Toontrackのピアノ音源EZkeysは、ピアノや鍵盤楽器の枠を飛び出てシンセサイザーなどの音源もあります。
この記事では、そんな種類豊富な音源を一つずつ紹介します。
また、これらのうちからいくつか持っているものを使用して感じたメリットや注意点・デメリットなどのレビューや使い方、インストール・アクティベーション方法、セール情報も解説します。
是非参考にしてください。
目次
1. Toontrack「EZkeys」とは?
EZKeysは、Toontrackが開発する様々な鍵盤楽器やピアノ音源です。
エレクトリックピアノ、クラビネット、オルガンだけでなくメロトロンやシンセ系の音源、そしてそれらを組み合わせたハイブリッド音源まであります。
ピアノ音源のイメージが強いですが、かなり幅広いラインナップがあります。
AU(Audio Unit)、VSTなど作曲ソフトDAWの拡張機能プラグインとして利用でき、スタンドアローン(単体で起動)にも対応しています。
▼ピアノ系一覧▼
開発会社 | Toontrack | |||||||
操作画面 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
製品名 | GRAND PIANO | STUDIO GRAND | UPRIGHT PIANO | VINTAGE UPRIGHT | SMALL UPRIGHT | CINEMATIC GRAND | EZKEYS BUNDLE | ESSENTIAL PIANOS |
モデル | Steinway | Steinway | Ostlind & Almquist | Ostlind & Almquist | August Hoffman | Bösendorfer | 鍵盤楽器14種類のうち3種選択 | Steinway / Ostlind & Almquist / Rhodes MK I / Wurlitzer 200 A |
ベロシティレイヤー | 不明 | |||||||
容量 | 600MBの空きが必要__________________ | 800MBの空きが必要__________________ | 650MBの空きが必要__________________ | 700MBの空きが必要__________________ | 500MBの空きが必要__________________ | 900MBの空きが必要__________________ | 選択したライブラリによる_________________________ | 2.05GBの空きが必要__________________ |
価格(定価) | 155ユーロ | 249ユーロ |
2021年9月現在以下の製品があります。
Cinematic Grand
1891年製のクラシックなベーゼンドルファーベースのプリペアドピアノです。ピアノの各弦に馬の毛を弓として使用したもの、手で弦を叩いたもの、様々な準備を加えて消音された音色、反対に倍音を誇張したものの4種類の構成で録音されています。
Cinematic Pads
Cinematic Padsは、いくつかのアナログシンセやモジュラーシンセに加え、ビンテージのグランドピアノや弓で弾いたエレキギターをベースにしています。これらのコンポーネントを組み合わせることでハイブリッド楽器が形成されています。
Classic Electrics
2つのエレクトリックピアノ、Rhodes Mk IとWurlitzer 200Aが付属しています。
Dream Machine
Rhodes Mark 7エレクトリックピアノとチェレスタ2つのメインコンポーネントが中心となっています。この2つの楽器はそれぞれ単独で使用することもできますが、同時に使用することでこれまでにないユニークなサウンドテクスチャーを形成します。この2つの楽器に加えて、マリンバとシロフォンがプリセットのバックに使用されています。
Electric Grand
Electric Grandには、1970年代後半に通常のグランドピアノに代わるコンパクトなエレクトリックピアノとして発売されたYamaha CP-80をサンプリングした音源です。
Grand Piano
Steinway Model Dをサンプリングしたグランドピアノ音源です。
Hybrid Harp
Hybrid Harpには23のハープ、スウェーデンの伝統的なニッケルハルパ、2台のハーモニウム、弓を使ったグロッケンシュピール、オカリナのセットがサンプリングされ5つの楽器が含まれており、それぞれが様々な方法でレイヤー、テクスチャー、サチュレーションされ、ユニークなハイブリッドサウンドを形成します。
Mellotoon
1960年代初頭に発売されたMellotronキーボードをベースにピアノ、弦楽器、フルート、金管楽器などさまざまな音色が収録されています。M400型メロトロンから直接サンプリングした15種類のインストゥルメントを、ダイレクトシグナルとアンプシグナルを組み合わせて収録しています。
Pipe Organ
Pipe Organは、13世紀に遡る歴史的な教会であるスウェーデンのTäby Kyrkaにある荘厳なオルガンをサンプリングしています。
