UVIの万能すぎる多機能ソフトシンセ兼プラットフォーム「Falcon 2.8」。
多くの方が認める人気のソフトシンセかつNative Instruments「Kontakt」的なソフト音源をまとめて扱うことが可能なプラットフォームとしての側面も持ち合わせています。
UVI Workstationで起動する製品をたくさん持っている方は、それらの製品をFalconでも利用できるのでおすすめです。それだけでなく、Falconそのものの機能もこれでもかというほど充実しています。
この記事では、そんなFalcon 2.8をレビュー!インストール・アクティベーション方法からセール情報、EDIT機能やシンセシスの使い方も解説しています。
是非参考にしてください。
1. UVI「Falcon 2.8」とは?
Falcon 2は、UVIが開発する万能な多機能ソフトシンセ兼ソフト音源プラットフォームです。
単にソフトシンセやサンプルインストゥルメントとして利用できるだけでなく、UVI Workstationで利用できる様々なソフト音源をFalconで起動でき、それら音源とFalconを融合して利用することができます。

作曲ソフトDAWの拡張機能VST、VST3、AU(Audio Unit)、AAXプラグインとして利用できる他に、スタンドアローン(単体で起動)にも対応しています。
Falcon拡張音源
Falconは、専用の拡張音源も数多くリリースされています。
- 詳細UVI「Analog Motion」111音色プリセットアナログサウンドFalcon用拡張パック
- 詳細UVI「Atmospherics」アンビエントドローンパッドサウンドFalcon用拡張パック
- 詳細UVI「Cinematic Shades」テクスチャサウンドFalcon用拡張パック
- 詳細UVI「Devinity」Richard DevineによるマスターデザインプリセットFalcon用拡張パック
- 詳細UVI「Digital Motion」FMシンセの可能性を追求したFalcon用拡張パック
- 詳細UVI「Eternal Funk」80’sファンクFalcon用拡張パック
- 詳細UVI「Ether Fields」宇宙のエネルギーを彷彿とさせるサウンドFalcon拡張パック
- 詳細UVI「Lo-Fi Dreams」ローファイサウンドFalcon拡張パック
- 詳細UVI「Plurality」シネマティックサウンドFalcon拡張パック
- 詳細UVI「SubCulture」ダークなアンノンサウンドFalcon拡張パック
- 詳細UVI「Spectre」モダンエレクトロミュージックFalcon拡張パック
- 詳細UVI「Savage」ハイオクターンサウンドFalcon拡張パック
- 詳細UVI「Voklm」オーガニックサウンドFalcon拡張パック
- 詳細UVI「Kinetics」アニメーションサウンドFalcon拡張パック
- 詳細UVI「Inner Dimensions」奥深いテーマサウンドFalcon拡張パック
- 詳細UVI「Titanium」次世代エレクトロニックサウンドFalcon拡張パック
- 詳細UVI「Hypnotic Dive」ダンスミュージックFalcon拡張パック
- 詳細UVI「Pulsar」未来派志向のサウンドFalcon拡張パック
- 詳細UVI「SubCulture Orchestral」ダーク&エクスペリメンタルのオーケストラサウンドFalcon拡張パック
Falcon2.8新機能
Falconは、新しく2.8にアップデートされ、以下のような機能が追加されました。
- Textureオシレーター:新設計のTextureオシレーターは、2チャンネルのサンプル再生、合理化されたコントロール、フィルター、ブレンド、および大規模ライブラリの駆使して、複雑かつ変化するテクスチャとノイズ作成に役立ちます。
- 7つのエフェクトが追加:Falcon 2.8には7つのエフェクトが新たに装備されました。新設計のピッチシフトエンジンによるShifter(単音)とHarmonizer(和音)をPitchカテゴリに追加。そして、単体製品と同じ分散、拡散、デジタルグリッド、テープサチュレーションコントロールを装備したDual Delay X、サウンドを芳醇なアンビエントウォッシュに変貌させられるDiffuse DelayとVelvet Delayの2つのディレイ、サウンドに質感とバリエーションを与えるグラニューラベースのGranulizer、ビンテージコンプレッサーの設計にモダン機能を備えたFeedback Compressorが加わりFalconの内蔵エフェクトは100を超えます。
