人気のソフトシンセサイザー「Avenger」。
かなりできることが多いですが、この記事ではその中でも一番はじめに知るべき点オシレーターについて解説します。
公式の英語マニュアルはこちらをご覧ください。
Avengerのレビューやインストール、アクティベーション方法、また使い方②③はこちらの記事をご覧ください。



1. オシレーターについて(公式動画)
英語ですが、公式の解説動画もあります。
まず、基本的な操作として、左上CONTENTにプリセットがあります。INFOはプリセットの情報設定(ジャンル、コメント、アーティスト)、FILESは自分のファイルをオシレーターにそのままドラッグ&ドロップできます。
右上検索マークからプリセットを検索できます。

2. オシレーター(OSC)の種類
上部真ん中部分の波形のところがオシレーターです。
Avengers GUIは「タブ」に基づいています。 OSCエリアには、常に少なくとも2つのタブ、1つのOSCとDRUMSがあります。 「+」をクリックすると、合計8つまで別のOSCが追加されます。
タブをダブルクリックして名前を変更し、右クリックでコンテキストメニューが開きます。 タブにカーソルを合わせると、タブをミュート/ソロにできます。 この機能は、下にあるMIXERタブにリンクされています。
OSCは波形の上にある名前をクリックすることによってオシレーターライブラリが開きます。
オシレーターの種類は以下の8種類に分類されています。
VA Shapes
1サイクルの波形で構成されるクラシックな波形。サイン波、ノコギリ波、パルス波、三角形などの基本的な波形(基本的な形状)を見つけることができます。
Wavetables
SerumやMassiveでお馴染みの波形を合成して音作りするウェーブテーブルです。
Freeform
これは便利です。プリセットは基本的な波形が中心ですが、下のEDITORでペンで書くようにオシレーターを作成できます。
Resamples
原則としてウェーブテーブルですが、このモードでは大きなWAVファイルをロードして利用します。
Samples / Special Samples / Multi Loops
オシレーターはサンプルやループも再生できます。
Samples、Special Samplesは波形の右下「+」から最大4つまでオシレーターを追加できます。
Granular
WAVファイルを読み込んで小さなピースに分割します。

3. パラメータ
OSCの名前と波形の間のオレンジ部分はフィルターとなっており、左右にドラッグすることで調整できます。VA ShapesやWavetablesなどは下のEDITOR(FFT)にリンクします。Sampleなどは同じくEDITORにあるLPF、HPFとリンクします。
PHASE (VA-Shapes/Freeform/Wavetable/Resample)
波形の上にPHASEがあります。上下にドラッグして変更可能です。位相はランダムにすることも、特定の位相位置に固定することもできます。
Keytrack (KTRK)
サンプルのピッチをキーボードに合わせる方法を制御します。 100%はフルスケールを意味し、0%はキーボード全体にピッチがないことを意味します(ドラムまたはボーカルにこれが必要な場合があります)。Sampleの場合、下のEDITORにあるKEYTRACKノブにリンクされています。
GAIN
オシレーターのみに影響するゲインで音量を上げることができます。
mFADE(Micro Fade In)
特定の開始フェーズの位置では、オシレーターがクリック音を引き起こす場合があります。そういった場合に使用して波形をフェードインし、クリックを排除できます。
Phase invert
右下のこの小さなアイコンは、位相を180°変えます。
LEVEL
※注意!右クリックと左クリックで変わるパラメータがあります。
- 左:オシレーター全体のボリューム。
- 右:Pan
どちらのパラメータの下のMIXERにリンクしています。
TRANSPOSE
オシレーターのピッチを設定します。範囲-48〜+48半音。
FINE
- 左:ピッチを微調整します。範囲-1〜+1半音。
- 右:ランダムピッチ。ノートを再度押した際やアルペジエーターごとにピッチの変化量が変わります。ランダムな変化は左、交互の変化は右に回します。範囲は押されたノートから最大-1〜+1半音
