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ソフトシンセVengeance Sound「Avenger 2」使い方③:ドラム/シーケンサー/モジュレーション編

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使いこなすことが一苦労のAvenger 2の使い方第三弾です。

今回はドラム、Event Trigger、シーケンサー(アルペジエーター・ステップシーケンサー・ドラムシーケンサー)、AMP、FILTER、そしてモジュレーションについて解説します。

公式の英語マニュアル(バージョン2.4.1)はこちらをご覧ください。

使い方①②やレビュー、インストール・アクティベーション方法は以下の記事を参考にしてください。

vengeance-sound-vps-avenger-2-thumbnails ソフトシンセ「VPS Avenger 2」使い方やレビュー!インストールやアクティベーション方法まで解説! avenger-how-to-use-1-2026 VPS Avenger 2の使い方①:Vengeance Sound人気ソフトシンセオシレーター編 avenger-how-to-use-2-2026 ソフトシンセVengeance Sound「Avenger 2」使い方②:エディター編

1. ドラム

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OSCタブの中にドラムのタブがあります。ドラムはV-SawやVoicingは存在せず、縦型の鍵盤にドラムサンプルを配置します。

ドラムメインページ

要素 説明
縦型キーボード/
サンプルフィールド
各キーにサンプルがロードされる。一般MIDI規格に沿って名前表示(c=Bass Drum、d#=Clap等)。別サンプルもロード可。
波形ビュー ミニチュア波形に再生位置ラインが動く。カーソルを合わせると「edit」表示、クリックでサンプルエディターへ。「edit」の左にドラムブラウザのアイコン、右に「<」「>」で次サンプル順送り。
Mute / Solo 個別ドラムのミュート/ソロ。
Vol スロットの音量。サンプルエディターのGainダイヤルでもう一段細かく調整可能。
Pan ステレオフィールドへの定位。
Pitch 半音単位でピッチを設定。サンプルエディターには微調整可能なピッチコントロールがある。
Save drumkit ドラムメインページで右クリックでメニュー。ドラムキットの再生や初期化が可能。
TIP
Shiftキーを押すことで、ドラムサンプルを複数選択できます。

Drum Sample Browser

波形ビューの「edit」をクリックすると、Drum Sample Browserに移動します。BD(Bass Drum)スロットを選んだ状態で、インストール済みエキスパンションから別のサンプルを選択できます。中央のカラムでエキスパンションを選び、右カラムにそのカテゴリのサンプル一覧が表示されます。「All Expansions」を選ぶとすべてのBDサンプルが一覧化されます。
別のスロット(例:CLP)を選ぶとブラウザが自動的にそのカテゴリに切り替わります。右上の「<」「>」ボタンでブラウザを開かずに前後のサンプルをロードできます。

Drum Sample Editor

波形部分の「edit」をクリックするとサンプルエディターに入れ、そのサンプル限定の各種編集ができます。

項目 説明
Sample start / end フラグ 波形上の2つのフラグでサンプルの開始位置と終了位置を設定。
Monophone / Polyphone 高速に連続するオーバーラップノート(スネアロール等)を、オーバーラップ可(Polyphone)か、カット(Monophone)かを設定。
Gain 通常のボリュームで不十分な場合に、ゲインで音量を設定。
Envelope 波形グラフィックの上にエンベロープが表示。ダブルクリックでポイント追加、右クリックで削除。右クリックメニューにはリバースやFLIPなどあり。
Volume / Pitch / Pan メインページのノブと同期。Pitchはメインと違って半音固定ではなく微調整可。
Spike サンプルのアタックにアクセントを追加。
Delay 右に回すとサンプルを遅延、左に回すとドラムシーケンサー上でサンプルを前に押し出す。前に押し出した際は緑のバーがアンカーポイントとして表示される。
Lp / Hp シンプルな6dB/octフィルター。ハイハットを薄くしたりキックを抑えたりするのに有効。

Drums Routing

基本的にオシレーターのルーティングと同じです。Send FX、FXバス、シェイパーモジュールを追加できます。ルーティングは選択中のドラムサンプルにのみ影響します。

重要
DRUM SQ」はグローバルで、ドラムセクション全体の内部ドラムシーケンサーのオン/オフを切り替えます。

Multi Selection(複数選択)

Shiftキーでドラムサンプルを複数選択でき、ルーティングへの変更を選択中の全ドラムに適用できます。
Ctrl / Strgキーで選択への追加・除外が可能で、すべて選択した上でバスドラだけ除外して、それ以外にリバーブのInsert FXを追加する、といった使い方ができます。

