日本の第一線で活躍する音楽家とImpact Soundworksが共同で開発するTOKYO SCORINGシリーズ。
ストリングス音源「TOKYO SCORING STRINGS」が話題でしたが、新しくドラム音源「TOKYO SCORING DRUM KITS」がリリースされました。
実際に使ってみましたが、細かいテクニック溢れるドラムを奏でたくなるようなドラム音源です。
この記事では、そんなTOKYO SCORING DRUM KITSをレビュー!インストール・アクティベーション方法や使い方も解説します。
是非参考にしてください。
主要なアコースティックドラム音源の簡単な比較、聴き比べはこちらの動画をご覧ください。
おすすめドラム音源に関するまとめ記事はこちらをご覧ください。
1. Impact Soundworks「TOKYO SCORING DRUM KITS」とは?
TOKYO SCORING DRUM KITSは、エンジニアの相澤光紀氏を中心に設計され、ドラマー髭白健氏とのコラボレーションにより制作されたドラム音源です。
5種類のドラムキットとドラムアンサンブルの本格的なサウンドを閉じ込め、アニメのオープニングのようなリズミカルな楽曲から、ジャズフュージョンや熱い戦闘シーンまで網羅することが可能です。
キック、スネア、ハイハット、ライド、クラッシュLRに加えてハイ、ミッド、ロー、フロア4つのタムとスプラッシュやチャイナシンバルも搭載されており、テクニック溢れるパターンを作りたくなるような音源です。
SOUND CITYスタジオでレコーディングされ
- Full Mix:SOUND CITYのルームサウンドを自在に操りミックスの柔軟性を最大限に高めたバージョン
- Aizawa Mix:相澤氏が所有するハードウェアで徹底的にミキシング処理されたバージョン
- Board Mix:CPU消費量を最小限に抑え作曲に特化したバージョン
など、複数のサンプルセットを搭載しています。
※各バージョンにはそれぞれいくつかのプリセットがあります。
また、ドラムキットは最大3種類のスポットマイク(スネアトップ/トップ/ボトム)、オーバーヘッド、3種類のアンビエントなど豊富なマイクポジションが用意されています。
最大10種類のダイナミクス・ラウンドロビンで、17,000種類以上のサンプルを収録しています。
Native Instruments「Kontakt 6.7以上」で起動し、無料のKontakt Playerでも動作します。
開発会社 | Impact Soundworks |
操作画面 | |
製品名 | TOKYO SCORING DRUM KITS |
ドラムセット | ドラムキットピース クラッシュ:8種 ハイハット:4種(アーティキュレーション:クローズ、クローズドチップ、ハーフオープン、オープン、ペダル、セミオープン) キック:5種 ライドシンバル:3種(アーティキュレーション:カップ、スマッシュ、チップ) スネア5種(アーティキュレーション:センター、センターリム、フラム、リムショット、ロール) タム:16種 チャイナ:1種 アンサンブル 左右のクラッシュ(ヒット) ハイハット(クローズ/ハーフオープン/オープン/ペダル) ライドシンバル(チップ) スネア(センター/フラム/リムショット/ロール) タム(スティック/ハンドヒット/リムショット) |
価格(定価) | ¥38,455 TOKYO SCORING STRINGSからクロスグレード¥29,477 |
2. 導入するメリット
TOKYO SCORING DRUM KITSを実際に使ってメリットだと感じた点は以下のような点が挙げられます。
- パラメータやマッピングがわかりやすい
- テクニック溢れるパターンを構築できるドラムセット
- 利用しやすいドラムアンサンブル搭載
パラメータやマッピングがわかりやすい
ドラム音源はパラメータが多く使いにくいことが多いですが、TOKYO SCORING DRUM KITSは、かなり使い勝手が良い印象です。
ある程度ドラム音源にふれたことがある人は、初見でも十分に操作することができると思います。
特にキーマップページがかなり使いやすいです。どのキーにどのサウンドが設定されているか簡単にわかり、自分でも簡単に変更することができます。
各ドラムサウンドもリストで表示されているため、簡単に変更できます。
ただし、Native Instruments「Kontakt」で起動する音源ですので、各ドラムを別々のトラックに分けるパラアウト(マルチアウト)の設定では、Kontakt側の設定が必要な点だけでご注意ください。
パラアウトの設定方法は下記にて解説しています。
テクニック溢れるパターンを構築できるドラムセット
キック、スネア、ハイハット、ライド、クラッシュLRに加えてハイ、ミッド、ロー、フロア4つのタムとスプラッシュやチャイナシンバルも搭載されています。
手数多めなテクニック溢れるパターンを作りたくなります。
定番ドラム音源との音の違い・比較
Addictive Drums 2、BFD 3、EZdrummer 3、Superior Drummer 3、Steven Slate Drums 5、MODO DRUMなどと実際に比較してみました。設定やプリセットによって異なりますが、良い意味でサスティンのざらつきを感じレコーディング風景が見える音源です。
利用しやすいドラムアンサンブル搭載
他の一般的なドラム音源との大きな違いとしてドラムアンサンブルが含まれる点が挙げられます。
3種類のドラムキットを同時に演奏したドラムアンサンブルは、広がりを感じる音でシネマティック系ではもちろん、ポップスやロックでも利用できる場面は多々出てくるでしょう。
やり過ぎていない程よいアンサンブルでかなり利用しやすいです。広がりを持たせたい展開など要所要所やタムだけ使うなど一部だけ利用する使い方も考えられます。
3. セール情報
Impact Soundworks製品は、セールで安くなる場合があります。
TOKYO SCORING DRUM KITSもイントロセールやプリオーダーセールで安くなっていました。また、TOKYO SCORINGシリーズからのクロスグレードも可能な場合があります。
今後もセール対象になる可能性があります。最新のセール情報は以下の記事を参考にしてください。
4. インストール・アクティベーション方法
Impact Soundworks製品のインストール・アクティベーション方法は以下の6STEPで完了します。
- Pulse Downloaderをダウンロード・インストール
- Pulse Downloaderを起動してRegisterからアカウント作成、ログインして右上Add a Productからシリアルナンバーを入力してインストール
- Native Instrumentsにてアカウント登録
- Native Access 2をダウンロード・インストール、起動してログイン
- 左下Add Serialからシリアルナンバーを入力
- LocateからPulse Downloaderでインストールしたファイルを選択
5. 使い方を解説!
