Neutron 4がついにリリース!AIによる自動トラック処理機能もさらに進化しています!
何の設定も要らず、オーディオを流すだけでトラックメイクが完了し、精度や操作性も良くなっている印象です。この記事では、Neutron 4に搭載されているAI機能の使い方や前回バージョンとの違いなど解説します。
あくまで予想ですが
- マスタリング向けエフェクトOzone の「マスターアシスタント(Master Assistant)」
- ボーカル向けエフェクトNectarの「ボーカルアシスタント(Vocal Assistant) 」
も同じような仕様になるのでは?と個人的に感じています。Neutronに興味がない方でもiZotopeのAI機能搭載エフェクト共通仕様になる可能性もあるので是非参考にしてください。
※AI機能はあくまで「アシスタント」とされています。時短してパパッと聞かせる音源には便利ですが、iZotope公式では基本的にアシストしてもらう使い方が推奨されています。
Neutron 4に関するまとめ記事は以下のご覧ください。

目次
1. iZotope「Neutron 4」とは?
Neutron 4は、iZotopeが開発するあらゆるトラックメイクに利用できるマルチエフェクトです。
作曲ソフトDAWの拡張機能AU(Audio Unit)、VST3、AAXプラグインとして利用できます。プラグインは以下に分かれて表示されます。
- Neutron 4
- Neutron 4 Equalizer
- Neutron 4 Compressor
- Neutron 4 Exciter
- Neutron 4 Gate
- Neutron 4 Sculptor
- Neutron 4 Transient Shaper
- Neutron 4 Unmask
- Neutron 4 Visual Mixer
それぞれのエフェクトは単体もしくは、まとめて起動できるNeutron 4プラグインがあり、Neutron 4ではAIによるアシスタント機能が搭載されています。AIによるアシスタント機能では、トラックのオーディオを流すことでイコライザーやコンプレッサー、エキサイターなどを使用したトラックメイクが瞬時に完了します。
Neutron Advanced、Standard、Elementsの3つのバージョンがありましたがNeutron 4のリリースによって、Neutron 3 StandardとAdvancedは終了となり、Elementsのみ引き続き継続されるようです。
以前のNeutron 3ではAI機能は「Mix Assistant(ミックスアシスタント)」となっておりトラックメイクとミックス機能を選ぶことができましたが、新しいNeutron 4ではトラックメイクをAssistant(アシスタント)、別プラグインVisual Mixerに搭載されているミックス機能をMix Assistant(ミックスアシスタント)と呼ばれるようになっています。
開発会社 | iZotope |
操作画面 | ![]() |
製品名 | Neutron 4 |
仕様 | AI機能搭載トラック向けマルチエフェクト |
価格(定価) | 399ドル Elements129ドル |


2. アシスタント機能を利用するメリット
Neutron 4のアシスタント機能には以下のようなメリットが考えられます。
- トラックメイクが瞬時に完了する
- AIの処理が勉強になる
- 存在感のある音作りがより簡単に
トラックメイクが瞬時に完了する
前回バージョン同様、1トラック数秒で完了します。
Neutron 4になりあらかじめ楽器、スタイル、強度を選択する必要もなくなりました。オーディオを流すだけでトラックメイクが完了します。
トラック読み込み後にはTone Match、Punch、Distortion、Widthなどを調整できるアシスタントビューで設定ができます。
前回バージョンと比べてAI機能を利用したエフェクト調整の流れは以下のようになります。
Neutron 3の場合
楽器やスタイル、強度などを選択→オーディオを読み込む→各種エフェクト調整
Neutron 4の場合
オーディオを読み込む→アシスタントビューで調整→各種エフェクト調整
アシスタントビューによってより初心者の方でもわかりやすくエフェクト調整できるようになりました。
AIの処理が勉強になる
まだDTMをはじめて浅い方は、EQやコンプレッサーのかかり方をみるだけで勉強になります。
普通、EQやコンプレッサーのかかり方をしっかり勉強して実践しようとすると、ある程度のレベルに到達するには歳月がかかります。
その為、途中で挫折してしまう人も多いと思います。
しかし、Neutron 4のアシスタント機能を使えば、とりあえずはある程度の形にすることができ、かつそのかかり具合を見ながら勉強することができます。
作品を完成させるまでのスピードが格段に上がり、かつ初心者には良い勉強になります。
しかし、頼りすぎると勉強にならないので、適度な距離感が必要です。
はじめは頼り切っても良いと思いますが、徐々に自分で修正する箇所を増やしていくことをおすすめします。
また、DTM上級者であってもAIの処理の一部を活用することは十分にできるでしょう。
存在感のある音作りがより簡単に
Neutron 4になり、アシスタント後に音色の調整がよりやりやすくなりました。
Tone MatchやPunch、Exciterでよりわかりやすく存在感を出すことが可能です。

