- Neutorn 4から何が変わったの?違いは?
- トラックメイク、ミックスがもっと簡単にできる方法ないかな・・・
- プラグインエフェクトって結局どれを使えばいいの?
- AI機能がついってるってどういうこと?
このように思いこの記事をお読みになったのでは?
今回、AI機能搭載のトラックメイク、ミックス用プラグインNeutron 5をレビューします。
Neutron 5になり、初心者に嬉しいAI機能の向上とともに、中〜上級者に嬉しい新エフェクトが搭載された良いアップデートだと感じます。よりピークに影響が少ない形、もしくは下げる形で音のディテールや存在感を上げることが可能となっています。
この記事では、Neutron 5のメリットや注意点をご紹介。加えて使い方にもふれて、どのように買うと一番お得になるのかも解説します。
ぜひ、参考にしてください。
1. iZotope「Neutron 5」とは?
Neutron 5は、iZotopeが開発するあらゆるトラックメイクに利用できるマルチエフェクトです。作曲ソフトDAWの拡張機能AU(Audio Unit)、VST3、AAXプラグインとして利用できます。
バージョン5になり、3つの最新プラグインや、高速でさらに賢くなったミックスアシスタント、各モジュールに追加されたMid/Side/Transient/Sustainアクセスが可能なチャンネルモード、差分をモニタリングするDeltaボタンなど追加・アップデートされています。
※Neutron 5に搭載されているトラックメイクAI機能は「ミックスアシスタント(Mix Assistant)」Visual Mixerに搭載されているミックスバランス機能は「バランスアシスタント(Balance Assistant)」という名称になっています。
フルバージョンでは、プラグインは以下に分かれて表示されます。
Neutron 5フルバージョンプラグイン一覧
- Neutron 5(全エフェクト+AIアシスタント搭載マザーシッププラグイン)
- Neutron 5 Visual Mixer
- Neutron 5 Equalizer
- Neutron 5 Compressor
- Neutron 5 Excitor
- Neutron 5 Gate
- Neutron 5 Sculptor
- Neutron 5 Transient Shaper
- Neutron 5 Unmask
- Neutron 5 Clipper
- Neutron 5 Density
- Neutron 5 Phase
各エフェクトプラグインである「コンポーネントプラグイン」もしくは、まとめて起動できる「マザーシッププラグイン」のNeutron 5があり、Neutron 5プラグインではAIによるアシスタント機能が搭載されています。AIによるミックスアシスタント機能では、トラックのオーディオを流すことで分析し、イコライザーやコンプレッサー、エキサイターなどを使用したトラックメイクが瞬時に完了します。
※AI機能はあくまで「アシスタント」とされています。時短してパパッと聞かせる音源には便利ですが、iZotope公式では基本的にアシストしてもらう使い方が推奨されています。
前回バージョン同様に、Neutron 5もしくはNeutron 5 Elements版の2種類になります。Neutron 5 Elementsは、AIによるミックスアシスタント及びアシスタントビューがついた仕様となります。Neutron 5 Elementsには、細かく調整できる各エフェクトモジュールは含まれません。
Neutron 5の主な新機能・違い
- Clipperモジュール:新しいClipperモジュールは直感的なマルチバンドオプション、オーバーサンプリング、チャンネルモードを備え、音量(RMS)を保ったままピークレベルのみをコントロールすることで、トラックのヘッドルームを回復しつつパワーを追加します。
- Densityモジュール:新しいDensityモジュールは、信号のアタック成分に影響を与えずにダイナミックレンジをコントロールするインテリジェントなアップコンプレッションを実行することで、トラックに存在感やディテール、深みを加えます。
- Phaseモジュール:新しいPhaseモジュールは、複雑な位相の問題を克服します。非対称波形や同期外れ信号を修正し、トラック波形の振幅を揃えてピークレベルを下げたり、2つの異なる音源を重ねる際に最もサンプルが噛み合うように位相/遅延を自動計算します。
- Channelモード:全体にわたりMid/SideとTransient/SustainのChannelモードを搭載しました。Neutronの各モジュールに新たな次元のアプローチを可能にします。
- Deltaボタン:すべてのモジュールに他製品でもお馴染みのDeltaボタンが追加され、差分をモニタリングすることが可能です。Neutronがミックスに与える影響を正確に聴き取れるので、より的確な判断を下すことができます。
- アシスタントビューの改善:トラックを瞬時にシェイピングできるように、アシスタントビューに洗練された処理とマクロノブを追加。ミックスアシスタントからカスタムシグナルチェーンをさらに簡単に微調整できるようになりました。
