DTMer御用達のマスタリングツールといえば、今回ご紹介する「Ozone(オゾン)」です。
Ozone 11から約2年。ついに最新バージョンOzone 12が登場しました!Ozone 12となり、3つの新規モジュール、マスターアシスタントのカスタム機能、Maximizerの新アルゴリズムIRC 5が追加などのアップデートが追加されています。
初心者の方はマスターアシスタントの設定がより自分好みにでき、上級者の方は難しい修正をより可能にするアップデートとなっています。しかし、購入する前に知っておくべき注意点もあります。
この記事ではそんなOzone 12の概要やAI機能の解説や使い方をわかりやすく掲載。また、レビューも掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
1. iZotope「Ozone 12」とは?
Ozone 12(オゾン 12)は、iZotopeが開発するマスター向けのプラグインエフェクトです。
作曲ソフトDAWの拡張機能AU、AAX、VST3プラグインとして利用できます。スタンドアロンアプリ(DAWなしでアプリとして立ち上がること)の提供はOzone 9までで終了しました。ですので、Ozone 12ではスタンドアロンの立ち上げはできません。DAWのマスターに入れて楽器など様々な音がまとめられた全体の音色やダイナミクスを調整します。
Ozone 8からAI機能が搭載されており、より広いニーズに対応できるようになりました。AI機能搭載で初心者の味方でありつつ、各エフェクトなどの質の高さから数多くのプロも利用するプラグインエフェクトです。Ozoneは安い順からElements、Standard、Advancedの3種類があり、Ozone 12も同様です。
Ozone 12には、
- マザーシッププラグイン:全てのエフェクトモジュールチェーンとAI機能マスターアシスタントが搭載されたプラグイン
- コンポーネントプラグイン:20種類それぞれの単体エフェクトプラグイン(Advancedのみ)
があり、一般的にマスター用とされていますが、Advancedバージョンでは別々のプラグインエフェクトとしても利用できるので、個々の楽器などのトラックメイクにも活用できます。
※コンポーネントプラグインはAdvancedのみとなりますが、Ozone EQは無償配布されているため単体エフェクトのイコライザープラグインは誰でも無料で利用できます。
<Ozone 12の概要>
開発会社 | iZotope |
操作画面 | ![]() |
価格(定価) | Ozone 12 Elements ¥9,200 Ozone 12 Standard ¥36,900 Ozone 12 Advanced ¥84,800 ※価格は為替の影響で変動します。 |
主なエフェクト数 | 20種類 |
AI機能 | あり |
発売日 | 2025年9月3日 |
Ozoneを含む主なパッケージバンドル
時期によってパッケージが追加・廃止されたり、販売店独自のバンドルも存在する場合があります。
※販売店によって旧バンドルの取り扱いがある場合があります。Ozone 12ではなくOzone 11のままアップデート前である場合がありますのでご注意ください。
表は横にスクロールできます▼
パッケージ | Mix & Master Bundle Advanced | Music Production Suite 8 | Everything Bundle |
主な収録内容 | Ozone 12 Advanced Neutron 5 Nectar 4 Advanced (w/ Melodyne Essential) Tonal Balance Control 2 Neoverb Audiolens | Neutron 5 Symphony 3D Stratus 3D Brainworx bx_boom! Brainworx bx_cleansweep Pro Brainworx bx_delay 2500 Brainworx bx_refinement Brainworx bx_saturator V2 Brainworx bx_subsynth Ozone 12 Advanced RX 11 Standard Nectar 4 Advanced (w/ Melodyne Essential) Neoverb Vocal Synth 2 Insight 2 Tonal Balance Control 2 Audiolens VEA Trash Raum Crushpack(3種) Modpack(3種) Supercharger GT Replika XT Solid Mix Series(3種) Transient Master Driver Guitar Rig Pro 7 Equinox Plasma Aurora Cascadia Velvet FXEQ | Ozone 12 Advanced Neutron 5 Nectar 4 Advanced (w/ Melodyne Essential) RX 11 Advanced Dialogue Match VocalSynth 2 Insight 2 Stutter Edit 2 Exponential Audio Stratus 3D Exponential Audio Symphony 3D Tonal Balance Control 2 Neoverb Brainworx bx_boom! Brainworx bx_cleansweep Pro Brainworx bx_delay 2500 Brainworx bx_refinement Brainworx bx_saturator V2 Brainworx bx_subsynth Audiolens VEA Trash Raum Crushpack(3種) Modpack(3種) Supercharger GT Replika XT Solid Mix Series(3種) Transient Master Driver Guitar Rig Pro 7 Equinox Plasma Aurora Cascadia Velvet FXEQ |
価格(定価) | ¥101,800 | ¥135,700 | ¥509,300 |
- DTM初心者(初心者でなくてもマストバイ!)
- 音楽制作の時短がしたい
- 音圧が出せない(出せるようになりたい)
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Splice Pluginsは、プラグインを月額払い(Rent-to-Own:借りる→払い切ると自分のものに)で利用できる画期的なサービスです。Ozoneも月額払いで利用できます。Splice Pluginsに関する詳しい記事はこちらをご覧ください。Splice Pluginsは通常の月額払いと違い、全額支払いの義務はなく、いつでも利用停止そして再開することが可能です。

iZotopeのサブスクリプション
iZotope公式のサブスクリプションサービスもあります。Native InstrumentsやBrainworx製品とともに「360」というサービスを展開しています。360 Essentials・360 Plus・360 Proの3種プランから選んでiZotope、Native Instruments、Brainworx製品の最大150以上プラグインを月額もしくは年額で利用できます。
プラグインのサブスクリプションに関する詳しい記事は以下をご覧ください。

