- 生ドラム音源として買うべきはどれ?
- できるだけリアルなドラム音源がほしいけどどれがいいの?
このような悩みを抱えてこの記事をみていますね。そんなあなたにBFD 3はぴったりかもしれません。
リアルな生ドラム音源といえばBFD 3。定番のアコースティックドラム音源です。
しかし、初心者の方には使い方がわかりにくいとも感じます。
そこでこの記事では初心者の方が押さえるべき使い方のポイントを紹介し、ドラムやドラムのレコーディングについてもふれていきたいと思います。
ぜひ、参考にしてください。
主要なアコースティックドラム音源の簡単な比較、聴き比べはこちらの動画をご覧ください。
おすすめドラム音源に関するまとめ記事はこちらをご覧ください。
1. FXpansion「BFD 3」とは?
BFD 3は、よりリアルなドラムを目指した音源になります。
作曲ソフトDAWの拡張機能VST、AU、RTAS、AAXプラグインとして利用できますが、単体での起動(スタンドアローン)も可能です。
ハイハットなど全体的に前面に出た硬めな音で、演奏次第では耳が痛いほどのサウンドになります。全体の調整がかなり難しいですが、リアルさを追求するために連打などの際自然な表情を与える機能など細かなディテールを表現できるパラメータも備わっています。
実際にドラムをレコーディングしたかのような音を再現するためにかなり多機能になっており、初心者の方にとっては使いこなすことが難しい場合もあります。
BFD 3を使いこなすにはドラムやドラムのレコーディングについて知る必要があり、全体の調整がかなり難しいです。この記事では、その知識についてもふれながら初心者でもわかりやすくBFD 3について解説していきたいと思います。
BFD 3はドラムセットを追加できる拡張音源や、パターンを追加できるグルーヴパックも販売しています。
BFD3は、FxpansionからinMusic Brands社に買収されました。アカウント移行方法や最新版のBFD 3.4にアップデートする方法、無料でもらえる拡張パックなど詳しい記事は以下をご覧下さい。
MacのM1に対応してる?
2023年6月現在、BFD3.4.5がリリースされ、IntelとAppleシリコン(M1/ARM)の両方のMacに対応しています。
最小要件はWindows 10バージョン1909以上、MacはOSX 10.12以上。Core2Duo 2.0ghzまたは同等品、4GB DDR3 RAM、オーディオコンテンツ用SSDが推奨されています。
容量は?
BFD 3のCore Libraryはおよそ50GBほどあります。ある程度のディスクスペースを確保しておくことをおすすめします。
無料で使えるフリーバージョン「BFD Player」
BFDは、無料で使える5GBライブラリが搭載されたフリーバージョンBFD Playerが無償配布されています。
BFD Playerに関する詳しい記事は以下を参考にしてください。
<BFD3の概要>
開発会社 | FXpansion |
操作画面 | |
製品名 | BFD 3 |
ドラムセット | 2つのスタジオで録音された7つのキット Kick 8種類 Snare 13種類 Hihat 6種類 <Tom類> Floor Tom 18種類 High Tom 17種類 Mid Tom 17種類 <Cymbal類> Accent 3種類 China 4種類 Crash 15種類 Ride 7種類 Splash 4種類 Percussion類 9種類 (Cabasa、Tambourine、Cowbell、Clapなど) |
発売日 | 2013年10月7日 |
価格(定価) | 279ポンド |
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2. BFD 3を使う上で必要なドラムレコーディングの知識
まずは、ドラムレコーディングの知識について解説します。
そもそも、ドラムのレコーディングにはたくさんのマイクが使われます。
キック、スネア、ハイハットなどそれぞれの打楽器一つ一つにマイクをたてる他に、左右の上から全体をとるOH(Over Head)や離して部屋全体をとるRoomなどがあります。
BFD 3では以下のようなマイクで録音されたように再現することができることが特徴です。
ドラムセットは左上にある「Audience」「Drummer」でオーディエンスからみた配置、ドラマーからみた配置のどちらか選択できます。
Kick マイク3本
※Kick、Snareが一つのトラックにまとめられていますが、ボリュームフェーダーの上にある「▼」を押すことでKick、Snareグループ内の3つのマイクを開くことができます。
Kick In
アタック感のある音です。Kickの穴の中に突っ込んで集音されるマイクになります。
Kcik Out
Kick Inよりこもった音でKickの外側から音圧、低音感を集音します。
Kick Sub
さらにこもった音で音圧、低音感を足すことができます。
Snare マイク3本
Snare Top
Snareの上から狙うマイク