- 新シーケンサーとスクリプト:Falcon 2.8では、クリエイティブなパターンジェネレーターや強力なパフォーマンスユーティリティーが更に拡充。シーケンスカテゴリでは、特徴的なビデオゲームアルペジオサウンドを即成するChip Arp、変化する4パート構成パターンを生み出すOstinato Arp、Sliceオシレーター用のパワフルエクスパンダーであるSlice Remixerは、専用画面でスライスパターン再構築のためのスライスシーケンスとランダム化の明解操作を提供するモジュールが追加されました。そしてパフォーマンススクリプトでは、MIDI CCを使用したギターやハープの弦をかき鳴らす演奏を操作するStrum Wheel、エフェクトカテゴリーでは、ワウフラッター操作でローファイ感を演出するTape Modなど追加されています。
- 新プリセット:新カテゴリの「Organic Texture」に、バージョン2.8で追加されたTextureオシレーターをはじめ、新装備のエフェクトやスクリプトの効能を使った100のプリセットパッチが追加されています。合計1500以上のプリセットになっています。
- モジュレーション強化:Multi Envelopeも強化されました。以前のアップデートで、オーディオファイルのドラッグ&ドロップでゲインエンベロープの適用を追加しましたが、今回さらに進化し、同じ操作で、明るさ、トランジェントおよびピッチエンベロープの適用が可能になりました。
開発会社 | UVI |
操作画面 | ![]() |
製品名 | Falcon 2 |
オシレーターの種類 | ANALOG / DRUM / TEXTURE ANALOG STACK / FM / NOISE / ORGAN PLUCK / WAVETABLE / ADDITIVE(加算合成オシレーター) SAMPLE / SLICE / STRETCH / IRCAM GRANULAR IRCAM MULTI GRANULAR / IRCAM STRETCH / IRCAM SCRUB |
プリセット | 1500以上 |
価格(定価) | 349ドル |
UVI製品は、サブスクリプション「SonicPass」で利用できるようになりました。UVIのサブスクリプションに関する詳しい記事は以下を参考にしてください。


2. 導入するメリット
Falconを導入するメリットは主に以下のような点が挙げられます。
- UVI Workstationで起動するあらゆる音源を利用できる
- 豊富なオシレーター・モジュレーションなど超多機能
UVI Workstationで起動するあらゆる音源を利用できる
拡張音源やUVI製品はもちろん、UVI Workstationで起動する製品は全てFalconでも起動することができます。
他社製品では、以下のようなメーカーの音源が利用できます。
AcousticSamples
ギターやベース、ドラム、鍵盤楽器などあらゆるインストゥルメントを開発するメーカーです。
<AcousticSamples製品に関する詳細記事>


Expressive E
ハードコントローラーToucheを開発するメーカーで、Toucheと相性抜群のソフトウェアも開発しており、UVI Workstation、Falconで起動する音源もあります。
PSound
アコーディオンなど鍵盤楽器を中心とした音源を開発するメーカーです。
VI Labs
True KeysシリーズやRavenscroftなどピアノ音源を複数開発する日本でも人気のメーカーです。
<VI Labs製品に関する詳細記事>


Virharmonic
バイオリン、チェロなど弦楽器を開発するメーカーです。
The Bob Moog Foundation「Encore Soundbank」
Encore Soundbankには、シンセサイザー業界の著名人による2,000以上のオリジナルサンプルが収録されています。収益はすべて、Bob Moog財団に直接寄付されます。
Whole Sounds「1954 Baldwin Parlor Grand」
Whole Soundsが開発する1954 Baldwin Parlor Grandは、1954年製のボールドウィンRシリーズのグランドピアノ音源です。
豊富なオシレーター・モジュレーションなど超多機能
他の音源などで拡張せずともFalcon自体のオシレーターやモジュレーションなど機能はかなり充実しています。
オシレーターは以下のサンプリングとシンセシスがあります。
サンプリング
- IRCAM Granular
- IRCAM Multi Granular
- IRCAM Scrub
- IRCAM Stretch
- Sample
- Slice
- Stretch
シンセシス
- Addictive
- Analog
- Analog Stack
- Drum
- FM
- Noise
- Organ
- Pluck
- Wavetable
