Pulsar Audioが開発するFETコンプレッサープラグインPulsar 1178。
定番1176ではなく、1178をモデルとしたプラグインエフェクトです。
Urei 1176モデルのプラグインは持っているけど1178はどうなの?と思っている方も多数いるかもしれません。
この記事ではそんなPulsar 1178をレビューしていただきました!
是非参考にしてください。
1. Pulsar Audio「Pulsar 1178」とは?
Pulsar 1178は、Pulsar Audioが開発するFETコンプレッサーの名機をモデルとしたプラグインエフェクトです。
FET方式のコンプレッサーはUniversal Recording Electronics Industries(Urei)の1176が代名詞です。真空管コンプレッサーが全盛の時代にUniversal Audioの創設者Milton Tasker “Bill” Putnamによって設立されたUreiより発売されました。
1980年に発売された1178は、世界中のスタジオに存在する伝説的な1176のステレオバージョンです。1176 Rev. H(オリジナルの1176は製造された時代でRev.A〜Hまであります)をベースにしており、伝説的なパンチ力を維持しながらも、暖かみはなくより透明で多用途なものとなっています。
そんな1178ハードウェアの音色とコンプレッションキャラクターを細やかに再現し、コントロール性を高めるフルサイドチェインEQ、温かみと特徴を与えるオプションのサチュレーションステージ、正確なメーターなども搭載されています。
作曲ソフトDAWの拡張機能プラグイン(VST、VST3、AU、AAX)として利用することができます。
開発会社 | Pulsar Audio |
操作画面 | |
価格(定価) | 149ユーロ |
主な仕様 | 1178モデルFET方式コンプレッサー |
2. 実際に使ってみてレビュー!
この記事のレビュアー
高慶航 (Rec / Mix / PA )
Sound AiDE所属のレコーディング・PAエンジニア
音のキャラクターやカラーを大切に、録音、ミキシング、PAオペレートしています。
■制作実績 : Funny Factures, TAMIW, Monomouth, um-hum, colspan, DuckHouse, DinoJr, Kuniyuki Natsu 他
■Spotify Playlist : https://open.spotify.com/playlist/2TskeAQyI0qYwohaAs3f82?si=CEc4Qt-oSyemv1czsQ1d8Q
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ご依頼はmailにてお気軽にお問い合わせください→ kokei.soundaide@gmail.com
■Studio AiDE : https://soundaide.co.jp/rec-studio/
1178は有名な1176のステレオ版のFETコンプレッサーで速い動作が得意なコンプレッサーです。
非常に多機能で単なる名機のシミュレーターに留まらずプラグインならではの機能が充実しており、非常に考えられた作りのコンプレッサーになっております。
デフォルトのサウンドカラーは素朴で使いやすい印象です。
動作もグラフィカルで非常にわかりやすくどのようにコンプレッションしているかひと目でわかります。
これならコンプレッサーの苦手な方でも使いやすいのではないでしょうか?
STURATIONは逆にしっかり個性が出ます。
4つのキャラクターそれぞれ納得の作りです。Cal.で調整できるのも良いですね。隠し味としてもエフェクトとしてもいけます!
おそらくドラムのトップやドラムバスで使う事が多いと思われるのですが、その際に重宝するサイドチェインもEQがグラフィカルでとても使いやすいです。
もちろん外部ソースでサイドチェインすることもできます。
動作が速いのでピアノやコードバッキングの楽器にも良さそうです。
Lookahead latencyと言うのが面白く、オンにすると現在のコンプレッサーの動作を前後-20ms〜10msずらせる機能で、実音より先にコンプレッサーを作動させるなんてこともできてしまいます。使い方が広がりそうです。
オーバーサンプリングをオンにすると明るさが増して前に出てきます。CPUをかなり使いますが、より実機らしい感じがします。
3. 口コミ・評判を紹介!
