良い評判は聞きますが、操作画面がとっつきにくくなかなか手が出づらいMeldaProduction製品。
この記事では、そんなMeldaProduction製品の中からアレンジ系エフェクトMRhythmizerをレビュー。導入するメリットやデメリット・注意点からインストール・アクティベーション方法、セール情報、使い方まで解説します。
是非参考にしてください。
1. MeldaProduction「MRhythmizer」「MRhthmizerMB」とは?
MRhythmizerは、MeldaProductionが開発するTime、Volume、Filterのシーケンスアレンジエフェクトです。
自由にエディットできる108ものシーケンサープリセットをMIDIで切り替えて細かく複雑にアレンジできるプラグインエフェクトになります。
MRhythmizerは、6バンドのマルチバンド版MRhythmizerMBもあり、こちらは価格が倍になっています。
開発会社 | MeldaProduction |
操作画面 | |
価格(定価) | MRhythmizer 54ドル
MRhythmizerMB 109ドル |
主な仕様 | 時間・音量・フィルターアレンジマルチエフェクト |
2. 導入するメリット
MRhythmizerを導入するメリットは主に以下の点が考えられます。
- MIDIで切り替えることができるプラグインエフェクト
- 多機能なのに安め
MIDIで切り替えることができるプラグインエフェクト
MRhythmizerはオーディオトラック、MIDIトラックともにインサートできるプラグインエフェクトですがMIDIで制御することができます。
時間をコントロールするTime、音量をコントロールするVolume、フィルターをコントロールするFilterそれぞれに36合計108ものシーケンスプリセットをセットでき、それらをMIDIキーボードで簡単に切り替えることができます。
DTMではもちろんですが、ライブなどでもかなり使えるエフェクトだと思います。
MIDIでトリガーする方法はDAWによって異なりますが、Abletonの場合はMRhythmizerをさしたトラックとは別にMIDIトラックを作成し、MIDIトラックのMIDI ToをMRhythmizerをさしたトラック、そしてMRhythmizerに設定することによって完了します。
多機能なのに安め
マルチバンド版のMRhythmizerMBはセールで6000円程度と少ししますが、MRhythmizerであればセールで3000円程度とかなりコスパ良いです。
MBと通常版を間違えないようにだけお気をつけください。
3. 利用する前に知っておくべき注意点・デメリット
しかしながらMRhythmizerを利用する前に知っておくべき注意点もあります。
- 操作画面がわかりにくい
- シンプルに使いたい場合は他の製品が良い場合も…
操作画面がわかりにくい
これはMeldaProduction製品全体的にいえることかもしれませんが、デザインはもちろん多機能すぎることもあって操作画面がわかりにくいです。タブや別画面で隠れたたくさんのパラメータがあり、それぞれの機能を初心者の方が理解するには少し難しい場合があります。
初心者の方には不向きな製品といえるかもしれません。
シンプルに使いたい場合は他の製品が良い場合も…
複雑で面白いアレンジをしたい場合であればMRhythmizerは利用できますが、単純な時間コントロール(テープストップエフェクト)など複雑ではなくわかりやすく操作したい場合は他社製品を選んだ方が良い場合もあります。
MRhythmizerより安く、シンプルに操作できるテープストップエフェクトとしては
などがあります。ただし、これらはフィルターやボリュームのアレンジ機能はありません。
4. 口コミ・評判を紹介!
MRhythmizerに関する口コミ・評判をまとめました。
評価はとても高く、MeldaProduction製品の中でも人気の製品です。
MRhythmizer楽しすぎてやばい!
