ベースやギター音源を数多く開発するAmple Soundから出ている無料のエレクトリックベース音源「Ample Bass P Lite」。
同じく無料のアコースティックギター音源「Ample Guitar M Lite」に比べると少し仕様が劣る部分がありますが、まだベース音源を持っていない方は是非活用してみてください。
この記事では、そんなAmple Bass P Liteの使い方や利用する前に知っておくべき注意点などを解説します。
無料で使えるおすすめのフリーベース音源は以下の記事にまとめています。
1. Ample Sound「Ample Bass P Lite」とは?
Ample Bass P Liteは、Ample Soundが開発するFender Precision Bassをモデルとしたフリーエレクトリックベース(エレキベース)音源です。
作曲ソフトDAWの拡張機能VST 2、VST 3、AU、AAXプラグインとして利用できる他に、Ample SoundのアプリASHostを使ってスタンドアローン(単体で起動)として利用することも可能です。
開発会社 | Ample Sound |
操作画面 | |
価格(定価) | 無料(Ample Bass P:119ドル) |
主な仕様 | エレクトリックベース音源 |
Ample Bass Pとの違い
Ample Bass P Liteは有料Ample Bass Pのライト版として無料配布されています。
Ample Bass Pとの違いは以下のような点があります。
Ample Bass P | Ample Bass P Lite | |
サンプル | 2851 | 443 |
サンプリング/ビットレート | 24bit 44.1khz | 16bit 44.1khz |
レンジ | B0〜F4 | D1〜F4 |
サンプリングサイクル | 最大4 | 最大2 |
アーティキュレーション | 11 | 3 |
2. 利用する前に知っておくべき注意点
誰でも無料で利用できるベース音源ですが気になる点として、演奏方法(指、ピック、スラップ)やアーティキュレーション(スライドなど)がどの程度使えるかどうかが挙げられます。
Ample Bass P Liteのスライドは4種類の固定されたスライド音になります。ですので、どの音からどの音へと細かく指定するようなスライドは利用できません。
スラップも同様で固定の弦を叩く音はありますが、スラップ奏法のベースを組み立てることは難しいです。また、ピック弾きも対応しておらず指弾きになります。
無料版で使えるアーティキュレーションは
- サスティン
- ハンマーオン&プルオフ
- アクセント
の3つのみになります。
ですので、Ample Guitar M Lite同様に機能しないキースイッチがいくつかあるのでご注意ください。
3. 使い方を解説!
ここからは実際にAmple Bass P Liteの使い方を解説します。
公式のマニュアルは、有料版のAmple Bass Pのみあります。
チューニング:実際のベースのようにペグ部分を上下にドラッグすることでチューニングすることができます。
アーティキュレーション
アーティキュレーションは
- サスティン
- ハンマーオン&プルオフ
- アクセント
が利用できます。その他に弦などの設定やエフェクトサウンドも選択できます。
- C0:ベロシティが126以下の音はサスティン、ベロシティが127の音はアクセントになります。
- F0:ハンマーオン&プルオフです。目的の音が終わると元に戻ります。 2つのノートは時間的に重なり、同じ弦上になければなりません。
- E6~G6:再生する弦を指定します。E6~G6は4弦~1弦に相当します。
- F5:スクラッチ1
- F#5:スクラッチ2
- G5:ストリングスラップ
- G#5:左手によるスラップノイズ
- A#5:右手によるスラップノイズ
- A#5:FXスライド1E弦
- B5:FXスライド2A弦
- C6:FX スライド3E弦
- C#6:FX スライド4A弦
- A4:すべての音にバズ音が鳴ります。
- B4 / C5 / D5 / E5:それぞれ現在のノートまたは最後に終了したノートの4分の1、ユニゾン、5分の1、オクターブの形で上昇します。
- C#5 / D#5:再生中の音を繰り返すことができます。複数のノートにも対応しています。
2つのキースイッチを同時に押すと、ベロシティレイヤーを介して2つのアーティキュレーションが切り替わります。
BUZZ:AUTO-BUZZをオンにすると、ノートは周波数に応じてランダムにバズ音が鳴ります。A4(Manual Buzz)を押すと、すべての音にバズ音が鳴ります。
ACC-NOISE:右側スイッチでオンオフ可能なアクセントノイズです。ノートは周波数に応じてランダムにノイズが鳴ります。
REL:リリースのゲインを調整できます。
ACC:アクセントノイズのゲインを調整できます。
FSA、FSRは右側スイッチでオンオフ可能なリアルなフレットサウンドのゲインを調整できます。
FSA:フレットサウンドのアタックゲインを調整できます。
FSR:フレットサウンドのリリースゲインを調整できます。
FADE-IN:アタックがフェードインします。
START:サンプルがスタートするタイミングを調整できます。
演奏モード
HOLD PEDAL:音が切れず伸ばしたままになります。
STANDARD MODE:同じ弦の2つの音を同時に鳴らすことができないなど、実際の楽器演奏のように制限されます。
KEYBOARD MODE:キーボードモードがオンの場合、同じ弦上で複数の音を同時に鳴らすことができます。
SOLO MODE:単一の音だけを同時に鳴らすことができます。
レガートモード:自動スライド(AUTO LS)、自動ハンマーオンプルオフ(AUTO HP)、オフ(OFF)の3つのモードがあります。
OPEN STRINGS FIRST:E1、A1、D2、G2の4つの音が開放弦で演奏されます。G#6でオンにすることができハイベロシティでオン、ローベロシティでオフになります。
ビブラート:MODホイールを前後に動かして、ビブラートを手動でコントロールします。自動的にビブラートをかけるには、Settingsを開き、Auto Modをオンにします。
ベースに搭載されている2つのノブも上下することによって調整できます。
Master Volume:全体のボリュームを調整できます。
Slap Volume Ratio:スラップしないアーティキュレーションとスラップするアーティキュレーションの音量比の調整できます。
TAB
左上から選択できるTabは、Guitar Proのgpファイルをロードしてタブ譜を表示、再生することができます。
EDIT
左上から選択できるEditは、サンプル一つ一つのゲイン、ピッチを細かく調整できます。
まとめ
無料のエレキベースはあまり多くありませんので、まだベース音源を持っていない方であれば重宝しますが、アーティキュレーションなど仕様制限が割とあるのでその点だけ注意が必要です。
個人的には、Ample Soundの無料プラグインの中ではアコギ音源の「Ample Guitar M Lite」の方が使えるなと思います。
この記事が参考になれば幸いです。
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