あらゆるアレンジオートメーションを作り上げるシリーズ「ShaperBox 3(シェイパーボックス 3)」。
次々とエフェクトが追加されるプラグインでパンニングや時間、フィルター、歪みなどあらゆるパラメータを自動化します。
マルチバンドにも対応しており、組み合わせてかなり複雑なエフェクトが可能ですが、特に豊富なノイズプリセットのNoizeShaperやFlumeっぽいアレンジができるLiquidShaperはおすすめです。バージョン3ではトリガー機能もかなり充実したのでDAWと同期やMIDI、オーディオ、サイドチェインなどあらゆる音でトリガーしてLFOをコントロールすることが可能です。
この記事ではそんなShaperBox 3をレビュー!導入するメリットやデメリット・注意点からインストール・アクティベーション方法、使い方、セール情報まで解説します。
是非参考にしてください。
1. Cableguys「ShaperBox 3」とは?
ShaperBox 3は、Cableguysが開発するアレンジエフェクトです。
次々にエフェクトやプリセットが追加されていく仕様で、それぞれのエフェクトは単体でも購入することができアップグレードにも対応しています。
簡単かつ自由にカスタマイズできるLFOエディターだけでなくマルチバンドやエンベロープフォロワーも搭載されており入力信号に応じて細かくアレンジすることができます。
現在以下のシェイパーエフェクトが含まれます。
- ReverbShaper:リバーブエフェクト
- TimerShaper:時間アレンジエフェクト
- DriveShsper:ウェーブシェイプディストーションエフェクト
- NoiseShaper:ノイズ付加エフェクト
- FilterShaper Core 2:フィルターエフェクト
- CrushShaper:ビットクラッシャー
- VolumeShaper:ボリュームコントロール
- PanShaper:パンニングエフェクト
- WidthShaper:ステレオ幅エフェクト
- LiquidShaper:フェイザー/フランジャーエフェクト
開発会社 | Cableguys |
操作画面 | |
製品名 | ShaperBox 3 |
価格(定価) | 340ドル |
主な仕様 | 10種(+コンプレッサー)アレンジモジュレーションマルチエフェクト |
2. ShaperBox 3アップデート点
ShaperBox 3になり、プリセットブラウザやLFOエディターも改善されましたが、特に変わったアップデートや追加された機能は以下のようなものがあります。
トリガー設定
- DAWのテンポ
- MIDIノート
- オーディオ
とトリガー機能がさらに充実しました。サイドチェーン(他のトラック)によるトリガーも可能で、オーディオの検出機能はかなり細かく調整できます。
LiquidShaper
LiquidShaperは、ワイルドなジェットプレーンフランジングと深く豊かなフェイジングを実現します。穏やかなステレオモジュレーションや、巨大なロボティックコームフィルターエフェクトを作成できます。
オシロスコープツール
専用のオシロスコープツールは、音楽のダイナミクスを視覚化し、ミックスの問題を正確に把握するのに役立ちます。
高解像度の波形表示は、ビートとバー、オーディオまたはMIDIにロックされます。外部サイドチェーンオーバーレイにより、プロジェクト内の任意の2つのトラックをリアルタイムで簡単に比較することも可能です。
コンプレッサー
コンプレッサーも追加されています。バンド調整やサイドチェーンコンプも可能です。
追記:バージョン3.4でReverbShaper追加
バージョン3.4になり新しいリズミックリバーブエフェクトReverbShaperも追加されました。音楽に合わせて動き、グルーヴする流れるような空間に仕上げることができます。ミックス内の空間を正確にシェイピングしてよりクリエイティブに仕上げることができます。
3. 導入するメリット
ShaperBox 3を導入するメリットは主に以下のような点が考えられます。
- あらゆるトリガーでコントロール可能
- アップデートされるプリセット「Cableguys Preset Cloud」
- ノイズプリセット豊富なNoiseShaper
- アバンギャルドなモジュレーションが可能なLiquidShaper
あらゆるトリガーでコントロール可能
DAWとの同期によるLFOはもちろん、MIDIやオーディオの検出機能を使ってLFOをリスタートすることができます。
特に、オーディオトリガーは細かく調整することが可能で、オーディオに合ったトリガー方法に調整することができます。
アップデートされるプリセット「Cableguys Preset Cloud」
ShaperBox 3は、Cableguys Preset Cloudへのアクセスが可能でCableguys社内サウンドデザイナーが常に新しいプリセットを追加しているため、ShaperBox 3のライブラリは常にアップデートされます。
プラグイン上部の更新ボタンを選択して、アップデートが可能です。
様々なエフェクトを組み合わせたプリセットが搭載されているので、これを利用するだけでもかなり面白い変化をつけることができます。
ノイズプリセット豊富なNoiseShaper
2021年新しく追加されたNoiseShaperは、パッとみた感じでは単なるノイズ付加エフェクトのようですがかなり豊富なノイズプリセットが搭載されておりおすすめです。
単純なノイズだけでなく、テープやコンソール、プリアンプそして水の音や人の声などオーガニックなノイズまで多岐にわたるエフェクトをかけることができます。
がっつりノイズをかけることはもちろん、トリガーやエンベロープフォロワー、ミックス量を使って微妙に付加することもできます。
アバンギャルドなモジュレーションが可能なLiquidShaper
新しいシェイパーLiquidは、好みが分かれるエフェクトかもしれませんが、Flumeっぽいエフェクトが可能で個人的にはかなり好みでした。
フェイザー、フランジャーエフェクトをここまでアレンジできるエフェクトはありそうでなかったので重宝します。
4. 利用する前に知っておくべき注意点・デメリット
エフェクトによりますが、ShaperBox 3の中には他のプラグインでも代用できるエフェクトがいくつかあります。
例えば、FKFXのプラグインエフェクト「Influx」「Obvious Filter」も同じようなLFOエディターが搭載されたエフェクトですが、無料で利用することができます。
ただし、単体では他で代用することができるかもしれませんがShaperBox 3はエフェクトを組み合わせることができる点も魅力の一つです。
5. 口コミ・評判を紹介!