リズム壊し系の曲、次作はガンガン作るよ!今回も活躍してます。
昨日の上演中で質問に答えられなかったので、見てるか分からないけどここに書きます。スクラッチはMeldaProductionのMRhythmizerでやってます。本人はスクラッチなんかできやせんぜw Phaser、Flanger、Autopanもここのツール使ってます。
引用:Twitter
5. MeldaProduction製品に関するセール情報
MeldaProductionは週替わりで4製品セールになることが多く、さらにバンドルや全製品セールなどもあります。
つまり、常にどれかセールになっている場合が多いです。
最新のセール情報は以下をご覧ください。
6. MeldaProduction製品のインストール・アクティベーション方法
MeldaProductionのオーソライズは少しややこしいです。以下の5STEPで完了します。
- MeldaProductionでCreate Accountからアカウント作成
- サインインしてMy AccountのReedom License Key(Reedom Key)からシリアルナンバー入力
- LicencesのDownloadを選択し、製品のLicense Fileをダウンロード
- MAudioPluginsをダウンロード、起動して購入した製品を選択してインストール
- 製品を起動して右上Settings & Activation→ActivateからLicense Fileを選択
7. 使い方を解説
ここからは実際に使い方を解説します。かなり細かくパラメータがありますので今回は第1弾として続きは別記事にて解説します。
公式の英語マニュアルはこちらをご覧ください。
GENERAL
SCRATCH:手動でタイムオフセットをコントロールできます。タイムシーケンスを編集せずに時間を調整することができます。
DRY / WET:エフェクトのDry/Wet量を調整できます。
TEMPO:プラグインがDAWと同期しないようにしたい場合に利用できるテンポコントロールです。最大値の最小値のみ別の設定があります。最小値は完全にDAWと同期し、最大値はテンポシンクモードでテンポはDAWと同じになりますが開始位置、小節などはプラグインが独自のテンポで動作します。
SHUFFLE:3連符、付点音符へとタイミングを変化させます。
Speed:TEMPOパラメータに応じて、DAWと同期しながら再生速度を×◯で変えることができます。
VOLUME
ボリュームパネルは、ボリューム処理をコントロールします。右上の折り畳みボタンをクリックすることでパラメータがあらわれます。
DEPTH:ボリュームシーケンスが実際にどの程度ボリュームに影響を与えるかを定義します。
Attack:ボリュームがどのくらいの速さで上昇するかを定義します。
Release:ボリュームの減少速度を定義します。
FILTER
フィルター処理をコントロールします。Enableをクリックしてオンオフします。
HIGH-PASS:0%の状態で使用されるハイパスフィルターの最大カットオフ周波数を定義します。
LOW-PASS:0%の状態で使用されるローパスフィルターの最小カットオフ周波数を定義します。
Attack:カットオフ周波数が最大になるまでの時間を設定します。
Release:カットオフ周波数が最小値に達するまでの時間を設定します。
ADVANCED
アドバンストパネルには、同期や編集を制御する設定があります。
Triggering:シーケンスを切り替えるモードを制御します。Immediateモードは、シーケンスを直ちに変更します。Immediate single shotは同じことを行いますが、シーケンスが終了した後、36シーケンスのうち最初のシーケンスに切り替わります。Next barは、バーが終了した後、変更を実行します。Next bar single shotも同様ですが、上記と同様にシーケンス終了後、最初のシーケンスに切り替わります。
Sequence Length:各シーケンスの長さを4分音符で定義します。
Click Protection:クリック感を軽減するために、出力を滑らかにします。
Grid Lines:エディターの1/4のライン数を定義します。
Lazy sync:報告された位置が内部の値と大きく異なる場合にのみ、プラグインをDAWに同期させます。プラグインに正確な同期情報を提供しない誤動作するホストに有効です。
Note-off:ノートオフ処理をオンオフします。有効にすると、ノートオフも処理され通常は何も処理されない最初のシーケンスに切り替わります。
SEQUENCES
シーケンスパネルには、3セット(Time、Volume、Filter)各36個のシーケンスが用意されています。ボタンをクリックするとトリガーされ、またマッピングされているMIDI入力を使ってシーケンスを切り替えることもできます。
