Outputのクリエイティブな歪みエフェクトTHERMAL。
実際に使ってみると、単にXYコントロールが可能な歪みエフェクトでおさまらない様々な機能を備えています。ウェーブシェイプディストーションのみならず9種のエフェクトをステージごとにかけることができる多機能エフェクトです。
この記事では、そんなTHERMALをレビュー!導入するメリットやデメリット・注意点からインストール・アクティベーション方法、セール情報、使い方まで解説します。
是非参考にしてください。
1. Output「THERMAL」とは?
Thermalは、Outputが開発するマルチステージディストーションプラグインです。
同社のグラニュラーエフェクトPortalなどと似たXYコントロールで自在に操る歪み系エフェクトです。
3つのステージにはウェーブシェイプディストーションだけでなく、その他の9種エフェクトも適用できモジュレーションやマクロコントロールを使って細かく複雑にオートメーションすることが可能です。
開発会社 | Output |
操作画面 | |
製品名 | THERMAL |
価格(定価) | 149ドル |
主な仕様 | ディストーションエフェクト |
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Output製品は月額払い(Rent-to-Own:借りる→払い切ると自分のものに)でも利用可能です。Splice Pluginsは通常の月額払いと違い、全額支払いの義務はなく、いつでも利用停止そして再開することが可能です。Splice Pluginsに関する詳しい記事はこちらをご覧ください。
2. 導入するメリット
THERMALを導入するメリットは主に以下のような点が考えられます。
- 歪みだけじゃない3バンドマルチエフェクト
- 充実したプリセット
歪みだけじゃない3バンドマルチエフェクト
3つのステージには、それぞれウェーブシェイプディストーションだけでなく様々なエフェクトを適用できます。ローだけこのエフェクト、ハイだけこのエフェクトとステージ毎に設定することが可能です。
幅広いエフェクトができLo-Fiエフェクト、リズミックモジュレーションエフェクトとしても重宝します。
充実したプリセット
ジャンルや楽器で分けられた250以上の充実したプリセットがあります。
Portal同様にプリセットで十分面白いエフェクトが可能ですし、楽器やジャンルに分かれているのでわかりやすいです。
3. 利用する前に知っておくべき注意点
しかしながら、THERMALを利用する前に知っておくべき点もあります。
それは、ウェーブシェイプディストーションである点です。THERMALは、どのように波形をシェイプするかタイプを選び調整します。波形のシェイプもモジュレーションできるクリエイティブな変化する歪みが魅力です。
ただし真空管、テープ、アンプなどわかりやすい歪みタイプ選択はできないので選び方がわからないという方も多いと思います。
そういったものを求めている方であればFabfilter「Saturn 2」の方が個人的にはおすすめです。Saturn 2もTHERMAL同様にマルチバンドでモジュレーションも可能な歪みエフェクトです。
4. 口コミ・評判を紹介!
THERMALの口コミ・評判をまとめました。
評価は高く、劇的な音色変化が魅力なエフェクトです。
Output社の新しいディストーション系プラグイン「THERMAL」、トライアル版で試してみたけど非常に良い。
Trashとかみたいにサウンドデザイン用途で使う感じかなと。扱いやすいインターフェイスで結構劇的に音色変えれます。
OutputのThermalっていうディストーションのプラグイン
同社のPortalが好きな人は是非使ってみて欲しいなーと思いました
引用:Twitter
5. THERMALに関するセール情報
Output製品はセールを行います。
割引率は20〜30%程度とブラックフライデーなどでもそこまで割引されないですが定期的にセールを行います。
ただし、稀に割引率が高くなる場合もあります。
最新のセール情報は以下をご覧ください。
6. インストール・アクティベーション方法
Output製品のオーソライズはエフェクトの場合以下の4STEPで完了します。
- Outputでユーザー登録
- https://output.com/registerでシリアルナンバー登録
- Output Hubをダウンロード、インストール
- Output Hubを起動してログイン、製品をインストール
7. 使い方を解説!
