Neutron 3のAI機能「ミックスアシスタント」が実際に使えるのかと気になっていますね?
マスタリングプラグインOzone 8の「マスターアシスタント」Nectar 3「ボーカルアシスタント 」に続いて各トラックのエフェクトやバランスを調整できるNeutron 3の「ミックスアシスタント」をご紹介します。
個人的にはバージョンアップ前のNeutron 2はOzone 8の「マスターアシスタント」ほど使い勝手は良くない印象でした。しかしNeutron 3になってかなりパワーアップしています。
この記事では、Neutron 3の「ミックスアシスタント」を実際に使ってみてわかったメリットやデメリット、口コミ・評判等をご紹介。
ぜひ、参考にしてくださいね。
※AI機能はあくまで「アシスタント」とされています。時短してパパッと聞かせる音源には便利ですが、iZotope公式では基本的にアシストしてもらう使い方が推奨されています。
Neutron 3の各エフェクトなども含めた総合的なレビュー記事はこちら



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(追記)サブスクリプション開始
iZotope公式のサブスクリプションサービスが新たに開始されました。全てのソフトウェアは常に最新版のものになりますので、番号ではなくProという名前になっているようです。
Producers Club 月額19.99ドル / 年額 199.9ドル
- Neutron Pro
- Nectar Pro
- Vocalsynth Pro
- Ozone Pro
- iZotope Relay
- Melodyne 5 essential
- Neoverb Pro (Coming Soon)
- Tonal Balance Control Pro (Coming Soon)
Music Production Suite Pro 月額24.99ドル / 年額 249.9ドル
- Neutron Pro
- Nectar Pro
- Vocalsynth Pro
- Ozone Pro
- RX Pro for Music
- iZotope Relay
- Visual Mixer
- Melodyne 5 essential
- Neoverb Pro (Coming Soon)
- Insight Pro (Coming Soon)
- Tonal Balance Control Pro (Coming Soon)
目次
1. 使ってわかった「ミックスアシスタント」のメリット
Neutron 3のAI機能「ミックスアシスタント」を使うことで、次のようなメリットがあります。
- トラックメイクが瞬時に完了する
- AIの処理が勉強になる
- ボリュームバランスも自動調整でさらなる時短!
トラックメイクが瞬時に完了する
Neutron 2同様、1トラック数秒で完了します。
4秒から10秒ほどオーディオの分析に時間をかけます。
今までコンプやEQの設定に悩み右往左往していた人もこれで楽々トラックメイクが完了します。
Neutron 3になり読み込む楽器のカテゴリーも大幅に増え、性能も確実に上がっています。
AIの処理が勉強になる
まだDTMをはじめて浅い方は、EQやコンプレッサーのかかり方をみるだけで勉強になります。
普通、EQやコンプレッサーのかかり方をしっかり勉強して実践しようとすると、ある程度のレベルに到達するには歳月がかかります。
その為、途中で挫折してしまう人も多いと思います。
しかし、Neutron 3の「ミックスアシスタント」を使えば、とりあえずはある程度の形にすることができ、かつそのかかり具合を見ながら勉強することができます。
作品を完成させるまでのスピードが格段に上がり、かつ初心者には良い勉強になります。
しかし、頼りすぎると勉強にならないので、適度な距離感が必要です。
はじめは頼り切っても良いと思いますが、徐々に自分で修正する箇所を増やしていくことをおすすめします。
ボリュームバランスも自動調整でさらなる時短!
Neutron 3になり、各トラックをエフェクトするだけでなくマスターにさしてトラック全てのボリュームバランスも自動調整できるようになりました。これはかなりの時短が見込めます。
また、Neutron 2同様ビジュアルミキサー(Visual Mixer)というプラグインがついてきます。ビジュアルミキサー(Visual Mixer)からもミックスアシスタントのボリューム自動調整はできます。(Advancedのみ)
Neutron 3 Visual Mixerとは?
各トラックのボリューム、パン、広がりをコントロールできるプラグイン。ミックスアシスタントで各トラックのボリュームを調整したのちに利用すると便利でしょう。
Neutron 2の時は正直ビジュアルミキサーは使わないなと思っていましたが、トラック全てのボリュームを自動調整できるようになったので、もしボリューム自動調整したい場合はビジュアルミキサーを利用するべきでしょう。
ボリューム自動調整やビジュアルミキサーでコントロールしたい場合は各トラックにiZotopeのエフェクト(Neutron、Nectar、Relay等)がトラックの最後にささっている必要があります。
Relay(Advancedのみ)はNeutron 3に付属するトラックをコントロールするためのプラグインでiZotopeのエフェクトをかけていないトラックをコントロールするにはRelayをさす必要があります。

