Arturiaが開発するソフトシンセPigments v6がリリース!
Pigmentsはもともとアナログとウェーブテーブルを組み合わせたシンセサイザーでしたが、次々と新しいオシレーターや機能が追加され今ではより万能なシンセへと進化しています。1→6へと音の太さなど確実に強化されており、個人的にもどんどん好きなっていくシンセです。
この記事では、Pigmentsが他の定番ソフトシンセと比較してどう違うのかをレビューします。また、導入するメリットや注意点、インストールやアクティベーション方法、使い方も解説。
この記事を読めば、Pigmentsに関する基本的な情報は全てを揃いますので、ぜひ参考にしてください。
ソフトシンセに関するまとめ記事はこちらをご覧ください。

1. Arturia「Pigments 6」とは?
Pigments 6は、Arturia(アートリア)が開発するソフトシンセPigmentsのバージョン6です。
- モーダル(物理モデリング)
- グラニュラー(粒状合成)
- ウェーブテーブル(波形テーブル)
- サンプルベース
- ハーモニック(加算合成)
- バーチャルアナログ(仮想アナログ)
6種類のオシレーター(+ユーティリティエンジン)をもとに、わかりやすいかつ豊富なモジュレーションソースで扱いやすいにも関わらず変化する自由なサウンドを構築できます。
また、同社のV Collectionシリーズで培ったアナログシンセのエミュレートやエフェクトシリーズFX Collectionの名機モデルエフェクトも内蔵されています。作曲ソフトDAWの拡張機能VST、AU、AAXプラグインとして利用できNative Instrumentsのコントローラーなどと連携するNKSにも対応していますが、単体での起動(スタンドアローン)も可能です。
<使い方やレビューなど詳しい記事>
開発会社 | Arturia(アートリア) |
操作画面 | ![]() |
製品名 | Pigments 6 |
主なオシレーターの種類 | アナログ / ウェーブテーブル / サンプル モーダル / グラニュラー / ハーモニック |
価格(定価) | 199ドル Splice Plugins 9.99ドル / 20ヶ月 |
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PigmentsはSplice Pluginsにて月額払い(Rent-to-Own / 借りる→自分のものに)でも利用可能です。Splice Pluginsに関する詳しい記事はこちらをご覧ください。Splice Pluginsは通常の月額払いと違い、支払いの義務はなくいつでも停止そして再開することが可能です。

2. Pigments 6のアップデート点・新機能(5との違い)
Pigmentsのバージョン6は、無償アップデートです。すでにPigmentsをお持ちの方であれば誰でもアップデートできます。
以下のようなアップデート点・新機能があります。
新しいモーダルエンジン
- 物理モデリングによる「ビーム」や「ストリング」レゾネーターを搭載
- 衝突音や摩擦音など、リアルなアコースティックトーンを生成可能
新しいフィルター
- Multimode V2:アナログ風の多機能フィルター
- Cluster Filter:重ね掛けによる複雑なテクスチャ表現
- LoFi Filter:ヴィンテージスタイルのざらついた音質を実現
新しいボコーダーエフェクト
- ロボットボイスや実験的なボーカルエフェクトを追加
- 外部オーディオ、エンジン、フィルター出力などをモジュレーション可能
新しいモジュレーション機能
- ボイスごとのモジュレーション割り当て
- オーディオトリガーによるエンベロープ制御
- 新たに強化されたFunctionジェネレーター
グラニュラーシンセの改善
- 再生中のサンプルスキャンにより、タイムストレッチ効果を実現
- ノートごとに異なるランダムグレイン再生が可能
- グレインサイズの調整による滑らかな音の変化
UX & UIの改良
- ドラッグ&ドロップのワークフローを最適化
- ファイルブラウザの改善でプリセット検索がよりスムーズに
- ライトテーマのデザインを刷新
3. 導入するメリット
実際に使ってみて次のようなメリットがあると考えます。
- 使いやすい
- 充実した選びやすいプリセット