NOISE
- 左:ノイズボリュームを設定します
- 右:ノイズカラー。ノイズの色を制御します。ホワイト、ピンク、ブラウンのノイズをスムーズにミックスできます。
文字部分をクリック:ステレオ幅。MONO、STEREO 50%、STEREO 100%3つのステレオ幅設定が選択可能です。ノイズ100%はステレオ幅全体で、左右はまったく異なります。ノイズ50%の幅は半分しかなく、モノラルのノイズは、ステレオ幅がありません。位相ロック(Phase Lock)をオンにして、より優れたトランジェント制御を実現できます。ドラムに最適です。
ノブ下のオレンジ:Rate Reducer。ノイズのRateを変化させます。
FM
FM(continous alias/Oversampled)
FM信号を連続的に生成します。エイリアシングが高域で発生する可能性があり、これを減らすにはオーバーサンプリングモードを使用できますが、CPUを消費します。
FM(table cut)
このFMでは、ウェーブテーブルに似たブロックでFM信号を生成します。高域で非常にクリアであり、エイリアシングはありません。
FM(table cut windowed)
通常のtabel cutと同等ですが、テーブルの最初と最後をフェードイン/フェードアウトし、クリックを減衰させます。
RATE
AMとFMはRATEを共有しModulationの速度、周波数を設定します。
Free:Modulationのピッチをスムーズに設定できます。他のすべてのモードはFreeの約50%のRateで開始されるため、レートを下げるにはFreeを選択する必要があります。
Phase Lock:FM / AMのModulationの開始位相を設定します。フェーズロックがオンの場合、位相はメインと同じになります。位相ロックがオフの場合、Modulationの位相はランダムです。
AM
ピッチ/周波数を変調するFMとは対照的に、このダイヤルはボリューム(振幅)を変調します。振幅変調(AM)は、元の波形の振幅に、選択した波形の振幅をより高い周波数/レートで単純に乗算します。レート設定に応じて、これにより異なる倍音が生成され、元の信号に追加されます。
V-Saw
現代のクラブミュージックに不可欠な、太い離調音を作成できます。
Voice(VCS)
Avengers V-Sawは最大7つの音声を生成できます。ここで、必要な数(2〜7)を選択します。
Octaves(OCTS)
4オクターブまで分散できます。
MIX
このスライダーを使用して、V- Sawのミックスレベルを設定できます。 オレンジのメーターがマックスの場合、追加で生成される音声が元の音声と同じくらい大きいことを意味します。
DETUNE
Detuneノブです。これを使用して、Voiceが互いに離調する量を設定します。
PAN
ここで、ステレオフィールドに広がる量を設定できます。
Vibrato(VIB.)
V-SawはビブラートLFOがあります。これにより、V-Sawのピッチが調整されます。次の2つのモードから選択できます。
Global:ピッチ全体を変調します。
Independent:個々のボイスのピッチを別々に変調します。
Global/Independentの下で、LFOの波形を選択できます。
VIB. RATE:ここで、LFOの速度を設定できます。
VIB. AMOUNT:ここで、ピッチ変調の量(ビブラートの深さ)を設定します。
FADE IN:LFOのピッチモジュレーションがゆっくりと設定量に到達します。
フェードインダイヤルの下にあるカーブコントロールを使用して、FADE INの形状を設定できます。
CHORDER
和音やその他の音程を生成します。個々のボイスのパン、ボリューム、離調を設定できます。
Preset:多数のCHORDERプリセットが含まれており、ブラウザから選択できます。
左から
ON/OFF:個々のボイスのオン/オフを切り替えます。 最大4を生成できます。
CRS:ピッチを設定します(-24〜+24半音)。
TN:調整ダイヤルを使用して、ピッチを微調整します。ダイヤルの範囲は-1〜+1半音です。
PAN:CHORDER内の各ボイスをPANで配置できます。
VOL:CHORDERの音量。
SUB OSC
Avengerのすべてのオシレーターでは、メインボイスより1オクターブ下のサブオシレーターをミックスできます。