3. アシスタント機能の注意点・デメリット
しかしながら、利用する前に知っておくべき注意点もあります。
- Tone Matchの分類が同じであればエフェクトの処理も似てくる
- アシスタントビューの設定は各種エフェクトの設定と連動している
Tone Matchの分類が同じであればエフェクトの処理も似てくる
前回バージョンのようにスタイルや強度などの選択がないため、より幅広くトラックに合った処理が可能ですが、分析したTone Matchの分類が同じであれば、各エフェクトの処理も似てきます。
基本的には、以下のようにエフェクトされます。
Sculptor→Equalizer→Compressor 1→Compressor 2→Exciter
あくまでアシスタントということを忘れないようにしましょう。
アシスタントビューの設定は各種エフェクトの設定と連動している
アシスタントビューの設定は、各種エフェクトの調整と連動しています。ですので、アシスタントビューはあくまで各種エフェクトの音色をコントロールする重要なパラメータの集まりと言えるでしょう。
各種エフェクトは、以下のパラメータと連動します。ただし、アシスタントビューから各種エフェクトが変更され、各種エフェクトからはアシスタントビューは変更されません。アシスタントビューで調整→各種エフェクト調整の流れで調整するべきでしょう。
- 楽器の分類 / Tone Match = Sculptorモジュール
- Punch = Compressor 2モジュールのPunch機能
- Distort = Excitorモジュール
- Width = 画面右下Width
※例外あり:Tone Matchの量は、Sculptorの量以外にアシスタント専用のAssistant Pre EQも調整されます。
4. アシスタント機能の使い方を解説!
ここからは実際にアシスタント機能の使い方を解説します。
まずは、Neutron 4をトラックにさして起動し、上部の虹色の丸を選択します。続いてトラックを再生します。
数秒読み込むとエフェクトが適用されてアシスタントビューが表示されます。
Tone Match
これはSculptorのパラメータと連動します。
左側でトーンを近づけたい楽器などを選択して上部の%で量を調整できます。Tone Matchの量は、Sculptorの量以外にアシスタント専用のAssistant Pre EQも調整されます。
左側プラスボタンから音色を近づけたいオーディオファイルを選択して読み込むことも可能です。読み込んだオーディオの設定は、左下のファイルマークから選択できます。
Audiolens
新しくAudiolensというアプリがリリースされました。Audiolensは、音源ファイルのダウンロードやDAWの設定に時間を費やすことなく、ストリーミングプラットフォームから直接楽曲の特性を収集し、Ozone 10やNeutron 4とシームレスに繋げて収集した特性に合わせたミックスやマスタリングが可能となります。これを使ってターゲットライブラリを拡張することが可能です。

Punch
Compressor 2に搭載されているPunch機能を調整できます。初心者の方でも調整しやすいダイナミクス機能です。
Amount:Punch機能のAmountパラメータを調整します。このコントロールを調節して、ダイナミックレンジを増減します。100%以下に設定すると、ダイナミックレンジが減少し、一貫した圧縮効果が得られます。100%以上に設定すると、ダイナミックレンジが広がり、パンチの効いた効果を生み出します。
Attack:Punch機能のAttackパラメータを調整します。パンチ処理の立ち上がり効果を調整します。低めに設定するとヒットが強調され、高めに設定するとヒットが減衰されます。
Sustain:Punch機能のSustainパラメータを調整します。パンチ処理の立ち下がり具合を調整します。低めに設定すると音が鋭くなり、高めに設定すると音が伸びます。
電源ボタン: Compressor 2モジュールの有効状態を制御します。
Distort
Excitorと連動した機能です。
Drive:ExciterモジュールのバンドすべてのDriveパラメータを調整します。入力信号に適用されるディストーションの量を調整します。
XYコントロール:Exciterモジュールの3つのバンドすべてのXYコントロールを調整します。
- 旧バージョンXYコントロール(Retro、Tape、Warm、Tube)
- 新しく搭載されたTrashバージョンXYコントロール(Overdrive、Scream、Clipper、Scratch)
のどちらかを2つのマークから選択します。
Tone:ExciterモジュールのToneを調整します。Exciterの低域と高域のコンテンツに適用される歪みのバランスを調整します。
Width
画面右下にある機能で、ステレオ幅をコントロールできます。
もし、もう一度トラックを読み込みたい場合は、右上のRelearnを選択して、オーディオを再生します。
5. Neutron 4のアシスタント機能に関する口コミ・評判を紹介!
Neutron 4のアシスタント機能に関する口コミ・評判をまとめました。
まだ発売したばかりですので、口コミは少ないですが評価は高いです。
前回バージョンより柔軟にそしてより簡単に調整できるので、ある程度知識がある方でも活用できる機能になっています。
#iZotope のNeutron 4かなりいいかも。
トラックアシスタントがマクロ系になってアタリ案つけるのにとっても良い。3より断然使いたくなる。
本格的に使うならリファレンスの拡充急務かも。公式でも拡張して欲しいな~(/ω・\)チラッ
Neutron4試した。アシスタント賢くなってる&歪みの表現が凄かった!
ただ相変わらずEQでM/S出来ないのとレイテンシーの大きなモジュールがあるので自分のスタイルにはやや合わない(ソフト音源ならしっぱのまま最後まで行きたいので)。
んー、自分は引き続きFabfilter&UADで頑張りますねー。
引用:Twitter

まとめ
Neutron 4のアシスタント機能について解説しました。
アシスタントビューによって初心者にもわかりやすい仕様になったと同時に、音色をコントロールしやすくなったため上級者でも利用できる機能だと思います。Tone MatchとEQだけなど一部だけ活用する方法でも利用できるでしょう。
また、前回バージョン同様に仮ミックスで急いでいる時など時短したい時にもかなり重宝するエフェクトです。
この記事が参考になれば幸いです。