2. Ozone 12の新機能!違いを解説!Ozone 11から何が変わった?
Ozone 12は、Ozone 11で確立された基盤をさらに発展させ、これまで不可能とされてきた初の領域に踏み込むアップデートを実現されています。効率化だけでなく、音楽性の復元、AIによるパーソナライズ、低域専用の制御など、現場で即戦力となる機能が多数追加されています。
Custom Assistant Flow:AIがあなた仕様に進化
Ozone 11のMaster Assistantはターゲットラウドネスやジャンルに応じた自動処理を提案するものでした。Ozone 12では「Custom Assistant Flow」として大幅に拡張され、透明感重視かアグレッシブ重視かを選び、数十のジャンル・ターゲットやラウドネスレベルを指定可能。さらにモジュールの順序・有効化を含むチェーンのカスタマイズにも対応し、AIがユーザーの制作スタイルを反映する“パーソナルアシスタント”として機能します。
Unlimiter:過圧縮音源を蘇らせる新機能
Ozone 11では一度潰れたダイナミクスを取り戻すのは困難でした。Ozone 12のUnlimiterは過剰に圧縮された音源に対する「Undoボタン」。機械学習で失われたトランジェントを復元し、パンチと抑揚を自然に回復します。閾値設定やLearnボタンによる自動調整で操作はシンプル。古い音源のリマスターや、潰れた2mixの透明感回復に最適です。
Stem EQ:2mix内の楽器を個別に調整
Ozone 11のStem Focusは“分離してフォーカス処理”が中心でしたが、Ozone 12のStem EQは一歩進み、分離したボーカル・ベース・ドラム・楽器を個別にEQできます。「ボーカルが埋もれる」「ドラムが強すぎる」といった問題を、ミックスに戻らずマスタリング段階で直接修正可能。2mixしか残っていない案件でも完成度を大きく引き上げられます。
Bass Control:低域をコントロール
低域専用モジュールとして新搭載。キックのタイト化、ベースの重心付与、弱いミックスの補強などを直感的な可視化に基づき調整できます。クラブPA、カーオーディオ、イヤホンといった多様な環境で一貫したローエンドを設計でき、環境差による再生ばらつきを抑えます。
IRC 5(Maximizer):トレードオフのないラウドネス
新アルゴリズムIRC 5により、「ラウドにすると歪む/透明感を保つと音圧不足」というジレンマを解消。高LUFSでも歪みを抑え、クリーンでオープンな仕上がりを維持します。Ozoneファンに長年支持されてきたMaximizer史上、最も進化したモードです。
UIとモジュールの改善
- 新UI:カラーパレット一新と操作性向上でワークフローを加速
- Stabilizer強化:25種類の新ジャンルターゲットを追加し、より的確な自動EQ
- 分離精度の向上:新しいニューラルネットワークでStem分離のアーティファクトを低減
- モジュール拡張:最大21のプラグイン(マザーシップ+20コンポーネント)を個別または統合で活用可能
Ozone 11が「効率化と精度向上」のバージョンだったのに対し、Ozone 12は「失われた音を取り戻し、AIを自分仕様にし、最終段階での細やかな修正まで可能」にするという進化を遂げました。プロフェッショナルなマスタリングをより自在に実現します。
3. Ozone 12レビュー!
ここからは簡単にOzone 12のレビューしていきます。
マスターアシスタントについて
Ozone 11同様、Ozone 12にもAI(人工知能)機能「マスターアシスタント(Master Assistant )」が搭載されています。マスターアシスタントは、楽曲を再生して読み込ませることで自動で全体のサウンドのバランスやダイナミクスを調整してくれるAI機能になります。この機能により初心者でも簡単に楽曲のバランスや音圧を調整でき、大幅な時短にもなります。
詳しい使い方はこちら「Master Assistant」の項目で解説しています。
マスターアシスタントの利用メリット
AI(人工知能)機能マスターアシスタントを利用することで、下記のようなメリットが考えられます。
- 初心者でもマスタリングができる
- 瞬時に2Mixを調整でき、時短になる
- 好みの楽曲と同じようなバランス、音圧にできる
- AIの処理が勉強になる
基本的に音圧やバランスのとれた音源を作ろうとすると初心者の方はプロに比べて迫力のない音になってしまうでしょう。しかし、この機能を利用すれば一瞬で音圧のある2Mixが完了するので、初心者には大変ありがたい機能となっています。バージョンアップでアシスタントビューやカスタムフローが搭載されたことにより、詳しい知識がなくてもザックリと調整できる様になっています。また、AIの処理を見ることによってどういったエフェクトがどのようにかかっているかわかり、勉強になります。
利用する前に知っておくべきマスターアシスタントの注意点
マスターアシスタントは便利な機能ですが、利用する前に知っておくべきいくつかの注意点があります。
頼り過ぎ注意
頼り過ぎてもいけません、AIによるマスタリングは不十分な点もあります。マスターアシスタントでマスタリングを学びながら、最後は自らの手で行うことも大事です。
※AI機能はあくまで「アシスタント」とされています。時短してパパッと聞かせる音源には便利ですが、iZotope公式では基本的にアシストしてもらう使い方が推奨されています。
アシスタントビューの設定は各種エフェクトの設定と連動している
アシスタントビューの設定は、各種エフェクトモジュールの調整と連動しています。ですので、アシスタントビューはあくまで各種エフェクトモジュールの重要なパラメータの集まりと言えるでしょう。
- Equalizer:Equalizerモジュール
- Maximizer:Maximizerモジュール
- Vocal Balance:Master Rebalanceモジュール
- Dynamics Match:Impactモジュール
- Width Match:Imagerモジュール
- Clarity Amount:Clarityモジュール
- Stabilizer Amount:Stabilizerモジュール
バージョンによる違い
マスターアシスタント完了後に表示されるアシスタントビューは、バージョンによって少しパラメータが異なります。つまり、かかるエフェクトや結果も異なります。
- Clarity(Advancedのみ):Clarityモジュールは、AdvancedのみのエフェクトですのでアシスタントビューでもAdvancedのみが利用できます。
- Dynamics Match(Advancedのみ):Impactモジュールを使ったDynamics Matchも同様にAdvancedのみのエフェクトですので、Advancedのみが利用できます。
ElementsとStandardのアシスタントビューは同じですが、Elementsはエフェクトモジュールが利用できませんので、アシスタントビューでの調整のみになります。
Ozone 11との違い
Ozone 12になり、Ozone 11のマスターアシスタントと大きく違う点は「カスタムフロー」です。「One-Click」「Custom」の2種類から選択することができます。One-Clickは、その名の通りワンクリックで完了するのに対して、Customは、楽曲を読み込ませる前にある程度設定することができます。少し前のバージョン(うる覚えですが8か9あたりだったかな?)でも似たように楽曲を読み込ませる前に設定を決めるバージョンがありましたが、再び進化して戻ってきた形になります。
特に、True PeakやLUFSの設定、エフェクトのオンオフがはじめからできる点は嬉しいアップデートだと感じました。ターゲットのジャンルによって設定が変わることもあり、Ozone 11では毎回結果を修正する必要がありました。また、このエフェクトだけOzoneにお願いして、あとは別のプラグインを使うなど取捨選択できるようになったのも良い点です。
10→11のアップデートでは、マスターアシスタントで使われるモジュールも変わって設定結果も異なる印象でしたが、11→12では、カスタムしない限り使われるエフェクトや設定結果はほとんど変わりませんでした。
新機能について
Ozone 12では、新たに Unlimiter・Stem EQ・Bass Controlの3モジュールが追加されました。Bass ControlがStandard以上に搭載されており、Unlimiter、Stem EQがAdvancedのみになります。
Stem EQは、思ったより分離が良く使いやすいと感じましたし、Unlimiterはトランジェントを回復させたり面白い使い方ができそうだなと感じました。しかし、UnlimiterとStem EQは、すでにかかってしまったエフェクトや個別トラックに戻れない状況で役立つモジュールです。そのため、トラックメイクからマスタリングまでを一人で完結させるユーザーにとっては使用シーンがやや限定的かもしれません。過去の大型アップデートと比較するとインパクトに欠けると感じる方もいるでしょう。とはいえ、実際に試してみると性能は予想以上に高く、直感的に使えるため、便利さを実感できました。
Bass Controlは、調整しやすくパンチのないミックスにも簡単にパワーを加えることができます。すでにあるLow End Focusは、使える楽曲を選ぶ印象がありましたが、こちらであれば柔軟に対応できる印象です。
さらに、定番のMaximizerにはIRC 5アルゴリズムが追加され、従来よりもクリーンで開放感のある仕上がりが可能になっています。他のIRCと比較しても一層クリアで洗練された音質を得られるのが印象的でした。