- アナログ感や太さも出せる
- 変化するサウンドや複雑な音作りも魅力
- 無料アップデート
使いやすい
他のソフトシンセをある程度使ったことがある方であれば、初見でもかなり使いやすいでしょう。
PigmentsはLFOやエンベロープなどモジュレーションが特にわかりやすく、発音するとリアルタイムで動くので、どのパラメータがどこにアサインされているかわかりやすいです。バージョン4から、モジュレーションのエディットがさらに簡単になり個人的には操作性、使いやすさはNo.1と言っても過言ではありません。
また、Pigmentsを起動して左上からTutorialもありますので、英語ですが操作しながらチュートリアルをうけることが可能です。
エディットをあまり必要としない場合も、Playビューで簡単に重要な操作だけ行うことも可能です。
充実した選びやすいプリセット
充実した1500以上ものプリセットがあります。
プリセットは上部の名前部分を選択してカテゴリーでから選ぶことも可能ですが、上部の本棚マークからExploreを開いて選ぶことも可能です。
Exploreでは、ジャンルやスタイル、タイプなどでソートすることが可能なだけでなく、プリセットを選択する右「Show Similar Presets」から似ているプリセットを表示することが可能でかなり便利です。また、Storeからプリセットを追加購入することも可能です。
アナログ感や太さも出せる
アナログのオシレーターがあることはもちろん、フィルターなどにも同社ArturiaのV Collectionシリーズで培ったアナログシンセのエミュレートが活かされています。また、同社のエフェクトシリーズFX Collectionの名機モデルエフェクトも内蔵されています。
もちろんデジタルなサウンドも出せますが、太いサウンドを出すことが可能です。バージョンアップするごとにより太いサウンドになってるように感じます。v6では、物理モデリングが追加され、さらに滑らかで太さあるサウンドを奏でることが可能となっています。
変化するサウンドや複雑な音作りも魅力
多様なモジュレーションソースやシーケンサーを使って、扱いやすいにも関わらず複雑なサウンドも自在に作成できます。曲を決定づけるような中心となるサウンドを奏でることができ、アバンギャルドな音作りが可能でありながら、説得力のある太さあるサウンドに仕上げることができます。
無料アップデート
Pigmentsは、基本的にバージョンアップする際に追加のお金は必要ないです。無料で新しい機能が追加されたバージョンを利用できるので、コスパはかなり良いと思います。ただし、セールで半額程度になることがあるのでその時に買うことをおすすめします。
4. 利用する前に知っておきたい注意点・デメリット
しかし導入前に知っておくべき注意点が2点あります。
- 重い?
- ジャンルによっては、他の製品が良い場合も
重い?
アップデートとともに、CPU負荷が軽減されました。しかし、実際に使ってみると、同時発音数が多い場合重くなることがあります。多少の負荷はありますので、パソコンのスペックに自信がない方はお気をつけください。
ジャンルによっては、他の製品が良い場合も
同じくサンプル、グラニュラーにも対応したかなり多機能なソフトシンセとしてAvengerやFalcon、Serumが挙げられます。それぞれの主な特徴は以下のような感じです。
Avengerの特徴
- 音の口コミ・評判No.1音が良いと定評がある
- 超多機能
- 使い方が難しい
Falconの特徴
- 他の様々な音源を起動するプラットフォーム
- 超多機能
- 使い方が難しい
Serumの特徴
- ウェーブテーブルのみならず多数オシレーターが追加されたバージョン2
- 多機能
- デジタルなサウンドが得意
EDMなどダンスミュージックで使える音を求めているのであればAvengerやSerum 2の方が使えるプリセットは多いと思います。Falconは、UVI Workstationで起動できる音源を全て起動できるプラットフォームでもあるのでUVI製品などをたくさん持っている方であれば持っておくべきでしょう。ただし、Pigmentsと比較すると使い方は難しいものが多いです。
Pigmentsは、それらと比べるとどちらかというとアナログ感が強い太くな滑らかサウンドをしている印象があります。



5. 口コミ・評判を紹介!