2. Neutron 3の「ミックスアシスタント」のデメリット
一見、万能に見えるNeutron 3の「ミックスアシスタント」ですが、デメリットはあります。
それは次の点です。
- ミックスアシスタントに合わないものもある。
- カテゴリーと処理の設定が同じであれば、どんな音源でも処理は似てくる。
- 重い?(Neutron 3で軽くなった!)
順番に見ていきましょう!
ミックスアシスタントに合わないものもある。
Neutron 3になり確実に性能はアップしましたが、ミックスアシスタント合わないものもあるでしょう。
過度な設定にするとトラックが歪んでしまう場合もあります。
しかし処理の設定で強度が低い場合は大抵大丈夫です。
ある程度自分で修正するくらいの気持ちで利用するのがベストだと思います。
カテゴリーと処理の設定が同じであれば、どんな音源でも処理は似てくる
カテゴリー24種類と処理の設定9種類のうち同じものを選ぶと処理はほぼ同じような形になります。
しかし、Neutron 2のカテゴリー6種類から大幅に増えて24種類になりました。
性能は確実に上がっています。
重い?(Neutron 3で軽くなった!)
Neutron 2では全てのトラックにさす場合、トラック数によっては重くなる可能性がありました。
Neutron 3になりかなり改善されてます。
しかし、内部のエフェクトをたくさんかけると軽いとは言えないかもしれません。