4. Ozone 12 Elements・Standard・Advancedの違いを比較!どれを買うべき?
ここからはOzone 12 Elements、Standard、Advancedどれが良いか?どれを買うべきなのか解説します。
Ozone 12 Elements・Standard・Advancedの違い
Ozone 12 Elements、Standard、Advancedの主な違いは以下です。
Elements | Standard | Advanced | |
モジュールエフェクト | なし | 14 | 20 |
マスターアシスタント(新カスタムフロー含む) | ◯ | ◯ | ◯ |
Bass Control | ◯ | ◯ | |
Stem EQ | ◯ | ||
Unlimiter | ◯ | ||
Clarity | ◯ | ||
Impact | ◯ | ||
Low End Focus | ◯ | ||
Spectral Shaper | ◯ | ||
Stem Focus | ◯ | ||
Transient Sustain処理 | ◯ | ◯ | |
Tonal Balance Control同梱 | ◯ | ||
Audiolens同梱 | ◯ | ||
個別のプラグインになる | ◯ | ||
Codec Preview | ◯ | ||
Dither | ◯ | ◯ |
これ以外にも違いはありますので詳しくはiZotope公式ページをご覧ください。
Elementsでは何ができる?
Ozone 12 Elementsは新しいカスタムフロー含むAIによるマスターアシスタント及びアシスタントビューがついた仕様となります。Ozone 12 Elementsに細かく調整できる各エフェクトモジュールは含まれません。
Ozone 12 Standard以下のアシスタントビューは、ImpactモジュールやClarityモジュールによるエフェクトが利用できません。これらのエフェクトは、Advancedのみに搭載されています。
購入すべきバージョンとその理由
自分の制作スタイルや目的に合わせて選ぶのが一番ですが、個人的にはStandardを選ぶならAdvancedを選んだ方が長期的にメリットが大きいと考えています。ただし、新モジュールの有無だけで見れば「Standardでも十分」という人は多い可能性があります。初心者で予算を抑えてAIマスタリングを体験したいだけならElementsでしょう。ただし、Elementsは発売からしばらくすると無料特典や無料配布になるケースも多いので、その点も踏まえて検討すると良いと思います。
詳しい比較はこちらの記事を参考にしてください。

5. おすすめの買い方・購入前に知っておくべき注意点
Ozone 12を購入する前に知っておくべき点は次の2点です。
- アップデート・アップグレード・クロスグレード
- バンドル
アップデート・アップグレード・クロスグレード
iZotopeの製品を持っているとアップデート(同製品のバージョンをアップする)、アップグレード(さらに上位製品にグレードアップする)・クロスグレード(別製品からグレードアップする)が可能です。
- Update from 〜:〜からアップデート
- Upgrade from 〜:〜からアップグレード
- Crossgrade from 〜:〜からクロスグレード
- Crossgrade from any paid iZotope product:iZotopeの有料製品からクロスグレード
例えばElements製品を持っている場合は
- Update、Upgrade、Crossgrade from Elements:Elementsからアップグレード・クロスグレード
- Crossgrade from any paid iZotope product:iZotopeの有料製品からクロスグレード
が購入可能となります。
バンドル
Ozone 12 Advancedを購入する場合、単体で買うよりお得なパッケージがあります。
特におすすめなパッケージがMix & Master Bundle AdvancedもしくはMusic Production Suite 8です。
※販売店によって旧バンドルの取り扱いがある場合があります。価格は為替の影響で変動します。
Mix & Master Bundle Advanced:価格(定価)¥101,800
- Ozone 12 Advanced:マスター向けマルチエフェクト
- Nectar 4 Advanced:ボーカル向けマルチエフェクト
- Neutron 5:トラック向けマルチエフェクト
- Melodyne 5 Essential:ピッチ補正プラグイン
- Neoverb:AI機能搭載リバーブ
- Tonal Balance Control 2:バランス確認ツール
- Audiolens:ストリーミングサイトから音楽特性を収集できるアプリ
Music Production Suite 8:価格(定価)¥135,700
- Ozone 12 Advanced:マスター向けマルチエフェクト
- Nectar 4 Advanced:ボーカル向けマルチエフェクト
- Audiolens:ストリーミングサイトから音楽特性を収集できるアプリ
- Neutron 5:トラック向けマルチエフェクト
- VEA:ボイスオーディオエンハンサー
- Trash:クリエイティブディストーション
- Symphony 3D:サラウンド対応リバーブ
- Stratus 3D:サラウンド対応リバーブ
- RX 11 Standard:修正・補正ツール
- Melodyne 5 Essential:ピッチ補正プラグイン
- Neoverb:AI機能搭載リバーブ
- Vocal Synth 2:ボーカル向けエフェクト
- Insight 2:メーターツール
- Tonal Balance Control 2:バランス確認ツール
- Equinox:ポストプロダクションと音楽制作の両方に対応するリバーブ
- Aurora:インテリジェントリバーブ
- Plasma:インテリジェントチューブサチュレーター
- Cascadia:インテリジェントテープディレイ
- Velvet:インテリジェントボーカルプロセッサー
- FXEQ:EQで描くマルチエフェクト
- bx_boom!:キックドラムにパンチを加えるプラグイン
- bx_cleansweep Pro:ハイパス/ローパスフィルター
- bx_delay 2500:ディレイ
- bx_refinement:不快な高域を除去し活性と輝きを加えるハーシュネスコントロール
- bx_saturator V2:マルチバンドサチュレーション
- bx_subsynth:サブハーモニックシンセサイザーエフェクト
- Guitar Rig Pro 7:ギター、ベースアンプシミュレーター&エフェクター
- Raum:複雑なサウンドデザインを実現するリバーブ
- Crushpack(3種):多機能なビットクラッシャー / ディストーション / フリケンシーシフター
- Modpack(3種):革新的なコーラス / フランジャー / フェイザー
- Supercharger GT:迫力の真空管コンプレッションサウンド
- Replika XT:柔軟性に富んだスタジオクオリティディレイ
- Solid Mix Series(3種):精確な6バンドのイコライザー / コンプレッサー&エクスパンダーゲート / バスコンプレッサー
- Transient Master:ドラムやパーカッションのアタックを引き上げるダイナミクスプロセッサー
- Driver:包括的かつクリエイティブなディストーション&フィルターエフェクト
これら二つを組み合わせアップデート・アップグレード・クロスグレード+パッケージで買うのが一番お得になります。
Neutron 5やNectar 4、Mix & Master Bundle Advancedに関する記事はこちらをご覧ください。



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6. Ozone 12の最新セール情報
iZotope製品はブラックフライデーのみならず頻繁にセールをおこないます。
およそ50%OFF〜ものによっては90%OFFをこえるものもあります。
特に時期によって限定で販売されるパッケージ品
- Black Friday Bundle
- Music Maker’s Bundle
- Holiday Bundle
- 初めてのiZotopeセット
などは割引率が高いの場合が多いです。
※これらのパッケージはセール期間が終わると販売しません。
また、Elementsの場合は無料配布される場合があります。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。



7. 口コミ・評判を紹介!