- GUIの改善:NeutronのアップデートされたGUIは、さらにクリアで分かりやすく、カスタマイズも可能となりました。
<レビューや使い方など詳しい記事>
<Neutron 5の概要>
開発会社 | iZotope |
操作画面 | |
製品名 | Neutron 5 |
仕様 | AI機能搭載トラック向けマルチエフェクト |
価格(定価) | ¥41,600 Elements ¥8,500 |
Neutronを含む主なパッケージ
時期によってパッケージが追加・廃止されたり、販売店独自のバンドルも存在する場合があります。
※販売店によって旧バンドルの取り扱いがある場合があります。価格は為替の影響で変動します。
表は横にスクロールできます▼
パッケージ | Mix & Master Bundle Advanced | Music Production Suite 7 | Everything Bundle | Elements Suite | RX Post Production Suite 8.5 |
主な収録内容 | Ozone 11 Advanced Neutron 5 Nectar 4 Advanced (w/ Melodyne Essential) Tonal Balance Control 2 Neoverb Audiolens |
Neutron 5 Symphony 3D Stratus 3D Brainworx bx_boom! Brainworx bx_cleansweep Pro Brainworx bx_delay 2500 Brainworx bx_refinement Brainworx bx_saturator V2 Brainworx bx_subsynth Ozone 11 Advanced RX 11 Standard Nectar 4 Advanced (w/ Melodyne Essential) Neoverb Vocal Synth 2 Insight 2 Tonal Balance Control 2 Audiolens VEA Trash Raum Crushpack(3種) Modpack(3種) Supercharger GT Replika XT Solid Mix Series(3種) Transient Master Driver Guitar Rig Pro 7 |
Ozone 11 Advanced Neutron 4 Nectar 4 Advanced (w/ Melodyne Essential) RX 11 Advanced Dialogue Match VocalSynth 2 Insight 2 Stutter Edit 2 Exponential Audio Stratus 3D Exponential Audio Symphony 3D Tonal Balance Control 2 Neoverb Brainworx bx_boom! Brainworx bx_cleansweep Pro Brainworx bx_delay 2500 Brainworx bx_refinement Brainworx bx_saturator V2 Brainworx bx_subsynth Audiolens VEA Trash Raum Crushpack(3種) Modpack(3種) Supercharger GT Replika XT Solid Mix Series(3種) Transient Master Driver Guitar Rig Pro 7 |
Ozone Elements Neutron Elements Nectar Elements RX Elements |
RX 11 Advanced Dialogue Match Neutron 5 Nectar 4 Advanced Insight 2 RX Loudness Control Stratus 3D Symphony 3D Tonal Balance Control 2 |
価格(定価) | ¥84,800 | ¥101,800 | ¥422,900 | ¥23,100 | ¥300,900 |
▶︎Plugin Boutique ▶︎PluginFox ▶︎ADSR Sounds ▶︎SONICWIRE ▶︎Best Service ▶︎サウンドハウス ▶︎MIオンラインストア ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎Splice Plugins(月額払い) ▶︎公式
NeutronはSplice Pluginsにて月額払い(Rent-to-Own:借りる→払い切ると自分のものに)でも利用可能です。Splice Pluginsに関する詳しい記事はこちらをご覧ください。Splice Pluginsは通常の月額払いと違い、支払いの義務はなくいつでも停止そして再開することが可能です。
iZotopeのサブスクリプション
iZotope公式のサブスクリプションサービスもあります。Native InstrumentsやBrainworx製品とともに「360」というサービスを展開しています。360 Essentials・360 Plus・360 Proの3種プランから選んでiZotope、Native Instruments、Brainworx製品の最大150以上プラグインを月額もしくは年額で利用できます。