Drumkit / Sequences Browser

ルーティングエリアの下にあるブラウザで、「drums」タブからドラムキット、「seq」タブからドラムシーケンスをロードできます。2つのタブの間にあるロックアイコンを有効にすると、ドラムキットをロードした際に対応するシーケンスも同時にロードされます(逆も同様)。自作のキットとシーケンスをリンクさせたい場合は、ファイル名を完全に一致させる必要があります。

2. Event Trigger module ★v1.7以降の新機能

drum-trigger-avenger-2

v1.7以降、Drumsタブの右に「Event Trigger」タブが追加されました。
名前の通り、特定のイベント(ノート、MIDI-CC、マクロボタン)をトリガーとしてサンプルを再生するモジュールです。10個のスロットがあり、それぞれが独自のトリガールール・サンプル・ルーティングを持ちます。各イベントトリガースロットは(マルチ)サンプルOSCタブのように動作します。

Event Trigger Type — 4種類のトリガー

タイプ 動作
Note-on / Note-off 2つ目のボックスでグローバル(全OSC)か特定OSCを指定。3つ目で「All notes」か特定ノートを指定。標準で使いやすいのは「Global Midi」+「All Notes」。
Midi-CC 指定MIDI-CC値が3つ目のボックスで指定した値より大きい/小さい時に発動。例:「CC1(ModWheel) > Value」を「64」にすると、ModWheelが64を超えた時に再生。64を下回って再度超えると再トリガー。
Macro Button マクロボタン(1または2)を押した時にイベント発動。on時/off時/両方のいずれかで発動可。

Event Trigger Slot Options

各イベントトリガースロットには独自のMute/Soloボタン、Volume・Pitchノブ、そしてProbability(確率)ノブがあります。

100% 毎回トリガー時に再生(デフォルト)。
50% 2回に1回再生される。
10% 10回に1回しか再生されない。

Event Trigger Routing

各スロットは右側に独自のルーティングを持ち、OSCのルーティングと同じように使えます。

制限
Arp、Step Sequencer、AMPを経由したルーティングはできません。代わりに、ベロシティとピッチエンベロープをサンプルエディター内で直接設定します。

Event Trigger – Sample Editor

スロットの「edit」をクリックするとサンプルエディターが開きます。OSCタブのサンプル編集ページと同じように動作しますが、いくつかの違いがあります。

AMPモジュールを経由できないため、ベロシティカーブをここで直接設定します。エディター内の左上と右下のフラグでサンプルの開始/終了を設定でき、その下にEnvelope Time、Max Used Voices、Micro-fade Time、Overall Gainがあります。

「pitch」をクリックするとピッチ編集ページに切り替わり、エディター下の左側からピッチエンベロープを有効化できます。エディター主画面の右上から「EQ」を選択すると2バンドEQを有効にでき、これはルーティングチェーンに送られる前のシグナルに適用されます。

3. ARP / アルペジエーター

avenger-2-arp

左上プラスボタンから最大8つ立ち上げることができるアルペジエーターは4つのパターン(a/b/c/d)で構成され、各パターン最大32ブロックです。

クリックでブロック(ノート)を配置でき、左下の「0」を上下ドラッグでトランスポーズできます。緑のブロックはオクターブにスナップし、+6/+7など中間のトランスポーズは黄色で表示されます。各ブロックにはベロシティ値(背景の灰色バー)があり、背景クリック+上下ドラッグで変更します。

下部のコントロール

コントロール 役割
+1 / -1 shift すべてのARPノートを同時に半音上下にシフト。
Toggle Connection Overlay v2新機能。表示をConnection Overlayに切り替える(後述)。
Pattern Play アクティブ(緑)時は全アクティブパターンをa→b→c→dと連続再生。無効(灰色)時は現在のパターンのみループ再生。
Pattern Selector 4つのパターン(a/b/c/d)を切り替え。
Pattern Options セレクター右側のボタンから、コピー/ペースト/プリセット等の追加オプション。
On / Off このARPモジュールのオン/オフ。
Mode 受信ポリフォニックノートをどう分離するか。「up」は上から下に分離、「poly」は分離せず元の和音状態で送る。「Chords」については後述。
Pattern Speed ARPブロックの長さ(=モジュールの速度)を設定。
Octaves ARPノートを広げるオクターブ数を設定。
Fixed Note Chord Detection機能。Aコードを演奏するとARPに「A」のみが挿入される。「+」モードでARPがリアルタイムにスケール補正される(+3→+4等)。
Strum ChordsまたはPolyモード時、和音のストラム強度を調整。「Strum」をクリックでステップごとに個別編集可。
Humanize 各ステップの開始位置をランダムにシフト。
Shuffle Avengerのグローバルシャッフル。ドラムやステップシーケンサーの他のシャッフルもこれにリンク。
Gate ブロックを短くする。ポルタメント/レガート使用時に隣接ノートを滑らせたい場合はGateを最大に。
Pattern Length ARPモジュールが持つブロック数(=アルペジオの長さ)を2〜32ブロック
Start Note / End Note ARPが有効になるキーゾーンを設定。よく使われるスプリットは「b1」。