Ozone 12に関する口コミ・評判をまとめてみました。
評価はかなり高いです。
めちゃくちゃ素晴らしい進化でこれからのMIXがガラッと変わりそうで楽しみすぎる
Ozone 12を導入しました!Bass Controlがローエンドのパンチと質感が気持ちよく出て便利です。Unlimiterは過剰にマキシマイザーが掛かってる2mixを自然なダイナミクスに整えてくれます、歌ってみた等のミックスされてる方にもおすすめです。
Ozone 12 のUnlimiterからImpactでBPMに合わせたエンべロープ再形成してるけど、普通にすごいよ(笑)超いいどころか今感動してる…
引用:Twitter
Ozone12まとめ
Ozoneシリーズは初心者からプロまで利用するマスタリングツールです。Ozone 12になり初心者の方はマスターアシスタントの設定がより自分好みにでき、上級者の方は難しい修正をより可能にするアップデートとなっています。
購入するバージョンは、自分の制作スタイルや目的に合わせて選ぶのが一番ですが、個人的にはStandardを選ぶならAdvancedを選んだ方が長期的にメリットが大きいと考えています。ただし、新モジュールの有無だけで見れば「Standardでも十分」という人は多い可能性があります。また、クロスグレード+パッケージで購入する方法が一番お得になります。
この記事が参考になれば幸いです。
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<購入後はこちら>iZotope製品のインストール・アクティベーション方法
iZotope製品のインストール・オーソライズ方法はこちらの記事を参考にしてください。

<Ozone12使い方マニュアル>各エフェクトを解説!
ここからは、Ozone12の各エフェクトを簡単に紹介、使い方も解説していきます。
公式のマニュアルは、Ozoneを起動して右上?マークから確認できます。
最上部は左から順に以下の設定ができます。
- Stem Focus:デフォルトのFull Mixでは、処理がフル入力信号に適用されます。ボーカル、ベース、ドラムを選択すると処理チェーン内のすべてのモジュールがそのステムにのみ適用されます。(マザーシッププラグインのみ)
- 虹色まるマーク:ここからマスターアシスタントを利用できます。
- ブラウザタブマーク:各モジュールを細かく設定できるページを開きます。
- Presets:プリセットを選択できます。
各モジュールは、別々のエフェクト(コンポーネントプラグイン)ではないエフェクトチェーン(マザーシッププラグイン)の場合、左から右にエフェクトがかかり以下の設定ができます。
- +:新しいエフェクトを追加
- 電源マーク:それぞれのエフェクトをオンオフ
- Sマーク:ソロ
- リストマーク:プリセット読み込み
- バツマーク:削除
それぞれのエフェクトモジュールは、ドラッグ&ドロップで順番を変えることが可能です。
ここからは以下の順で解説します。
<AIによるエフェクト機能>
- Master Assistant(マスターアシスタント)
<エフェクト一覧>
- Equalizer(イコライザー)
- Match EQ(マッチイコライザー)
- Vintage EQ(ビンテージイコライザー)
- Dynamic EQ(ダイナミックイコライザー)
- Dynamics(ダイナミクス)
- Vintage Comp(ビンテージコンプレッサー)
- Vintage Limiter(ビンテージリミッター)
- Maximizer(マキシマイザー)
- Exciter(エキサイター)
- Vintage Tape(ビンテージテープ)
- Imager(イメージャー)
- Spectral Shaper(スペクトラルシェイパー)
- Low End Focus(ローエンドフォーカス)
- Master Rebalance(マスターリバランス)
- Stabilizer(スタビライザー)
- Impact(インパクト)
- Clarity(クラリティ)
- Stem EQ(ステムイコライザー)
- Unlimiter(アンリミッター)
- Bass Control(ベースコントロール)
<その他の機能>
- I/O(インプットアウトプットゲイン&メーター)
- Codec Preview(コーデックプレビュー)
- Dither(ディザー)
- Reference(リファレンス)
Master Assistant(マスターアシスタント)
マスターアシスタントは以下のステップで利用できます。
1. 上部の虹色まるマークを選択
マザーシッププラグイン上部の虹色まるマークを選択します。
2. オーディオを読み込む or カスタム設定
One-Click
One-Clickの場合、設定する必要なく楽曲を読み込ませるだけで完了します。最低でも8秒間ほどオーディオを再生して読み込みます。最良の結果を得るために、なるべくボリュームの大きい部分を再生しましょう。
マスターアシスタントは、基本的に以下のようなエフェクトチェーンで構成されています。
- Equalizer→Impact→Imager→Clarity→Stabilizer→Dynamic EQ→Maximizer
- Master Rebalance→Equalizer→Impact→Imager→Clarity→Stabilizer→Dynamic EQ→Maximizer
※Advancedの場合
Ozone 12 Standard以下の場合、ImpactモジュールやClarityモジュールによるエフェクトが利用できません。これらのエフェクトは、Advancedのみに搭載されています。
Custom
Customの場合、楽曲を読み込ませる前に以下の設定ができます。
Target:ターゲットとするジャンルを選択できます。
Intensity:強度をSubtle→Transparent→Balanced→Bold→Transformativeから選択できます。右に行くほど強度が高まります。
エフェクトオンオフ:マスターアシスタントで通常使われる各エフェクトを使用するかどうかオンオフの設定ができます。Enable Allで全て有効、Disable Allで全て無効にします。
Maximizer:Maximizerはオンオフの他に、アウトプットレベル、トゥルーピーク、ラウドネス(LUFS)の設定ができます。
Analysis Time:楽曲を読み込ませる時間を設定できます。音符マークで4小節などDAWのテンポに合わせた設定ができます。
Save as default settings:自分でカスタマイズした設定をデフォルト設定にします。
Start Assistant:楽曲の読み込むを開始します。
3. マスターアシスタントビューで調整する
読み込みが完了するとアシスタントビューが表示されます。上部ヘッダーから以下の設定ができます。
ブラウザタブマーク:マスターアシスタントで適用された各種エフェクトのチェーンを表示して細かく調整できます。
2つのメーターマーク:Bypassのとなりにあるこのマークは、ゲインマッチです。Ozoneの入力と出力レベルを一致させることができます。
Bypass:処理の無効にします。
Relearn:オーディオを読み込むフェーズに戻ります。
