性あるKontakt音源やエフェクトを開発するOutput。
独特なものが多いので仕様がわかりづらくなかなか手が出ない方も多いのではないでしょうか?
そんなOutput製品から生々しく荒々しいサウンドを奏でることができる音源「SIGNAL」をレビュー、インストール・アクティベーション方法や使い方も解説しています。
SIGNALは無料でも利用できるので、是非参考にしてください。
ソフトシンセに関するまとめや無料で使えるおすすめのフリーソフトシンセは以下の記事にまとめています。


1. Output「SIGNAL」とは?
SIGNALはOutputが開発する2つのエンジン、4つのリズムジェネレーターが搭載された音源です。
アナログシンセから生楽器までサウンドソース50種類から選択し、それらを組み合わせてリズムジェネレーターで動きある音を奏でることができます。
Native Instruments「Kontakt」で起動する音源で、SIGNALフルバージョンは無料の「Kontakt Player」でも利用することができます。

無料版SIGNAL Free
SIGNALは、フリーバージョンがあります。
無料版の場合は、4つの音源と25種類のプリセットを利用することができます。
数は少ないですが、音源以外の部分で大きな制限はありません。
開発会社 | Output |
操作画面 | ![]() |
価格(定価) | 0ドル / 199ドル |
プリセット | 25 / 500以上 |
サウンドソース | 4 / 50 |
主な仕様 | シンセと楽器のリズムジェネレーター音源 |
2. 導入するメリット
SIGNALを導入するメリットは以下のような点があげられます。
- 生楽器とシンセが融合した新しいサウンドを作成できる
- 即戦力なプリセット
生楽器とシンセが融合した新しいサウンドを作成できる
シンセの太い音に生楽器のリアルなサウンドを重ねることができ、生々しく荒々しい音を奏でることができます。他の音源ではなかなかない新しいサウンドが手に入るでしょう。
もちろん単純に、太いシンセの音を奏でることもできます。ポップスなどでも利用できますが、劇伴でもかなり使える音源だと思います。
即戦力なプリセット
プリセットには4つのリズムジェネレーターによるモジュレーションがかかっており、すぐに素晴らしい音を鳴らしてくれます。(もちろんオフにすることも可能)
正直、プリセットを使うだけで十分なクオリティを出せると思いました。
無料25種類、有料500種類以上のプリセットがあります。
3. 利用する前に知っておくべき注意点・デメリット
しかしながら、SIGNALを利用する前に知っておくべき点もあります。
サウンドソースを操る音源
ADSRやフィルター、モジュレーションなど十分なパラメータがありますが、基本的には決められた音源を選択し、それを操る仕様です。ウェーブテーブルなど波形を細かく調整するようなシンセを求めている方は少し違う仕様なので注意が必要かもしれません。
4. 口コミ・評判を紹介!
SIGNALに関する口コミ・評判をまとめました。
評価はかなり高いですが、Kontaktであったり値段もそこまで安くないので少し手に入れづらい印象もあるようです。
このシンセめっちゃ良い感じなんだけどkontaktかぁ…
Outputの「SIGNAL」、「REV」を導入してみた。「SIGNAL」は音が太いシンセだし、「REV」はアンビエント系にもってこいのサウンド。どちらも使い出がありそう。でも、操作方法が独特なので、慣れるのにちょっと大変そうだ…
OutputというところのSignalってシンセが欲しい
高い。
引用:Twitter
5. SIGNALに関するセール情報
Output製品はセールを行います。
割引率は20〜30%程度とブラックフライデーなどでもそこまで割引されないですが定期的にセールを行い、SIGNALも対象になる場合があります。
ただし、稀に割引率が高くなる場合もあります。
最新のセール情報は以下をご覧ください。