ここからは実際にTHERMALの使い方を解説します。
公式の英語マニュアルはこちらをご覧ください。
プリセットは右上から選択できます。ジャンルや楽器別に分けられたかなり多くのプリセットがあります。ディスクアイコンをクリックすると、プリセットを保存することができます。
MAIN
XY CONTROL:ハンドルを持って円の周りをドラッグすると、右側にある2つのマクロノブを同時に動かすことができます。
MACROS:複数のパラメータを一度にコントロールすることができるマクロコントロールです。マクロを割り当てるには+ボタンをパラメータにドラッグ&ドロップします。するとドロップしたパラメータに小さな円ができるのでそれを上下にドラッグすることで変化する範囲を設定し、右クリックするとBIPOLAR、UNIPOLARに変更したりREMOVEから削除することができます。
DRY / WET:影響を受けた出力を元の信号と混ぜ合わせる量を調整します。ロックアイコンをクリックするとプリセットを循環させている間、スライダが変更されないように設定された量に保たれます。
INPUT / OUTPUT:右下から入力、出力を調整できます。
ADVANCED
スライダーマークを選択することで、細かなパラメータを表示できます。
STAGE:左上のSTAGEでは3つのステージの選択、電源ボタンでオンオフを行うことができます。各ステージをSOLOボタン(S)もあります。BAND SPLITを有効にすると、ステージが影響を与える周波数範囲を設定することができます。LOWとHIGHで、各ステージのクロスオーバーポイントを設定します。REFILTERでは、ステージのディストーションやエフェクトから生じる不要なハーモニクスをフィルターで除去します。
STAGE DISTORTION
左上からディストーションシェイプを選択し、以下のコントロールで細かく調整できます。ディストーションシェイプによって利用できないパラメータがあるのでご注意ください。電源ボタンでオンオフすることも可能です。
DRIVE:入力ゲイン調整できます。
AUTO:内部ゲイン補正を有効にします。
OUTPUT:出力ゲインを調整できます。
SHAPE:波形をシェイプさせます。大きくするとより多くの倍音が追加されます。
DEPTH:アンプモジュレーションの量を設定できます。
FREQUENCY:アンプモジュレーションの周波数レートを設定できます。
CLIP:波形のゼロクロスをクリップしてビットクラッシャーのような効果を与えたり、歪みのタイプによっては波形を滑らかにするためのステップを加えたりできます。
TIME:ディストーションフィードバックのディレイタイムを設定できます。
SYNC:ディレイタイムを同期させます。
FEEDBACK:ディレイラインに送られる信号の量を設定できます。
Release(FEEDBACKのダイヤマーク):エンベロープフォロワーのリリースタイムを設定できます。
FOLLOW:入力振幅に基づいてフィードバック量をコントロールするエンベロープフォロワーです。
STAGE EFFECTS
ドロップダウンメニューを使って様々なエフェクトをバンドごとにエフェクトを追加することができます。DRY / WETスライダーを使って、ステージにかけるエフェクトの量を設定します。
搭載されているエフェクトは以下のものがあります。
- Bit Reducer
- Chorus
- Compressor
- Filter
- Flanger
- Frequency Shifter
- Phaser
- Reverb
- Stereo Delay
STAGE WIDTH
SIDES:サイドのゲインを調整できます。
WIDTH:ステレオの幅を調整できます。
STAGE TONE
ステージ毎にトーンシェイピングできますが、ステージの周波数範囲ではなくフルスペクトルに適用されます。
LOW:500Hzのローシェルフを適用します。
HIGH:5kHzのハイシェルフを適用します。
クリッカブルエンベロープ
左下にある2つのクリッカブルエンベロープは、ダブルクリックして点を追加、削除できます。ドラッグで点を移動させ、ノード間のラインをドラッグしてカーブを変更します。
色付きの+ボタンをノブにドラッグ&ドロップしてモジュレーションを割り当てます。あとはマクロコントロール同様に調整できます。
RATE:サイクルの速さを調整できます。
SYNC:HzからDAWに同期した拍に切り替えます。
HUMANIZE:クリッカブルエンベロープにランダム性を加えます。
RANDOM:ランダムなエンベロープを作成します。
CLEAR:現在のエンベロープを消去します。
ディスクアイコン:エンベロープの形状を保存します。
LOAD:名前部分をクリックすると利用可能なプリセットのリストが開き、ロードできます。はじめからいくつかのプリセットが利用できます。
EFFECTS
各バンドのステージエフェクトとは別に全てに適用される2つのエフェクトが搭載されています。
MASTER
マスターセクションは、ハイパスローパスフィルターとコンプレッサーで構成されています。
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まとめ
THERMALは、歪みの枠にとらわれないクリエイティブな多機能エフェクトです。
単なる歪みだけではないクリエイティブなオートメーション、モジュレーションエフェクトとして活用することで本領を発揮するでしょう。
ただし、単純に質が高いサチュレーションがほしい場合は他エフェクトを選択した方が良い場合もあると思います。
この記事が参考になれば幸いです。
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