ドラム音源の代表格の一つBattery 4。
とても使いやすく、音も豊富な音源で、特にリズムマシン音源として光ります。しかし、他の代表的なドラム音源とは違う仕様のものですので、注意が必要です。
この記事ではNative Instruments「Battery 4」をレビュー、導入するメリットや注意点、使い方も解説していきます。
ぜひ参考にしてくださいね。
ドラム音源に関するまとめ記事はこちらをご覧ください。

目次
1. Battery 4とは?
Native Instrumentsのドラムサンプラー音源です。
上の画像のように、パッドのようなもの(セル)が並んだ仕様です。
豊富な音があるドラム音源ですが、サンプラーでもあります。Battery 4は単体だけでなく、Battery 4を含めたその他全ての音源を網羅したKomplete 13も人気です。
VST、AU、AAXなど作曲ソフトDAWの拡張機能「プラグイン」として利用できますが、単体での起動(スタンドアローン)も可能です。
<Battery 4の概要>
開発会社 | Native Instruments |
操作画面 | ![]() |
製品名 | Battery 4 |
ドラムセット | 143のキット |
発売日 | 2013年 |
価格(定価) | 単体 ¥26,800 (アップデート¥13,400) Komplete 13 ¥72,400 (アップデート¥25,800) |

2. Battery 4を導入するメリット
実際に、私がNative Instruments「Battery 4」を使用していて、メリットだと感じたのは次の3点です。
- 豊富なドラムサンプル
- サンプラーとして利用可能
- わかりやすいGUI(操作画面)
順に解説していきます。
(1)豊富なドラムサンプル
143のキットを搭載しています。これは普通のドラム音源に比べるとかなり多いです。普通の生ドラムを再現した音源はせいぜい10、20セットくらいです。
しかし、あくまでドラム「サンプラー」音源であることをお忘れなく。これについては、後々注意点の項目で解説します。
(2)サンプラーとして利用可能
外部からサンプルをセットして自分独自のドラムキットを作成できます。サンプラーとして利用する場合でもいじれるパラメータが多く、エフェクトも多数搭載していますので大変便利です。
Splice Soundsなどのサンプルサービスからサンプル音源を持ってきて自分独自のキットを作ってみる方法もおすすめです。

(3)わかりやすいGUI(操作画面)
単純にサンプルが並んでいて、MIDIキーボードやMIDIパッドで鳴らせるかなりわかりやすい仕様で初心者の方でも扱いやすいのが特徴です。

3. Battery 4を利用する前に知っておきたい注意点
しかしながら、Native Instruments「Battery 4」を利用する上で注意点があります。
それは「あくまでサンプラー音源」だという点です。
ここはしっかり理解しておく必要があります。Battery 4はあくまでサンプラー音源です。生のドラムセットを再現するものではありません。
そこが他のドラム音源
- FXpansion「BFD 3」
- XLN Audio「Addictive Drums 2」
- IK Multimedia「MODO DRUM」
- Slate Digital「Steven Slate Drums(SSD5)」
- Toontrack「Superior Drummer 3」
などとの違いです。上記のドラム音源は主に生のドラムセットを再現しています。
同じようなドラムサンプラー音源としてはXLN Audio「 XO」が挙げられます。
サンプラー音源Battery 4と生のドラムセットを再現している音源の違いとは?
では、生のサンプル音源とどう違うのかが気になりますよね?
サンプラー音源は、一つ一つ孤立した音が鳴ります。(干渉し合う設定も多少できます)
対して、生のドラムセットを再現している音源はドラムのマイク録音を再現しているので、互いに干渉した設定や全体の音を録るマイクの再現が可能です。
例えば、ドラムセットのスネアの音を鳴らすとします。実際に生ドラムを録音する場合、スネアの音はキックのマイクにも、タムのマイクにも音が入ってしまいますよね。生ドラムを再現している音源では、これもしっかり再現できます。またルームマイクなど全体の音を録るマイクも再現できます。
一方で、サンプラー音源は音が個々に孤立しています。そのため、生に関しては他のドラム音源より劣ります。ですが、リズムマシンなどエレクトロ系の音がBattery 4の魅力ですので、曲によってはマッチします。あくまでサンプラー音源であることを忘れないでください。
4. Battery 4の口コミ・評判
さて、実際に使っている方がNative Instruments「Battery 4」をどのように評価しているのかなど気になりますよね?
ここでは、Twitterでの口コミや評判を集めてみましたのでご覧ください。
評価は高いですが、少し古い音源ですのでツイートも古いです。しかし、現在でも人気の高いドラムサンプラー音源です。
Native Instruments Battery 4
どのバンドやプロジェクトでも、ドラムやパーカッションのトラックはこれで作ってる。
パラアウト、レイヤリング、セルごとのエンベロープ、フィルターなど、いたれりつくせりで、これでドラムトラックを作れない奴は他の何を使ってもダメだ!とすら思ってる。 pic.twitter.com/S4nrcUrDd5— Dee Lee兄貴 (@deelee_2bullet) 2018年5月13日
今さらだけど、BATTERY 4っていいね😜https://t.co/WBqnuGCHIl#BATTERY #native_instruments
— 渡辺 尚 (@studioserious) 2016年8月6日
Native Instrumentsの
Battery 4
むっちゃ欲しい……Logicでのカットアップ、Battery的な感じで出来る、いい方法ってあるのかな…?
— 井上峻 (@AOI_soyokaze) 2017年10月18日
5. Batteryに関するセール情報
Native Instruments製品は、たまにセールをおこないます。
Batteryは単体でセールになるというより、Battery 4を含むパッケージ品Komplete 13がセールになる場合が多いでしょう。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。

