンネルの移動を設定できます。上下だけでなく、左右では隣接するドラムチャンネルに「こぼれる」ようになります。一番右の位置では、トリガーがあらゆるところに送られ、予測不可能なカオス状態になります。
Effects
Heartbeatには3種類のエフェクターが搭載されています。
- Valley People Dyna-mite:コンプレッサー / リミッター / ゲート
- TSAR-1D:リバーブ
- Filter Echo:フィルターディレイ
これらはすべてのドラムで共有されます。各ドラムからTSAR-1DとFilter Echoに送られる信号レベルは、各ミキサーセクションのREVとECHOノブで設定されます。Valley People Dyna-miteは、すべての楽器に挿入されているのでONである限り、すべての楽器に影響を与えます。
Pre:エフェクトチェーンにおいてDyna-miteの前に配置します。Preボタンが有効でない場合、マスターサチュレーションの後、マスターイコライザーの前になります。
MASTER
SATURATION:ドラムミックス全体にかかるサチュレーションの量を設定します。
HIGH GAIN:高音域をブーストします。
MID FREQ:ミッドレンジイコライザーフィルターの中心周波数を設定します。
MID GAIN:Mid Freqノブで設定された周波数で中音域をブースト します。
LOW GAIN:低域をブーストします。
LOW CUT:ローカットフィルターを適用し、低音域をカットして全体的に音を薄くします。
MONO CUT:モノラルに加算されるカットオフ周波数を設定します。低域に位相の問題がないことが保証されるため、どのような再生システムでもミックスをしっかりとした音で聴くことができるようになります。
WIDTH:反時計回りに回すと、サウンドは徐々にモノラルになります。時計回りに回すとサウンドがワイドになります。
MASTER OUT:Heartbeatのメイン出力の音量を調節するマスターフェーダーです。
ベロシティ
GUIの左下、ミキサーセクションの下には、グローバルなVelocityパラメータがあります。
VELOCITY:入力されるMIDIのベロシティが、トリガーされる楽器のボリュームにどの程度強く影響するかを設定します。
TO PITCH:インストゥルメントの初期ピッチがベロシティにどのように影響されるかを設定します。
TO ATTACK:楽器の音のアタック部分の振幅を設定します。
TO DECAY:ディケイタイムがベロシティにどのように影響されるかを設定します。
TIME GATE:すべての楽器のディケイをグローバルに短くカットする便利な機能です。
まとめ
Heartbeatはパラメータが結構使い勝手良くちょっとしたドラムを足したい場合に重宝します。
音作りが細かくできるので狙ったドラムシンセサウンドを作成することができるでしょう。
ただし、ドラムサンプラー音源のような多様な音色が入っているわけではありませんので、ある程度ドラム音源を持っている方や自分で一から音作りしたい方におすすめです。
この記事が参考になれば幸いです。
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