ここからは実際に使い方を解説します。
公式のマニュアルはこちらからご覧ください。
TOKYO SCORING DRUM KITSには、以下のnkiが含まれています。
- Aizawa Mix All Kits.nki
- Aizawa Mix Drum Ensemble.nki
- Full Mixer All Kits.nki
- Full Mixer Drum Ensemble.nki
- Board Mix All Kits.nki
- Board Mix Drum Ensemble.nki
起動すると上部ではKIT、MAP、SETTINGSにページが分かれており、下部ではTokyo Scoring Drum Kits、Consoleに分かれています。
KIT
各ドラム下矢印を選択することでそれぞれ調整することができます。
上部の名前部分を選択することで、他の種類のシンバル、キック、スネアなど各種変更することができます。
MAINでは以下のパラメータを調整できます。
VOLUME:ボリュームを調整できます。
PAN:左右のパンニングを調整できます。
TUNE:セント単位でピッチを調整できます。
S. OFFSET:サンプル再生位置を調整します。再生エンジンの全体的なレイテンシーの調整は、SETTINGSで行えます。
ENVELOPEでは以下のパラメータを調整できます。
ATTACK:最大音量までのフェードイン時間を調整できます。
Decay:フェードアウト時間を調整できます。
HOLD:Decay(フェードアウト)が発生するまでの時間を調整できます。
左下のMIX、BLEEDを選択するとミキサーが表示されます。
MIX・BLEED
サブミキサーではダイレクトシグナル、オーバーヘッド(OH)、アンビエントマイク(Amb〜)のフェーダーが表示され、ボリュームを調整できます。
BLEEDは、他の音に干渉する設定です。実際のマイク録音では、スネアのマイクに他のドラムの音が入ります。こういったにじみ(BLEED)を調整することができます。
各フェーダーの下にある灰色の四角いトグルボタンは、そのフェーダーのマイクチャンネルのロードまたはアンロードの状態を設定できます。使用していないものをアンロードしてCPU使用率を減少させることができます。
MAP
このタブでは、マッピングのセットアップを作成、確認することができます。
OCTAVEでオクターブ間を移動しながら、マッピングを確認、変更することができます。
鍵盤を選択すると下部のドラムリストからアサインされているドラムを確認、他のドラムを選択して変更することができます。
新しくキーにアーティキュレーションを割り当てたい場合は、すでにアサインされているキーを選択して右側のCLEARからアサインを削除、もしくは空のキーを選択します。
あとは、下部のドラムリストからドラムを選択し、ダブルクリックします。
一からマッピングしたい場合は、左上のメニューボタンからInitialize Mappingを選択して全てのキーマップを削除できます。ここからはキーマップの保存やロードも可能です。
Link Selected Key to Kitpiece:KITページでの変更がMAPページに影響する機能を制御します。このオプションを無効にすると、キットページでキットピースを変更しても、選択されたキーには影響しません。
右上では、選択されているノートのVOLUME(音量)、OFFSET(オフセット)、TUNE(ピッチ)をそれぞれ調整できます。同じドラムと同じアーティキュレーションが複数のノートにマッピングされている場合でも、これらのコントロールは一度に1つのノートにしか影響しません。
SETTINGS
このタブでは、エンジン再生の様々なパラメータを簡単にコントロールすることができます。
ROUND ROBIN:連続した音のサンプルを変えるラウンドロビンの設定ができます。ドロップダウンメニューで、3つのモードから選択することができます。順番に変わるCYCLE、ランダムに変わるRANDOM、ラウンドロビンなしOFFから選択できます。
VELOCITY CURVE:ベロシティカーブを上下にドラッグして調整できます。
VELOCITY VOLUME:MIDIベロシティがノートのプレイバックボリュームに影響を与える度合いをコントロールします。
エンジンモード:ZERO LATENCY、STANDARD、LOOKAHEADの3種類からエンジンモードを選択できます。
CONSOLE
下部からミキサーを表示できます。それぞれエフェクトを設定でき、水色のボタンでオンオフできます。
一般的なミキサー同様にミュート、ソロ、音量フェーダー、パンコントロールがあります。
アウトプットの設定は左下からできますが、パラアウトの設定はKontakt 7のOutputsパネルから設定する必要があります。
表示、非表示可能なパネルOutputsでは、上部からチャンネルの追加(+)、チャンネルを選択して削除(-)ができます。Preset / Batch Configurationからプリセットなど一括でアウトプットの処理ができます。
+ボタンからチャンネルを増やす際に
- Quantity:追加する量
- Number of channels:チャンネルの数(モノラル・ステレオ・サラウンドなど)
- Host output:リンクさせるDAWのアウトプット
を設定することでアウトプットを追加できます。
あとは、CONSOLEの各チャンネルのアウトプットを設定し、DAWオーディオトラックで受け取ります。
まとめ
TOKYO SCORING DRUM KITSは、テクニック溢れるドラムを構築することができます。
アンサンブルドラムも含まれているため壮大な演出もでき、まさに日本のトップを走る楽曲を制作することが可能です。
この記事が参考になれば幸いです。
質問等ございましたら下部のコメント欄からどうぞ!