VOL:SUB OSCのボリューム、最大+6 dB。
INV.:形状の位相を反転します
SHAPE:SUB OSCには4つの形状があります。
OCTAVE:-1 / 0 / +1から選択します。
GENERAL
VOICES:選択したオシレーターのボイス制限を設定します。2つの特別なモード「max 1 - lowest」と「max 1 - highest」があります。これらは、どのノートが先にトリガーされたかに関係なく、常に低いもしくは高いノートを演奏します。
MIDI SPECIAL(ENDLESS SUB):これは、ベースサウンド用に設計された特別なMIDIのモードです。
ROUTE
オシレーターパネルの右側がルーティングパネルです。選択したオシレーターがシグナルチェーンでたどる経路を確認できます。「+」をクリックして追加、FXの変更、ドラッグ&ドロップで順番を変更できます。ARPやAMPなどの一部のモジュールは固定されており、このチェーンでは移動できません。それぞれを右クリック(もしくは左クリックでGo To)するとその設定パネルが赤く表示されます。左クリックからREMOVE(除外)も可能です。
※Avengerの音の流れ(Manual引用)
X-SIDE
波形を変化させるこのノブは名前をクリックすることで2種類から選ぶことが可能です。
XCITE SIDE:ダイヤルを中央位置からどちらの方向に回すかによって、波形の左側または右側を押しつぶします。
XCITE MID:中央の位置からダイヤルを回す方向に応じて、波形の中央をズームインまたはズームアウトします。
FORMANT
こちらも名前をクリックすることで変更可能な4種類のパルス幅を制御する機能です。 左に回すと、波形が押しつぶされて左側に縮みます。 右に回すと、波形が右側から拡大されます。
FORMANT-CUT:端はフェードされず、クリック音が発生します。
FORMANT-FADE:端はゼロ交差までフェードします。
FORMANT-X FADE / X FADE 2:両方のクロスフェードモードは+範囲で同じように動作し、開始と終了をブレンドします。X FADE 2では、元の波形の開始/終了振幅が保持され、ブレンドに使用されます。
BITS/RATE/BOTH
名前をクリックすることで変更可能な3つのモードBITS/RATE/BOTHがあります。
RATE:レート(水平方向の波形振幅)
BIT:ビット深度(垂直方向の値)
BOTH:両方
このエフェクトはオシレーターにあり、オーディオエフェクトとは異なる動作をします。
2番目のOSC(元のOSCと同じ波形を持つ)を使用して、それを元の波形に追加するか、コピーのみを使用することができます。 WINDOWEDでは、クリックを避けるために2番目の同期オシレーターがフェードインおよびフェードアウトします。
Sync Amount/Frequency 左:2番目のOSCの周波数を0%(元のピッチ)から100%(+5オクターブ)シームレスに設定します。
Sync Envelope Amount 右:内部リングは、内部Sync Envelopeに送信されるModulation量を制御します。 このコントロールの中心位置は0で、左が−、右が+になります。
Sync Envelope Length:ノブの下のオレンジ色のメーターは、Modulationの長さを制御し、50msから3500msまで設定できます。
Sync Envelope Curve:Syncには独自の小さなenvelopeがあります。 これは上下に曲げることができます。
まとめ
Avengerのオシレーターまわりについて解説しました。
Avengerはまだまだできることがありますので、また別記事にて解説します。
Avengerは右クリック、左クリックなどでパラメータが変わる場合があります。右クリックでドラッグすることはなかなかないと思いますので、見逃しがちですし、忘れがちですので注意してください。
この記事が参考になれば幸いです。

三年前にAvengerを買ってプリセットしか、つかってなかったけど最近一から音を作れるようになりたくて調べていたらこの記事を見つけました。
次の記事も楽しみにしています!
コメントありがとうございます!
更新止まっていて申し訳ないです、、また続きを書きますので少々お待ちください!