Pigmentsの口コミ・評判をまとめました。
バージョンがあがるたびに評価はうなぎのぼりです。
Pigmentは音も良いが何より見た目がカラフルで良い。
単色系はクールでD’nBとかには合うんだけど。
Modalシンセシス、ベルやチャイム、マリンバ……といった音をめちゃキレイに作ることができます。レゾネーターをうまく使ったエンジンです。
Pigments 6、既存ユーザ無料アップデートできるのアツすぎる。使ったり使わなかったりするけどアップデート頻度から考えてもArturiaが力入れてるシンセだろうからもっと使っていこうかね
引用:X
6. Pigmentsに関するセール情報
Arturia製品は、ブラックフライデーのみならずセールをおこないます。
割引率もそこそこ高く、半額ほどになる場合が多いです。Pigmentsもセールの対象になることがあります。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。


7. Arturia製品のインストール・アクティベーション方法
Arturia製品のインストール・オーソライズ方法は、以下の4STEPで完了します。
- Arturiaでアカウント作成・ログインします。
- 右上人型アイコンの「MY ACCOUNT」→「Register New Product」からSN(シリアルナンバー)、UC(アンロックコード)を入力して登録します。
- ASC(Arturia Software Center)をダウンロード・インストールします。
- ASCを起動してログインし、製品をアクティベート・インストールします。
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8. 使い方を簡単に解説!
ここからは実際にPigments 6の使い方を簡単に解説していきます。公式のマニュアルは、こちらを参考にしてください。
Pigmentsは上部にプリセット、上部右側からPlay、Synth、FX、Seqの4つの項目に別れています。
音作りの中心となるシンセサイザー部分であるSynthから解説します。
ENGINE
左上ENGINE部分にENGINE1、ENGINE2のオシレーターがあります。それぞれ電源部分でオンオフ、下矢印からオシレーターの種類を
- Analog
- Wavetable
- Sample
- Harmonic
- Modal
から選択でき、Copy to engine ◯からもう一方のENGINEにコピー、with modulationsでモジュレーションごとコピーします。
TUNE・UNISON
TUNE
ENGINEの左側にTUNE、UNISONがあります。
Coarse:半音ごとにピッチを調整できます。
Fine:半音の1000分の1単位でピッチを変えます。
フェーダーマーク:シンセに音程が反映されます。ドラムなどでオフにすることもできます。
Q:クオンタイズモードです。クオンタイズモードでは、モジュレーションにアサインした音程を制限して発音されるようになります。鍵盤が表示され、いらない音程をクリックして消すことができます。
UNISON
名前部分をクリックしてClassic、Chord、Super3つのモードから選択できるユニゾンジェネレーターです。ただしサンプルオシレーターやハーモニック、モーダルオシレーターでは別のオプションとしても機能します。
- Voices:ボイス数を調整できます。
- Detune:ボイス間にデチューンを加えます。
- Stereo:ボイスに広がりを加えます。
- Mix(Superのみ):ミックス量を調整できます。
- Chord(Chordのみ):12種類のコードシェイプから選択できます。
ここからは、各オシレーターの種類について解説します。
Analog
3つのオシレーターからなるアナログシンセサイザーのエミュレートです。
OSC1〜3
左から順に以下のパラメータがあります。オシレーターによって備わっているパラメータが若干異なります。
Sync:OSC 2とハードシンクします。
Key(鍵盤マーク):音程を反映させます。オフにすると音程が一定になります。
Coarse:半音ごとにピッチを調整できます。
Fine:半音の1000分の1単位で細かなピッチを調整できます。単位をSemitonesもしくはHertzから選択可能です。
波形マーク:オシレーターの波形を選択できます。
Width:三角波、矩形波のパルス幅を調整できます。
Volume:それぞれのオシレーターの音量を調整できます。
FM:FM(周波数変調)を有効にします。OSC 1、2のFMボタンから線で繋がっているノブで適用量を調整できます。
MODULATOR:FMのソースとしてOSC 3とノイズをミックスして調整できます。
ENGINE 〇:MODULATORの名前部分を選択してFMのソースとしてもう片一方のエンジンを使用することも可能です。
- もう片方のオシレーターがアナログの場合:FM Amtで適用量を調整、Noiseでノイズソースのレベルを調整、CoarseとFineでピッチも調整できます。