- Texture
モジュレーションソースも豊富でエンベロープやLFOなど1種類でとどまらず、複数種類あるのでドラムを含むあらゆる音源の加工に対応できます。
モジュレーションソースは以下の種類があります。
- AHD
- Analog ADSR
- Attack Decay
- DAHDSR
- Drunk
- LFO
- Multi Envelope
- Multi LFO
- Parametric LFO
- Script Event Modulation
- Smooth Random
- Step Envelope

3. 利用する前に知っておくべき注意点・デメリット
しかしながら、Falconを導入する前に知っておくべき注意点もあります。
多機能すぎてわかりづらい
一般的なソフトシンセの側面とともにNative Instruments「Kontakt」のようなプラットフォームとしての側面を持ち合わせていることもあり、できることがかなり多いです。ですので、使い方がわかりづらく戸惑う方も多いかもしれません。
構造もかなり細かく
- Multi(パートが集まったマルチ)
- Part(トラックごとに分かれたパート)
- Program(パート内のプログラム)
- Layer(レイヤー)
- Keygroup(オシレーターが入ったキーグループ)
という何重にもなった仕様になっています。
4. Falcon 2.8に関するセール情報
UVIはブラックフライデーのみならず頻繁にセールを行います。
Falcon 2もセール対象になり、2021年のブラックフライデーでは27,500円で販売されていました。
UVI全体のセール対象になる場合もありますが、単体セールで安くなる場合もあります。
最新のセール情報は以下をご覧ください。



5. UVI製品のインストール・アクティベーション方法
UVIの製品のオーソライズはiLokアカウントが必要となります。(USBは無くても大丈夫です。)
iLokに関する詳しい記事は以下をご覧ください。

- UVIでアカウント作成
- UVI Portalをダウンロード・インストール・ログイン
- UVI PortalのRedeem Serialからシリアルナンバー・iLok User IDを入力
- UVI Portalで製品をインストール
- iLok License Managerでアクティベート
6. 使い方を簡単に解説!
ここからはFalconの使い方を簡単に解説します。
公式から日本語マニュアルがでていますので詳しくはこちらをご確認ください。
長くなりますので、続きは別記事にて更新します。今回はオシレーターのシンセシスを中心に、EDIT機能をざっと解説します。
プリセットをロードする
最上部はMulti(複数の音源を組み合わせたまとめ)の設定があります。
Multiのプリセットを選択でき
- MAIN
- MIXER
- PERF
の3つのビューが選択できます。
サイドバーの表示・非表示ボタンや、TAPテンポ、上下にドラッグしてテンポ調整、DAWとテンポを同期するSボタンがあります。
再生、停止ボタンや右端から基本周波数、ボリュームを調整することも可能です。
まずは、Multiの中にある各Partにプリセットをロードします。左側PARTSのEmptyをダブルクリックしてサウンドバンクからプリセットを選択できます。プリセットをダブルクリックすればロードできます。
Falcon Factory Presetsはもちろん、他のUVI製品などufsファイルであればどの音源のプリセットもロードすることができます。
EDIT
ロードしたFalconのプリセットは、MAINの真ん中EDITページから細かく調整できます。
基本的には以下の6つで構成されています。右上の6つのマークからそれぞれ表示・非表示することが可能です。
- PROGRAM
- LAYER(S)
- KEYGROUP(S)
- OSCILLATOR(S)
- MAPPING
- MODULATION
それぞれのセクション上部にはいくつかのマークが表示されています。パラメータを表示・非表示にする二重丸マークやエフェクト、イベントプロセッサー、モジュレーションソースなどを表示・非表示することができます。
各セクションの中に新しいモジュールを追加したい場合はプラスボタンを選択します。
ここからは各セクションについて解説します。
PROGRAM
Gain:プログラム全体の出力レベルを調整できます。
Pan:プログラム全体のステレオ配置を調整できます。
Streaming:サンプル全体をメモリにロードするのではなく、再生しながらディスクからサンプルを読み込むことができます。
Oct / Semi:オクターブ、セミトーン単位でピッチを調整できます。
Poly:同時発音数の初期値を設定できます。
