激安セール中のiZotopeのドラムシンセシーケンサー「BreakTweaker」。
プラグインエフェクトを中心に開発するiZotope製品では珍しく音源やシンセサイザーも付いている製品です。
この記事では、そんなBreakTweakerをレビュー、メリットやデメリット・注意点から使い方まで解説します。
是非参考にしてください。
1. iZotope「BreakTweaker」とは?
BreakTweakerはBTがデザインし、iZotopeが開発したドラムやシンセサイザーの音を扱うサンプラーシーケンサーです。
iZotope製品では珍しく音源やシンセサイザーも付いた製品です。
仕様としては、キーボードのC1〜F1に6つのサンプルやシンセを設定し、C2〜B3に24のシーケンサーを設定します。
ですので普通の鍵盤のように機能する音源ではありませんが、簡単に即戦力のリズムを扱える、作成できるプラグインです。
作曲ソフトDAWの拡張機能VST、VST 3、AU、AAX、RTASプラグインとして利用できます。
BreakTweaker Expandedとの違い
BreakTweaker Expandedは、拡張パックが付属したバージョンです。
以下4つの拡張パックが付属しています。
- Vintage Machines:200以上サンプル
- Cinematic Textures:700以上サンプル
- Kicks & Snares by Beatport Sounds:100以上サンプル
- Modern Grooves:300以上サンプル
開発会社 | iZotope |
操作画面 | |
価格(定価) | BreakTweaker 199ドル
BreakTweaker Expanded(拡張パック付き) 249ドル |
主な仕様 | リズムマシン・シンセサイザーシーケンサー |
BreakTweakerを含む主なバンドル
※時期によってパッケージが追加されたり、販売店独自のバンドルも存在する場合があります。
表は横にスクロールできます▼
パッケージ | ||
主な収録内容 | VocalSynth 2 Iris 2 Trash 2 Expansions BreakTweaker Expanded Stutter Edit 2 |
Ozone 10 Advanced Neutron 4 Nectar 3 Plus (w/ Melodyne Essential) RX 10 Advanced Dialogue Match RX Loudness Control VocalSynth 2 Insight 2 Stutter Edit 2 Exponential Audio Stratus 3D Exponential Audio Symphony 3D Tonal Balance Control 2 Neoverb Brainworx bx_boom! Brainworx bx_cleansweep Pro Brainworx bx_delay 2500 Brainworx bx_refinement Brainworx bx_saturator V2 Brainworx bx_subsynth Audiolens Guitar Rig 6 Pro |
価格(定価) | 399ドル | 2,499ドル |
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2. 導入するメリット
BreakTweakerを導入するメリットは以下の点が考えられます。
- 即戦力のシーケンサー・プリセット
- ステップごとに細かくカスタマイズできるシーケンサー
- 外部サンプルを入れ込むことができる
即戦力のシーケンサー・プリセット
プリセットはカテゴリに分けられており、選びやすくそれぞれシーケンサーが割り当てられているのでそのままプリセットで1曲できてしまうでしょう。
気に入らない部分も簡単にカスタマイズでき、シーケンサーではなくワンショットだけほしい場合もC1〜F1を入力すればOKなのでアレンジも簡単です。
パンチのあるサウンドで、EDMやエレクトロ系で即戦力な音が見つかると思います。
ステップを細かくカスタマイズできるシーケンサー
シーケンサー部分は1ステップごとに細かなカスタマイズができます。
例えばシーケンスのうち1ステップだけエフェクトを加えたり、フェードインフェードアウトしたり、また同社iZotopeのStutter Editのようなスライスエフェクトもできます。
外部サンプルを入れ込むことができる
外部サンプルを入れ込むことも可能なので細かなカスタマイズができるシーケンサーで、外部サンプルをアレンジできます。
3. 利用する前に知っておくべき注意点・デメリット
しかしながら利用する前に知っておくべき注意点もあります。
- サンプル・シンセは6つまで
- シンセサイザーに細かな音程をつけるのは面倒
サンプル・シンセは6つまで
6つのサンプル・シンセはそれぞれ複数のサンプルやシンセを選択することができますが、分かれているのは6つまでとなります。
サンプラーとして考えるともう少しほしいかなと個人的には思いました。
シンセサイザーに細かな音程をつけるのが面倒
シンセサイザー部分もドラムなどのサンプル同様に一つのキーにアサインされますので、音程をつける場合はステップごとに設定が必要です。
動きのあるシンセサイザーを作りたい場合は、ステップを一つ一つ設定する必要があるでしょう。
4. 口コミ・評判を紹介!