6. Native Instruments製品のインストール・アクティベーション方法
Native Instruments製品のインストール・オーソライズ方法は簡単で以下の3STEPで完了します。
- Native Instrumentsにてアカウント登録
- Native Accessをダウンロード・ログイン
- Add a serialからシリアルコードを入力・インストール
7. Battery 4の使い方を解説!
ここからは使い方を下記の順番で解説していきます。
公式のマニュアルはこちらをご覧ください。
- セルのセット、設定
- セルの音作り
(1)セルのセット、設定
まず左側のLibraryからドラムキット(Kits)もしくはドラムサンプル(Samples)を選びます。これらは上にあるサーチマークで開閉可能です。
下の音量マーク、ボリュームでセット前に音を確認することが可能です。
左下のリロードマークはサンプルを押すとすぐにセットされます。オフの場合はダブルクリックでセルにサンプルがセットされます。
一つ一つのサンプルは左下にソロ、ミュートがついており、右クリックでカットやコピペなどセルの編集が可能です。その中でも一番使うのはOutputでDirect Out1〜32に分けることで音を別々アウトすること(パラアウト)が可能です。
セルは縦にABC〜、横に123〜となっておりそれぞれクリックすると列を全て選択することも可能です。またセル自体はシフトを押しながらクリックすることでも複数選択可能です。列を加えたい場合は縦にABC〜、横に123〜を右クリックしてAddすることもできます。
(2)セルの音作り
それぞれのセルをクリックすると下にオーディオ波形が出てきます。Sがスタート、Eがエンドを表し、サンプルの再生する長さを調整できます。
右側にはTune、Reverse、 Pan、LRチェンジ、位相反転などがあります。
Key Rangeはセルを鳴らすキーを決めますが、MIDIケーブルのマークをクリックした後にキーを押すことで設定できます。キーは2回押す必要があり、1回目と2回目が違うキーを押した場合はその間の範囲が全てそのセルが鳴る設定になります。
Main
Volume Envelope/Pitch Envelope:ボリューム、ピッチのエンベロープはそれぞれ2種類あり左上の電源マークをオンにすることで適応されます。
Velocity:それぞれベロシティによって音量、ピッチが変化します。
Engine:Sampler、Stretchの2種類あります。それぞれの違いはピッチを変えた際にオーディオが伸び縮みするかどうかの違いです。Samplerは伸び縮みするのに対し、Stretchは一定に保ちます。
SamplerはStandardとVintageがあります。
Standardはその名のとおり標準の仕様です。DFDはDirect From Diskの略でRAMの負荷を減らすために全てをロードせず再生するための手法です。VintageはSP1200など名機サンプラーのエミュレートした質感を出すことが可能です。
StretchはStandardとProがあります。
StandardはSpeedの他にサウンド片のサイズを設定するGrain、クリップ等をおさえるSmoothがあります。ProはBatteryのプロストレッチエンジンを起動します。こちらの方がSpeedノブを使う際は使いやすいです。
Mainの欄にはその他Filter、Compressor、Send(Delay、Reverb)があります。
Effects
Effectsの欄にはSaturation、劣化させるLoFi、Filter/EQ、Compressor、TM(Transient Master Module)があります。
Modulation
Modulationの欄には2つのLFOとEnvelopeがあり右側にモジュレーションをセットするところが8つあります。
Setup
Setupの欄で一番使うのはVoice Groupかもしれません。同じグループに設定しVoiceを1にすることで、他のセルが鳴ると途中で鳴り終わる設定ができます。特にハイハットで必要な設定です。
鳴り終わるまで次のノートが鳴らないNote Latch、同じサンプルにピッチを持たせるKey Track、Cell Activationはモジュールでセルがトリガーする条件を設定します。
その他にも、装飾音をつけるArticulation、MIDI Echo、リアルな演奏感を出すHumanizeがあります。HumanizeはSoundが音量、Timeがタイミングにばらつきを持たせます。
Editor
Editorの欄はその名のとおりサンプル波形自体を切ったり、編集したりできる他にレイヤーも可能です。
Master
Masterの欄はEffectの欄と同じエフェクトの他にSendでかかるReverb、DelayそしてOutputの設定でできるBus1〜4やMasterのボリュームを調整できます。
まとめ
Battery 4はリズムマシン音源としては、とても使えます。
しかし、生ドラムに関しては他の音源の方が良いので、Battery 4とは別に他の生ドラムを再現している音源を持つことをおすすめします。
他のドラム音源とそれぞれ得意な部分が違いますので、あなたの曲にBattery 4の音が合うかどうかよく吟味しましょう。
この記事が導入の参考になれば幸いです。