CPU負荷が高くなくクオリティが高いピアノ音源が欲しい
このように思っている方には、VI Labsのピアノ音源「Ravenscroft 275」がおすすめかもしれません。
Ravenscroft 275は最近どんどん人気になっているピアノ音源です。
モデルとなっているピアノRavenscroft自体あまり知られていないので、「どんな音なんだろう。使えるのかな?」となかなか手を出せずにいる人も多いのではないでしょうか?
この記事では、Ravenscroft 275を実際に使ってレビュー。導入するメリットや注意点に加えインストールやアクティベーション方法、使い方まで解説します。
この記事を読めば、Ravenscroft 275に関するオーソドックスな情報は全て揃いますので、ぜひ参考にしてください。
ピアノ音源に関するまとめ記事や簡単な比較はこちらをご覧ください。

1. VI Labs「Ravenscroft 275」とは?
Ravenscroftは、VI Labsの開発するピアノ音源です。VI Labsは他にもTrue Keysシリーズで数々のピアノ音源を開発しています。
Ravenscroft 275は、その中でも比較的あまり知られていないRavenscroftのピアノをモデルとした音源になります。
しかしRavenscroft公認音源で、元となるピアノは280000USD(約3000万円)もするピアノです。
UVI Workstation(無料)もしくはUVI「Falcon」内で起動する音源でVST、AU(Audio Unit)、AAXなど作曲ソフトDAWの拡張機能「プラグイン」として利用できますが、単体での起動(スタンドアローン)も可能です。
また、iOS版も販売されており、iPadやiPhoneで利用できるバージョンもあります。


VI Labs製品のピアノ一覧
▼表は横にスクロールできます▼
開発会社 | VI Labs | |||
操作画面 | ![]() |
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製品名 | Ravenscroft 275 | True Keys German Grand | True Keys American Grand | True Keys Italian Grand |
モデル | Ravenscroft | Bechstein | Steinway | Fazioli |
ベロシティレイヤー | 19 | 19 | 不明(おそらく19) | 19 |
容量 | 5.32GB__________________________ | 1.93GB__________________________ | 2.41GB__________________________ | 2.93GB__________________________ |
価格(定価) | 199ドル | 149ドル(True Keys3種349ドル) | 149ドル(True Keys3種349ドル) | 149ドル(True Keys3種349ドル) |
2. 導入するメリット
Ravenscroft 275を導入するメリットは主に2つあります。
- 他にはないモデルの音源
- クオリティとCPU負荷のバランスがとれた音源
他にはないモデルの音源
大抵のピアノ音源はSteinwayやYamahaなど有名なピアノをモデルとしていますが、Ravenscroft 275はその名の通りあまり知られていないアメリカのRavenscroftをモデルとしており、Ravenscroft公認の音源です。
一般的なモデルではないので、音がかなり特徴的なのではと思うかもしれませんがむしろ他の音源に比べてピュアな音が鳴る印象で、評価が高いです。
詳しくは、上記のデモ音源をご視聴ください。
クオリティとCPU負荷のバランスがとれた音源
クオリティはもちろんCPU負荷も他の音源に比べると軽く非常にバランスのとれた音源です。
決してめちゃくちゃ軽いというわけではありませんが、ある程度のスペックであれば、気にせず使用できるでしょう。
Pianoteq 6やIvory Ⅱに関する詳しい記事はこちらをご覧ください。


3. 利用する前に知っておきたい注意点・デメリット
しかしながら、一つだけ利用する前に知っておきたい注意点・デメリットがあります。
それは「初心者には難しいインストール手順」であるということです。
インストール手順が難しいので、ここで躓いてしまう方も多いと思います。そんな方のために、後々インストールの項目で詳しく解説します。
ちなみに、Ravenscroft 275を使用するにあたっては本体だけでなく、UVI WorkstationやiLok License Managerなど他のアプリをダウンロードする必要があります。ただし、別途で何かを買う必要はありませんのでご安心ください。
4. 口コミ・評判を紹介!
Ravenscroft 275の口コミ・評判をまとめました。
最近、特に人気が増してきている印象を受けます。
Ravenscroftというピアノ自体はマイナーですが、ソフト音源が有名になることで逆にハードの名前が知られるという面白いことになっています。
Ravenscroft275買ってよかったなぁという気持ちでピアノを弾いた
2019年現在好きなピアノ音源ランキングとってみたらどうなるんだろうねぇ。
Ravenscroft 275が結構増えてると思うんだけだなぁ
引用:Twitter
6. Ravenscroft 275に関するセール情報
VI Labs製品は、ブラックフライデーのみならずたまにセールをおこないます。
Ravenscroft 275もセールの対象になる場合があります。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。



7. VI Labs製品のインストール・アクティベーション方法
VI Labsのインストール・オーソライズ方法は少し変更されました。
以下の4STEPで完了します。公式の動画もありますので参考にしてください。
STEP1. iLokアカウントを作成し、iLok License Managerをダウンロード
iLokによる認証が必要です。ただし、iLokのUSBを持っていない場合でも、パソコンによるマシーン認証が可能です。
iLokに関する詳しい記事はこちらをご覧ください。

