日本のみならず海外でも絶大な支持を得ている名機リズムマシンといえば、Roland「TR-808」です。
世界中の様々な有名楽曲で使用されています。
実機は今でも中古で取引されていますが、価格も当時に比べてかなり高騰しています。
この記事では、そんなTR-808の音をあなたの音楽に導入する方法を、中古から復刻版、VSTプラグインまで含めて解説します。
ぜひ参考にしてください。
1. Roland「TR-808」とは?
1980年にRolandから発売されたリズムマシンです。
日本ではヤオヤ、ハチマルハチ海外ではエイト・オー・エイトの名称で親しまれる名機で、現在でも様々な楽曲で使用されている音です。
TR-808は当時15万円ほどで発売されましたが、現在はかなり高騰しており30〜50万円で中古取引されています。
実機の入手は難しいですが、復刻版やソフトウェア(VSTプラグインなど)で再現された音源が多数出ており、TR-808の音を手に入れることができます。
実機「TR-808」の詳細
実機の音色は以下の通りです。スイッチで2つの音色を切り替える部分もあります。
かっこ部分は左上のノブで音色を選ぶ際の略称になります。
- BASS DRUM(BD)
ノブ:LEVEL・TONE・DECAY - SNARE DRUM(SD)
ノブ:LEVEL・TONE・SNAPPY - LOW CONGA(LC)⇄LOW TOM(LT)
ノブ:LEVEL・TUNING - MID CONGA(MC)⇄MID TOM(MT)
ノブ:LEVEL・TUNING - HI CONGA(HC)⇄HI TOM(HT)
ノブ:LEVEL・TUNING - CLAVES(CL)⇄RIM SHOT(RS)
ノブ:LEVEL - MARACAS(MA)⇄HANDCLAP(CP)
ノブ:LEVEL - COWBELL(CB)
ノブ:LEVEL - CYMBAL(CY)
ノブ:LEVEL・TONE・DECAY - OPEN HIHAT(OH)
ノブ:LEVEL・DECAY - CLS’D HIHAT(CH)
ノブ:LEVEL
「TR-808」使用曲例
「TR-808」の音が使用されている有名な楽曲をご紹介します。
ピコ太郎「PPAP」
TR-808の特徴的なカウベルをふんだんに使用しています。
Marvin Gaye「Sexualing Healing」
言わずと知れたマーヴィンゲイの名曲です。TR-808を使った楽曲としては一番に名が挙がる曲です。
2. 中古の実機TR-808の現状と入手方法
中古のTR-808はメルカリやヤフオクでたまに取引されていますが、流通数がかなり少なく入手が難しいでしょう。常にメルカリやヤフオクをチェックしておく必要があります。
シンセサイザー販売店Five Gや世界中から出品、購入できるReverb.comであれば2020年1月5日現在どちらも出品あります。

3. 復刻版TR-808について
TR-808は本家Rolandから復刻版が出ています。
ここでは復刻など4つのリズムマシンと、TR-808の音が内蔵されたシンセサイザーもご紹介します。
(1)Roland「TR-08」
Rolandの復刻シリーズRoland Boutique。
TR-808以外にもTR-909、SH-101、TB-303など数々の名機がACB(Analog Circuit Behavior)技術で復活しています。
私も持っていますが、見た目や音はほぼそのままでコンパクトになった製品です。
電池駆動が可能で、スピーカーもついています。ただし、電源部分・アウト部分は少し残念で電源はUSBマイクロBタイプ、アウトはステレオ・ミニ・タイプとなっています。
(2)Roland「TR-8」「TR-8S」
TR-8はTR-808のみならずTR-909も再現し、一緒にしたリズムマシンです。
TR-8がさらに進化したTR-8Sはその2つに加え606、707、727もモデリングしたリズムマシンです。
見た目はデジタルチックで、エフェクトなどTR-808ではできない様々な機能があり、操作性はとても良いです。
(3)Behringer「RD-8」
今ベリンガーの勢いがすごいです。
ベリンガーといえば安価なパクリ品で有名なイメージでしたが、今名機シンセサイザーなどを本気で再現し始めています。
その中で、ついにTR-808のクローンRD-8も発表されました。
(4)Roland「JUPITER-X」「JUPITER-Xm」
JUPITERといえばRolandの名機ビンテージシンセサイザーJUPITER-4、JUPITER-6、JUPITER-8です。
JUPITER-X・JUPITER-XmはそれらのJUPITERシリーズのみならず、SH101やJUNO-106など数々のRoland名機アナログシンセサイザーから、ステージピアノとしてプロも使用するRDシリーズ、PCMシンセサイザーXV-5080などデジタルシンセサイザーまでモデリングしたシンセサイザーです。
また、名機リズムマシンTR-808、TR-909、CR-78など定番のドラムサウンドまで搭載されています。