- もう片方のオシレーターがサンプルやウェーブテーブルの場合:サンプル選択や位置(Start、Position)を選択できます。
- もう片方のオシレーターがハーモニクスの場合:Ratioで倍音の比率を調整できます。
- もう片方のオシレーターがモーダルの場合: CoarseとFineでピッチを、Amountでシェイパーモーフノブを、Brillianceでモーダルエンジンの出力の明るさを調整できます。
OUTPUT
Filter Mix:FILTER1、2どちらに反映させるかをパーセンテージで決めることができます。
Volume:ENGINE全体の音量を調整します。
NOISE
Color:Red、White、Blueからなるノイズカラーを調整できます。
Volume:ノイズレベルを調整できます。
Wavetable
ウェーブテーブルは、左上からプリセットのWaveformを選択できます。Waveform選択画面右上のFolders→Add Foldersから自分の波形フォルダをインポートすることも可能です。右側立方体マークで波形の表示を変更します。
Morph:モーフィング機能でオンの場合、ウェーブテーブル間をスムーズに移動します。
Position:ウェーブテーブルの位置を調整します。これは3D波形にするとわかりやすいです。
Volume:ウェーブテーブルオシレーターのボリュームを調整できます。
ここからは下部の波形を変化させる部分に解説しますが、これらは2Dにすることで波形の変化がよくわかります。それぞれ〇〇 Modから右側のモジュレーター(もしくはエンジン)をソースとしたモジュレーション量を調整できます。
FREQ MOD(FM) / RING MOD
FM(Frequency Modulation)はリニア(Linear)とエクスポネンシャル(Exponential)から選びます。リニアの方が基音が動かずどちらかと言うとナチュラルなのに対してエクスポネンシャルは基音ごとアバンギャルドに変化します。リングモジュレーション(Rig Mod)も搭載されています。
PHASE MOD
以下4種類の設定ができる位相モジュレーションです。
- Key:MIDIノートでウェーブテーブルの位相がリセット
- Random:MIDIノートでウェーブテーブルの位相がランダムにリセット
- Self:メインのCoarse、Fineに従って位相がリセット
- Mod Osc:モジュレーターの位相が0にリセットするたびウェーブテーブルもリセット
Phase:位相の位置を調整できます。
PHASE TRANSFORM
7種類のTypeから波形を選択し、その波形に応じてソース波形がねじ曲がります。波形によってパラメータの名前は変わりますが、Typeの左側にあるノブで変化量を調整できます。
WAVEFOLDING
波形のピークを折りたたむようにして変化させます。Shapeから3つの曲げ方を選択でき、曲げる量をFoldから調整できます。
MODULATOR
上記の波形加工する4つのパラメータの追加モジュレーターとして機能します。10の波形から選択でき、Volumeでレベル、TuneとFineでピッチを調整できます。アナログオシレーター同様にもう片方のエンジンをソースとして利用することも可能です。
Sample
v2で新たに追加されたSampleはA〜Fまで6つのスロットがあります。それぞれを選択し、Wavetable同様に左上からサンプルを変更できます。右上からMain、Edit、Mapの3つのページが選択できます。
MAIN(GRANULAR)
MAINには下部にGRANULARがあります。電源ボタンをオンにすることでサンプルが分散して発音されます。
Scan:新機能Scanは、サンプルの開始点を動的に変更します。正の値では、開始点は時間的に前方に移動し、負の値では、開始点は時間的に後ろに移動します。
Density:新しいグレインが生成される速さ(密度)を決めます。Hertzでヘルツ単位のフリーランニング、Straight、Triplets、DottedでBPMに合わせた通常、三連、付点の速さで調整できます。
Shape:グレインのエンベロープタイプを選択、調整できます。
Size:グレインの長さを調整できます。 最大に対するパーセンテージ(Percentage)や、密度の時間ベースの比率(Time Division)、BPMに合わせた通常、三連、付点(Straight、Triplets、Dotted)、ミリ秒単位(Milliseconds)から選択して調整できます。
下部には左から以下のランダム性を加えるパラメータがあります。パラメータによっては、矢印マークを選択してプラスの向き or マイナスの向き or 両方も設定できます。
Start:スタート位置にランダム性を加えます。右上にある開始位置を決めるStartノブが基準となります。
Pitch:分散のピッチにランダム性を加えます。
Density:新しいグレインが生成される速度にランダム性を加えます。