Velocity(4種類)

モード 動作
First Note 最初に押された音でベロシティを設定し、以降は変わらない。
Last Note 新しく押された音でベロシティを設定し、既存ノートにも適用される。
Each Note 各ノートが独自のベロシティ値を保持。
Lowest Note アクティブな最低音がベロシティ値を設定。

Chords Mode

Modeパネルで「Chords」を選択すると、ARPパネルビューが変化し、各ステップは単音ではなくコードになります。各ステップ直下でルートコード(メジャー、マイナーなど)を選択し、その下で半音単位でコードをトランスポーズできます。コードステップを水平方向(左右)にドラッグするとコードのインターバルを変更できます。

TIP
ステップにカーソルを2秒置くとポップアップが表示され、そのコードから単一ノートの削除や、サブノート追加(個別にトランスポーズ可能)ができます。

Connection Overlay ★v2新機能

Toggle Connection Overlayボタンをクリックする、もしくはCTRLキーを押し続けると、Connection Overlay表示に切り替わります。

この画面でノート同士を接続すると、アルペジエーターはその地点でリトリガーせず、目的のノートまで「スライド」してピッチを変化させます。表示されるグリッドをクリックでノートを接続でき、接続されるとグリッドが赤に変わります。

編集が終わったらボタンを再度押す(またはCTRLを離す)とメインビューに戻り、接続されたノートを確認できます。

注意
接続グリッドはノート同士が十分近い位置にある場合にのみ表示されます。ノート間が離れすぎている場合は接続できません。

Arp Note Randomizer ★v2新機能

入力に基づいてアルペジオパターンを生成する強力なツールです。サイクルごとに新しいパターンを自動生成することも可能で、生成したパターンは保存して後で再利用できます。

設定 説明
Scale Input Selector 生成ノートを特定の音楽スケールに制約。多数のプリセットを用意。表示されるノートは入力ノートに対する相対位置(Cメジャーで生成→Dキーで演奏でDメジャー再生)。
ROLL 次のロールでアルペジオのどのコンポーネントを生成するかを選択。
NOTE ページ ノートの分布確率と強度を定義。スケール外のノートは確率0%で暗い青で表示。100% Cで全てCノートのみ生成。OCTAVEページのONLY UP / ONLY DOWNなども同様。
AUTO UPDATE 有効時、変更が即座に反映される。
SYMMETRY 最初と最後の部分のシンメトリーを生成ノートに適用。
AUTODICE サイクルごとに自動でダイスを振り直し、無限に新しいパターンを生成。
SEED ランダムシード番号を表示。コピー&ペーストして使い回せる。

Arpeggiator Custom Mode ★v2.4新機能

VPS Avenger 2.4アップデートで追加された新モードです。ARPページでCustomモードに切り替えると、通常のノートではなくステップを表すバーが表示されます。
バーの垂直位置でオクターブ、横方向のスライダーで各ステップの半音をコントロールします。

コア機能は、現在演奏中のコードからどのノートをそのステップでトリガーするかを選択することです。バーをクリックするとオプション1〜5が表示され、コードを下から数えて何番目のノート(第1〜第5)を再生するか選択できます。複数ノートを同時に選択することも可能です。

Fallback Method

コードに含まれているノート数より高いオプション(例:Option 4や5)を選択した場合の代替動作です。

オプション 動作
Silence 何も再生しない。
Lowest Midi Key 最も低いMIDIノート(ルート)を再生。
Next Lower Midi Key 次に低いMIDIノートを再生。
Random Key ランダムなノートを再生。

Root / Random / Octave Interval

Root そのステップは常にコードの最低音(ルート)を再生。オプション1〜5は選択不可。
Random そのステップではランダムなノートを再生。確定的ステップと混在させて「コントロールド・ランダムネス」を作れる。
Octave Interval 何ステップごとにオクターブシフトするかを1〜8で定義。通常アルペジエーターのように1〜4のオクターブ設定も選択可。
POINT
Custom ARP Mode専用に70個のプリセットが用意されており、「Custom」カテゴリーで参照できます。使い方を学ぶのに有用です。