Retro Electrics
Retro Electricsには、クラビネットとピアネット2つのエレクトリックピアノが収録されています。
Small Upright Piano
Small Upright Pianoは、1800年代後半から続くスウェーデンの名門ブランド、オーガストホフマンの6オクターブの1001型ピアノが採用されています。1970年代に製造されたBambinoと呼ばれるモデルです。
String Machine
70年代半ばに発売されたシンセサイザーSolina String Ensembleをベースに、同時代の他のシンセサイザーからサンプリングしたサウンドを収録しています。
Studio Grand
SteinwayのグランドピアノB-211をサンプリングしたグランドピアノ音源です。
Upright Piano
Östlind & Almquistのピアノがサンプリングされたアップライトピアノ音源です。
Vintage Upright
1930年代に製造されたÖstlind & Almquistのピアノがサンプリングされたビンテージアップライトピアノ音源です。

2. 導入するメリット
EZkeysは導入するメリットは主に以下のような点が考えられます。
MIDIフレーズを使って簡単にトラックを作成できる
EZkeysにはMIDIフレーズがたくさん収録されており、それらを使いながらソフト内のソングトラック上でピアノが弾けない方でも簡単にフレーズを作成することができます。
ただのMIDIフレーズではなくキーやコードの変更も反映できDAWにドラッグ&ドロップすることも可能ですので使い勝手良いです。
フレーズなどはEZkeys専用の拡張パックとして販売もされています。

3. 利用する前に知っておくべき注意点・デメリット
しかしながら、EZkeysを利用する前に知っておくべき注意点もあります。
- 音作りのパラメータは少ない
- 種類豊富なので音源選択に注意が必要
音作りのパラメータは少ない
MIDIフレーズを使ったソングトラックの編集がメインとなっており、音作りのパラメータは少ないです。
それぞれのプリセットによって異なった5つのパラメータが中心となっています。
細かく音作りしたい方にとっては物足りない可能性が高いです。
種類豊富なので音源選択に注意が必要
かなり種類豊富で、グランドピアノやアップライトピアノもいくつかの種類があるので全てチェックしてから選んだ方が良いです。
グランドピアノは
- Steinway Model DをサンプリングしたGrand Piano
- Steinway B-211をサンプリングしたStudio Grand
があります。Bの方が奥行きがせまくスタジオ向きなピアノです。
一般的にピアノ音源としてモデルとなりやすいのは、Model DでGrand Pianoも他のModel Dモデルのピアノ音源と同じような馴染みある音をしています。Studio Grandの方はGrand Pianoより豊かさ、ふくよかさは小さくなりますが1つ1つの音がしっかり届きやすい音源だと思います。
4. 口コミ・評判を紹介!
EZkeysに関する口コミ・評判をまとめました。
パターンを利用したりしながら簡単に扱うことができるため、初心者の方も重宝しているようです。
EZKeysは、ビギナーからプロまで人気のシリーズ。特に内蔵されているMidiデータとパターンが優秀でDAWへ即座に入れられるのも特徴。
初めてピアノを使ってみたのですが、EZKEYSお師匠には滅茶苦茶お世話になっています。彼なしでは生きていけない。
次の曲はピアノとストリングスをメインにした落ち着いたアレンジにしようと思います(*´ω`*)
ピアノはからっきしなので左手はEZKEYSのお力を拝借。
少しいじるだけでだいぶかっこいいピアノ伴奏が作れます(>ω<)
Toontrack冬のセール一発目「EZKeys」39ドルきたコレ。早朝には終了。エンジンにだけ興味あったので何でもヨイ。だが思ってた以上に当該シネ音源はデストロイな内容だった。「EZKey」は有り難いことにMIDI OUTがある。しかしリアルタイム弾きの部分はスルーされない。それで作ってみたエキパン節約術。
引用:Twitter
5. EZkeysに関するセール情報
EZkeysは、ブラックフライデーのみならずセールで安くなる場合があります。
1つ購入でさらにもう1つ音源パックがついてくる2種パックが1つの値段で買えるセールや全製品セールを行いますが、たまにEZkeysのうちどれかを最安値で売り出す場合があります。
最新のセール情報は以下の記事をご覧ください。



6. Toontrack製品のインストール・アクティベーション方法
Toontrack製品のインストール・オーソライズ方法は簡単で以下の4STEPで完了します。
- Toontrackでアカウント登録
- Toontrack Product Managerをダウンロード・起動してログイン
- 左上「Register New Product」からシリアルナンバー入力
- 製品をダウンロード・インストール・アクティベート
7. 使い方を解説!