Note Poly:同じノートを同時にトリガーできる最大数を設定できます。0に設定すると無制限な値になります。
LAYER(S)
Gain:レイヤーの出力レベルを調整できます。
Pan:レイヤーのステレオ配置を調整できます。
Play Mode:他の音が保持されている間に追加の音がトリガーされたときの動作を決定します。Polyモードでは複数の音を同時に鳴らすことができますが、Monoモードでは最後にトリガーされた音だけが再生されます。またPortamentoでは、前の音から現在の音へのグライドされます。グライドの長さはGlide Timeで設定します。ポルタメントは常に同じ時間Constantか、2つの音間のスプレッドに比例して長くなる時間Proportionalを選択します。Mono Portamento Slideでは、前の音を離した後に次の音を出しても、常に前の音のピッチからスタートして新しいピッチに移動します。
Unison Voices:ノートを受信するたびにトリガーされるボイスの数を設定できます。
Custom Poly:レイヤーの最大ポリフォニーを設定できます。0を指定すると、レイヤー固有の上限がないことを示す特別な値になります。
Vel Curve:入力されるベロシティ値のマッピングを設定できます。上下にドラッグして調整するか右クリックしてプリセットを選択できます。Constantは、常に同じベロシティがトリガーされ、Maxは127一定のベロシティ、Hard>Normal>Softとカーブの曲線が緩やかになります。
KEYGROUP(S)
Gain:キーグループの出力レベルを調整できます。
Pan:キーグループのステレオ配置を調整できます。
Trigger Mode
どのようなイベントをトリガーにしてキーグループを再生させるかを決定します。
- On:ノートオンでトリガーされます。
- Off:ノートオフでトリガーされます。
- Off+E:ノートオフでトリガーされ、その時のアンプエンベロープレベルで再生されます。
- Off+V:ノートオフでトリガーされ、ノートオフのベロシティが初期値として使用されます。
- Off+VE:ノートオフでトリガーされ、ノートオフベロシティと振幅の両方が使用されます。
Trigger Sync
トリガーされたキーグループをどのように再生するかを決定します。
- Immediate:すぐにトリガーされます。
- Next Beat:拍の先頭でトリガーされます。
- Next Bar:次の小節の先頭でトリガーされます。
Ex. Group:互いに共存しない、除外するキーグループを設定できます。ハイハットの開いた音と閉じた音などに便利です。0は、排除するグループがないことを意味します。レイヤーごとに32の排他的グループが用意されています。
Latch:ノートがトリガーされたときに音が保持されます。
OSCILLATOR(S)
キーグループには、1つまたは複数のオシレーターが含まれます。リンクボタンを有効にするとキーグループ内の全てのオシレーターに対してパラメータが同時に編集されます。
Pitch:±4オクターブの広い範囲でピッチを調整できます。
Coarse Tune / Fine Tune:オシレーターのピッチを半音 / セント単位で調整できます。
Gain:出力レベルを調整できます。
Note Tracking:入力されたノートがどのようにトランスポーズされるかを決定します。
Trigger Mode
キーグループ内に複数のオシレーターがある場合どれをトリガーさせるかを選択できます。
- All:キーグループのすべてのオシレーターがトリガーされます。
- Cycle:オシレーターは個別にトリガーされます。ラウンドロビンスタイルになります。
- Random Cycle: Cycleと同じですが、各サイクル内で順番がランダムになります。ただし、同じオシレーターが連続してトリガーされることはありません。
- Random:ランダムなオシレーターが個別にトリガーされます。
MAPPING
プログラムのレイヤーとキーグループの配置を表示します。キーレンジは水平に、ベロシティレンジは垂直に表示されます。右クリックもしくはレンチマークを選択してメニューから様々な編集が可能です。サンプルファイルをドラッグ&ドロップでキーマップに入れ込むことも可能です。
Root:ルートキーを設定できます。
Key:キーレンジを調整できます。
Vel:全体のベロシティレンジを調整できます。
Vol:レベルを調整できます。これはキーグループのGainと連動します。
Pan:ステレオ配置を調整できます。これはキーグループのPanと連動します。
Fine Tune:セント単位でピッチを調整できます。これは、オシレーターのFine Tuneと連動します。
MODULATION