4. DRM SQ / ドラムシーケンサー

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ドラム用に設計されたシーケンサーです。ピッチはなく、ドラムキットの12サンプルが表示されます。音符は左クリックで配置、右クリックで削除。Shiftキーを押すと範囲を指定して一括選択できます。

v2新機能
v2.2以降、ドラムシーケンサーは合計4つのパターンを持ち、Arpモジュールと同じ要領で扱えます。

左上「CLEAR」でドラムパターンをクリアします。

ノート単位の設定

項目 役割
Velocity 選択中ノートのベロシティ(音量)。
Pan 選択中ノートのステレオ定位。
Pitch 選択中ノートのピッチ。
Gate 選択中ノートの長さ。非常に短い値ではバスドラの「スタートクリック」のみが再生される。
Roll / Reverse 2xで2回、8xで8回、3xはトリプレット。v1.35以降は逆再生(reverse)可能。「Reverse, end sync」では逆再生サンプルをステップの終わりに同期。
メモ
CTRLキーを押しながらドラムシーケンサーでノートをドラッグすると、グリッドへのスナップがオフになり、ノートの位置を微調整できます。

全体の設定

項目 役割
Velocity Amount ドラムシーケンス全体がベロシティに反応するかどうか。シーケンサー内のベロシティ値は変わらず、キーボードで演奏されたベロシティへの反応のみが対象。0で入力ベロシティを完全に無視。
Length ドラムシーケンサーの長さをbeat単位で設定。最大16。
Shuffle ARPセクションと同じグローバルシャッフル。
Speed ドラムシーケンサーの再生速度。トリプレットも可能(ビートが4分割ではなく3分割になる)。
ペン/フレーム
セレクター
2つの制御モードを切替。ペンモードでノート追加・削除、フレームモードで複数選択。フレームモードでは右クリックでミラー/反転/コピー/繰り返しメニュー。選択ブロックをキーボード矢印で移動、Shift+矢印上下でベロシティ変更も可能。

5. STEP SQ / ステップシーケンサー

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かつては「Trancegate」と呼ばれていたシーケンサーで、現在はボリューム以外も含めた多くを変調できるため「Step Sequencer」と呼ばれます。

左クリックでステップを生成、上下ドラッグでステップの高さ(変調の深さ)を設定。個々のステップは矢印記号でリンク/アンリンクできます。右クリックで個々のステップを削除できます。

項目 役割
Speed ステップの長さ(=モジュールの再生速度)。
Mode モノラル/ステレオ。ステレオでは中央分割、上半分が左・下半分が右。
Length ステップシーケンサーの長さを2〜32ステップ
Contour 通常ステップは角張ったハードな形状。ソフトな形に変えてクリックを防ぐ。
Gate 個々のステップにゲートをかけて長さを調整。
Vol Mix ステップシーケンサーはデフォルトでVolumeにルーティング。0でボリューム変調をオフにできる。
Stereo Width ステレオモードでのセパレーション幅。
Decay ゲート時間に加えディケイ時間。
Fade In モジュレーションがフェードインする時間。
Delay ステップシーケンサーが開始するまでの時間。
Start Note / End Note ARP同様、有効になるキーゾーンを設定。
Shuffle ARPセクションと同じグローバルシャッフル。

6. PITCH / ピッチエンベロープ

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ピッチエンベロープはバイポーラ(中央が中立、正の値が上、負の値が下)で、ピッチモジュレーションのソースとして最適です。マルチポイントエンベロープで、ダブルクリックで好きなだけポイントを追加できます。右クリック→「delete」でポイント削除、2点間の線をクリック→ドラッグでカーブ設定が可能です。

Mode(7種類)

モード 動作
Oneshot 標準設定。演奏ノートごとに1回、最初から最後まで再生されループしない。
Sustain キーが押されている間はリリースフラグの位置が保持され、キーが離されるまでそこに留まる。アタック段階でリリースされた場合は直接リリースポイントへジャンプ。
Sustain Release Jump 基本はSustainと同じだが、アタック段階リリース時にリリース段階の対応するポイントを検索してジャンプ。サウンドの「ジャンプ」回避に有用。
Loop 2つの可動フラグの間でエンベロープが連続ループ。
Loop + Release キーを離すとリリースフラグへジャンプして最後まで再生。
Loop Pingpong 再生方向が開始と終了の間を往復。
Loop Pingpong + Release Loop Pingpong+キーリリース時にリリースフラグへジャンプ。