4. 現代におけるTR-808の活用法
今でもたくさんの楽曲にTR-808が使用されています。もちろんドラムとしても使用されていますが、新たな使用方法がかなり流行しています。
それは「サブベース」です。
サブベースとは重低音(周波数60Hz未満あたり)の音で鳴るベースを指します。
ベースと聞くと楽器の「ベース」を想像しがちですが、サブベースの音は音程を持っていないと音の長いキック(バスドラム)のようなサウンドになります。
サブベースは当然シンセサイザーからも作れますが、Rolandの名機リズムマシンTR-808のキックから作ることもあります。
例えば、Drake「Hotline Bling」で、曲の始まりから終わりまでずっと低音で鳴っているブーンという音がサブベースになります。
サブベースについて詳しくはこちらの記事をご覧ください

5. TR-808のVSTプラグイン
VSTプラグイン(作曲ソフトDAWの拡張機能)として使えるTR-808を元とした音源は多数あります。
その中でもおすすめを仕様2つの項目に分けて解説します。
リズムマシン
Native Instruments「Battery」やXLN Audio「XO」など大抵のリズムサンプラー音源、リズムマシン音源にはTR-808のサウンドが入っています。
しかし、実機のTR-808のように音作りしたいのであれば、本家Rolandから出ているRoland Cloudが一番おすすめです。
Roland Cloudはサブスクリプション(月額制)でRolandの名機のエミュレートなどプラグインを多数使い放題のサービスです。
※サブスクリプションではなく単体での購入も可能になりました。
TR-808以外にもD-50、JUNO-106、JUPITER-8、JV-1080、JX-3P、PROMARS、SH-101、SH-2、TB-303、TR-909などがあります。
本家から出ているだけあって見た目は実機のままで、音も良いです。

サブスク以外ではD16 Group「Nepheton」がTR-808をエミュレートしたリズムマシン音源です。
D16 Groupは、他にもRolandのリズムマシンを数々エミュレートしており、バスドラムに特化した音源「PunchBOX」ではTR-808や909、606など名機リズマシンのバスドラムをカスタマイズすることが可能な音源で、とてもおすすめです。

サブベース
TR-808を使ったサブベース音源としてはProducer Spot「X-Eight」があります。
値段は60USDとかなり安く、無料版もありオススメです。
たくさんのプリセットがあるサブベースを簡単に手に入れることができます。

6. TR-808グッズ(ユニクロなど)
TR-808はその人気から数々のグッズにもなっています。
2018年にはユニクロUTからTシャツが発売されました。
そのほかにもPUMAとコラボしたスニーカーなどTR-808が楽器としてだけでなく、黒とオレンジのグラデーションを基調としたデザインも愛されていることがよくわかります。
まとめ
TR-808は他には代え難いがたい素晴らしい音です。
もちろん実機が一番良いですが、価格の高騰もあり入手は困難です。
TR-808の音が欲しい場合は、復刻版やソフトウェアの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
ソフトウェアなら「Roland Cloud」の利用が特におすすめです。
この記事が参考になれば幸いです。
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