Snare Bottom
Snareの下からスナッピーの音を集音します。
Snare Rim
RimはSnareの縁の部分を指します。横からSnareを狙ったマイクです。
Hihat
Floor Tom
Mid Tom
High Tom
Crash
Cymbal
Ride 1
Perc(Percussion)
Ambient Mics
※こちらもAmbMixフェーダーの上にある「▼」を押すことでグループ内のマイクを開くことができます。
- OH(ステレオ、マイク2本)
- Room(ステレオ、マイク2本)
- Amb3(ステレオ、マイク2本)
- Mono1、Mono2、Mono3
- Comp1、Comp2
3. BFD 3の口コミ・評判を紹介
BFD 3に関する口コミ・評判をまとめました。
定番のドラム音源なだけあって評価は高いですが、使いこなすことが難しい点を指摘している方も見受けられました。
BFD3使い方なんとなく分かってきた Cymbal Swellが素晴らしすぎるな…
楽曲のクオリティが上がった要因の一つとしてドラム音源をBFD3に変えた事ですね。
2019年夏の導入だったように記憶していますけどUIの分かりづらさにグダグダ文句を言っていたのを覚えています。
今はUIにも慣れてこれ無しではミックスは不可能と思うまでになりました。
引用:Twitter
4. BFD 3に関するセール情報
BFD 3は、発売からだいぶ経った音源かつ買収されたこともあり、拡張音源も含めブラックフライデーのみならず頻繁にセールになります。
どんどん価格が下がってきており、最安値では¥7,000ほどで購入できる場合もあります。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。
5. BFD 3のインストール・アクティベーション方法
インストール・オーソライズ方法はPlugin BoutiqueのINSTALLATION INSTRUCTIONSにて解説されてますが、以下の4STEPで完了します。
FXpansionでアカウント作成、ログインREGISTER A PRODUCTからシリアルナンバー登録FXpansion製品・License Managerをダウンロード、インストールLicense Managerでログインしアクティベート
BFD3は、FxpansionからinMusic Brands社に買収されたため、アカウント移行方法や最新版のBFD3.4にアップデートする方法など詳しい記事は以下をご覧下さい。
6. BFD 3の使い方を解説!
ここからは実際のBFD3の使い方を下記の順番で解説していきます。
公式の英語マニュアルはこちらをご覧ください。
- プリセット編
- 音作り編
- 書き出し編
プリセット編
ドラムセット
Presets:プリセットはKitとともにMixやGroove、Keymap、Automation、Globalをロードできます。それぞれの項目をクリックして青い状態にすることでロードします。つまりロードするものを選択することが可能です。
Kits:Kitsはドラムセットのみをロードします。
Drums:Drumsはそれぞれ個別にドラムを選択します。
Grooves
Groovesではすでに作られたグルーヴを使用したり、修正、一から作ることも可能です。
グルーヴをキーに割り当てることでそのキーを押してパターンが再生されます。
音作り編
共通のパラメータ(Ambient Mics以外)
AMG
上側のDashboard内にあるAMGは必ずOnにしましょう。AMGはAnti MachineGun Modeの略で同じベロシティで連続して音を鳴らした場合もリアルに聞こえるように鳴るサンプルにばらつきがでます。
Loud:バリエーションの量を調整できます。
Tone:同じベロシティで呼ぶサンプルの範囲を決めます。
Dyn:ベロシティ調整ができます。
Tune:キーの調整ができます。
Tweaks
※グループになっているSnare、Kickはまとめて調整されます。
Tweaksで
- Tune:キー
- Trim:音量
- Damp:余韻、タイトさ
が調整できますが、より細かな調整はトラックを選択した後に右側のTech、Modelを選択しましょう。
Tech
Greneral(音量やPan)、Tuning(キー)の他に主に3つの項目があります。
Bleed
ドラムを録音するときにSnareやKickのマイクで集音しているものはそれぞれSnare、 Kickの音だけではありません。当然、他の音例えばTomを鳴らせば、KickやSnareのマイクにも音が入ってしまいます。そのような集音する目的以外の音が入ってしまう状況を再現した機能がBleedです。
KickとSnareのマイクに漏れた音を入れる設定でき、On、Offの他にDir(ダイレクト)の設定があります。
ダイレクトの設定は漏れた音をKickやSnareに出すのではなく、そのトラック自身に追加されます。例えば、TomのBleedでKickをOnにします。するとKickで遠目のTomの音が鳴りますが、それをKickのトラックではなくTomのトラックにブレンドすることができるのがDir(ダイレクト)の機能です。
