音楽配信サービスでお馴染みのSpotifyは、音楽制作用のプロダクトも開発しています。
最近リリースされたオーディオからMIDIを生成するサイトBasic Pitchの他に、オンラインで無料利用できるDAW「Soundtrap」があります。
Soundtrapは、正直メインのDAWとして利用しづらいですがオンラインかつデバイスの縛りがないのでメモ代わりに利用できるDAWだと思います。
この記事では、そんなSoundtrapの概要から料金プラン、使い方まで解説します。
是非参考にしてください。
1. Soundtrapとは?
Soundtrapは、Spotifyが開発するオンラインで共有しながら音楽制作、ポッドキャスト制作ができるDAWです。
どんなデバイスでも、どこにいても、録音、編集、コラボレーションができます。さらに、プロジェクトはすべてオンラインでクラウドに保存されます。
2. 料金やプランの違い
Soundtrapは主に無料を含む5つのプランがあります。
- Free
- Music Maker Premium
- Music Maker Supreme
- Storytellers
- Complete
この他に、学生・教育機関向けプランEducationもあり、そちらの場合30日間全機能トライアル可能で、50シート349ドル〜から利用できます。
Free:無料
- 無制限プロジェクト
- 5,370ループ1,280ワンショット
- 450の楽器とサウンド
- freesounds.orgの150k以上のサウンドエフェクト
Music Maker Premium:月払い7.99ドル / 年払い95.88ドル
- 無制限プロジェクト
- 22,180以上ループ6,150以上ワンショット
- 869以上の楽器とサウンド
- freesound.orgの150k以上のサウンドエフェクト
- 808インストゥルメントグライド付
- ボーカルチューニング
- 復元機能
- オートメーション
- リモートインタビュー
- サンプラー
- ボーカルクリーンアップ
Music Maker Supreme:月払い11.99ドル / 年払い143.88ドル
- 無制限プロジェクト
- 26,210以上ループ7,640以上ワンショット
- 1,130以上の楽器とサウンド
- freesound.orgの150k以上のサウンドエフェクト
- 808インストゥルメントグライド付
- ボーカルチューニング
- 復元機能
- オートメーション
- リモートインタビュー
- プライオリティミキシング
- 高品質ダウンロード
- サンプラー
- ボーカルクリーンアップ
Storytellers:月払い11.99ドル / 年払い143.88ドル
- 無制限プロジェクト
- 5,370以上ループ1,280以上ワンショット
- 450以上の楽器とサウンド
- freesound.orgの150k以上のサウンドエフェクト
- 808インストゥルメントグライド付
- 復元機能
- オートメーション
- リモートインタビュー
- インタラクティブトランスクリプト(8時間)
- PodcastをSpotifyに公開する
- 高品質ダウンロード
- 隔週で新しいサウンドを提供する
- サンプラー
- ボーカルクリーンアップ
Complete:月払い13.99ドル / 年払い167.88ドル
- 無制限プロジェクト
- 26,210以上ループ7,640以上ワンショット
- 1,130以上の楽器とサウンド
- freesound.orgの150k以上のサウンドエフェクト
- 808インストゥルメントグライド付
- Antares Auto-Tune
- 復元機能
- オートメーション
- リモートインタビュー
- インタラクティブトランスクリプト(8時間)
- プライオリティミキシング
- PodcastをSpotifyに公開する
- 高品質ダウンロード
- 隔週で新しいサウンドを提供する
- サンプラー
- ボーカルクリーンアップ
3. 利用するメリット
Soundtrapを利用するメリットは以下のような点が挙げられます。
- どんなデバイスでも利用できクラウドに無制限保存
- 友達と共有して一緒に編集できる
- SpotifyのPodcastに直接公開できる
どんなデバイスでも利用できクラウドに無制限保存
Soundtrapは、ブラウザはもちろんスマホアプリもあり、どんなデバイスでも利用することができます。保存されたプロジェクトはデバイス間で共有することができます。
プロジェクトはクラウドに保存されるので、容量を気にする必要もありません。
友達と共有して一緒に編集できる
友達とプロジェクトを共有して一緒に制作することができます。
コメントを残すことも可能で、バンドメンバーとの共同制作やコラボレーションなどで利用できます。
SpotifyのPodcastに直接公開できる
Soundtrapは音楽制作だけでなく、ポッドキャスト向けのStorytellersプランがあります。
StorytellersプランやCompleteプランではSpotifyのPodcastに直接公開できます。
4. 利用する前に知っておくべき注意点
しかしながら、Soundtrapを利用する前に知っておくべき注意点もあります。
定番DAWに比べるとかなり劣る
定番DAWに比べると拡張機能プラグインやエフェクトによる細かなミックス、マスタリングなどかなり劣る印象です。
SoundtrapはメインDAWではなく、友達などと共有できるメモ用のDAWとして利用する方が良いと思います。ちょっとしたアイデアをクラウドに保存することができるのでそういった使い方であれば便利に利用できます。
また、普段DAWを使って作曲しないロックバンドもメンバー間で共有しながらデモを作成できるので便利です。
5. 使い方を簡単に解説!