STEP2. VI LabsのHPでSign Up
名前、メールアドレス、パスワードを入力してVI Labsにてサインアップします。
STEP3. ログインして「Downloads/Serials」からInstallerをダウンロード
MacもしくはWindowsのインストーラーをダウンロードします。
STEP4. Installerを起動してログイン。Installer内の4つのステップを完了する
Installer内にて4つのステップがあります。
- UVI Workstationをダウンロード・インストール
- シリアルナンバーを登録
- iLok License Managerでログインし、アクティベート
- ライブラリをダウンロード
iLok License Managerは、ログインし購入したソフトをクリック、右下Show DetailsからActivateできます。
あとはUVI Workstationを起動し、上のフォルダからVI Labs製品を選択して完了です。
8. 使い方を解説!
ここからは実際に使い方を解説していきます。
右上からチューニング、ベロシティ、セッティングの3つの項目に分かれています。
チューニング
チューニングは5つのプリセットがありますが、それぞれの音をCENTSもしくはRATIOでチューニングすることが可能です。
ベロシティ
ベロシティを調整することが可能です。
BENDでベロシティ曲線を調整でき、グラフの「▶︎」「▲」で全体の最大値、最小値などを調整、もしくは黄色部分を直接クリックして描くことが可能です。
セッティング
ここがメインの音作りエリアになります。
真ん中に4つのマイクポジションとその電源、音量フェーダーがあります。矢印はロードボタンで、ロードが完了するとチェックマークとなり、使用できます。
マイクポジションの特徴は以下です。
CLOSE:弦とハンマーの上に置かれたピアノ内部のマイクのミックス。大きなステレオイメージでパンチのある詳細なトーンを集音します。ポップスなど現代的なプレイに最適で、どんなミックスでも持ちこたえます。
PLAYER:座って聞こえる音を集音し、鍵盤やハンマーの音をより多く拾うステレオマイクです。
SIDE:リムのすぐ外側にあるMSのビンテージU87セットアップ。ジャズやクラシックに最適で、他のマイクとうまくブレンドして、部屋やディテールを追加します。
ROOM:ピアノから離れたマイクのミックスで、部屋の特徴とともに楽器全体を集音します。
真ん中下にMIDI CCの設定があります。
この真ん中下エリアのパラメータは以下のものがあります。
DYNAMICS:ベロシティによって変わる音量をコントロールします。デフォルトは96%です。
SENSITIVITY:ベロシティによって変わる音量のカーブです。
HALF-PEDAL:ペダルをゆっくり押すと、フルサステインに達するまでリリーストレイルが長くなります。
UNA CORDA:ソフトペダル。数百の詳細なリリースサンプルを含むソフトペダル用のこの個別のサンプルセットをロードします。
MUTED STRIKES:各ノートのマルチベロシティサンプリングされたストライク。これらのサンプルをミュートしたストリングでロードすると、短いパーカッシブなアタックが得られます。
左側には主に様々な音量に関するパラメータがあります。
RELEASE VOLUME:リリースの音量
PEDAL NOISE:ペダルを踏む音
KEY NOISE:鍵盤を叩く音
REPETITION STRIKE:ストライクの繰り返し
SILENT STRIKE:ストライクの音量
STEREO WIDTH:ステレオ幅
TONE:トーン
右側にはレゾナンスに関するパラメータがあります。
PEDAL RESONANCE:演奏中にサステインペダルを踏むと、すべての弦が調和して振動する音です。
TRUE PEDAL ACTION:PEDAL RESONANCEのサンプルをサステインペダルアクションに関連付けます。ペダルを踏んだ状態でコードを演奏すると、他の弦が共鳴します。
REPEDAL:REPEDALをオンにすると、ペダルをすばやく持ち上げて再度踏み込んだときに持続音のブレンドとぼかしが可能になります。
SYMPATHETIC RESONANCE:共鳴が発生します。これは、グランドピアノの音色とサステインに不可欠な部分です。
SYMPATHETIC POLYPHONY:SYMPATHETICエフェクトに使用できる音声の数を個別に制御できます。
REVERB:22種類のプリセットがあるリバーブです
まとめ
実際に使用していますが、Ravenscroft 275は他の有名なピアノ音源にひけをとらない素晴らしい音源です。また、CPU負荷も重くはないので使いやすいです。
ただし、インストール方法が少しわかりにくい印象を受けましたので、この記事にて解説しました。
他にはない音源ですので一回は触ってみて欲しいと思うピアノ音源です。
この記事が参考になれば幸いです。
質問等ございましたら下部のコメント欄からどうぞ!
loop MIDIなどの仮想ケーブルを使用して使うことはできますか?
コメントありがとうございます!
Macではアプリ間でのMIDIの受け渡しは可能でした。 Windowsユーザーではないためloop MIDIを確認することはできませんが、無料のUVI WorkstationもしくはFalconで起動するサウンドバンクですので、一度無料のUVI Workstationを利用してみて仮想MIDIが使用できるか試してみてはどうでしょうか?無料サウンドバンクもいくつかあります。
https://dtmer.info/uvi-workstation/
もし、それでも分からない場合はUVIのサポートに連絡してみてください。