上部プリセットボタンや「◀︎▶︎」から、プリセットを変更でき、サイコロマークからランダムにプリセットを読み込むことができます。
Link Sequences:3つのシーケンスのリンクをオンオフします。有効にすると、タイム、ボリューム、フィルターともにトリガーされます。
シーケンスエディター(エンベロープエディター)
シーケンスエディターはダブルクリックして新しいポイントを作ることができ、ドラッグしてポイントや線を調整することができます。右クリックするとさらに細かく調整できるメニューが表示されます。カーブや編集プリセットの他に左上Drawing Modeでは、ドラッグして自由に描くことができるモードに変更できます。
プリセットボタン:利用可能なプリセットを読み込み、管理するためのウィンドウが表示されます。
サイコロマーク:ランダムなプリセットを読み込みます。
Snap to grid X/Y:グリッドにスナップする機能を有効にします。
Insert points:マウスの位置にポイントを作成します。
Step Sequencer:ステップシーケンサーからエンベロープを生成します。NUMBER OF STEPSからステップ数を設定し、各ステップの量を上下にドラッグしてOKを選択するとエンベロープに適用されます。
Clear points:ポイントを削除します。
Randomize:Y座標をわずかに変化させます。
Mirror X/Y:全てのポイントのXもしくはY座標を反転させます。
Export CSV:グラフをCSVファイルに出力することができます。
Import CSV:CSVファイルを選択して、そこからグラフポイントをインポートする機能です。
Expression evaluator:数学的な式に基づいてポイントを生成することができますが、ほとんどの方が利用しない機能だと思います。
Analyse Audio:オーディオファイルの一部を指定した間隔で分析し、そのレベルエンベロープを抽出し、そのレベルを使ってグラフの曲線を作成することができます。
Smoothing
Lock Sides:スムージングファクターを左右で均等にします。
Proportional:スムージングエリアのサイズを小さい方で定義します。
Faster Smoothing:スムージングを高速化することで、アルゴリズムを若干高速化することができますが、その分、不必要な曲線が発生することがあります。
Toolbar
右側にあるToolbarからオーバーサンプリングなどの設定ができます。
×◯:オーバーサンプリングの設定ができます。
「アップサンプリング(オーバーサンプリング)はオーディオの音を良くする奇跡的な治療法であるというのはよくある誤解です。理想的には、より高いサンプリングレート(96kHzでほぼ十分)で作業を行い、アップサンプリングの使用を一部の重度の歪みを伴う場合に限定すべきです。」
また、異常に高いオーバーサンプリングは重すぎるどころかDAWが落ちる可能性があるのでご注意ください。
Channel Mode:現在の処理チャンネルモードを選択できます。L/R、Mid/Side以外にもサラウンド、アンビソニックス(最大64チャンネルの3Dシステム)モードにも対応できます。
AGC:入力音量に合わせて出力音量を自動的に調整するオートゲインコントロールをオンオフします。
Limiter:リミッターをオンオフします。
A〜H:A〜Hのプリセットをコントロールします。最大8セットの設定をプラグインに保存することができます。ただし、チャンネルモードやアップサンプリングその他Settingメニューから利用できるグローバルコントロールは含まれていません。
A/B:アクティブなA〜Hプリセットとそれ以前にアクティブだったA〜Hプリセットを切り替えます。任意の2つを比較するには、一方を選択してからもう一方を選択します。
Morph(四つの小さな四角マーク):ABCDの各設定間でモーフィングを行うことができます。このボタンをクリックすると、X/Yコントロールが表示され、4つの角にはABCDが配置されています。クリックして点をドラッグすることでABCD間をモーフィングします。
そのほかにコピーペースト、元に戻す、やり直しのボタンもあります。
WAV:現在の設定でプラグインを使ってファイルを処理することができます。ボタンをクリックしてファイルを選択するか、ファイルをボタンにドラッグ&ドロップすることができます。
それぞれのパネル下部にあるボタンは、画面を折りたたんで非表示にできます。
メータービュー
右側にあるMeters & Utilitiesボタンをクリックしてグローバルメータービューを表示できます。一時停止や電源ボタンで無効化することも可能です。
まとめ
MRhythmizerは、価格以上の機能が詰まったプラグインエフェクトです。
ただし、使い方がわかりづらく初心者の方にはおすすめしにくい製品でもあります。
この記事が参考になれば幸いです。
質問等ございましたら下部のコメント欄からどうぞ!