ここからは、実際にSoundtrapの使い方を簡単に解説します。
Soundtrapの
- Music Makers(音楽制作)
- Storytellers(ポッドキャスト)
のどちらかを選択して、Get Startedから
- Personal Use(個人利用)
- Educational Use(教育機関・学生利用)
を選択します。
GoogleやFacebookのアカウントでログインできるためすぐに利用を開始することができます。
新しいプロジェクトを開くと通常のDAWと同様に、縦にトラックが並んでおり、Add New Trackから新しいトラックを追加できます。横は時間軸です。
上部にはプロジェクトネームがあり、矢印が向かい合った範囲(灰色の細いバー)は左右にドラッグして調整できるループ範囲です。クリックしてループをオンオフすることが可能です。吹き出し+マークは、小節にコメントを書き込むことができます。右上には、以下の3つのマークがあります。
磁石マーク:ドラッグした際にグリッドに合った位置で調整できます。
設定マーク:グリッドの分け方などの調整ができます。
ループマーク:ループをオンオフできます。
タイムグリッド画面にカーソルを合わせると+マークになり新しいブロックを作成できます。ブロックを右クリックすると以下の設定ができます。
Undo / Rendo:戻る、やり直しができます。
Add Comment:コメントを追加できます。
Split Region:紫の縦線(再生位置マーク)をドラッグして調整しブロックを分割することができます。
Merge Region:ブロックを統合することができます。
Mute Region:ブロックをミュートできます。
Cut / Copy / Paste / Delete:ブロックをカット、コピー、貼り付け、削除できます。
各トラックには以下のパラメータがあります。
R:レックボタンです。トラックの録音を有効にします。
オートメーション:時間軸に応じてパラメータを変化できるオートメーションを描くことができます。パラメータを選択して、トラック下に表示されたラインをダブルクリックして新しいポイントを追加、ドラッグして調整できます。
Vol:音量を調整できます。
ヘッドホンマーク:ソロモードです。選択したトラックのみが再生されます。
ミュートマーク:トラックをミュートします。
トラック右上の点3つからは以下の設定ができます。
Rename:トラック名を変更できます。
Duplicate track:トラックを複製します。
Delete track:トラックを削除します。
Freeze track:トラックをフリーズします。CPU負荷を下げることができます。
Import:ファイルをインポートできます。
Export :wavファイルやMIDIファイルとしてトラックを書き出すことができます。
Color:トラックの色を変更してわかりやすくすることができます。
中央に6つの選択があります。
Browse Loops
ループ素材を選択する画面が表示されます。これは右上にある音符マークからも表示でき、キーワードやジャンルを選択してプラスボタンから追加、ハートボタンからお気に入り登録ができます。
追加したループはドラッグして小節の位置を調整できます。右上のループマークにカーソルを合わせてドラッグすると複製することができます。
Editを選択するといくつかの編集機能が選択できます。
Edit name:名前を変更します。
Fade in / Fade out:フェードイン、フェードアウトを適用します。適用するとそれぞれ始まり部分、終わり部分が斜めに白くなりますので、上部のポイントを左右にドラッグしてフェードイン、フェードアウトの開始位置を調整できます。
Reverse:ループをリバースさせます。
Auto-Tune:スケールを選択してオートチューンを適用します。LightからHeavyまで強さを調整できます。
Voice Transform:声のピッチやキャラクター(明るく、暗くなど)を選択できます。
Change pitch:ピッチを変更できます。
Patterns Beatmaker
Patterns
ドラムパターンを作成できるシーケンサーです。左上のメニューから音色を選択できます。
Reverb:リバーブ量を調整できます。
Pan:左右のパンニングを調整できます。
Volume:音量を調整できます。
Generate:AI機能を利用してドラム及びパターンを自動生成します。
Save preset:プリセットとして保存します。
Add effects:エフェクトを追加できます。
Instrument
ドラムセットとして機能します。それぞれ鳴らせることが可能なパソコンキーボードのボタンが表示されています。
Auto-quantize:クオンタイズ(リズム補正)を適用します。
Piano Roll
ピアノロールを表示して直接MIDIを入力、編集することができます。
右上から4つのツールを選択できます。
矢印マーク:ドラッグしてノートを移動でき、ノートの端を左右にドラッグして長さを調整できます。ダブルクリックで新しいノートを追加できます。
鉛筆マーク:クリックしてノートを追加することができます。
V:ノートを上下左右にドラッグしてベロシティを調整できます。
ゴミ箱マーク:クリックしてノートを削除できます。
Play the synth
鍵盤を使って音を鳴らすことができます。鍵盤は、パソコンのキーボードに割り当てられています。左側Octaveからオクターブを変更できます。
あとは、Patterns BeatmakerのInstrumentと同じようにエフェクトを追加したりプリセットとして保存することができます。また、Patterns Beatmaker同様にPiano Roll画面もあります。
Add New Track
トラックを追加できます。
Play software instruments:ソフト音源のトラックを追加します。
Record vocals:ボーカル用トラックを追加します。
Record your own Instruments:自分の楽器を録音するためのトラックを追加します。
Create a drum beat:ドラムビートを作るためのトラックを追加します。
Browse loops:ループ素材を使ったトラックを追加します。
Import File
ファイルをインポートできます。
Invite a Friends
他の人と共有することができます。名前もしくはメールアドレスを入力してInviteでき、URLからリンクを共有することができます。この機能は、右上の複数人型マークからも可能です。
プロジェクトの保存やエクスポート方法
プロジェクトの保存やエクスポート方法は、左上のFileもしくは右上Exportから選択できます。
New:新しいプロジェクトを作成します。
Open:保存したプロジェクトを開きます。
Open Recent:最近開いたプロジェクトを開きます。
Save / Save as:プロジェクトを保存します。Save asでは名前を指定できます。
Revert:前の保存状態に戻します。
Export:プロジェクトを書き出します。wavやmp3、MIDIファイルとして書き出すことが可能です。
Share Project:プロジェクトをシェアします。
まとめ
Soundtrapは、現状メインDAWとしては難しいと思いますが、サブのメモ用DAWとしては使えると思います。
クラウドに保存されるため、容量を気にする必要もありませんし、友達と共有することもできます。
共同制作用デモとして利用して、別のDAWで完成させる利用方法がおすすめです。
この記事が参考になれば幸いです。
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