その他のパラメータ

項目 役割
Enable on/off ピッチエンベロープのオン/オフ。
Speed エンベロープ再生速度(最大10倍速、最小10分の1)。
Range エンベロープのピッチ範囲。24半音×アップ/ダウン両方で合計48半音
Steps ステップ化してアーケードゲームサウンドやFX的な動きに。
Flip エンベロープを反転。
Keytrack 実際にピッチング可能な範囲。0でピッチ不可、-100で逆転、標準は+100。
Pitchbend Up/Down ピッチベンドの範囲。標準2半音、+12(1オクターブ)等にも設定可。
Pitchbend Lag ピッチベンドにラグを与えて滑らかに。
Time ポルタメント/グライドの長さ。
Curve 通常リニアなグライドを対数的に上方向に曲げる。サイレンのようなサウンドに。

Portamento Mode

モード 動作
Legato モノフォニックで、新旧ノートがオーバーラップした時に新ノートまで滑らかにグライド。
Poly ポリフォニックでグライド。和音内のすべてのノートがグライドする(同時押し以外)。
Poly Legato 両モードの混合。同時押しのコードはグライドせず、その後追加されたノートがグライド。
Split Zone Poly/Poly Legatoでポルタメントを有効にするノートを定義。指定ノートより下はグライドしない。ベース&リードの使い分けに便利。

7. MOD ENV / モジュレーションエンベロープ

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左上プラスボタンで最大8つまで作成できます。ループしてエディタブルなLFOのように使えたり、Oneshotモードで通常のエンベロープのようにフェードアウトしたりできます。Syncモードではステップシーケンサーに似た時間ベースのエンベロープになります。ピッチエンベロープと共通のパラメータが多いので、ここでは違う部分のみ解説します。

Trigger Modes

モード 動作
First MIDI Note 最初に到達したノートで開始。追加ノートは現在位置に統合(モノフォニック/グローバル)。
Last MIDI Note すべての新規ノートで再スタート(モノフォニック/グローバル)。
Arpeggiators 受信MIDIノートは無視、内部アルペジエーターのみがMOD ENVをトリガー。
Drum SQ 内部ドラムシーケンサーがMOD ENVをトリガー。
Osc / All Oscs MOD ENVはポリフォニック(ボイスごと)。各受信ノートが独自コピーを取得し相互に独立。
Osc / Osc 1-8 特定オシレーターから再スタート(モノフォニック/グローバル)。
Drums 12個のドラムスロットの1つをトリガーに選択(例:バスドラでサイドチェーン効果)。

Offset

MOD ENVは標準ではバイポーラではありませんが、Offsetで0中心線を挿入し、ピッチエンベロープのように両方向で動作させられます。

8. MIXER / ミキサー

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ミキサーでは含まれているすべてのチャンネル(OSC、Drums、Ampグループ)の概要を確認できます。個々のチャンネルをソロ/ミュート、パンニングできます。右端にはOSC(すべてのOSCグループ)Drums(すべてのドラムトラック)MASTER(プラグイン全体の出力)の3つのトラックがあります。

9. ZONES / キーゾーン・ベロシティゾーン

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キーゾーンタブでは、OSCやDrumsを再生するゾーン、ベロシティの影響範囲をすべてグラフィカルに設定できます。各OSCは固有の行を持ち、キーボード全体のピッチ範囲(オクターブごとに-3〜+7)が表示されます。

キーボード画像の上に開始点/終了点のハンドル付きの可動バーがあり、その上のバーをずらすことでフェードイン/アウトを生成できます。中央の薄い縦線は鍵盤の上下半分のスプリットポイントで、ファクトリープリセットのシーケンスでよく使われます。

右側のベロシティゾーンも同じ要領で、左下が開始点、右下が終了点、左上がフェードイン、右上がフェードアウトです。

TIP
MIDIキーボードでキーを押すと、現在演奏中のキーとベロシティがキーゾーン/ベロシティゾーンに表示されます。

10. System Page

avenger-2-sys

System pageではAvengerの一般設定を行います。ファクトリーライブラリのパスもここから変更可能です。

設定項目 説明
Global Tune 標準は440Hz。プラグイン全体のファインチューニングとして変更可能。
Global Transpose オクターブ位置を-12 / 0(デフォルト) / +12で設定。
Master Gain DAWに入る音量レベル。標準-3dB。クリップしない範囲で調整。
Preview Drum Sample
in Sequencer
ドラムノート配置時にドラムサウンドを再生するか。標準オン。
Preview Drum Sample
in Drumkit
ドラムページのスロットをクリックした時にサンプルを再生するか。標準オン。
Show Tooltip 要素にカーソルを合わせた時のツールチップ表示。標準オン。
Ask Before Deleting
a Send FX
Send FX削除時の確認。Send FX削除は利用する全OSCに影響。
Enable Sequencer
on Seq Load
ドラムシーケンスをプリセット経由でロードした時にドラムシーケンサーをオンにする。
MIDI Note-off
Stops Sample
キーを離した時にサンプルを途中で止めるか。標準オン。
All ARP Sync Trigger First Note:最初のノートで全ARP/シーケンサーを静かに開始し、後発ノートと同期。Independent:各キーゾーンのARPが独立して開始。
Init Preset 起動時にロードするプリセットのパスを設定。
Content Location ファクトリーコンテンツのパスを設定。