BreakTweakerの口コミ・評判をまとめました。
セール前から評価は高く、パンチのある音に定評があります。
リリース当時からいまでも愛用しているビートメイク音源。EDMなどグリッチ系に強くリズムの組み込み機能や拡張性も高い。WAV読み込み後の加工も抜群。
BreakTweakerで作ったドラム音源、ナチュラルに溶け込みすぎて😊😊😊
有料と無料ってこんなに違うのねーーーー☺️💖
いやぁ本当に買ってよかったし感動した
引用:Twitter
5. BreakTweakerに関するセール情報
iZotope製品は頻繁にセールを行います。
BreakTweakerも拡張パック付き(Expanded)で1000円程度で手に入れることができます。
頻繁にセールになりブラックフライデーなどでは限定バンドルに収録される場合があります。
最新のセール情報はこちらをご覧ください。
6. iZotope製品のインストール・アクティベーション方法
Portalを使ったiZotope製品のインストール・オーソライズ方法は以下の記事を参考にしてください。
7. 使い方を解説!
ここからは実際にBreakTweakerの使い方を解説します。
公式マニュアル(英語)はこちらをご覧ください。
http://help.izotope.com/docs/izotope-breaktweaker-help.pdf
BreakTweakerは、キーボードのC1〜F1に6つのサンプルやシンセを設定し、C2〜B3に24のシーケンサーを設定します。
上部からからプリセットを選択できます。ジャンルによって分けられており、右側「Load Kit Only」からキットのみ(シーケンサー以外)をロードすることも可能です。
右上GAINは全体のマスターゲイン、Intensityノブはラウドネスを追加します。
シーケンサー
下部にはシーケンサー全体の設定があります。
PATTERN:1〜24までのシーケンサーパターンを選択できます。
TEMPO:シーケンサーをDAWのテンポと合わせる(SYNC)もしくは、独自に設定することが可能です。
MIDI:「GATE」で鍵盤を押さえている間のみ、「LATCH」で鍵盤を離してもシーケンサーが発信します。「ALWAYS RETRIGGER」から常にシーケンサーをはじめから開始するように設定されます。
左上「SEQUENCER」から左側6つのサンプルやシンセ(ジェネレーター)それぞれのシーケンサーやミキサー設定などが一覧で表示されます。
それぞれのジェネレーターには「S」ソロ、「M」ミュートボタンがあり、同じ列の右側が対応したシーケンサーになります。
再生ボタン:それぞれのジェネレーターを再生して確認します。
フォルダマーク:ジェネレーターのプリセットを表示し、変更できます。
SPEED:速さを調整します。
GAIN:ジェネレーター全体の音量を調整します。
PAN:ジェネレーターのパンを調整します。
それぞれのシーケンサー部分は青く光った部分が発音される部分になります。
左右にドラッグして長さを調整し、上下にドラッグしてベロシティを調整します。
クリックして新しいステップを追加し、ダブルクリックして削除します。
それぞれのトラックの長さは個々に調整することが可能です。それぞれのトラック下部の終わり部分にある四角を左右にドラッグして調整します。
シーケンサーを右クリックするとTrackやPatternをコピー、ペーストすることができます。
Choke Step:Choke Stepは、適用されたAHDSRエンベロープのリリース部分を停止させることで、前の隣のノートを即座に消音することができます。アクティブなステップを右クリックして 「Toggle Choke」を選択します。
Micro Edit Engine
シーケンサーのステップをそれぞれ選択すると細かな設定ができるMicro Edit Engineが下部に表示されます。
繰り返されたり、高速で切り刻まれたりする同社のStutter Edit 2のようなエフェクトが可能です。
PREVIEWボタンで変更を簡単に確認できます。RANDOMIZEでランダムにパラメータを変更し、RESETで設定をリセットします。
TYPE
Micro Editは4つのタイプに分かれます。
Divisions:分割数を手動で選択します。
Pitch:分割によって決まるピッチに応じて設定できます。
Time:テンポに合わせて分割します。
Speed:周波数(Hz)に合わせて分割します。
「Retrigger」をオンにするとジェネレーター、エンベロープ、モジュレーションがリセットされますが、オフにするとリセットされず音をゲートすることが可能です。
SLOPE
分割されたステップの配置方法を変更します。かなり多くのShapeがあり、それぞれ分割の偏りが異なります。
Tension:ステップの左右に偏りを作ります。0の場合、分割はステップ全体に均等に分散されます。
Rotate:マイクロエディット全体を左右に移動します。偏って多く切り刻まれている部分を移動したい場合に便利です。
GATE
ゲートして分割の長さを調整します。
Amount:各分割がどのくらい無音になるかを調整します。
Spread:ゲート量を一定ではなく時間に応じて変化させます。
Tail:音をフェードさせて無音にします。これによりスムーズに分割されます。
COARSE PITCH OFFSET
ステップのピッチを変更できます。これによりシンセも動きのある音程にすることが可能です。
FADE / EFFECT
最後に右下にあるFADEでフェードイン、フェードアウトを、EFFECTでエフェクトをステップごとに適応できます。
ジェネレーター
左側それぞれのサンプルやシンセを選択するとジェネレーターの設定があらわれます。