Direction:分散の方向にランダム性を加えます。
Size:グレインの長さにランダム性を加えます。
Pan / Width:左右のパンニングや広がりにランダム性を持たせます。
Volume:グレインのボリュームにランダム性を加えます。
EDIT
ここからサンプルをエディットできます。
TUNE ◯:サンプルのピッチとルートノートを設定できます。
PLAYBACK ◯:サンプルの再生を調整できます。Play Modeで、通常とリバース再生(Normal / Reverse)を設定できます。ループボタンからループをオンにすると、Loop Modeでループを前方向のみ(Forward)、逆再生あり(Back & Forth)から設定できます。Rボタンをオンにすると、エンベロープのリリースしている間もサンプルはループし続けます。Loop Fadeでは、ループクロスフェード量を調整できます。
MIX ◯:パンニングとゲインを調整できます。
SLOT ◯:他のスロットにコピーしたり、サンプル削除や選択範囲をリセットすることも可能です。
MAP
ここでA〜Fまで複数サンプルをどう発音するか設定できます。
Single:単純にスイッチでサンプルを変えることができます。
Sample Pick:パラメータでサンプルを変化できます。
Key Map:キーによってサンプルを変化できます。Key/Velo Mapではベロシティで制御することも可能です。
Round Robin:サンプルを巡回させます。
Random:ランダムにサンプルを変えます。
UNISON
サンプルオシレーターの場合、ユニゾンはResonatorエフェクト、BitCrushエフェクト、Modulation(Freq ModとRing Mod)としても機能します。
Harmonic
v3で新しく登場したハーモニックオシレーターです。倍音をコントロールして音色を調整できます。真ん中下部のハイパス・SPECTRUM A・SPECTRUM B・ローパスでハーモニクスを変化できます。音を鳴らしながらパラメータをいじるとわかりやすいかと思います。
PARTIAL:右上にあるこのパラメータは数字部分を選択して、リミットを決めPartial(倍音)の数を調整できます。
FREQ MOD / PHASE MOD:Ratioで倍音の比率を調整し、他のオシレーター同様にモジュレーター(もしくはエンジン)をソースとして変調できます。
Morph:SPECTRUM A、SPECTRUM Bをブレンドできます。
Tilt Offset:Tiltが有効になる部分を調整できます。
Tilt:倍音減衰の傾きを調整できます。
Parity:倍音の奇数と偶数を調整できます。
Depth:変化量を調整できます。
Section:変化させる位置を選択できます。
倍音のステレオ位置を変化させる3つのモードがあります。
SPLIT:Odd、Even(偶数 / 奇数)を分けて左右にパンニングできます。
RANDOM:Rateで調整できる移動時間で、ランダムに倍音のステレオ位置が変化します。Depthで広がりの深さを調整できます。
PERIODIC:それぞれの倍音が周期的に変化します。Periodsで周期を調整でき、Depthで広がりの深さを調整できます。
他のオシレーターではユニゾンとして機能する部分は、倍音をコントロールできる3つの機能が選択できます。
WINDOW:選択したPosition、Win Size(範囲)の倍音のGainを調整できます。右下のノブからは選択範囲のFMモジュレーション量を調整できます。
CLUSTER:Position、Partialsで設定した部分的な位置の倍音数をDensityで密度を調整し、Clusters分の塊にします。倍音を見るとギュッと圧縮されているのがわかると思います。
SHEPARD:WINDOWに似ていますが、Phiで選択した範囲を変化することができます。
Modal
v6から追加されたModalエンジンは、物理モデリングを採用しており、振動する音響オブジェクトの物理的特性に基づく合成で、Beam(金属や木材の振動する長さ)とString(弦)2つのレゾネーターから選択できます。ビジュアライザーの右上にある小さな3連波形アイコンは、Modalエンジンによって生成される各部分の位相をランダムにします
Bass:レゾネーターの基本倍音の音量を設定します。
Decay:レゾネーターの振動余韻、残響の持続時間を設定します。
Brilliance: 高音域の倍音ボリュームとレゾナンスを調整できます。
Timbre: レゾネーターの全体的なハーモニックプロファイルを6種類から選択します。
STEREO:ステレオイメージ全体に倍音が広がり、よりワイドで広がりのあるサウンドが得られます。Spreadで倍音を相対的にパンニングする量を調整し、Detuneで相対的にデチューンします。
WARP:周波数スペクトル全体の部分音の分布をシフトします。Warpで基本音に対して部分音のグループを拡大または縮小し、Rangeで範囲位置を調整でき、Shapeで形状を変化させます。Qは、ワープした部分音を倍音系列にスナップさせます。