ここからはEZkeysの使い方を簡単に解説します。
音源によって少し異なる場合がありますのでご注意ください。
上部からライブラリ及びプリセットを選択できます。
それぞれのプリセットは、通常は4つのエフェクトコントロールを備えています。アンビエンス、コンプレッション、ディティール、プレゼンス、リバーブ、トーンなどプリセットに応じて様々なパラメータが用意されています。
画面はクリックすることで音を鳴らしたり(鍵盤の上の方で強い音が鳴ります)、ペダルを踏むことが可能です。
ペダルは左から順にソフトペダル、ソステヌート、サスティンペダルの3つのペダルが用意されています。ソステヌートはある音を伸ばしながら、他の音に影響を与えないようにできます。
楽器の左右にある蓋をクリックすると、DYNAMICS、TUNINGの設定にアクセスできます。
DYNAMICS
ダイナミックの設定では、MIDIコントローラーの感度や自分の演奏スタイルに合わせてベロシティカーブを調整することができます。HIGH、LOWでベロシティ入力のレンジを調整できますが、四角いボタンをクリックすることでドラッグで自由にカスタマイズできるベロシティカーブが表示されます。電源ボタン付きのSOFT NOTEでノートを調整することも可能です。
TUNING
チューニングの設定では、オクターブ、半音、セント単位での調整が可能です。
BROWSER
下部のブラウザボタンをクリックすると、EZkeysのMIDIライブラリが表示されます。収録されているMIDIファイルをブラウズして試聴し、EZkeysのソングトラックにドラッグ&ドロップしたり、MIDIトラックに直接ドロップしたりすることができます。
SONG TRACK
EZkeysの下部には、ソングトラックのセクションがあります。ファイルをドラッグ&ドロップして、曲を構成することができます。ソングトラックにMIDIファイルをドラッグすると、EZkeysがMIDIを解析し、新しく作成されたソングブロックに適切なコードネームをトラック上に表示します。コード名をクリックすると、コードセレクターが表示されます。コードに6thや7thを加えたり、コードを反転させたり、ベース音を変えたりすることができます。
左端TOOLSには
- 編集
- 分割
- コード入力
があります。また、ツールのすぐ上にある+アイコンで曲のキーに合わせて基本的なコードを追加することもできます。
真ん中下部から基本的な再生、停止のほかにループも利用できます。ループを有効にすると、ソングトラックのタイムライン上に赤いループエリアが表示されます。ループの開始点と終了点をタイムライン上でドラッグして、ループエリアを区切ります。
真ん中最下部には◯分の◯、テンポ、キーを設定できます。キーを変更すると全てのコードがキーに合ったコードに変更されます。
右下にある大きなノブは全体のボリュームを調整できます。
ソングブロックを右クリックすると、ブロックのコピー&ペースト、選択したブロックの結合、ブロックの削除、ミュート、クオンタイズ、ランダムなコード生成などのメニューが表示されます。ダブルクリックや右クリックのPropertiesからはパートのトランスポーズやオクターブ、ベロシティを調整ができ、ブロックに色付きラベルを付けて曲の構造を視覚化することもできます。
ブロックを選択して、ソングトラックの上にあるUSE BROWSER MIDIをクリックするBROWSERで選択したMIDIがそのブロックの代わりとなります。BROWSERで選択を変更しながら確認でき、REPLACEで変更を完了します。
まとめ
EZkeysは、MIDIフレーズを使ったソングトラックが特徴的な音源です。
ただし、音作りの幅は狭く、プリセットありきの音源と言えるでしょう。特に音作りの幅が広いPianoteqなどと比べるとかなりできることの差があります。
また、ソングトラックは自分で鍵盤を弾きたい方にとってはあまり必要ない機能の場合があるかもしれません。
この記事が参考になれば幸いです。