モジュレーションの割り当てとソースを表示し、モジュレーションジェネレーターを編集するために利用できます。
Keygroup、Layer、Programとそれぞれでモジュレーションが設定できます。
モジュレーションやマクロコントロール、オートメーション、MIDIコントロールをアサインする場合は、ノブなどパラメータを右クリックして設定できます。
- Add Modulation:新しいモジュレーションを追加でき
- Edit Modulations:モジュレーションのパラメータ全体を表示します。
- Clear Modulation:パラメータのモジュレーションを解除します。
- Assign To Host automation:DAWのオートメーションでパラメータをコントロールしたい場合に選択し、Falconの128のホストオートメーションコントローラーの1つを割り当てます。
- Unassign Host automation:オートメーションの割り当てを解除します。
- Assign To Macro:マクロコントロールにアサインします。
- Delete Macros assignment:マクロコントロールへのアサインを解除します。
- MIDI Learn:スクリーンメニューからMIDI CCを選択するか、MIDIキーボードコントローラから希望のMIDI CCを送信して、MIDIコントロールを割り当てることができます。
- MIDI Unlearn:MIDIコントロールの割り当てを解除します。
- OSC(Open Sound Control):パラメータを外部からコントロールしたい場合、パラメータのOSCパスがメニューに表示されます。このパスはクリップボードにコピーして、他のアプリケーションに簡単に割り当てることもできます。
アサインしたパラメータはそれぞれ電源ボタンでオンオフでき、横スライダーでモジュレーション量、その隣の三角マークは位相反転ボタン、3つの棒グラフのようなマークからは、Mapper Editor、そして右側SUBの欄からモジュレーションソースの量に作用するSub Modulationを設定できます。
Mapper Editor:アサインするパラメータとモジュレーションソースの間に入って値をMapper Editorで描いたシェイプに基づいた形でパラメータへと送られます。直接ドラッグ&ドロップもしくはAddボタンからシェイプを追加できます。Interpolatedはスムーズさを追加し、Integer Outputは、出力値を整数に補正して送ります。
ここからは、オシレーターのシンセシスを一つずつ解説していきます。
ADDICTIVE
古典的な減算方式のシンセシスからヒントを得た加算方式のオシレーターです。
Max Partials:最大倍音数を設定できます。
Stretch:Partialsの伸縮の量を設定します。
Dissonance:法則に従って、倍音系列を乱します。
Freq. Shift:スペクトルを一定量だけ移調し、すべてのPartclesを非ハーモニクスにします。
Slope:スペクトルの傾きを設定できます。
Even / Odd:偶数と奇数の倍音レベルを制御できます。
Harmonics Shift:最大+48セミトーンまでのスペクトルの移調をシミュレートしますが、結果として生じるParticlesの基本周波数と調和関係を維持するように強制されます。
Freq:倍音に適用されるコムフィルターの相対的な周波数を設定できます。
Depth:Combフィルターのキャンセルの大きさを設定できます。
Cutoff:フィルターのカットオフ周波数を設定できます。
Q:フィルターのレゾナンスを設定できます(フィルタータイプにより異なります)
Order:フィルターのスロープを設定できます。
Type:フィルターの種類を選択できます。
Voices:ユニゾンの音色数を設定できます。
Beating:設定されたParticlesをHertz単位で一定量シフトさせます。
Detune:各ユニゾンのデチューンをセント単位で設定します。
Keep Bass:オシレーターの基本周波数を保持するよう強制します。
Ramp Time:振幅変更間のランプタイムを設定できます。
ANALOG
オシレーターの主要なコントロールが含まれるアナログオシレーターです。
Waveform:波形の形状を設定します。ノコギリ、矩形、三角、サイン、ノイズ、パルスから選択できます。
PWM:パルス幅を変調できます。
Start Phase:波形のどの位置から再生を始めるかを調整できます。
Polarity:波形の極性を反転できます。
Sync:有効な場合、表示も音もないコントロールオシレーターに位相同期されます。
Shift:コントロールオシレーターからのドリフト量を設定できます。
Voices:同時発音数を設定できます。