SHAPER:レゾネーターにさらに多くのスカルプティングを施し、WARP後に倍音に適用します。2つの周波数プロファイルの間をモーフィングするという点で、ハーモニックエンジンのスペクトラムと似ていますが、コントロールは簡略化されています。9つのFormから選択してMorphでモーフィングします。
左側のCollision Exciter Modeでは、ヒットなどによる3つの物理的動作モデリングエキサイターを調整できます。
COLLISION:弦をはじくような、ドラムのスティックを叩くような、打楽器のマレットを叩くようなアタックトランジェントを生み出します。Attackでヒットを和らげることができ、VolumeからCollision Transientのみのボリュームを調整できます。HP・LPも同様にCollision Transientのみに適応されるハイパス・ローパスフィルターです。
TRANSIENT:レゾネーターのサウンドの最初に発生するハーモニクスを励起するために特別に調整されたサンプルを使用します。Volume、Tuneで音量、ピッチを調整でき、鍵盤マークからキートラッキングも可能です。
AUDIO INPUT:外部のオーディオ入力(サイドチェーン)を介してレゾネーターを変更できます。Volume・HP・LPで調整できるシンプルな仕様となっています。
右側のFriction Exciter Modeでは、摩擦などによる4つの物理的動作モデリングエキサイターを調整できます。
FRICTION:レゾネーターのハーモニクスを励起するインパルスを生成します。サウンドに興味深くノンリニアな明るさを加えるのに適しています。インパルス発生率を調整するDensityとVolume・LP・HPで調整できます。
NOISE:最適化されたループノイズサンプルによって倍音を励起します。ノイズサンプルを選択してVolume・LP・HPで調整できます。
GRANULAR:SampleエンジンのGranularのようにグレインを使用します。サンプルを選択してVolumeとTuneを調整できます。Rateは、グレインが生成されるスピードを調整できます。
AUDIO INPUT:Collision Exciter Mode同様に、外部のオーディオ入力(サイドチェーン)を使用できます。
UTILITY ENGENE
シンプルなノイズ2つとオシレーター1つの追加エンジンです。それぞれ左側でFilter Mix(Filter 1/2に送る量)とVolumeを調整できます。
NOISE 1/2
ノイズは、真ん中名前をクリックしてサンプルを選択できます。
Phase:リトリガーモードをKeyもしくはRandomから選択できます。
ループマーク:ループ再生します。
Length:長さを調整できます。
鍵盤マーク:キーに追従します。
Tune:ピッチを調整できます。
Filter:LP(ローパス)、HP(ハイパス)フィルターを調整できます。
OSCILLATOR
オシレーターはAnalogとほぼ同じようなパラメータで設定できます。
オシレーターのOutputは
- Filters
- FX Bus A
- FX Bus B
- Direct Out
から選択できます。
FILTER
フィルターは2つありそれぞれ上部からSEM、Matrix 12、Mini Moog、Jup-8などV Collectionでエミュレートされた名機を含む多数のフィルタータイプを選択できます。選択されたフィルターによってパラメータは異なります。
KBD:鍵盤のキーによってフィルターが変化します。
Volume:フィルター出力のボリュームを調整できます。
Pan:フィルター出力のパンニングを調整できます。
FILTER ROUTING:フィルターのルーティングをそれぞれ別々のFXに送るSplitと直列・並列をブレンドするPre-FX Sumから選択して調整できます。
AMP MOD:ソースを選択してAMPをモジュレーションすることが可能です。ここは通常ベロシティが選択されており、これによりベロシティによって音量が変わることになります。
Voice Pan:ボイスパンニングを調整できます。
Send Level:エフェクト(FX)に送るセンド量です。
FX
エフェクトはFX A、FX B、AUXの3つに分かれており、それぞれ3つまで計9つのエフェクトが可能です。19種類のエフェクトがあり、JUNO-106のコーラスやBL-20 Flangerなど名機エフェクトもあります。バージョン6で新しくボコーダーが追加されています。
左側INSERTからFX A、Bの音量、順番を選択できAUXは送る量(Send)、出力量(Return)を調整できます。
Seq(Sequencer)
シーケンサー、アルペジエーターを設定するエリアです。左上電源ボタンでオンオフArpeggiator、Sequencerを選択します。右側でPITCHはもちろんVELOCITY、OCTAVEなど各値をステップごとに上下にドラッグして調整できます。DIVは、各ステップの発音数を調整できます。
