- Ozone 11の3バージョンの違いは?
- Ozone 11どれを買うべき?
など、定番のAI機能マスターアシスタントを搭載したマルチエフェクトOzone 11を購入する上で、Elements、Standard、Advancedどのバージョンを選ぶのが良いのか悩んでいる方も多いかもしれません。
結論を先に言いますと、iZotope製品は複数バージョンあることが多いですが、その中でも圧倒的にAdvancedを選ぶべき製品だと感じています。
この記事では、そんなOzone 11のElements、Standard、Advancedの違いやおすすめをご紹介します。是非参考にしてください。
Ozone 11のレビューや使い方まとめ記事はこちらをご覧ください。
1. iZotope「Ozone 11」とは?
Ozone 11(オゾン 11)は、iZotopeが開発するマスター用のプラグインエフェクトです。
作曲ソフトDAWの拡張機能AU、AAX、VST3プラグインとして利用できます。スタンドアロンアプリ(DAWなしでアプリとして立ち上がること)の提供はOzone 9までで終了しました。ですので、Ozone 11ではスタンドアロンの立ち上げはできません。DAWのマスターに入れて楽器など様々な音がまとめられた全体の音色やダイナミクスを調整します。
Ozone 8からAI機能が搭載されており、より広いニーズに対応できるようになりました。AI機能搭載で初心者の味方でありつつ、各エフェクトなどの質の高さから数多くのプロも利用するプラグインエフェクトです。Ozoneは安い順からElements、Standard、Advancedの3種類があり、Ozone 11も同様です。
Ozone 11には、
- マザーシッププラグイン:全てのエフェクトモジュールチェーンとAI機能マスターアシスタントが搭載されたプラグイン
- コンポーネントプラグイン:17種類それぞれの単体エフェクトプラグイン(Advancedのみ)
があり、一般的にマスター用とされていますが、Advancedバージョンでは別々のプラグインエフェクトとしても利用できるので、個々の楽器などのトラックメイクにも活用できます。
※コンポーネントプラグインはAdvancedのみとなりますが、Ozone 11 EQは無償配布されているため単体エフェクトのイコライザープラグインは誰でも無料で利用できます。
<Ozone 11の概要>
開発会社 | iZotope |
操作画面 | |
価格(定価) | Ozone 11 Elements ¥8,200 Ozone 11 Standard ¥33,000 Ozone 11 Advanced ¥66,300 ※価格は為替の影響で変動します。 |
主なエフェクト数 | 17種類 |
AI機能 | あり |
発売日 | 2023年9月6日 |
Ozoneを含む主なパッケージバンドル
時期によってパッケージが追加・廃止されたり、販売店独自のバンドルも存在する場合があります。
※販売店によって旧バンドルの取り扱いがある場合があります。Ozone 11ではなくOzone 10のままアップデート前である場合がありますのでご注意ください。
表は横にスクロールできます▼
パッケージ | Mix & Master Bundle Advanced | Music Production Suite 7 | Everything Bundle | Elements Suite |
主な収録内容 | Ozone 11 Advanced Neutron 5 Nectar 4 Advanced (w/ Melodyne Essential) Tonal Balance Control 2 Neoverb Audiolens |
Neutron 5 Symphony 3D Stratus 3D Brainworx bx_boom! Brainworx bx_cleansweep Pro Brainworx bx_delay 2500 Brainworx bx_refinement Brainworx bx_saturator V2 Brainworx bx_subsynth Ozone 11 Advanced RX 11 Standard Nectar 4 Advanced (w/ Melodyne Essential) Neoverb Vocal Synth 2 Insight 2 Tonal Balance Control 2 Audiolens VEA Trash Raum Crushpack(3種) Modpack(3種) Supercharger GT Replika XT Solid Mix Series(3種) Transient Master Driver Guitar Rig Pro 7 |
Ozone 11 Advanced Neutron 5 Nectar 4 Advanced (w/ Melodyne Essential) RX 11 Advanced Dialogue Match VocalSynth 2 Insight 2 Stutter Edit 2 Exponential Audio Stratus 3D Exponential Audio Symphony 3D Tonal Balance Control 2 Neoverb Brainworx bx_boom! Brainworx bx_cleansweep Pro Brainworx bx_delay 2500 Brainworx bx_refinement Brainworx bx_saturator V2 Brainworx bx_subsynth Audiolens VEA Trash Raum Crushpack(3種) Modpack(3種) Supercharger GT Replika XT Solid Mix Series(3種) Transient Master Driver Guitar Rig Pro 7 |
Ozone Elements Neutron Elements Nectar Elements RX Elements |
価格(定価) | ¥84,800 | ¥101,800 | ¥422,900 | ¥23,100 |
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2. Ozone 11の新機能!違いを解説!Ozone 10から何が変わった?