各トラックには3つのジェネレーターレーンがあります。各ジェネレーターレーンには、SampleまたはSynthを選択することができます。
ジェネレーターも左上フォルダマークからプリセットを選ぶことができます。
Sample Generator
サンプル・ジェネレーターはWAVとAIFFファイルを再生します。BreakTweakerのライブラリから選択することもできますし、独自の外部サンプルをロードすることもできます。
表示された波形は以下の設定ができます。
ズームイン/ズームアウト:+-ボタンを押す、もしくはスクロールしてズームできます。
START:サンプルの開始位置を決定します。
END:サンプルの終了位置を決定します。
PLAYBACK MODE:4つの再生モードから選択します。Forward(通常再生)、Reverse(逆再生)、Forward-Reverse(通常再生→逆再生)、Reverse-Forward(逆再生→通常再生)
LOOP:サンプルがループ再生されます。
X-FADE:クロスフェードの値です。サンプルの開始・終了位置がクロスフェードされます。
PITCH:「Coarse」と「Fine」ノブでピッチを調整することができます。これらのパラメータはどちらもエンベロープやLFOでモジュレーションすることができます。
GAIN:ゲインを調整します。
Synth Generator
Synth Generatorは、デュアルウェーブテーブルシンセサイザーです。
上部から波形を選択できる2つのオシレーター(OSC)があります。それぞれ下部スライダーで波形形状を設定します。モジュレーションを選択している場合は、変調するための開始点と終了点を設定します。
PITCH:サンプル同様に「Coarse」と「Fine」ノブでピッチを調整することができます。Coarseはキーによって設定できますが、右クリックでFrequency(ヘルツ)表示に変えることもできます。
GAIN:ゲインを調整します。
Synthesis Types
右上からシンセシスを
- OFF
- Additive / 加算合成(+ボタン)
- Frequency Modulation(FM)
- Amplitude Modulation (AM)
- Ring Modulation
から設定できます。OFFのとき、オシレーター1のみが鳴ります。
FILTER
フィルターのタイプは
- Tokyo(おそらくRolandモデル)
- New York(おそらくMoogモデル)
- Brick Wall
から設定できます。
PRE-DISTORTION FILTERでディストーションの前にフィルターをかけることも可能です。
DISTORTION:ディストーションエフェクトが2つ搭載されています。スロット2のエフェクトは、スロット1からの信号をさらに歪ませることになります。
MIX:パンとゲインを設定できます。これらもモジュレーション可能です。
Modulation
ほとんどのパラメータはエンベロープ(ENV1〜4)とLFO(LFO1〜4)にアサインすることができます。アサインすると2つの値が設定でき、そのパラメータの間を移動させることができます。
ダブルクリックすると、レンジが黄色に変わりロックされます。上下にドラッグすると、2つは同じ距離を保ったまま一緒に動きます。さらにダブルクリックすると、ロックが解除されます。
モジュレーションを解除したい場合は右クリックして「Clear Modulation」を選択しましょう。
ENVELOPE
一般的なシンセ同様にエンベロープがあり、ENV 1がアンプ(音量)のエンベロープになります。エンベロープはA(Attack)H(Hold)D(Decay)S(Sustain)R(Release)だけでなく、カーブ(Attack、Decay、Release)を変更することも可能です。表示されているエンベロープのポイントをドラッグしても変更できます。
LFO
LFOは正弦波のシェイプから下部の波形スライダーを右にドラッグすると、いくつかの基本的なシェイプと、音楽に特化したシェイプの間で変化します。
SYNC:テンポを同期します。RATEパラメータで値を調整します。
RESTART:シーケンサーで新しい音が演奏されるたびにLFOのサイクルが再開されます。
INVERT:LFOの極性が反転します。
RATE:LFOの波形を循環させる速度をコントロールします。
DEPTH:LFOがどの程度の範囲に適用されるかを定義します。
PHASE:LFOをどの位置から再生するかを指定します。
ATTACK:LFOが深さに達するまでにかかる時間を設定します。
SAMPLE & HOLD
モジュレーションノブにランダムな値を適用するモードです。このモードでは、Rateパラメーターはモジュレーションノブに新しいランダム値を適用する頻度を決定します。
パラアウト・マルチアウト
右側のM(Master)を1〜6に変更することでマルチアウトで書き出しが可能です。
DAWによって設定が異なりますが、オーディオトラックを追加してインプットをBreakTweakerにし、それぞれのアウトを受け取りましょう。
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まとめ
BreakTeakerは、BTとコラボしたStutter Editと同じ系統のiZotope製品です。
面倒な編集いらずで細かくスライスしたシーケンスを作成することができるので重宝しますし、サンプラーとしても機能できます。
この記事が参考になれば幸いです。
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