ターゲットライブラリ
左側のターゲットライブラリからは、さまざまなターゲット曲線を利用して調整できます。ターゲットを選択すると、自動で処理が調整されます。
Targets:デフォルトでは最新のトップチャートから派生したジャンルのターゲットを選択できます。
+ボタン:プラスボタンから自分のファイルをターゲットライブラリに追加できます。
Ozone 12ではターゲットがさらに追加され、より最適なジャンル選択が可能となっています。
Audiolens
Ozone 12 Advancedに同梱されているAudiolensは、音源ファイルのダウンロードやDAWの設定に時間を費やすことなく、ストリーミングプラットフォームから直接楽曲の特性を収集し、Ozone 12やNeutron 5、Nectar 4とシームレスに繋げて収集した特性に合わせたミックスやマスタリングが可能となります。これを使ってターゲットライブラリを拡張することが可能です。

Tonal Balance
Equalizer:電源ボタンでオンオフ可能なEqualizerは、EQのゲインを調整できます。これはエフェクトチェーンのEqualizerモジュールと連動しています。
Loudness
Maximizer:Maximizerモジュールと連動して、Threshold(しきい値)を+ / -4dBで調整できます。電源ボタンでオンオフも可能です。
マスターアシスタントでは、2つのラウドネスと出力レベルの最適化設定があります。
Streaming:ほとんどのストリーミングサービスの典型的な設定です。MaximizerモジュールのTrue Peakが有効で、出力レベルは-1dBに設定されます。
Full Scale:ほとんどのマスターに適した出力レベルです。MaximizerモジュールのTrue Peakリミッターを無効にして、フルスケールぎりぎりの-0.1 dBに設定されます。
Vocal Balance
電源ボタンでオンオフ可能で、ボーカルレベルを調整できます。Master Rebalanceモジュールと連動しています。目標とするジャンルに対してバランスが取れていると判断した場合、チェックマークが表示され、Master Rebalanceモジュールはチェーンに追加されません。
Extras
Dynamics Match:Impactモジュール全バンドの量を調整、電源ボタンでオンオフできます。
Width Match:Imagerモジュール全バンドの量を調整、電源ボタンでオンオフできます。
Clarity Amount:Clarityモジュールの量を調整、電源ボタンでオンオフできます。
Stabilizer Amount:Stabilizerモジュールの量を調整、電源ボタンでオンオフできます。Stabilizerモジュールは、選択したターゲット曲線とも連動しています。
ここからは、各エフェクトの使い方について解説します。
ほとんどのモジュールには左上にDeltaボタンがあります。これを選択することで、各モジュールがオーディオにどのような影響を与えているかを正確に確認できます。
Equalizer
イコライザーは左上からスペクトラム画面(初期画面)と全バンド画面(球体マーク)の表示が切りかえれます。
その隣からは、EQの仕様を2つのタイプから選択できます。
- Analog:ミニマムフェイズ IIR(infinite impulse response)フィルター
- Digital:元信号の位相を保持するデジタルリニアフェイズフィルター
上部真ん中からチャンネル処理モードをStereo、Mid/Side別、Left/Right別、Transient/Sustain別も変更可能です。右上の更新マークからは設定をリセットできます。
Amount:右上のAmountスライダーから全てのバンドのゲインをスケーリングすることができます。
EQのライン上にカーソルをおくと「+」になりクリックしてバンドを足します。通常のイコライザー同様に、上下でゲイン左右で周波数を調整します。
スペクトラム画面の場合、それぞれのバンドをクリックすることでバンドの詳細があらわれます。詳細の数値を上下することでも調整でき、Sマークからソロ、バツマークからバンドを削除、電源マークでオンオフできます。
バンド両端の「◯」を左右にドラッグすることでQを調整でき、帯域幅や傾斜を調整できます。
DigitalとAnalogで選べるフィルター形状が変わります。
Digital
Bell:Proportional Q、Bell、Band Shelf、Surgical
Low Shelf:Analog、BAxandall、Vintage、Resonant、Surgical
High Shelf:Analog、BAxandall、Vintage、Resonant、Surgical
Lowpass:Flat、Resonant、Brickwall、Surgical
Highpass:Flat、Resonant、Brickwall、Surgical
Analog
Bell:Proportional Q、Bell、Band Shelf
Low Shelf:Analog、BAxandall、Vintage、Resonant
High Shelf:Analog、BAxandall、Vintage、Resonant
Lowpass:Flat、Resonant、Brickwall
Highpass:Flat、Resonant、Brickwall
Digitalの場合のみSurgical(極端に整った形状)が選択可能です。
また、Digitalはバンドを選択し「▶︎」からPhase(位相)を調整できます。
通常は0%で位相ずれなしですが、プリリンギング(アタックが不鮮明になる)が発生するので調整が可能です。
※プリリンギングとは?
位相ずれをなくしたリニアフェイズEQなどで、発生する副作用。アタックが不鮮明になります。
右上設定マーク→Equalizerから以下の設定も可能です。
Show Extra Curves:Phase Delay(msで表される位相遅延)、Phase Response(度数で表される位相応答)、Group Delay(msで表されるアンプエンベロープの遅延)を表示できます。
Alto-Solo Filter Q:Altキー(Optionキー)を押しながらスペクトラムをクリックすることでEQに影響なく指定の帯域を確認することが可能です。
Soft Saturation:軽い歪みを加えます。
イコライザーモジュールは「Ozone EQ」として無料配布されています。

Match EQ
Match EQは、正確なマッチングのために8000以上のバンドを使用する機能を備えたデジタルリニアフェイズイコライザーです。
参考とする音源等を再生し、左側のCaptureを押しStopでキャプチャー終了します。次に変化させたい音源を再生し、右側のCaptureを押しStopでキャプチャー終了します。あとはFINE TUNEからマッチングの調整を行います。
Smoothing:EQの凸凹具合を調整できます。適用する曲線の精度をコントロールできます。
Amount:一致させる強度を調整できます。
両端の縦線をドラッグして適応させる帯域をキャプチャー後も調整できます。
(補足)Match EQを利用する上での注意!