Pulsar 1178に関する口コミ・評判をまとめました。
評価は高く、プロの方も多く利用しています。
エミュとDigitalCompとしての利点を生かし切って異常なまでに視認性も良く素晴らしいComp
ちょっとサチュは汚れすぎるけど実際のアウトボードならもっと汚れるからちょうどよいのかな
Sidechainの自由度も高くMSまで笑
新しい時代のエミュコンプの方向なのかも
さっき公開された折坂くんのライブでは、先日発売されたPulsarの1178を多用した。歌への引っかかりは実機の方が良いと思うけど、わずかにかけてまとめる用途ではかなり使える。
引用:Twitter
4. Pulsar 1178に関するセール情報
Pulsar Audio製品はセールで安くなる場合があります。
Pulsar 1178もセールの対象となる場合があり、ブラックフライデーでは最安値で59ドルほどで販売されていました。
最新のセール情報は以下の記事を参考にしてください。
5. インストール・アクティベーション方法
Pulsar Audio製品のインストール・オーソライズは以下の4STEPで完了しますが、iLokアカウント(USBは無くてもOK)が必要になります。
iLokに関する詳しい記事は以下をご覧ください。
- 製品をダウンロード・インストール
- iLok License Managerを起動してログイン
- 右上「・・・」からアクティベーションコードを入力
- 製品をアクティベート
6. 使い方を解説!
ここからは、実際にPulsar 1178の使い方を解説します。
公式の英語マニュアルはこちらをご覧ください。
上部から多くのプリセットを種類別で選択することができます。
パラメータは右クリックしてLock Parameterを選択することでロックすることが可能です。一部のパラメータを固定したままプリセットを変更できます。
A < B / A > B:AとB別々のパラメータ設定ができ、比較することが可能です。真ん中の<、>はAからB、BからAにコピーします。
右端の縦3つの点→Oversamplingから2x〜8xまでオーバーサンプリングの設定が可能です。
下部のコンプレッサー部分は以下のパラメータがあります。
INPUT / OUTPUT:スレッショルドが固定されているため、通常のスレッショルドコントロールを持ちません。圧縮レベルは、コンプレッサーの入力ゲイン(INPUT)を使用して調整されます。INPUTで入力を調整してコンプレッションをコントロールし、OUTPUTで出力を調整します。INPUT、OUTPUTをシフトを押しながら調整するともう片方が反対方向に動作します。
LR / MS:動作をステレオもしくは、MS(ミッドサイド)に設定できます。
Lヘッドホンマーク / Rヘッドホンマーク:それぞれクリックすることでL(M)、もしくはR(S)のみを確認できます。
LINK CONTROLS:LR(MS)のコントロールをリンクします。
RATIO:4、8、12、20、ALLがありそれぞれ圧縮比をあらわしています。ALLはオリジナルのハードウェアで有名なRatio全てのボタンをオンにするモードで、強力なコンプレッサーがかかります。
ATTACK / RELEASE:コンプレッションのアタックスピード、リリーススピードを調整できます。左が遅い、右が速い設定であることに注意しましょう。
LINK / UNLINK / INVERT:2つのチャンネルのサイドチェインをリンクさせるためのスイッチです。UNLINKで分離され、ゲインリダクションがチャンネルごとに独立して設定されます。LINKで混合され、ゲインリダクションが両チャンネルで同じになります。INVERTに設定すると分離されゲインリダクションは独立しますが、反転してそれぞれのチャンネルのオーディオに従って圧縮されます。
SATURATION:オリジナルのわずかなサチュレーションを補完する追加のサチュレーションステージが追加されています。
Cal.:この小さなネジ状のノブは、サチュレーションステージのキャリブレーションコントロールで、音にほんの少し色を付けてトランジェントを捉えたり、反対に聞き取りやすい、あるいは破壊的なサチュレーションを得ることができます。
POWER:エフェクトをオンオフします。
MIX:圧縮された信号と、オリジナルのドライな信号をブレンドします。
上部では、GR(ゲインリダクション)メーターなどの重要な情報を視覚化し、検出信号やサイドチェインに関する調整ができます。
Sidechainヘッドホンマーク:サイドチェイン信号を聴くことができます。
Source (Int / Ext):検出ソースを選択するためのボタンです。Intでは、通常通りオーディオ入力を検出ソースとして使用します。Extは、外部オーディオ信号が検出ソースとして使用されます。DAWで他のトラックなど外部信号を割り当てる必要があります。外部サイドチェインの場合、Ext. SC Gainで入力ゲインを調整することが可能です。
Lookahead latency:検出チャンネルに正または負の遅延を導入することができます。
Sidechain EQ:編集可能なパラメトリックイコライザーを使って、検出信号をフィルタリングすることができます。左上の電源マークでEQをオンオフします。各バンドのパラメータ(周波数 / Q / ゲイン / フィルター形状)はカーブ上で直接操作するか、カーソルを合わせると表示されるボックスから操作できます。Shiftを押しながらバンドを動かすと、バンドソロ機能が有効になり、サイドチェイン信号に対するそのバンドだけの効果を聴くことができます。
質問等ございましたら下部のコメント欄からどうぞ!