11. AMP / アンプ

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4つの独立したアンプモジュールを作成できます。オシレーターは必ずこのAMPを通ります(オシレーターのROUTEにAMPが必ずあります)。

パラメータ 役割
Volume AMPモジュールの音量。
Volume Velocity ボリュームがベロシティにどう反応するかの垂直スライダー。最上で100%反応(128で100%、64で50%、0でゼロ)。
Spike ノート先頭に短いボリュームを追加してアタックを際立たせる。高い値で非常にパーカッシブに。
Spike Inner Dial アタックに影響するエンベロープ形状。左で下向きカーブ、右で上向きカーブ。
Spike Velocity ベロシティでスパイクの強度を制御。
Pan AMPのパンニング。
Pan Keytrack パンをキーボードにリンク。ピアノのように低音を左、高音を右に配置可能。
Spread 個々のノートをパノラマフィールド上で交互またはランダムに移動。中央でゼロ、左でランダム、右で交互。

Amp Envelope(ADSHR)

フェーズ 役割
Attack 最大値に達するまでの時間。Inner Dialで形状を両方向に曲げられる(中央でリニア)。
Hold アタック最大レベルから次のフェーズに移行するまでに保持される時間。
Decay 4番目のフェーズまでの減衰速度。Inner Dialで形状調整可。
Sustain 時間ではなくホールドされる音量レベル。ノートが押されている間アクティブ。
Release キーを離した瞬間に開始。0までフェードアウト。Inner Dialで形状調整可。負方向カーブは自然に近いが、減衰中のノートもCPUを使うためボイス数に注意。
External Source AMP内蔵エンベロープを避け、MOD ENVや他AMPのエンベロープを使用可。選択時はAMP内蔵エンベロープは動作しない。
Status LED エンベロープのレベルが大きいほど明るく光る視覚的フィードバック。

12. FILTER / フィルター

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Avengerでは、4つの独立したフィルターモジュールとマスターフィルターを使用できます。ルーティングセクションで直列接続も可能です。

基本パラメータ

パラメータ 役割
Keytrack 0%でピッチに反応せず、100%でピッチが高くなるほどカットオフが開く。100%で高レゾナンスにすると笛のようなトーンを演奏可能。
Filter Type 後述。
Cutoff 最も重要なダイヤル。フィルターの開度。
Cutoff Velocity カットオフをベロシティで制御。
Resonance / Q カットオフ近辺の強調レベル。高い値でシャープな笛のようなサウンドに。
Resonance Velocity レゾナンスをベロシティで制御。
Drive / Band / Comb フィルタータイプにより機能が変わる。Drive=歪み、Band=バンド間距離、Comb=コムフィルター追加。
Envelope Amount フィルターエンベロープがカットオフに作用する強度。中央でゼロ、負も可。
Envelope Amount
Velocity
ベロシティでEnvelope Amountを制御。

フィルターセクションはAMPと同様のエンベロープ(Attack/Hold/Decay/Sustain/Release)を持ち、External SourceやLEDの機能も同じです。

Filter Types — Steepness & Type

Steepness(傾き):6 / 12 / 18 / 24 dB
Filter Type:LP(LowPass) / HP(HighPass) / BS(BandStop) / BP(BandPass)

Filter Algorithms(17種類)