ShaperBoxの口コミ・評判をまとめました。
全体的に評価は高く、特に時間を操るTimeShaperが良い口コミが多い印象です。
ShaperBox 3になってオーディオをトリガーにできるようになったのでわざわざMIDIでやんなくてよくなった
ShaperBox買って正解だった
DTM初心者でも見やすいUI本当に助かる
shaperbox 2 time tapの面白い使い方
面白いリズムが作られます
shaperbox 2 time tap의 재미있는 사용법
재미있는 리듬제작이 가능합니다
Interesting Use of Shaperbox 2 Time Tap
shaperbox便利すぎワロタ
俺のビートの大半はshaperboxかけてる
halftimeかけたときのプチって音とか消せるし音域指定できるしエフェクトもこれだけでてきたりする
これとomnisphere組み合わせたらもっとえぐいメロディーできそう
引用:Twitter
6. ShaperBox 3に関するセール情報
ShaperBox 3は、セールで安くなる場合があります。
各種単体エフェクトはもちろん、アップグレードなどもセール割引が適用されます。
ただし、販売サイトや公式サイトによって対応しているアップグレードが異なる場合がありますのでご注意ください。
最新のセール情報はこちらを参考にしてください。
7. Cableguys製品のインストール・アクティベーション方法
Cableguys製品のインストール・アクティベーション方法は以下の3STEPで完了します。
- https://www.cableguys.com/register.htmlでメールアドレスとシリアルナンバーを入力
- Cableguys HPでログインして、製品とライセンスファイルをダウンロード
- プラグインを起動して、ライセンスファイルを選択
8. 使い方を解説!
ここからは実際にShaperBox 3の使い方を解説します。
ただし、エフェクトによってパラメータが多少異なる場合がありますのでご注意ください。
上部のボックス(初期状態ではInit)をクリックすることでプリセットブラウザを表示できます。600以上のプリセットが分類されるブラウザがアップデートされました。リズミック、モーション、サイドチェイン、カラーなど用途に合わせてはもちろん、右上色付きの丸からシェイパーを選択してソートすることも可能です。
上部の更新マークから最新のライブラリをダウンロードできます。
シェイパーを選択
ShaperBox 3をロードすると、10のシェイパーとコンプレッサー、オシロスコープが表示されます。選択することでシェイパーをロードします。
TimeShaperはHalf-Time、VolumeShaperはSidechain、Trimなど標準的ないくつかのプリセットを選択することも可能です。
シェイパーを追加すると、上部のバーに追加されます。電源ボタンでオンオフ、バツボタンで削除、+ボタンからさらに新しいシェイパーを追加でき、左右にドラッグして順番を入れ替えることができます。
Mix:右上からDry/Wetのミックス量を調整できます。
LFO
各シェイパーの中央にある大きなグラフは、LFOウェーブエディターです。これを使って、ボリュームやフィルターのカットオフ周波数などのシェイパーのパラメータを時間経過とともにモジュレーションします。
左側には以下のツールがあります。
矢印:クリックするとカーブを描くポイント(Soft)が追加されます。ポイントはドラッグすることで調整できます。もう一度クリックすると白丸ポイント(Hard)になり、線を繋ぐ直線のポイントになります。ダブルクリックでポイントを削除します。右クリックからもSoft<Medium<Hardとカーブの曲線を選択でき、DELETEから削除できます。
点線四角:ドラッグして範囲を選択し、ポイントをまとめて調整できます。
磁石マーク:グリッドに合わせたポイント移動が可能になります。
線プリセット:3つのラインプリセットから選択して適用する長さをドラッグして調整し追加することができます。
下部には左から以下のツールがあります。
ゴミ箱:作成したLFOを削除します。
サイコロ:ランダムなLFOを生成します。
2x:2倍(同じLFOを2回)にします。
◀︎▶︎:LFO全体を左右に移動させます。
戻る / やり直し:一つ前、一つ後の操作に戻ります。
・・・:反転などの以下の設定ができます。これは、LFOエディター画面を右クリックしても設定可能です。
- Select all points:ポイントをすべて選択します。
- Move points to gird:ポイントをグリッドに合わせた位置に移動します。
- Flip Horizontal:左右で反転します。
- Flip vertical:上下で反転します。
- Triplet grid:3連符のグリッドになります。
- Copy / Past wave:LFOをコピー、ペーストできます。