Stereo:モノラルとステレオの切り替えを行います。
Phase Spread:ボイスの位相拡散のスタイルを設定できます。
Stereo Spread:ステレオの広がり量を調整し、メニューはステレオの広がりのスタイルを選択できます。
Detune:各音声に対するピッチ調整の量とスタイルを調整できます。
ANALOG STACK
ANALOG STACKモジュールはANALOGに似ていますが、複数のオシレーターを簡単に重ねるために特別に設計されています。モジュールには8つのオシレーターが含まれています。さらに、オシレーター2〜8には右上ボタンからオシレーター1と位相を同期させることが可能です。
DRUM
ドラムオシレーターは、パーカッシブなサウンドを作り出すために設計されています。
OSC
オシレーターはサイン、三角、ノコギリ、パルスから選択できます。
Frequency:オシレーターのベースピッチを設定できます。
Pitch Modulation:ピッチモジュレーションを使用できます。モジュレーションの形状はExponential(急速に減衰するエンベロープ)、Sine(従来のアップダウンLFO)、Noise(セミランダムウォーク)のいずれかを選択できます。
Depth:半音単位でモジュレーション量を調整できます。
Rate:ピッチレンジをどれだけ速くモジュレートするかを決定します。
Amp:A(ATTACK)とD(DECAY)のパラメータを持つシンプルなADエンベロープです。
NOISE
ノイズジェネレーターです。
Filter:ノイズジェネレーターは、FILTERを備えています。画面をクリックしてタイプを選択し、Frequency(Cutoff)とQを調整することが可能です。
MIXER
オシレーターとノイズジェネレーターの相対的なレベルを設定できます。スライダーを上下にドラッグすると、それぞれの音源の量が相対的に多くなったり少なくなったりミックスされます。
MASTER
オシレーターの全体的な調整とエフェクトがあります。
Output:出力のEQ Gain、EQ Freq、Distortion、Volumeを調整できます。
Vel Sens:O(Oscillator Volume)、P(Oscillator Pitch Modulation)、N(Noise Volume)それぞれのベロシティ感度を個別に設定することができます。
FM
FM(周波数変調)シンセシスのオシレーターです。
Operators:4つのオペレーターがあります。各オペレーターにあるRatioは、基本周波数に対する相対的な周波数を定義しています。1.0では、周波数は同じで、2.0では、オペレータの周波数は、基本周波数の2倍になります。Hzで比率の周波数から、Hzで設定された明示的な周波数に変更できます。
Fine:±1200セントの微調整が可能です。Hzを有効にすると、機能はMultiに変わり、0.001Hzから20kHzまでのオシレーター周波数が可能になります。
Phase:オペレーターのスタート位相を設定できます。
Snap:Ratioを倍音間隔にロックします。
Level:各オペレーターの出力レベルを設定します。
Feedback:オペレーターDは、自身にフィードバックさせることができます。
オペレーター間の関係やお互いがどのようにモジュレートするかは、右下の画面を選択して選ぶことができます。
NOISE
グリッドに配置された名前を選択してノイズの種類を選択します。選択されたノイズの種類によってはRate、Density、Chaosなどノイズの特性を変更するためのコントロールが用意されています。
ORGAN
8本のドローバーがそれぞれが異なるハーモニーを表し、元々パイプオルガンで使われていた伝統的なパイプのサイズが表示されています。
8’ドローバーは基音で、パイプサイズを2倍または1/2にするごとに1オクターブ上または下を表します。例えば、C3がトリガーされると、8’はC3、16’はC2、2’はC5を再生します。各ドローバーにはGainとPanのコントロールがあります。
PERCUSSION:有効にすると、パーカッシブなハーモニクスが追加されます。このハーモニクスは、Harmonicで調整でき、Fastボタンは、そのディケイスピードを決定します。
PLUCK
Pluckは、物理的なインスピレーションを受けた弦楽器シンセシスモジュールです。
MIXER
Sample、Synth、Noiseの3つのソースそれぞれの音量を調整できます。
SAMPLE
サンプルをドラッグ&ドロップで入れるか上部メニューからファクトリープリセットのサンプルを選択します。
Start:サンプルのスタート時間を設定できます。
Detune:サンプルのピッチを±48セントの範囲でコントロールできます。