Smoothingを0にする設定は一見複雑で細かなEQがかかっているように見えますが良い設定ではありません。異なる凹凸の曲を無理やり模していることになります。Smoothingは大きく設定して程良い凹凸にし、自分で修正しましょう。
Vintage EQ
ビンテージEQを代表するPultec EQP-1AとMEQ-5を基に設計されています。上の段がEQP-1A、下の段がMEQ-5のモデルです。丸くなっている部分や扇状の部分は周波数を表し、その周波数を中心にブースト、カットすることが可能です。バンドは全部で6つあります。
Dynamic EQ
Dynamic EQはEqualizerモジュール同様に、左上からDigitalとAnalogを選択できます。各バンドもEqualizer同様に調整できますが、EQとコンプレッサーを足したような仕様でただブーストやカットをするだけではなくThreshouldで一定以上オーバーした瞬間のみ抑えることができます。過度に突出するところをおさえる時に特に有効なエフェクトです。
バンドを選択し、「▶︎」を押すことでAttack、Release、Offset(元となるGain)が調整できます。
Auto Scaleはバンドの周波数に応じて自動でAttack、Releaseを決めます。
それぞれのバンド上下にある矢印から「▲(Up)」「▼(Down)」2種類が選択できます。
- EQをブーストした場合
Down:ブーストしたdBをデフォルトとし、突出した場合下に抑えられる。
Up:0dB(Offset)をデフォルトとし、最大で上のブーストしたdBまで持ち上げられる。
- EQをカットした場合
Down:0dB(Offset)をデフォルトとし、最大で下にカットしたdBまで下げられる。
Up:カットしたdBをデフォルトとし、突出した場合は上に持ち上げられる。
フィルター形状は以下5種類があります。
- Proportional Q
- Bell
- Band Shelf
- Baxandall Bass
- Baxandall Treble
Dynamics
いわゆるマルチバンドコンプレッサーと言われるものです。最大4バンドに分けてコンプレッサーをかけることが可能です。
- 上段左上:クロスオーバースペクトラム、ゲインリダクショントレース、検知フィルター
- 下段右側:一つ一つのバンド(Band ◯)、全バンドの表示(All)
の表示変更ができます。検知フィルターでは、Hipass(ポイントをドラッグして調整)、Tilt(Amountで調整)の検出する帯域を調整するフィルター設定も可能です。
上部の点々部分にカーソルを合わせると+マークになり、クリックすることで好きな帯域で4つまでバンドを分割できます。追加したバンドは電源マークとソロボタン、左下に削除ボタンがあります。バンドの境目(クロスオーバーポイント)を左右にドラッグして帯域を調整できます。
上部から以下の設定も可能です。
- Link Bands:全バンドのコントロールがリンクされます。
- Aマーク:オートでゲインを調整できます。
- Adaptive Release(傾斜マーク):コンプレッサーのリリース時間を自動で調整できます。
- Learn:再生して押すことでバンドの帯域を自動で調整します。(他のマルチバンド対応エフェクトも同じ)
あとは、一般的なコンプレッサーに見られるようなパラメータになります。
Peak / Env / RMS:レベル検出モードをPeak(ピークレベル)、Env(エンベロープレベル)、RMS(平均レベル)から設定できます。
Threshold:リミッターとコンプレッサーのしきい値を調整できます。
Ratio:コンプレッションレシオ(圧縮比)です。例えば4:1の場合入力がスレッショルドから4dB超過した場合、その超過分を1dBに抑えるという仕様です。
Attack / Release:アタックは、入力信号がスレッショルドをこえたときに、どれだけ速くフルレシオの値まで引き下げるかを決定します。リリースはその逆で、信号が圧縮されていない状態に戻るまでの総時間を表します。
Knee:信号に適用されるゲインリダクションの特性を決定します。ハードニーは、コンプレッサーがスレッショルドをこえたときに急激にゲインを下げ始めますが、ソフトニーは、信号がスレッショルドに近づくにつれて緩やかにゲインを下げていきます。
Parallel:パラレルコンプレッションと呼ばれる処理された信号(Wet)と処理されてない信号(Dry)をミックスする調整ができます。
Band Gain / Global Gain:処理後に適用されるゲイン量を各バンド(Band ◯ Gain)、全バンド(Grobal Gain)調整できます。
Vintage Comp
フィードバックループに検出フィルターを備えたビンテージアナログコンプレッサーの最高の要素を組み合わせた仕様です。
左上からゲインリダクショントレース、検知フィルターの表示変更が可能です。検知フィルターは3つのフィルター操作点があり、ソロボタンから検出回路にフィルタリングされた入力を聴くことができます。
モードは
- Sharp:信号本体を維持しながら、鮮明なダイナミクスとトランジェントに重点を置いたモードです。
- Balanced:ダイナミクス維持と信号全体の強化の間でバランスがとれたモードです。
- Smooth:トランジェントを滑らかにし、残りの信号を強化するより厚いサウンドのモードです。
の3種類から選ぶことができます。
あとは、一般的なコンプレッサーのパラメータと、Aマークは未処理のオーディオと同等レベルに処理するメイクアップゲインとして機能するオートゲインです。
Vintage Limiter
Fairchild 670をモデルとしたビンテージリミッターです。左上からスペクトラムアナライザー、ゲインリダクショントレース表示が可能です。
モードは
- Analog:アナログ回路の特徴である滑らかさ、厚さを提供しながら、ローエンドのトランジェントを引き出します。
- Tube:よりバランスの取れたリミッターで、受信信号に応じて異なる音響特性を備えたスムーズなフィードバックリミッティングです。
- Modern:より厚いビンテージと幅広いノンリニアを、現代のIRCリミッティングなどとともにブレンドしています。
の3種類から選択できます。
Threshold:リミッターのしきい値を調整できます。
Ceiling:ビンテージリミッターの最大出力レベルを調整できます。
リンクマーク:ThresholdとCeilingをリンクして調整できます。
True Peak:デジタルサンプルのレベルだけでなく、最終的に生成される信号のレベルも考慮に入れることができます。
Character:ビンテージリミッターのアタックとリリースを調整できます。選択したモードによって異なりますが、速い(0.0)〜遅い(10.0)まで調整できます。
Maximizer
全部で6つのIRC(インテリジェント・リリース・コントロール)で違和感なくラウドネスを得ることが可能です。左上からスペクトラムアナライザー、ゲインリダクショントレース表示が可能です。
IRC Low Latency
IRC Iの低レーテンシー版
IRC 1
インテリジェントなデジタルラウドネスを提供します。素材を分析し、トランジェントは迅速に反応、安定した低音はよりゆっくり反応します。
IRC 2
IRC Iと似ていますが、さらにトランジェントを最適化されているため、強めにかけてもシャープでクリアな音像です。
IRC 3
最も積極的なリミッターにも対応可能なバージョンです。しかし、CPU負荷は高く、重いです。4種類あり、Clippingが最も強いリミッターに対応したモードです。Pumping<Balanced<Crisp<Clipping
IRC 4
重なった楽器の音などスペクトルを分析して最適なリミッターをかけます。
Classic:旧Ozoneからあるクラシックバージョンです。
Modern:現代っぽくディテールと清澄性に長けたバージョンです。
Transient:トランジェントをできる限り保持するバージョンです。
IRC 5