Loudness
音量のコントロールができます。例えば小さくMIDIキーボード等を叩いたのに必要以上にボリュームが出てしまっている場合や音量差がでかすぎる、小さすぎる場合などに使います。
Ambient Mics
それぞれのAmbient Micにトラックの音をどれだけ集音させるか、集音しないか設定することができます。
例えば、Ambient MicのうちRoomだけにSnareの音を入れたくないのでOffにするなど実際のドラムでは不可能な設定も可能です。
Model
Damping
余韻、タイトさを調整します。Amountはどのくらい切るかの量、Frequencyは周波数調整。右にふるほど低音が無くなります。Amb RatioはAmbient Micsのタイトさを調整します。
Cymbal Swell(Cymbal類のみ)
シンバルのリアルさを追求するために連打などの際自然な表情を与える機能です。毎回強めなアタックが出なくなり、VUメーターの戻り具合に応じてアタック感が変わります。Rideなど連打する場合に便利です。
Articulations
Velocityによってピッチ(Vel. to Pitch)やタイトさ(Vel. to Damp)などを変わるように設定できます。
Tom Resonance
実際にドラムを叩くときTom以外のものを叩いても、Tom類が共振してブォーンという音が鳴ります。それを再現したのがこの機能です。
Ambient Mics
Ambient MicのパラメータはTweaksの2種類(モノラルのものは1種類)になります。
Distance:これはドラムセットとの距離を表します。パラメータを弄るとマイクの位置が変化します。
Width:これはステレオのもの(LRで集音しているもの)だけですが、Widthで左右のマイクの距離(広がり)を調整できます。
書き出し編
パラアウト
BFD3はこのままであると各トラックに別々に外部エフェクトをかけることができません。ですのでパラアウトする(各トラック別々のアウトにする)必要があります。
BFD3内の各トラックのフェーダー最下部のMasterからMono(Stereoの場合Stereo)を一つ一つ選択することもできますが、Commandを押しながら全トラックを選択して、右クリックからAuto-assign Outputs(Direct)を選択すると勝手に全トラックパラアウトの設定になります。
後はDAW側でオーディオトラックのインプットをBFD3 Mono1、 Mono2・・・などに設定すると完了です。
DAW側の受け取り方法はそれぞれのDAWによって異なります。
Export
もう一つの方法としてExportがあります。書き出すトラックを選択し、Bit Depthを設定します。
File Prefixはファイルの頭に入れる文字です。
書き出し方はHost Syncをおすすめします。再生と同じタイミングでファイルを書き出し、停止と同じタイミングまでのファイルを作成します。
7. BFD 3は重いって聞くけど本当?軽くする方法は?
よくBFD3は重いと言われますが、確かに初期設定で軽いとは言えません。しかし、対策は可能です。
BFD3は音のアタック部分をメモリ(RAM)で読み込み、残りをストレージ(SSD、HDDなど)で読み込む仕様になっています。メモリとストレージで読み込む割合、負担を設定することが可能です。
Tool→Show preferences→EngineからStream Bufferがストレージ、RAM Bufferがメモリの負担を表し値が大きいほど負担が大きくなります。
設定後Restart engineをクリックして完了です。
メモリに自信がある場合はメモリの負担を大きくストレージを小さく、ストレージに自信がある人はストレージの負担を大きくメモリを小さくしましょう。
もっと軽くしたい場合はBFD 3で使わないドラムデータをアンロードすることもできます。
楽器を右クリックして使わない演奏法のものをUnload Articulationからアンロードできます。
もしくは、Show preferences→Engine→Load on demandで使うものに応じてロードすることが可能です。
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まとめ
リアルなドラム音源BFD 3について説明しました。
生ドラムっぽい音源が欲しい方はBFD 3は候補のうちの一つでしょう。
この記事では、紹介仕切れていない機能もありますが、この記事で紹介した使い方をマスターすれば、とりあえずは問題なく使えるでしょう。
ちなみにそろそろBFD 4がきそうな気がしているので、今のうちにBFD 3を利用してマスターしておくと良いかもしれません!
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質問等ございましたら下部のコメント欄からどうぞ!