3. Neutron 3の「ミックスアシスタント」の使い方を解説!
ミックスアシスタントには主に2つの機能があります。
公式マニュアルはこちらをご覧ください。
- トラックエンハンス(TRACK ENHANCE)
- バランス(BALANCE)
トラックエンハンス(TRACK ENHANCE)
こちらはトラックを自動でエフェクトする機能です。
上部のMix Assistantを選択し、TRACK ENHANCEを選択します。
Instrumentは楽器の分類を表します。
分類は以下26種類です。
- Auto-detect(自動で検出)
- Bass(Bass、Deep Bass、 Sub-bass)
- Guitar(Acoustic Guitar、Clean Electric、Distorted Electric)
- Keys(Electric Piano、Piano、Synth Lead、Synth Pad)
- Orchestral(Brass-High、Brass-Low、Strings-High、Strings-Low)
- Other(Instrument、Other)
- Percussion(Cymbals、Drums、Kick、Snare、Toms)
- Voice(Dialogue、Vocals)
次に処理の質を選びます。
- Balanced(バランスの取れた処理)
- Warm(温かみのある処理)
- Upfront(中域を強調した処理)
の中から一つ選びさらに強度をLow Medium Highから選びます。
つまり3×3の9種類から選択することになります。
Nextを押して再生すれば数秒で完了です。
バランス(BALANCE)
こちらはトラック全てのボリュームバランスを自動で調整してくれる機能です。
まずは各トラックにNeutron、Nectar、Relay等が最後にささっていることを確認しましょう。iZotopeのエフェクトをかけていないトラックはRelayをさします。
RelayはAdvancedのみ付属します。
次にマスタートラックの一番はじめにNeutron 3もしはVisual Mixerをさします。
上部のMix Assistantを選択し、BALANCEを選択します。
するとトラック一覧が表示されます。除外したいものはチェックを外し、トラックの中で重要なものにFocusをチェックします。一つ以上Focusする必要があります。
曲を再生します。楽曲ははじめから最後まで再生する必要があります。
トラックがFocus、Vocal、Bass、Percussion、Musicalに分類されボリュームを調整できます。
右下のEdit Classificationを押すことで各トラックがどの分類に属するか見ることができ、Track Typeで変えることもチェックを外して処理をしない設定にすることもできます。Acceptで完了します。
ビジュアルミキサー(Visual Mixer)やバランス(BALANCE)の仕組み、注意点
DAWのボリュームやパンが一切変わってないけどビジュアルミキサーやバランスで調整したものってどうなってるの?と疑問に思った方もいると思います。
パンやボリューム、広がりはそれぞれのトラックにさしたNeutron、Nectar、Relay等で調整されています。各トラックにさしたRelay等を確認してみるとパンやボリュームが変わっているのがわかると思います。
ここで注意すべき点はトラックの一番最後にささなければビジュアルミキサーの処理の後に別エフェクト等がかかるということです。
例えばNectar 3の後に別のリバーブをかけるとします。そうする場合はNectar 3ではなく最後にRelayをさしてコントロールし、Nectar 3は除外する必要があります。
4. Neutron 3の口コミ・評判を検証!
実際に使っている方やプロの声を集めました。
@iZotopeJapan 簡易的に早速キックとハットにneutron3インサート!ミックスアシスタントでお任せでクオリティ高い!!早く多トラックに挿して本格制作に使用したい!#neutron3advanced #izotope pic.twitter.com/GM7CvjlzaZ
— TAKAYUKI HARAI (@cureoasis) June 6, 2019
iZotope Neutron3 Advance導入!楽器区分の特化したプリセット満載のSculptorは使える。後はここ最近のiZotopeサウンドが好きかどうかかなと。通した補正感がないのはまだGullfossのほうかも。 pic.twitter.com/UBM91RiP8H
— illicit tsuboi (@modulo2008) June 6, 2019
↓ Neutron3はAIが入った感に結構特徴があって、どのEQを手繰っても割とiZotopeなドンシャリ感が出て美味しい中低域が減ってしまう。Gullfossは少し硬い印象ですが中低域の存在感は割と残るかな。iZotope新作全部の傾向で、もう方々で刺さってる音楽の音がします笑
— illicit tsuboi (@modulo2008) June 6, 2019
iZotope – Neutron3
突然のバージョンアップ!!
色々アップデートされているけど、やはり今回はSculptureだろう
どうみてもiZotope版Gullfoss
相当練り込んであって、色々な楽器や音色にAIで対応させていて非常に面白い
これぞiZotope
Gullfossのハイが固くなる弱点もうまく処理しているから使いやすい pic.twitter.com/rDEVg59SL2— Fionatich (@fionatching) June 6, 2019
5. Nectar 3「ボーカルアシスタント」と比較!AI機能としてどちらが優秀?
AI機能としては同じiZotope社から出ているマスタリングプラグインOzone 9の「マスターアシスタント」、Nectar 3「ボーカルアシスタント」も有名です。
同じAI機能として、どちらが優れているのかを気になる方も多いのでは?
特にNeutron 3とNectar 3はどちらもボーカルトラックを処理することが可能です。

公式Twitterでも答えていましたが私個人としてもボーカルトラックにはNectar 3の方が圧倒的に良いと感じます。
Nectar 3はボーカルに特化していますのでさすがにNeutron 3よりは質が高いでしょう。
ボーカルはNectar 3が最強だと思いますよーほんと #peing #質問箱 https://t.co/fKZnpO9asY
— iZotope 日本公式アカウント (@iZotopeJapan) June 6, 2019


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まとめ
Neutron 3になり、重さも低減し性能も大幅にパワーアップしました。
初心者の方が一足先にクオリティの高い音源を作るにはiZotopeのOzone 8同様必須のプラグインかもしれません。
しかし、DAWに慣れている人はミックスアシスタントのバランス機能は使わないかなと思いました。ビジュアルミキサーで視覚的にまとめて見たい人でないかぎりバランスはDAWで管理した方がわかりやすいと個人的には思います。
AI機能搭載のエフェクトとしてはSonible「smart:comp」も大変おすすめですのでこちらの記事もぜひご覧ください。