まずは、Ozone 11と10の違いは何なのか?何が変わったのか?新機能や改良された機能をご紹介します。
新機能一覧
- 『Clarity』モジュールの追加
- 『Stem Focus』モードの追加
- 『Transient』/『Sustain』モードの追加
- 全てのモジュールにデルタボタンが追加
- 『Maximizer』に『Upward Compression』が追加
- 『Assistive Vocal Balance』の追加
明瞭度をあげる新エフェクト「Clarity」(Advancedのみ)
Clarityモジュールは、トラックのスペクトルパワーを順応的に最大化してくれます。抜けの悪いミックスでも、嫌なサウンドになることなく、サウンドをクリアにすることができます。
ミックスからドラムやボーカルにフォーカスする「Stem Focus」(Advancedのみ)
マザーシッププラグイン上部に搭載された機能で、エフェクトチェーンのすべてのモジュールが選択した音(ドラム、ボーカル、ベース)にフォーカスして適用されます。独立したステムにOzoneモジュールを適用して、ミックス内部バランスを驚くほど正確にコントロールすることができます。
LRやMSに加わる新しいセパレート機能「Transient / Sustain」(Standard / Advancedのみ)
一部のエフェクトでは、時間軸に応じた音の立ち上がり部分トランジェントとその後のサスティンを個別に設定することができます。クラシックなツールにこの機能が追加されたことで、クリエイティブな可能性を引き出してくれます。
全てのモジュールにDeltaボタンが追加 (Standard、Advancedのみ)
すべてのモジュールにあるDeltaボタンで、各モジュールがオーディオにどのような影響を与えているかを正確に確認できます。
Maximizerに密度を高めるUpward Compressが追加 (Standard、Advancedのみ)
トランスペアレントコンプレッション回路により、高速なトランジェントを維持しながらも音量の小さなセクションをブーストしてくれます。複雑なパラレルルーティング、ゲインステージング、レベルマッチングの全てを1つの直感的なスライダーだけで操作する事ができ、サウンドの密度とディテールを高めてくれます。
ボーカルバランスを調整できるAssistive Vocal Balance (全バージョン)