プラグインのサブスクリプションに関する詳しい記事は以下をご覧ください。
2. AI機能ミックスアシスタント(Mix Assistant)レビュー!注意点も解説
Neutron 5には、AI(人工知能)機能「ミックスアシスタント(Mix Assistant )」が搭載されています。ミックスアシスタントは、トラックを再生して読み込ませることで自動で調整してくれるAI機能になります。この機能により初心者でも簡単にトラックメイクを完了でき、大幅な時短にもなります。前回バージョン同様にあらかじめ選択しておくものは何もなく、「楽曲を再生して読み込む→アシスタントビューで調整」といった流れで利用できます。
ミックスアシスタントを利用するメリットや利用する前に知っておくべき注意点は以下のような点があります。
ミックスアシスタントの利用メリット
AI(人工知能)機能ミックスアシスタントを利用することで、下記のようなメリットが考えられます。
- 初心者でも簡単にトラックメイクが完了する
- 瞬時に調整でき、時短になる
- AIの処理が勉強になる
トラックメイクをしようと思うと初心者の方は、何から始めれば良いのかわからない方も多いと思います。しかし、この機能を利用すれば一瞬でトラックメイクが完了するので、初心者には大変ありがたい機能となっています。前回バージョンからミックスアシスタント完了後にアシスタントビューが表示され、詳しい知識がなくてもザックリと調整できる様になっています。また、AIによる処理を見ることで勉強にもなります。
利用する前に知っておくべきミックスアシスタントの注意点
ミックスアシスタントは便利な機能ですが、利用する前に知っておくべきいくつかの注意点があります。
頼り過ぎ注意
頼り過ぎてもいけません、AIによるエフェクトはある程度の決まったエフェクトしかかからないため不十分な点もあります。ミックスアシスタントでトラックメイクを学びながら、最後は自らの手で行うことも大事です。
幅広くトラックに合った処理が可能ですが、分析したTone Matchの分類が同じであれば、各エフェクトの処理も似てきます。
基本的には、以下のようにエフェクトされます。
Equalizer→Sculptor→Compressor 1→Density→Exciter
あくまでアシスタントということを忘れないようにしましょう。iZotopeのAI機能搭載プラグインの中でも、トラックは特にサウンドの幅が広いので、思い通りの形にするためには調整が必要な場合があるでしょう。
※AI機能はあくまで「アシスタント」とされています。時短してパパッと聞かせる音源には便利ですが、iZotope公式では基本的にアシストしてもらう使い方が推奨されています。
アシスタントビューの設定は各種エフェクトの設定と連動している
アシスタントビューの設定は、各種エフェクトの調整と連動しています。ですので、アシスタントビューはあくまで各種エフェクトの音色をコントロールする重要なパラメータの集まりと言えるでしょう。Neutron 5 Elementsの場合は、アシスタントビューのみ利用でき、各エフェクトの細かな調整はできません。
各種エフェクトは、以下のパラメータと連動します。ただし、アシスタントビューから各種エフェクトが変更でき、各種エフェクトからはアシスタントビューは変更されません。アシスタントビューで調整→各種エフェクト調整の流れで調整するべきでしょう。
- Equalizer = EqualizerモジュールのMix
- Target Library = Sculptorモジュールの分類
- Sculptor = SculptorモジュールのAmount
- Density = DensityモジュールのRange
- Compressor = Compressor 1モジュールのMix
- Saturation = Excitorモジュール
- Width = 画面右下Width
Neutron 4とNeutron 5のミックスアシスタントを比較
Neutron 4とNeutron 5で、パッと見た感じあまり変わっていないように感じるかもしれませんが、AI機能の結果はかなり違います。
高い密度
前回のNeutron 4と比べると基本的なエフェクトチェーンは以下のように違います。
- Neutron 4:Sculptor→Equalizer→Compressor 1→Compressor 2→Exciter
- Neutron 5:Equalizer→Sculptor→Compressor 1→Density→Exciter
特に大きな違いは、新エフェクト「Density」が組み込まれている点です。Neutron 5の方が細かな音を含めた底上げによって密度が高い印象を受けます。
高音域の質感
Neutron 5を使って、改めてNeutron 4と比べてみると、Neutron 4の高音域の質感に違和感を感じることが多いです。
Neutron 4の方が高音域を無理やり上げた印象があり、嫌なざらつきが出ることがあります。
3. 各エフェクトや機能をレビュー!