新アルゴリズムIRC 5により、「ラウドにすると歪む/透明感を保つと音圧不足」というジレンマを解消。高LUFSでも歪みを抑え、クリーンでオープンな仕上がりを維持します。Maximizer史上、最も進化したモードです。
Upward Compress
Upward Compressは、透明度の高いコンプレッションで、ピークのゲインを下げるのではなく、静かな部分のゲインを上げます。Upward CompressはIRC Maximizerの前に適用されます。
Soft Clip
IRCマキシマイザーの前にソフトクリップ処理を設定できます。電源ボタンでオンオフでき、上下にドラッグしてDry/Wet量を調整することでよりラウンドネスブーストを得ることができます。ソフトクリッパーのスレッショルドはマキシマイザーとリンクしています。様々な方法でラウドネスブーストを得られ、3つの異なる方法でサチュレーションさせます。
- Light:スレッショルド3dB下でサチュレーションし始めます。
- Moderate:スレッショルド9dB下でサチュレーションし始めます。
- Heavy:スレッショルド30dB下でサチュレーションし始めます。
Transient Emphasis:電源ボタンでオンオフでき、量を調整してトランジェントを強調したい場合に利用できます。ドラムなどシャープなサウンドを維持したい場合に役立ちます。
Stereo Independence:チャンネル間のTransient、Sustainにリミッターがどのように反応するか調整できます。リンクボタンから2つをリンクさせることができます。
Learn Input Gain:隣の値を設定してから、Learn Input Gainの文字をクリックして再生すると設定したLUFSの値に合うように変化します。5秒間ほど入力を読み込んで自動でオフになります。
Exciter
最大4バンドでサチュレーションやカラーを付けることができるエフェクトです。バンドの設定方法は他のマルチバンドエフェクト同様で、左上からクロスオーバースペクトラム、ポストフィルターが選択できます。ポストフィルターでは、ハイシェルフフィルターで影響を受ける帯域を調整できます。
- Analog:トランジスタタイプの奇数倍音をエミュレートし、ドライブの効いたグリッド感を与えます。
- Retro:トランジスタの特性に基づいたゆっくりと減衰する奇数倍音を持ちます。
- Tape:アナログテープのサチュレーションに含まれる奇数倍音により明るいサチュレーションを加えます。
- Tube:ダイナミックでトランジェントなアタックに重点を置いたクリアな音が特徴です。
- Warm:偶数倍音のみを発生させ、素早く減衰します。
- Triode:真空管回路をモデル化し、リアルなアナログの暖かさを実現します。Dual Triodeより繊細なオーバードライブです。
- Dual Triode:真空管回路をフルに活用し、よりウォームなトーンでオーバードライブが得られます。
の7つのモードがあり、Amountでハーモニクス適用量を調整、MixでDry/Wet量を調整できます。
Oversampling:設定のサンプリングレートより高い処理能力を利用することができる機能です。この機能は全てのバンドに適用されます。
Bands(リンクマーク):全てのバンドを一緒に調整できます。
Vintage Tape
OSTUDER A810 2トラックテープデッキにインスパイアされ設計されたビンテージテープエフェクトです。表示は、スペクトラムアナライザーのみになります。
Speed:テープ速度を7.5、15、30ips(インチ/秒)の3つのスピードから設定できます。このスピードは磁気テープがテープヘッドを通過する速度を決定し、より速い速度で高周波数レスポンスや全体的な品質を向上できます。遅くなると、周波数レスポンスが均一に低下し、バッググラウンドノイズが低周波数にシフトし、増加する可能性があります。
Input Drive:テープエミュレーションの入力信号のゲインを調整できます。サチュレーション度合いが調整できます。
Bias:ディストーション曲線の形状が変化します。マイナスで高音域がブーストし、プラスでダイナミックレンジを制限し始め、異なるタイプのサチュレーションを加えます。
Harmonics:出力信号に追加された偶数次倍音の歪み量を調整できます。
Low Emphasis:ローエンドのレゾナントピークのゲインと形状を調整できます。
High Emphasis:高周波の損失を補填してオーディオにエネルギーを与えます。
Imager
ミックスのステレオ幅を調整できるエフェクトです。DynamicsやExciter同様の設定で最大4バンドで調整可能です。
左上からクロスオーバー、ステレオ幅スペクトラム、相関トレース表示の3種類の他に、右側にあるベクトルスコープでステレオ感を判断することが可能です。ベクトルスコープも両極サンプル、両極レベル、リサージュの3種類があります。
Width:Sideチャンネルに適用するゲイン量を調整できます。
リンクマーク:全ての帯域のStereo Widthの調整をリンクさせます。
Stereoize:自然なサウンドでステレオ幅を追加することができます。電源ボタンでオンオフでき、全てのバンドに適用され、Stereo Widthを利用している時に効果を発揮します。ModeⅠは、Midチャンネルの遅延コピーを作成しサイドに付加します。ModeⅡは、オリジナルと少し異なる音質でトランジェントを維持することができます。
Recover Sides:電源ボタンでオンオフ、Sマークでソロモードができ、全てのバンドに適用され、Stereo Widthをマイナス方向に利用している時に効果を発揮します。Sideチャンネルのゲインオフセット量を調整でき、その名のとおりリカバーできます。
Imagerは無料で手に入れることも可能です。
Spectral Shaper
ボーカルなどの耳につく音など問題のある周波数に高解像度の減衰を加えて削減することができるエフェクトです。
左上からアクションリージョンスペクトラム、ゲインリダクショントレース表示が可能です。アクションリージョンでは、縦線に左右にドラッグして適用する帯域を調整できます。Sマークからソロモードにして範囲内を確認することができます。
Light<Medium<Heavyと強度が選べます。
Amount:適用されるレベルを設定できます。
Tone:スペクトルの傾き(Tilt)を調整できます。プラスで全体的に明るく、マイナスで全体的に暗くなります。
Attack:Thresholdを超える信号に対してゲインリダクションが適用するまでの時間を調整できます。
Release:Thresholdを下回る信号に対してゲインリダクションを適用しなくなるまでの時間を調整できます。
Low End Focus
EQやDynamicsなど従来のツールでは簡単に改善できない場合に利用できるローエンドを調整するエフェクトです。
Spectral Shaper同様にアクションリージョンスペクトラム表示で、最大で20Hz〜300Hzまで帯域を縦線をドラッグして調整できます。Sマークからソロモードにして範囲内を確認することができます。
処理のタイプは、2種類から選択できます。
Punchy:より速いレスポンスで一時的なコンテンツを強調します。
Smooth:持続的なコンテンツを強化するために遅いレスポンスになっています。
Contrast:低レベルと高レベルのコンテンツの違い、コントラストを調整できます。上げるほどパンチの効いたサウンドになります。
Gain:適用する帯域のメイクアップゲイン量を調整できます。
Master Rebalance
トレーニングされた機械学習アルゴリズムを活用してマスターからボーカル、ベース、ドラムを特定し、ゲインを上げることができるエフェクトです。使い方は非常に簡単でVocals、Bass、Drumsを選択してGainを上げるだけのシンプルなエフェクトです。
Stabilizer
周波数補正を適用してトーンバランスを調整するアダプティブマスタリングイコライザーです。
ターゲット:Stabilizerはマスターアシスタントと連動しており、ターゲットはマスターアシスタントのものと同じになります。
ターゲットに合わせて行うEQ調整は2つのタイプから選択できます。