マスターアシスタント完了後に、アシスタントビュー内でボーカルにフォーカスしてバランスを調整することが可能です。
改善点一覧
その他にも以下のような点が改善されています。
- 『Low End Focus』と『Spectral Shaper』のインターフェイスデザインが改善
- 『EQ spectrum analyzer』とグリッドが改善
- 『Maximizer』のインターフェイスデザインが改善
- 『Imager』のデザインが改善
- 『Master Assistant』の結果とデザインが改善
3. Ozone 11 Elements・Standard・Advancedの違いを比較!どれを買うべき?
ここからはOzone 11 Elements、Standard、Advancedどれが良いか?どれを買うべきなのか解説します。
Ozone 11 Elements、Standard、Advancedの主な違いは以下です。
Elements | Standard | Advanced | |
モジュールエフェクト | なし | 14 | 17 |
モジュールClarity / Impact / Low End Focus | ◯ | ||
Stem Focus | ◯ | ||
Transient Sustain処理 | ◯ | ◯ | |
Tonal Balance Control同梱 | ◯ | ||
Audiolens同梱 | ◯ | ||
個別のプラグインになる | ◯ | ||
Codec Preview | ◯ | ||
Dither | ◯ | ◯ |
これ以外にも違いはありますので詳しくはiZotope公式ページをご覧ください。
Ozone 11 ElementsはAIによるマスターアシスタント及びアシスタントビューがついた仕様となります。Ozone 11 Elementsに細かく調整できる各エフェクトモジュールは含まれません。
4. 購入すべきバージョンとその理由
結論を先に言いますと買うなら間違いなくAdvanced一択です。
ここからは、特に重要な違いを1つずつ解説します。
個々のエフェクトにできる
個々のプラグインにできるかどうかは、快適性の面で重要です。
Advancedのみが別々のプラグインエフェクトとして利用できます。全ての機能が詰まったマザーシッププラグインは、重い場合がありますが、個々のプラグインとして必要なものだけ利用することで軽減することが可能です。
新機能Stem Focus
Advancedのみの新機能Stem Focusは、マスター処理の仕方にさらなる可能性を広げる画期的な機能です。新機能の中でも特に良いなと思った機能で、これがないとOzone 11の魅力が少し下がると感じます。
モジュール
モジュールClarity、Impact、Low End Focusは、Advancedのみにしかありませんが、特にClarityとImpactはマスターアシスタントで使用されるエフェクトですので、マスターアシスタントの結果にも影響します。
同梱ソフトウェア2種
Advancedバージョンのみ2つのソフトウェアが同梱します。
- Audiolens:音源ファイルのダウンロードやDAWの設定に時間を費やすことなく、ストリーミングプラットフォームから直接楽曲の特性を収集し、Ozone 11やNeutron 4、Nectar 4とシームレスに繋げて収集した特性に合わせたミックスやマスタリングが可能となります。これを使ってターゲットライブラリを拡張することが可能です。
- Tonal Balance Control:最後に全体のバランスを確認するために利用でき、自宅で音が出せないなどモニター環境の違いやそれに伴う感覚の違いで間違ったバランスを取っている場合Tonal Balance Controlを見ることで修正点がわかります。また、自分の好みの曲と同じようなバランスをとることも可能です。
Audiolensは無料配布されていたこともあり持っている方も多いと思いますが、Tonal Balance Control、Audiolensともに便利なツールなので持っておくことをおすすめします。
Codec Preview (コーデックプレビュー)
Codec Previewは、MP3やACCに変換する際にデータ損失を補正してくれる機能です。
この機能もAdvacedのみにしかありません。
5. おすすめの買い方・購入前に知っておくべき注意点
ただし、Ozone 11 Advancedを購入する場合でも、事前に知っておくべき点があります。
- アップグレード・クロスグレード
- バンドル
アップグレード・クロスグレード
iZotopeの製品を持っているとアップグレード(バージョンをアップする)・クロスグレード(その製品からバージョンアップや他の製品を安く購入できる)が可能です。
- Upgrade from 〜:〜からアップグレード
- Crossgrade from 〜:〜からクロスグレード
- Crossgrade from any paid iZotope product:iZotopeの有料製品からクロスグレード
例えばElementsを持っている場合は
- Upgrade、Crossgrade from Elements:Elementsからアップグレード・クロスグレード
- Crossgrade from any paid iZotope product:iZotopeの有料製品からクロスグレード
が購入可能となります。
バンドル
Ozone 11 Advancedを購入する場合、単体で買うよりお得なパッケージがあります。