アルゴリズム 特徴
OnePole 6dBの最も基本的なフィルター。柔らかい音質ながら、6dBでは珍しくレゾナンスを備える。ストリングス、ピアノ、ブラスなど自然楽器に最適。
AN Avengerの基本フィルター。CPU消費が最も低く、アナログ的でスムーズ。
NX reFX Nexus由来。エンベロープ反応が素早く、高域(特に24dB)をブースト。CPUはAN比でやや高い。
VINT Vintage/アナログモデリング。レゾナンス自己発振、入力駆動の歪みステージ、アナログ的な不安定さをシミュレート可(レゾナンス上の「mod factor」)。
PXL スタンドアロンのVPS PhiltaXL由来。スムーズでクリアなレゾナンス。
POW 異なる数式を用いるフィルター。レゾナンス時に独特のサウンド。HPモードでは6dBに近い動作だがレゾナンスでは強く反応。
IRS 別の数学的アプローチ。12dBタイプは高レゾナンスに対し非常に特殊でダンプされた反応。
T-Bee 303フィルターをモデリング。18dB。レゾナンスとディストーションの挙動がシンプルなベースサウンドに最適化。
COS(HP) 高レゾナンスに対しダンプされた狭い反応。バンドの傾きも緩やかで均一。
SSM(BS/BP) 2つの対応フィルターから成るBandreject/Bandpass。DriveノブがBandに変わり、2フィルター間の距離を設定。
Ana Peak フィルターのように振る舞うピークEQ。キートラッキングに完全対応し、特定周波数をブーストしてキーボードでチューンして演奏可能。位相中立ではない。
COMB Avenger基本のコムフィルター。エフェクト系サウンド向け。DriveノブがPolarityに切り替わり、正負を変える。
COMB Key キートラッキングに完璧にロックする強化版。Karplus-Strongシンセシスが可能(Attack Clicksサンプルを入力、Keytrack 100%、Filter Velocity 0、手動でCにチューニング)。
Trash Rate フィルターではなくレートリデューサー。Cutoffで深さ、Resonanceでジッタースピード。
Trash FM フィルターではなく周波数変調(FM)。Cutoffでスピード、Resonanceで深さ。
Trash Ring フィルターではなくリングモジュレーター(AM)。Cutoffでスピード、Resonanceで深さ。
Talk 6(BS/BP) フォルマント母音風にチューニングされたBandreject/Bandpass。DriveがBandに切り替わる。レゾナンスをかけると声らしいサウンドに。
VPS Talkbox VPS FX Bundle suiteのスタンドアロンTalkbox由来のフォルマントフィルター。

13. SHAPER / シェイパー

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シェイパーは、フィルターの前または後に配置できるディストーションユニットです。2つのパラメトリックEQが歪みの前に配置され、歪みに色付けできます。最大4つまで直列接続可能。

パラメータ 役割
Drive / Distortion Model ドロップダウンでディストーションのタイプを選び、ノブで歪みのレベルを設定。
Drive Velocity ディストーションをベロシティで制御。
EQ Gain 1/2 EQバンドの増幅/減衰。中央位置でそのEQバンドが無効。
EQ Freq 1/2 EQバンドの周波数。
EQ Q 1/2 Qファクターでバンド幅を設定。狭くするとEQが作用するエリアが狭まる。
EQ Split バンド1を左端、バンド2を右端のステレオフィールドに配置。ステレオを極端に広げる。

14. MOD MATRIX / モジュレーション

avenger-2-mod-matrix

モジュレーションは 「ソース → 行き先 → 値 x %」 の3要素で構成され、xは -100% 〜 +100%。中央位置(ニュートラル)で何も起きません。

MOD MATRIXの構成要素

要素 役割
On/Off Button 左上ボタンでMOD MATRIX全体をオン/オフ。
「+」ボタン 新規モジュレーションソースを追加。Avengerで利用可能な全ソースが表示される。
Init Button MOD MATRIXを初期状態に戻す。
Collapse In / Out すべてのソースグループを折りたたみ/展開。
Group On/Off 個別のモジュレーショングループのオン/オフ。
Readout(#1 等) このソースが何個のディスティネーションに送られているかを表示。
Source(名前表示) 白文字でソース名表示。クリックで変更可能。
+add Button グループにディスティネーションを追加。
Destination On/Off 個別ディスティネーションのオン/オフ。
Destination(名前) 黄色文字で表示。クリックで変更可。削除したい場合は「ーーー」を選択することで除外できる。
+/% Switch モジュレーションを加算的(固定値)か、パーセンテージ(残り可動範囲基準)かを切替。例:FM Amountが50%でモジュレーション+100%、「+」なら50%で頭打ち、「%」なら残り50%を使い切って100%まで到達。
Modulation Strength 横メーターでモジュレーション量(-100%〜+100%)を設定。
Modulation Lag Strength隣のLAGを上下ドラッグ。角張ったグラフは即時反応、丸いグラフは慣性ありで遅く滑らか。

Shape

MOD MATRIXでは各モジュレーションのShapeボタンをクリックすると、モジュレーションのカーブを線形から任意のエンベロープに変更できます。

ドラッグ&ドロップによるルーティング

モジュレーションは6点マークからモジュレーション先のノブにドラッグ&ドロップでもアサインできます。アサインしたノブには小さな矢印マークが追加され、これを上下にドラッグしてモジュレーション量を調整可能です。色付きのリングで設定中のモジュレーション量が表示されます。マーク右クリックで不要なモジュレーションを削除できます。