6. Output製品のインストール・アクティベーション方法
Output製品のインストール・アクティベーション方法はエフェクトの場合以下の4STEPで完了し、Kontakt音源の場合はさらにNative Accessで登録が必要になります。
- Outputでユーザー登録
- https://output.com/registerでシリアルナンバー登録
- Output Hubをダウンロード、インストール
- Output Hubを起動してログイン、製品をインストール
Kontakt音源の場合は、インストールが二重になることを防ぐためNative Accessからインストールする方法をおすすめします。
- Native Accessでシリアルナンバー登録(シリアルナンバーはOutput Hubに記載)
- Native Accessでインストール
Output HubでKontakt音源をインストールした場合、Native Accessで同じフォルダを設定してインストールをする必要があります。Output Hubですでにインストールされているので同じフォルダを選択すると瞬時に完了します。無料版の場合はシリアルナンバーはなく、Output HubでインストールしKontaktを起動してインストールしたフォルダを開きます。
7. 使い方を解説!
ここからは実際にSIGNALの使い方を解説します。
英語の公式マニュアルはこちらからご覧ください。
プリセットは真ん中上部から選択できます。プリセット名をクリックすると下部に新しいページが表示されカテゴリ及びプリセットを選択できます。
PULSE ENGINES
左上PULSE ENGINESからも選択できる初期ページです。
SIGNALは2つのパルスエンジンで構成されており、各パルスエンジンには、メインリズムとセカンドリズムと呼ばれる2つのリズムジェネレーターが搭載されています。
VOLUME:それぞれエンジンのボリュームを調整できます。
PAN:それぞれエンジンのパンニングを調整できます。
TUNE:それぞれエンジンのピッチを調整できます。
電源ボタン:それぞれのエンジンを完全にオフすることができます。
設定マーク:それぞれのエンジン右上設定マークからは、キーレンジや発音数(VOICES)、ベロシティ感度(VEL SENS)を調整できます。
音源選択
TUNEの下からサウンドソースを選択することができます。SYNTHS、INSTRUMENTSに分かれており生楽器からアナログシンセまで様々な音色を選択することができます。
真ん中ADVANCEDメニューから音量(VOL)、ピッチ(PITCH)のADSRが調整できます。
MAIN RHYTHM / 2ND RHYTHM
それぞれのエンジンに2つずつ計4つのリズムジェネレーターは、DAWと同期したレートを選択でき、その左からは4つのタイプから選択できます。
画面中央のでかいアイコン「SIGNAL PULSE ENGINE」からリズムジェネレーターを全てオフにすることができます。
WAVE
WAVEタイプは伝統的なLFOで、以下のパラメータをモジュレートできます。モジュレーションの設定はADVANCEDメニューから調整できます。
- 音量(VOL)
- パン(PAN)
- フィルター(CUTOFF、RESONANCE)
- チューブドライブ(TUBE)
- ディストーション(BITE)
のモジュレーション設定ができ、FILTERとTUBE、BITEはクリックすることでデフォルト値を設定でき、電源ボタンでオフできます。
ロックアイコンをクリックしてフェードインタイムを設定すると、パルスの開始を最大で10秒遅らせることができます。また、となりのSHAPEボタンをクリックすると、30種類のプリセット波形を選択することができます。
STEP
STEPタイプは、STEPSから最大32ステップのモジュレーションができ、モジュレーション設定はWAVEと同じです。PATTERNからプリセットパターンを選択でき、上下にドラッグして値をカスタマイズすることも可能です。両端にある矢印は開始位置を左右にずらすことができます。
ARP
ARPタイプはSTEP同様にカスタマイズできますが、アルペジオパターン11種類から選択できます。右下の設定マークをクリックすると、音の長さ(DURATION)、スウィング(SWING)、ラウンドロビンの回数(R.ROBINS)、オクターブ(OCTAVE)の設定ができます。FIXED VELからベロシティを固定することも可能です。
LOOP
LOOPタイプは、その名の通り波形の指定した範囲を繰り返します。ハイライト部分をドラッグして、ループする範囲を調整できます。STACKボタンを押してサスティンペダルを踏むと、同じ音を再トリガーして複数回ループ再生することも可能です。左右にドラッグできる再生マークは、開始位置を調整できます。
EFFECTS
左上のEFFECTSからエフェクトの設定ができます。それぞれのエンジンと両方にかかるGLOBALからエフェクトを設定できます。
エンジンのエフェクトとGLOBALのエフェクトは種類だけでなく、同じエフェクトであっても少し異なる場合があります。
GLOBAL
- EQ(イコライザー)
- COMPRESSOR(コンプレッサー)
- PHASER(フェイザー)
- CHORUS(コーラス)
- LIMITER(リミッター)
- FILTER(フィルター)
- DELAY 1(ディレイ)
- DELAY 2(ディレイ)
- REVERB(コンボリューションリバーブ)
ENGINE
- EQ(イコライザー)
- COMPRESSOR(コンプレッサー)
- LOFI(ビットクラッシャー)
- DRIVE(オーバードライブ)
- ST. SPREAD(ステレオイメージャー)
- DELAY 1(ディレイ)
- DELAY 2(ディレイ)
- REVERB(コンボリューションリバーブ)
- FLUTTER(ピッチモジュレーション)
それぞれ下部の電源ボタンでオンオフ、アイコンをクリックして詳細なパラメータを設定できます。
MACRO
右上のマークから中央にある4つのマクロコントロールを設定できます。1つのコントロールで複雑なパラメータを調整できます。
左から順に1〜4のスライダーから選択し以下のステップでパラメータをアサインできます。
- ASSIGNをクリック
- アサインしたいパラメータをクリック
ASSIGNを選択した後にEFFECTSやPULSE ENGINESページに移動しても問題なくクリックしてアサインすることができます。
アサインすると、デフォルト値とモジュレーション範囲をスライダーで調整でき、BYPASSからバイパス、右下バツボタンからモジュレーション設定を削除します。
まとめ
SIGNALは、プリセットのままでもクオリティの高い楽曲を作ることができる即戦力音源だと思います。
荒々しい強めのシンセサウンドが好みの方は特にハマると思います。
無料版を試して検討してみてください。
この記事が参考になれば幸いです。
質問等ございましたら下部のコメント欄からどうぞ!