ここからは実際に、Neutron 4の各エフェクトや機能を使ってレビューしていきます。
Visual Mixerのレビュー
前回バージョン同様にVisual Mixer(ビジュアルミキサー)は、Neutronでも別プラグインとして搭載されています。
Neutron 5などのiZotopeエフェクトプラグインや、iZotopeエフェクトを必要としないトラックにもRelayという通信できるプラグインをさすことでビジュアルミキサーでのコントロールが可能となります。全体のPANや音量、広がりをコントロールすることができます。これにより、各トラックの位置や音量を自在に操ることが可能です。
さらに、Visual Mixer上部の「Balance Assistant(バランスアシスタント)」機能を使うと全トラックのボリューム自動調整できます。これでOzone 11を合わせるとトラックの調整からマスタリングまで全て自動で完結可能です。
しかしながら視覚的にまとめてみたい場合は利用しても良いと思いますが、ビジュアルミキサーを利用する場合は、DAWの音量やPANは一切いじらない形になります。音量やPANはDAWでコントロールしたい方は利用しない機能だと思います。ほとんどの人にとってはあまり必要ない機能かもしれません。
10種各エフェクトのレビュー
Neutron 5には全部で10のモジュールがあり、それぞれ強力なプラグインでフルバージョンでは単体でも使うことも可能です。
1. Sculptorのレビュー
トラックに透明感と艶を与えるスペクトラルシェイピングです。
以下楽器21種類もしくはAll-purposeの4種類から選び、自動でバランス調整されます。
- All-purpose(Add Fullness、Add Polish、Add Punch、Instrument Bus)
- Bass(Bass、Deep Bass、 Sub-bass)
- Guitar(Acoustic Guitar、Clean Electric、Distorted Electric)
- Keys(Electric Piano、Piano、Synth Lead、Synth Pad)
- Orchestral(Brass-High、Brass-Low、Strings-High、Strings-Low)
- Percussion(Cymbals、Drums、Kick、Snare、Toms)
- Voice(Dialogue、Vocals)
また、アシスタントビューから自分のオーディオをターゲットにすることも可能です。
マルチバンドコンプレッションを極限まで高めたもので、4つの周波数帯を圧縮するのではなく、最大32の周波数帯で信号を圧縮するため、より信号に適したコントロールが可能になります。バージョン4からはトランジェント/サスティンモードも搭載され、さらにピンポイントで適用しやすくなっています。
SoundtheoryのGullfossとよく比べられますが、Gullfossより固い音の印象があります。他にもこの手の製品は多くなってきている印象があります。Sculptorは、その中でも各楽器に分類されており、簡単にオートで調整できるので初心者でも扱いやすいです。
2. Compressorのレビュー
最大3バンドで調整可能なコンプレッサーです。キャラクターの違うModernとVintageそして、Punchモードがあります。Punchモードは、一般的なコンプレッサーよりも少ないノブでダイナミクスを直接コントロールできるプロセッサーです。一般的なコンプレッサーとは異なる仕様ですのでご注意ください。
Punchモードは、ダイナミックレンジを簡単に操作できできます。Amountを上げるとダイナミックレンジが大きくなり、マックスまであげると小さい音はほぼ聞こえなくなりゲートのような効果になります。Amountを下げるとダイナミックレンジが狭くなり、より小さな音が強調されます。
便利な機能ですが、本来あったダイナミクスの良さを消さないように注意が必要です。
3. Equalizerのレビュー
