プロやエンジニアさんからも絶賛されているArturiaの3種コンプレッサー。
その中で「COMP FET-76」は一番はじめに入手すべきと言っても過言ではないでしょう。
この記事では、そんなArturia「COMP FET-76」をレビュー!メリットやデメリット、注意点から使い方まで解説します。
ぜひ参考にしてください。
他のArturiaコンプレッサーやそれらを含むFX Collectionに関する記事ははこちらを参考にしてください。
1. Arturia「COMP FET-76」とは?
Arturia(アートリア)が開発する3種コンプレッサーのプラグインエフェクト
- 真空管(TUBE)方式の「COMP TUBE-STA」
- VCA方式の「COMP VCA-65」
- FET方式の「COMP FET-76」
のうちの一つです。
単体でも販売されていますが、コンプレッサー3種セットもしくはArturiaのプラグインエフェクトを網羅したFX Collectionでも手に入れることができます。
コンプレッサー3種セットはなくなり、単体もしくはバンドルFX Collectionで手に入れることができます。
開発会社 | Arturia |
操作画面 | |
価格(定価) | 単体 99ドル FX Collection 2 22種エフェクト 399ドル |
主な仕様 | FET方式のコンプレッサー |
FET方式のコンプレッサーとは?
コンプレッサーには電子パーツの違いでいくつか種類があり、主要なものとして
- 真空管(TUBE)方式
- VCA方式
- FET方式
- Opto(光学式)
があります。
その中でFET方式はField Effect Transistorの略で日本語で言うと磁界効果トランジスタとなります。
なにそれ?と思いますが、実際に利用する上での最大の特徴は速いアタックです。
ドラムはもちろんギター、ボーカルなど速いアタックの楽器に適したコンプレッサーです。
FETコンプの代名詞1176とは?
FET方式のコンプレッサーはUniversal Recording Electronics Industries(Urei)の1176が代名詞です。真空管コンプが全盛の時代にUniversal Audioの創設者Milton Tasker “Bill” Putnamによって設立されたUreiより発売されました。現在は2人の息子Bill Putnam Jr.とJim PutnamによってUniversal Audioとして再建され、1176も復刻されています。オリジナルのUrei1176は製造された時代でRev.(リビジョン)A〜Hまであります。
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FX CollectionはSplice Pluginsにて月額払い(Rento-to-Own 借りる→自分のものに)でも利用可能です。Splice Pluginsは通常の月額払いと違い、支払いの義務はなくいつでも停止そして再開することが可能で一定期間払い切ると自分のものになります。Splice Pluginsに関する詳しい記事はこちらをご覧ください。
2. 導入するメリット
実際に使ってみて、次のようメリットがあると考えます。
- 初心者にオススメ!
- プロやエンジニアの方も絶賛している
- CPU負荷が軽い
初心者にオススメ!
決してわかりやすいコンプとしてオススメしているわけではありませんが、DAW付属のコンプレッサーなどでだいたい慣れてきた方はコンプレッサーを勉強する上でArturiaの3種コンプレッサーはとてもオススメです。
初心者から脱却したい方は手に入れるべきでしょう。
プロやエンジニアの方も絶賛している
COMP FET-76はプロやエンジニアの方の評価も高いです。
FET方式コンプレッサーのプラグインは色々ありますが、その中でも一二を争うほど評価が高いです。
CPU負荷が軽い
CPU負荷も軽いので、まだハイスペックのPCを持っていない方にもオススメできます。
3. 利用する前に知っておきたい注意点・デメリット
ここからは利用する前に知っておきたい注意点・デメリットをあげますが、76の仕様を知らない方向けの注意点もあります。初心者の方は利用する前に必ずチェックしておきましょう。
- スレッショルドレベルが固定されている
- アドバンスドモードがある
スレッショルドレベル固定されている
76はスレッショルドレベルが固定されているため、一般的なコンプレッサーのようにスレッショルドのコントロールはありません。INPUTノブでレベル調整することでコンプレッサーのかかり具合を調整します。
実際には、スレッショルドは存在していますがレシオの設定で決まります。
- 低レシオ – ソフトなコンプレッションカーブ – 低めのスレッショルド
- 高レシオ – ハードなコンプレッションカーブ – 高めのスレッショルド
日本語マニュアル引用
アドバンスドモードがある
右上の下矢印をクリックすることで、下段にパラメータがあらわれます。忘れないようにしましょう。
一般的なパラメータは上段にありますが、下段にも使い勝手の良いパラメータがありますので、これらも利用しましょう。
このモードはArturia3種コンプレッサー全てに共通であり、機能もほぼ同じです。
詳しくは使い方の項目で解説します。
4. 口コミ・評判を紹介!