Shape:ターゲットのトーンバランスにシェイプし、EQブーストとカットを適用します。
Cut:ターゲットのトーンバランスにシェイプするよう、EQカットのみを適用します。
Amount:適用するゲイン量を調整できます。ブーストできる最大ゲインは9dBになっています。
Speed:Stabilizerの補正がオーディオにどれだけ速く反応するかを制御できます。
Smoothing:トーンバランスの輪郭(EQの細かさ)を制御できます。
Tame Transients:瞬時に反応し、あらゆるトランジェント素材のトーンを補正します。
Low / Mid / High:3つの帯域で補正の量を調整できます。
Impact
信号のマイクロダイナミクスを直接制御し、ダイナミックレンジの拡張と圧縮を可能にする簡単エフェクトです。他のマルチバンドエフェクト同様に4つのバンドで調整できます。キックなど打楽器単体トラックに使用する用途も考えられます。
Stereo Link:左右チャンネルに同じ調整を適用します。
Amount:全てのバンドの適用量を調整できます。
Impact:各バンドでマイクロダイナミクスの拡張、圧縮を調整できます。
Envelope:拡張、圧縮から戻る時間を調整できます。msもしくはSyncボタンが有効な場合は同期されたテンポで調整できます。
Auto:インパクト処理によって生まれたレベル差を補正するオートゲインです。
Bands:全てのバンドのImpactの量調整をリンクできます。
Clarity
Clarityは、数百のバンドを使用してオーディオのスペクトルパワーを最大化します。これは、平坦なノイズに向かって適応的にスペクトルの輪郭を調整することで達成されます。Clarity処理によって、まったく同じ統合LUFSでマスターの知覚ラウドネスを増加させることができることも分かっています。
Amount:Clarityのスペクトル処理のゲインを調整できます。ブーストまたはカットできる最大ゲインは6dBです。
Tilt:Clarityが輪郭を描くフラットターゲットを調整します。
Attack:Clarity が入力信号に反応するまでの時間(ms)を調整します。
Release:Clarityがゲインを変化させないベースラインに戻るまでの時間(ms)を調整します。
Stem EQ
Stem EQは、Vocal(ボーカル)・Bass(ベース)・Drum(ドラム)・Other(その他)分離してEQをかけることができます。それぞれ電源ボタンでオンオフ、Sボタンでソロモード、ゲイン調整も可能です。
名前部分をクリックして、あとは通常のイコライザー同様に利用できます。フィルター形状は以下が選択できます。
Bell:Proportional Q、Bell、Band Shelf
Low Shelf:Analog、BAxandall、Vintage、Resonant
High Shelf:Analog、BAxandall、Vintage、Resonant
Lowpass:Flat、Resonant、Brickwall
Highpass:Flat、Resonant、Brickwall
Unlimiter
Unlimiterは、機械学習で失われたトランジェントを復元し、パンチと抑揚を自然に回復します。
Threshold:リミッティングされた入力信号のピークレベルとして設定されます。
Amount:リミッティングで失われたトランジェントを復元します。
Input Gain / Output Gain:Unlimiter前と後のゲインを調整します。
Learn Threshold:入力信号を分析して、スレッショルドを最大ピークに設定します。
Bass Control
Bass Controlは、低音に特化した調整ツールです。上部のCutoff Frequencyで設定したカットオフ周波数でSボタンからソロモードで低音を確認することができます。
Balance:低音成分のレベルを調整できます。電源ボタンでオンオフでき、LightからHeavyの間で中心に近いほど良いバランスとされます。
Punch:低音域のトランジェントゲインを調整できます。電源ボタンでオンオフでき、ダイナミクスを見るメーターがあり中心に近いほど良いバランスとされます。
Sustain Power:その名の通りサスティンのパワーを調整できます。電源ボタンでオンオフでき、Thresholdで適用する閾値を設定、DirtyからClean間でキャラクター調整も可能です。
Peak Control:Thresholdでリミッター閾値を調整可能なピークコントロールです。DirtyからClean間でキャラクター調整も可能です。
その他の機能
インプットアウトプットゲイン&メーター
右側にはインプットアウトプットゲインとメーターがあります。
I/O:ここを選択するとメーターの対象となる音源の種類(ステレオもしくはMid/Side)、メーターの基準となる数値のタイプを選択できます。Replace input with referenceをチェックすると入力メーターは現在選択されているリファレンストラックに基づいて測定データを表示します。Show reference spectrumをチェックすると、選択したリファレンストラックのスペクトルが、すべてのモジュールのスペクトル表示でセカンダリースペクトルとして表示されます。
リンクボタン: 左右のI/Oゲインコントロールの調整をリンク/リンク解除します。
+/-:メーターの分解能を調整できます。
Bypass:プラグインの処理をバイパスします。
Gain Match: 出力信号のゲインマッチングの有効/無効を切り替えます。動作は右上設定マーク→I/Oの「Enable modern bypass gain match behavior」設定に依存します。
丸が重なったマーク:選択するとステレオ出力チャンネルをモノラル信号に合計します。モノラルの互換性をチェックするのに便利です。
左右矢印マーク:左右の出力チャンネルを入れ替えます。
Codec Preview
MP3やAACのようなオーディオフォーマットは、全体のファイルサイズを小さくするために、音響心理学的アルゴリズムを使ってオーディオファイルの聴き取りにくい部分を識別し、削除します。この処理によって、圧縮ファイルにさまざまなアーティファクトが発生する可能性があります。画面右下から電源マークでオンオフできるCodec Previewは、マスターを書き出す前に、非可逆圧縮フォーマットを試聴し、望ましくないアーティファクトを補正することができます。
Dither
画面右下から電源マークでオンオフできるDitherは、スタジオ品質のオーディオを様々な配信フォーマットに対応させるための包括的なディザリングツールが含まれています。
Bit Depth:エクスポートするファイルのターゲットビット深度を設定します。
Auto-Blanking:入力信号に0.7秒以上の無音(0ビットオーディオ)が検出されると、ディザー出力(ディザーノイズ)を自動的にミュートします。
Dither Amount:信号に加えるディザーの目標ビット数(振幅)を選択できます。Mediumが推奨設定です。
Harmonic Suppression:トランケーションは、信号に倍音を加え、音色を歪ませる倍音クオンタイズ歪みを引き起こすことがあります。このオプションを有効にすると、倍音量子化歪みを可聴周波数の倍音から遠ざけるために、トランケーションルールが変更されます。Harmonic Suppressionは、Dither AmountがOffに設定されているときのみ有効です。
Limit Peaks:極端なディザー設定によって生じる出力信号のピークを抑制します。
Noise Shaping:ディザリング処理中に適用されるノイズシェイピングの量を、OffからMax(約14 dBの可聴ノイズ抑制)の範囲で決定します。
Reference
画面右下から電源マークでオンオフできるReferenceは、最大10の参照トラックをインポートし、オーバーレイされたスペクトルメータリングで音楽の違いを視覚化し、オーディオをすばやくAB比較できます。
質問等ございましたらコメント欄からどうぞ!