各トラックを連携することも可能なイコライザーです。別のトラックにもNeutronのEQを使用すれば、Maskingで被りを確認しつつ同一画面で別トラックのEQもいじることができ、便利です。もし別のトラックでNeutronを利用しない場合でも、通信できるRelayプラグインを入れておけば、被りの確認はできます。
トラック間のバランスを確認しつつ、EQできるので使い勝手は良いです。トランジェント/サスティンモードも搭載され、さらに使いやすくなりました。
4. Exciterのレビュー
ハーモニックディストーションを加えるエキサイター。こちらも1〜3バンドからなります。
XYコントロールとMix、Tone、フィルターを使って、かなり激しいディストーションから微妙な色付けまで自分好みに調整できます。コントロールが効かないような歪みにならず、利用しやすいと思います。また、ダイナミクスの変化もTameボタンによって調整できます。
5. Gateのレビュー
一定以下の音を排除するゲートです。開くしきい値Openと閉じるしきい値Closeを調整して動作します。3バンドかつサイドチェーン可能ですので、クリエイティブなエフェクトとしても利用できるでしょう。
6. Transient Shaperのレビュー
Transient Shaperは、サウンドのアタックとサスティンの特性を透過的に変化させ、全体のレベルに影響を与えずにサウンドの存在感を高めるために使用できます。
ドラムなどを簡単にパンチあるサウンドにすることができます。最大3バンドで帯域ごとに調整できるのも良い点です。
7. Unmaskのレビュー
Unmaskは、2つのトラックの間にスペースを作るためのダイナミックサイドチェーンツールです。Unmaskは、Sculptorと同じように32バンドに分割し、オーディオを処理する際に、より透明感のあるサウンドを実現することができます。
あえて極端なAmountにしてクリエイティブなサイドチェインエフェクトとしても利用でき面白いです。バージョン4からはトランジェント/サスティンモードも搭載され、さらにピンポイントで適用しやすくなっています。
8. Clipperのレビュー
Clipperは、最大3つの帯域で直感的なソフトクリッピングが可能な柔軟性を備えたクリッパーエフェクトです。
ほぼ2つのパラメータのみのシンプルな仕様ですが、Soft Clip Boostで程良い調整ができ、トランジェント/サスティンモードもあるので使いやすいです。
9. Densityのレビュー
Densityは、最大3つの帯域で利用できる上向きのコンプレッサーです。
存在感を上げたい時やふくよかにしたい時などに便利なツールです。ただし、音によっては不自然な上がり方になることもあるので、かけ方には注意が必要です。
かなり便利な機能ですが、CompressorモジュールのPunch機能同様に、本来あったダイナミクスの良さを消さないように注意しながら使う必要があるでしょう。
10. Phaseのレビュー
Phaseは、1つの信号の非対称性や、別のトラックとの位相の問題を数秒で学習し、必要に応じて微調整するためのツールとビジュアライゼーションを提供します。
初心者向けではない機能かもしれませんが、ピークが上がりすぎている部分や音の重なりが気になる部分、左右非対称な波形で利用することで、よりヘッドルームに余裕を持たせたり、パンチあるサウンドにすることができます。
重要な作業なので、位相の問題と向き合うことがあまりなかった方もこれを機会にぜひ活用してみてください。
細かな作業になりますが、Learnボタンで簡単に問題部分を調整してくれて便利です。
Neutron 5レビューまとめ
Neutron 5になり、よりピークに影響が少ない形、もしくは下げる形で音のディテールや存在感を上げることが可能となっています。マルチバンドやトランジェント/サスティンモード対応のエフェクトが多いのも嬉しい点です。本当に処理が必要な帯域や音の立ち上がりなどにピンポイントでエフェクトをかけることができます。