また、エディター背景のオシロスコープ表示の設定も可能です。
- Magnitude:ボリューム表示します。
- Left Channel:左チャンネルの波形を表示します。
- Right Channel:右チャンネルの波形を表示します。
LFO Smooth:LFO SmoothからLFOの角を柔らかくできます。
ウェーブプリセット
エディターの下部からはLFOのプリセットを選択できます。それぞれ名前を選択することでいくつかのプリセットが表示されます。選択して適用します。
右側には、作成したプリセットをインポートできるスロットがあります。下矢印からインポートして、カーソルを合わせることでバツボタンが表示され、選択して削除できます。他のシェイパーにも同じLFOを適用したい場合に便利です。
MIDI Switch:オンにすることでC#からAまでのMIDIノートで制御できます。
トリガー設定
左下からLFOのスピードやトリガーの設定ができます。
1 Barの部分を選択すると、LFOのスピードを設定できます。拍子の他にHertzからLFOのレートをヘルツで設定でき、Pitchから周波数に合わせて設定することも可能です。
Sync:LFOはDAWのテンポと再生位置にロックされます。
MIDI:MIDIノートによってLFOをスタートします。設定マークから受け取るMIDIに関する設定ができ、ループマークからLFOをループさせることも可能です。
Audio:オーディオトリガーの検出によってLFOをスタートします。ループマークからLFOをループさせることも可能です。ループマークの隣はサイドチェーンの設定です。外部トラックからの入力によって制御したい場合、このマークを選択します。
Audioは設定マークから細かく調整することが可能です。
Thresh:このレベル以下で検出されたヒットではLFOを作動させません。
サイドチェーンマーク:外部トラックからの入力によって制御したい場合、このマークを選択します。サイドチェーン設定はグローバルで他のシェイパーにも共有されます。
ヘッドフォンマーク:サイドチェーンやフィルター設定を含めた検出ソースをモニターで確認できます。
Input filter:フィルターを使って検出するソースを制御することができます。例えば、低音域が鳴った時だけトリガーするなど帯域によってトリガーを制御できます。
Algorithm:Drum>General>Complexと、トランジェントが強いドラムに最適なアルゴリズムからフルミックス、マルチレイヤー用アルゴリズムまで選択できます。
Detail:トランジェント検出の感度を調整できます。
Trigger Shift:検出されたトランジェントの位置から前後に調整してトリガーすることができます。
MIDI Out:検出されたトランジェント時にMIDIノートをトリガーします。
マルチバンド
左上から入力信号を独立した3つの周波数帯域に分割することでができ、それぞれのバンドを選択して個別にLFOを設定できます。縦線を左右にドラッグして帯域を設定し、カーソルを合わせてそれぞれバンドのクロスオーバーの傾きを設定できます。
ヘッドフォンマークからバンドをソロモードにすることも可能です。
エンベロープフォロワー
オーディオのアンプエンベロープを追って、オーディオ自体からダイナミックなモジュレーションカーブを作り出します。
Band / Free:インプットフィルターを適用して、アンプエンベロープの検出を制御できます。
Mode:Addでは、エンベロープフォロワーとLFOを加算させるのに対して、Multiplyでは掛け合わせます。
Attack:オーディオのピークに合わせて上昇する速さを決定します。
Hold:アタックフェイズを終えてピークレベルに達した後、そのレベルを維持します。
Release:エンベロープが静止点まで下降する時間を決定します。Aボタンは、アダティブリリース設定で、トランジェントなどラウドなイベントに対してより自然でアナログライクなレスポンスを実現します。
Shift:モジュレーションをシフトしてシグナルを上下させます。
Threshold:しきい値を設定して、静かな音をエンベロープフォロワーのトラッキングから除外することができます。
Amount:エンベロープフォロワーが生み出すモジュレーションの強さを最大200%まで設定することができます。
Depth:デフォルトのAmount範囲よりもさらに強いモジュレーションが可能でx2、x4、x8のオプションから選択し+/-200%、+/-400%、+/-800%のレンジに設定できます。
まとめ
ShaperBox 3は、どんどんアップデートされるアレンジエフェクトです。
それぞれのエフェクトを組み合わせたプリセットで複雑なエフェクトを簡単に利用することができます。
個人的にはNoiseShaper、LiquidShaperがおすすめです。
この記事が参考になれば幸いです。
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