PLAYBACK
Rate:シーケンサーのスピードを調整できます。BPMやSync(DAWと同期した拍数)など右下から分解能を設定できます。
Swing:スウィング量を調整できます。
Mode:シーケンサーの進行方向を前(Forward)、後ろ(Backward)、前後(Forward & Backward)、ランダム(Random)から選択できます。
Polymetry:ピッチやベロシティ、オクターブなど各パラメータに独立した長さを持たせることができます。
Reset:ポリリズムを使用している場合、すべてのトラックがステップ1にリセットされるまでの小節数を設定できます。
GENERATION
シーケンサー生成するv5の新機能です。サイコロをクリックすることで次々生成することが可能です。
スケール:サイコロ上部のメニューでは、シーケンスを生成または編集する際にノートのピッチをクオンタイズするスケールを選択します。
チェックマーク:シーケンサーの現在のランダムな値が正規の値に変換されます。
磁石マーク:ノートをアクティブなスケールに強制的に合わせます。
Auto Regen:シーケンサーランダム機能用の新しいランダム値セットを所定の割合で自動的に生成します。
モジュレーションアサイン方法
真ん中にあるENVやLFOなどにパラメータをアサインするには、いくつか方法があります。
アサインしたいパラメータを先に選択する場合
- アサインしたいノブをクリックして右上+ボタンを選択
- モジュレーションソースを選択して上下にドラッグしモジュレーション量を調整
モジュレーションソースを先に選択する場合
- モジュレーションソースの名前部分を選択
- アサインしたいノブの周り部分(モジュレーションソースの色で光ります)を上下にドラッグしてモジュレーション量を調整
※モジュレーションソースをドラッグ&ドロップしてもアサインできます。
モジュレーションソースの名前部分をクリックすると、アサインした各パラメータが表示されモジュレーション量や電源ボタンでバイパス、×で削除の他にサイドチェーンなどの設定も可能です。
KEYBOARD
ピンク色のモジュレーションソースは左から、ベロシティ(Velo)、アフタータッチ(AT)、モジュレーションホイール(MW)、MIDIノート(KBD)、MIDI Expression(EXP)によって変化できます。
ベロシティ、アフタータッチ、キーボードによる値は右側の線から自由に調整できます。
PITCH BEND(設定マーク):ピッチベンドの範囲をUp / Downで調整できます。Releaseに影響するかどうかオンオフすることも可能です。
GLIDE:グライド時間とレガート時のみグライドするオンオフボタンが設定できます。
TRANSPOSE:オクターブとセント単位でピッチを調整できます。
VOICING:同時発音数を設定できます。また、新しいボイスが発音されるRotateと、最後に演奏された音に優先的に割り当てられるReassignから設定できます。
ENVELOPES
オレンジ色部分のエンベロープは左端がVCAになります。通常のADSRとアタック、ディケイのCurveが調整できます。サスティンとリリースはリンクする(リリースパラメータなし)ことができます。Retrig Sourceは、エンベロープのリトリガーとなるソースを選択できます。
LFO
黄色部分のLFOは、Waveformで波形を変化させ、Rateで速さ、Symmetryで対称部分をストレッチ、Phaseで開始位相を調整できます。画面が変化するのでわかりやすいです。Retrig Sourceでトリガーとなるソースを選択し、通常のBipolar(±)ではなくUnipolar(+のみ)にすることも可能です。
FADEから3つの追加セッティングが選択できます。
- Fade:トリガー時に、フェードインを適用します。
- Keytrack:鍵盤のノートによってLFOを変化させます。
- Smooth:LFOの波形を滑らかにします。
FUNCTIONS
緑色部分のファンクションでは、Envelope、Loop、One-Shotモードを選択し、Draw Modeなどを使って自由に描くことができるモジュレーションです。LFOやENVELOPESより柔軟にカスタマイズすることができます。
RANDOM
ランダムに変化させるモジュレーションで上部から5つのタイプを選択できます。タイプによってパラメータが異なり、ランダム性を調整することができます。
COMBINATE
SourceとModを選択してAmountで量を調整し、2つの値をコンビネーションさせます。上部から様々なコンビネーション方法が選べますが、画面が変化するのでコンビネーションによってどのように値が変化したかわかりやすいです。
MACROS
複数パラメータを一度にコントロールできるマクロコントロールです。モジュレーション同様にアサインでき、名前部分をダブルクリックして変更することも可能です。
質問等ございましたらコメント欄からどうぞ!