特におすすめなパッケージがMix & Master Bundle AdvancedもしくはMusic Production Suite 7です。
以前人気だったバンドルTonal Balance Bundleは、新しくAI機能搭載リバーブNeoverbが追加されたMix & Master Bundle Advancedとして販売されています。
※販売店によって旧バンドルの取り扱いがある場合があります。価格は為替の影響で変動します。
Mix & Master Bundle Advanced:価格(定価)¥84,800
- Ozone 11 Advanced:マスター向けマルチエフェクト
- Nectar 4 Advanced:ボーカル向けマルチエフェクト
- Neutron 5:トラック向けマルチエフェクト
- Melodyne 5 Essential:ピッチ補正プラグイン
- Neoverb:AI機能搭載リバーブ
- Tonal Balance Control 2:バランス確認ツール
- Audiolens:ストリーミングサイトから音楽特性を収集できるアプリ
Music Production Suite 7:価格(定価)¥101,800
- Ozone 11 Advanced:マスター向けマルチエフェクト
- Nectar 4 Advanced:ボーカル向けマルチエフェクト
- Audiolens:ストリーミングサイトから音楽特性を収集できるアプリ
- Neutron 5:トラック向けマルチエフェクト
- VEA:ボイスオーディオエンハンサー
- Trash:クリエイティブディストーション
- Symphony 3D:サラウンド対応リバーブ
- Stratus 3D:サラウンド対応リバーブ
- RX 11 Standard:修正・補正ツール
- Melodyne 5 Essential:ピッチ補正プラグイン
- Neoverb:AI機能搭載リバーブ
- Vocal Synth 2:ボーカル向けエフェクト
- Insight 2:メーターツール
- Tonal Balance Control 2:バランス確認ツール
- bx_boom!:キックドラムにパンチを加えるプラグイン
- bx_cleansweep Pro:ハイパス/ローパスフィルター
- bx_delay 2500:ディレイ
- bx_refinement:不快な高域を除去し活性と輝きを加えるハーシュネスコントロール
- bx_saturator V2:マルチバンドサチュレーション
- bx_subsynth:サブハーモニックシンセサイザーエフェクト
- Guitar Rig Pro 7:ギター、ベースアンプシミュレーター&エフェクター
- Raum:複雑なサウンドデザインを実現するリバーブ
- Crushpack(3種):多機能なビットクラッシャー / ディストーション / フリケンシーシフター
- Modpack(3種):革新的なコーラス / フランジャー / フェイザー
- Supercharger GT:迫力の真空管コンプレッションサウンド
- Replika XT:柔軟性に富んだスタジオクオリティディレイ
- Solid Mix Series(3種):精確な6バンドのイコライザー / コンプレッサー&エクスパンダーゲート / バスコンプレッサー
- Transient Master:ドラムやパーカッションのアタックを引き上げるダイナミクスプロセッサー
- Driver:包括的かつクリエイティブなディストーション&フィルターエフェクト
特にAI機能搭載トラックメイクをアシスタントするNeutron 5やAI機能搭載ボーカル用エフェクトNectar 4を持っていない方は一緒に手に入れるべきでしょう。
これら二つを組み合わせクロスグレード+パッケージで買うのが一番お得になります。
Neutron 5やNectar 4、Mix & Master Bundle Advancedに関する記事はこちらをご覧ください。
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6. Ozone 11の最新セール情報
iZotope製品はブラックフライデーのみならず頻繁にセールをおこないます。
およそ50%OFF〜ものによっては90%OFFをこえるものもあります。
特に時期によって限定で販売されるパッケージ品
- Black Friday Bundle
- Music Maker’s Bundle
- Holiday Bundle
- 初めてのiZotopeセット
などは割引率が高いの場合が多いです。
※これらのパッケージはセール期間が終わると販売しません。
また、Elementsの場合は無料配布される場合があり、Ozone 8、9ともにElementsは期間限定で無料配布されています。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
Ozoneシリーズは初心者からプロまで利用するマスタリングツールです。Ozone 11となり、よりミックス内に含まれる細かな成分、ディテールを操作、引き立てることができ音圧に影響が少ない形で知覚する音の大きさを上げることができる仕様となっています。
DTMerなら間違いなく持っていた方が良いですが、購入する場合はAdvanced一択です。ただし、スタンドアロンができない点だけご注意ください。
また、クロスグレード+パッケージで購入する方法が一番お得になります。
この記事が参考になれば幸いです。
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