KeyFollow:キーポジションがフィルターに与える影響度を設定できます。
Interpolation Mode:サンプルのプレイバックのクオリティを選択できます。
SYNTH
Excitation Brightness:明るさを調整できます。
PICK
ピッキングポイントのキャラクターを調整します。
Position:弦上の位置を設定できます。
Depth:ピッキングの強さを設定できます。
CONTOUR
Shape:ソースの相対的な丸みと薄さを調整できます。
Rolloff:ソースのローパスフィルターです。
Dynamics:ノートオンベロシティの最小値と最大値の間の高域減衰の範囲を設定できます。ベロシティが低いほど、高域の減衰が大きくなります。
FINGER
Harmonic Ratio:1.00の場合、トリガーした音の基音を演奏し、1.00以上の場合は基音の上の倍音を演奏します。
Harmonic Damp:ハーモニクスを減衰させることができます。
Stretch:各サンプルは処理されるか、または未処理のまま通過します。Stretchの値を大きくすると、サンプルは未処理のまま通過する可能性が高くなります。
TUNING & COUPLING
Strings:弦の数を1〜2から選択できます。
Coupling Mode
2本弦の配置を選択できます。
- Serial:2つの弦は直列に配置され、1弦が2弦に供給されます。カップリングが0の場合、1弦だけが聞こえます。
- Bridge:1弦のエネルギーがブリッジに少量供給され、クロスフィードバックによりもう1弦を刺激します。
- Beating:音は数Hzでビートを刻み、カップリングが大きくなると、ビートは速くなります。2弦のデチューンは、このビートの深さと複雑さに影響を与えます。
- Inharmnic:ビートと似ていますが、ビートの周波数が可聴域にあります。リングモジュレーターに似たベル状やプレート状のサウンドが得られます
Coupling:2本の場合、それらの相互作用の量を設定できます。
Coarse Tune / Fine Tune:半音単位 / セント単位で1弦と2弦を相対的にチューニングできます。
Inharmonicity:倍音列からの弦の部分音の伸びの量を制御します。
DECAY
DecayとReleaseは、振幅エンベロープのディケイタイムとリリースタイムを設定します。ディケイの高域シェルフを強調または減衰させるBrightnessと減衰量を設定するBright Loss、ローパスフィルターのカットオフを設定するDecay Cutoffがあります。
ディケイを減衰させるために使用されるフィルタータイプを以下から選択することも可能です。
- MA:古典的な減衰モードです。
- MA2:リニアな位相ダンピングフィルターで、MAフィルターよりも制御しやすいです。
- LP1:MAやMA2 よりも高域を減衰させるプログレッシブなフィルターです。
- Shelf:高域はLP1ほど減衰しませんが、フィルターカーブはMAやMA2よりもプログレッシブです。
WAVETABLE
複数の波形形状を含むテーブルを使用するウェーブテーブル方式です。
まず、波形を選択します。波形メニューから選択するか、ドラッグ&ドロップでファイルを読み込むことも可能です。
Wave Index:波形が複数のスライスを持っている場合、ウェーブテーブルのどのスライスを再生するかを決定します。再生中にスライス間を移動するようにモジュレーションされます。ウェーブテーブルによっては、スライスからスライスへの移行が急なものになる可能性があります。Index、Octavesボタンは、そのためのスムージングオプションです。
Start Phase:トリガーした際に波形が始まるポイントを調整できます。
Phase Distortion:位相歪みのスタイルを選択し、Amountで量を調整できます。
FM
サイン波モジュレーターを導入することにより、ウェーブテーブルに周波数変調を与えます。基本的には、FMオシレーターと同じように設定できますが、サイン波モジュレーターでハーモニクスのインターバルを設定することができます。
Depth:適用されるモジュレーションの量を調整できます。
Ratio:の周波数を設定します。
UNISON
UNISONコントロールの大部分は、Analogオシレーターと同じです。ただし、各ボイスのWave Index値の範囲を設定するWave Spreadというパラメータが追加されています。
まとめ
Falcon 2.8は、かなり多機能なソフトです。今回では紹介しきれていない様々な機能があり、アップデートとともにさらに進化しています。
気になる方は、UVIのサブスクリプション「SonicPass」からも利用できますのでチェックしてみてください。

この記事が参考になれば幸いです。