15. LFO

avenger-2-lfo

Avengerは最大4つの独立したLFOをモジュレーションソースとして提供します。

パラメータ 役割
波形ディスプレイ 現在の波形を表示。クリックで他の波形を選択。最後の3つは自由に編集可能
C(ustom)-LFO 1-3 タブをクリックして独自のLFOシェイプを描画。プリセットごとに3つの個別シェイプを持てる。V-SawのビブラートLFOやFMモードのモジュレーションにも利用可。
Oneshot 通常はループするが、これでオフ可。1度だけ再生される。パーカッシブなサウンドや単発イベントに。
Phase 波形のフェーズ位置を移動。
Offset 波形の位置を上下に移動。中央でゼロ線を境に上下、ずらすと全体を上半分/下半分に寄せられる。
Delay LFO開始までの遅延時間。
Fade In LFOをゼロから設定値まで滑らかにフェードイン。
Rate LFO波形の周波数(速度)。
Synced Mod 有効時、Rateノブの変更がビートに同期

Sync(4種類)

ボタン未選択 RateはFreeモードで非同期。
Noteボタン 通常の偶数ノート値(1/8、1/4 等)で同期。
「t」ボタン トリプレットノート値(1/8t、1/4t 等)で同期。
「d」ボタン ドッテッドノート(1/8d、1/4d 等)で同期。

Trigger(LFO Mode)

MOD ENVと同様にトリガーモードがあります:Global Free(永続バックグラウンド実行)/ First MIDI Note / Last MIDI Note / Arpeggiators / Drum SQ / Osc / All Oscs / Osc / Osc 1-8 / Drums

16. Macro

avenger-2-macro

Avengerは3つのマクロコントローラーと2つのマクロボタンを提供しています。出荷時に便利なモジュレーションルーティングが設定されています。

要素 役割
Macro Controller 通常のダイヤル。モジュレーション先を割り当てるまで機能しない。ドラッグ&ドロップが最も簡単。読み出しをダブルクリックで名前変更可。
Macro Button オフ(0%)とオン(100%)の2状態のみ。ARPパターン切替やオンオフ切替に便利。
Macro Button
Special Mode
マクロボタン右クリックでアクセス。有効時は2つのボタンが同時にオンにならない(片方が常にもう片方をオフにする)。

17. Lock Buttons / Readout / MIDI

avenger-2-ctrl

Lock Buttons

Lock Shuffle シャッフルファクターを固定。ドラムキットパターンやARPプリセットを変えても変わらない。
Lock Master Filter マスターフィルターモジュールを固定。
Lock Master Volume グローバルマスターボリュームを固定。

Readout Display

中央下部の大きな表示エリアで、ダイヤルを動かしている時にコントロールの完全名と正確な値を確認できます。

(MIDI) Controller Bar

コントローラー 説明
Pitchbend マスターキーボードのピッチベンドホイール。中央ニュートラル、上下で正負。
Modwheel Avengerプリセットで最もよく使われるコントローラー。0〜127。
Velocity キーが押される強さ。
Aftertouch キー押下後にさらに押し込むことで0〜127を生成。
Keytrack 受信ノートのピッチをコントローラーとして使用。低音で低い値、高音で高い値。
Breath Controller 吹いた強さをMIDI値に変換するマウスピース。
Expression Pedal 一般的なMIDIフットペダル。Modwheelと同じく足元で操作可。
Sustain Pedal ピアノ由来のサスティンペダル。0(押下なし)と127(押下)の2状態のみ。
Random モジュレーションソースとして使うと0〜127のランダム値を生成する特殊コントローラー。

(MIDI) Controller to Modwheel

多くのMIDIコントローラーには「mw」ボタンがあり、そのコントローラーをModwheelに簡単にリダイレクトできます。例:プリセット内でModwheel→フィルターカットオフのルーティングがある時、「Expression Pedal / mw」をクリックすると、エクスプレッションペダルがModwheelとして動作し、足元でカットオフをコントロールできます。

MIDI Learn

右下に最後に使われた受信MIDIコントローラーが表示されます。6ピンハンドルからAvengerの任意コントロールにドラッグ&ドロップでアサインできます。

SYSTEMページのタブからMIDI接続の概要にアクセスでき、既存のMIDI接続を削除したり、設定をインポート/エクスポート、デフォルト保存(再起動後も維持)したりできます。右クリックまたは上部アイコンから操作可能です。

まとめ

長くなりましたが、Avenger 2の使い方を解説しました。

Avenger 2は左上のプリセットのみならず、各シーケンサー部分などにも様々なプリセットがあります。

使える機能が多すぎて戸惑うかもしれませんが、そういった個々のプリセットを利用して修正していくだけでも十分使えるでしょう。

この記事が参考になれば幸いです。

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