Arturia「COMP FET-76」の口コミ、評判をまとめました。
76のプラグインはたくさん出ていますが、その中でもかなり評価が高いです。
Arturia – Comp FET76
76
OverloudにしろArturiaにしろNative動作で76の挙動ここまでちゃんとしてると驚く
それにAdvanced Side Chainモードが使いやすくTimewarpがこれまた良し
速いAttackに対する挙動を先読みするのかしないのかで実機ぽくDigitalぽくか選べる
76につけてきたの画期的かも
Arturiaの新作コンプ、76が特にヤバイ。負荷も屁レベル。
引用:Twitter
5. COMP FET-76に関するセール情報
Arturia製品は、頻繁にセールをおこないます。
割引率もそこそこ高く、半額ほどになる場合が多いです。COMP FET-76単体やパッケージ品もセールの対象になることがあります。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。
6. Arturia製品のインストール・アクティベーション方法
Arturia製品のインストール・オーソライズ方法は、以下の4STEPで完了します。
- Arturiaでアカウント作成・ログインします。
- 右上人型アイコンの「MY ACCOUNT」→「Register New Product」からSN(シリアルナンバー)、UC(アンロックコード)を入力して登録します。
- ASC(Arturia Software Center)をダウンロード・インストールします。
- ASCを起動してログインし、製品をアクティベート・インストールします。
7. 使い方を解説!
Arturiaの公式から使い方の日本語マニュアルが出ています。
数々のマニュアルをみてきましたが、COMP FET-76のマニュアルは比較的わかりやすいですのでマニュアル嫌いの方もぜひご覧ください。
ここでは簡単に使い方を解説していきます。
Input / Output
Inputノブを調整して、コンプレッションを調整します。コンプのかかり具合はVUメーターで判断します。
Input / Outputともにレンジは-48dB〜0dBまでで、デフォルトでは
- Input -48dB
- Output 0dB
です。
デフォルトでInputとOutputはリンクしています。
Inputノブを右に回すとOutputノブが左に回り、あげたレベル分下がるようになっています。リンクはInput、Outputノブの間にあるリンクマークからリンクのオンオフを切り替えることが可能です。
Ratio
Ratioは
- 4
- 8
- 12
- 20
- ALL
があり、4 = 4:1などそれぞれ圧縮比をあらわしています。
ALLはオリジナルのハードウェアで有名なRatio全てのボタンをオンにするモードで、強力なコンプレッサーがかかります。
Attack / Release
コンプレッションのアタックスピード、リリーススピードを調整できます。
注意すべきは、左が遅い、右が速いことです。
ただし、SLOW、FASTと表記されているので間違えることはないかと思います。
VUメーター
- GR:ゲインリダクション
- IN:インプットレベル
- OUT:アウトプットレベル
以外にも画面右下から、-18dB、-14dB、-8dBの感度調整が可能です。
また、メーター左下の「L」をクリックすることで、LもしはR(MidもしくはSide)に表示を変更できます。
On / Off
画面右下Bypassとは別にOn/Offのスイッチがあります。これは全体をオフにするBypassとは異なり、コンプレッション回路のみオフにします。
Mix
デフォルトではコンプレッサーがかかった音のみ(COMP)となり、原音(Dry)は含まれません。
アドバンスドモード
右上の下矢印から、アドバンスドモードが開き、新たなノブなどパラメータがあらわれます。
Sorce
コンプレッション回路をトリガーするソースを選択します。デフォルトはInternalで、これをオフにしてExternalにすることでサイドチェインコンプとして利用できます。SC Gainから外部信号のレベル調整ができます。
Detection Mode
検出ソースを選択できます。モノラルトラックではこちらのノブはありません。デフォルトではLINKEDになっています。
- LINKED:L/Rリンクモード
- DUAL:2つのモノラルとなるL/R別々のモード
- Reversed:2つのモノラルとなるL/R別々のモードですが、それぞれ反対側の検出信号を利用します
- MID ONLY:Midのみ
- SIDE ONLY:Sideのみ
Time Warp
コンプレッションの検出を速く(SNAP)、遅く(LOOSE)することができます。
Snapは最大5ms(-5.00)、Looseタイムは最大10ms(10.00)です。
SideChain Equalizer
ハイパス、ローパス、バンド3つからなるイコライザーです。検出回路に入るソースに対して調整できるEQです。つまり、コンプレッサーがかかる帯域を設定するEQです。
Compression Range
ゲインリダクションに制限をかけます。
デフォルトはFull(フルコンプレッション)ですが0dBまで回すとレシオ1:1(コンプレッションなし)になります。
0dB (コンプレッションなし) にセットするのは、オリジナルハードウェアでコンプレッションレシオ を”ノーボタン”のセッティングにすることと同じになり、その場合Comp FET-76はコンプレッサーとし てではなく、ソースに色付けや歪みを加えるプリアンプとして使用できます。 – 日本語マニュアル引用
Listen
押すことで、サイドチェイン信号をモニターできます。
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まとめ
COMP FET-76は単体でも購入できますが、初心者の方であれば他の種類のコンプもセットになった3 Compressors You’ll Actually Useを購入すべきでしょう。
これら3種を使いこなせれば、初心者から脱却どころかかなりステップアップできると思います。
この記事が参考になれば幸いです。
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