初心者に嬉しいAI機能の向上とともに、中〜上級者に嬉しい新エフェクトが搭載された良いアップデートだと感じます。
4. Neutron 5 Elementsの違いを比較!どっちを買うべき?
ここからはNeutron 5、Neutron 5 Elementsどっちが良いか?どれを買うべきなのか解説します。Neutron 5、Neutron 5 Elementsの主な違いは以下です。
Neutron 4 Elements | Neutron 4 | |
モジュールエフェクト | なし | 10 |
Relayプラグイン | ◯ | |
Visual Mixerプラグイン | ◯ | |
Tonal Balance Control 2プラグイン | ◯ |
Neutron 5 Elementsは、AIによるミックスアシスタント及びアシスタントビューがついた仕様となります。Neutron 5 Elementsにエフェクトモジュールは含まれません。つまり、Elements版では、各エフェクトモジュールのパラメータを全てコントロールすることはできなく、アシスタントビューに配置されているエフェクトコントロールのみを調整できる仕様となっています。
それぞれの詳しい違いは公式のページをご覧ください。
購入すべきバージョンとその理由
最新バージョンはElementsよりNeutron 5フルバージョンの方がおすすめです。
詳しい比較は以下の記事を参考にしてください。
5. おすすめの買い方
Neutron 5を購入する前に知っておくべき買い方が2点あります。
- アップグレード・クロスグレード
- バンドル
アップグレード・クロスグレード
iZotopeの製品を持っているとアップグレード(バージョンをアップする)・クロスグレード(その製品からバージョンアップや他の製品を一緒に安く購入できる)が可能です。
- Upgrade from 〜:〜からアップグレード
- Crossgrade from 〜:〜からクロスグレード
- Crossgrade from any paid iZotope product:iZotopeの有料製品からクロスグレード
例えばNeutron Elementsを持っている場合は
- Upgrade、Crossgrade from Elements:Elementsからアップグレード・クロスグレード
- Crossgrade from any paid iZotope product:iZotopeの有料製品からクロスグレード
が購入可能となります。
バンドル
Neutron 5を購入する場合でも、単体で買うよりお得なパッケージがあります。
特におすすめなパッケージがMix & Master Bundle AdvancedもしくはMusic Production Suite 7です。
以前人気だったバンドルTonal Balance Bundleは、新しくAI機能搭載リバーブNeoverbが追加されたMix & Master Bundle Advancedとして販売されています。
※販売店によって旧バンドルの取り扱いがある場合があります。価格は為替の影響で変動します。
Mix & Master Bundle Advanced:価格(定価)¥84,800
- Ozone 11 Advanced:マスター向けマルチエフェクト
- Nectar 4 Advanced:ボーカル向けマルチエフェクト
- Neutron 5:トラック向けマルチエフェクト
- Melodyne 5 Essential:ピッチ補正プラグイン
- Neoverb:AI機能搭載リバーブ
- Tonal Balance Control 2:バランス確認ツール
- Audiolens:ストリーミングサイトから音楽特性を収集できるアプリ
Music Production Suite 7:価格(定価)¥101,800
- Ozone 11 Advanced:マスター向けマルチエフェクト
- Nectar 4 Advanced:ボーカル向けマルチエフェクト
- Audiolens:ストリーミングサイトから音楽特性を収集できるアプリ
- Neutron 5:トラック向けマルチエフェクト
- VEA:ボイスオーディオエンハンサー
- Trash:クリエイティブディストーション
- Symphony 3D:サラウンド対応リバーブ
- Stratus 3D:サラウンド対応リバーブ
- RX 11 Standard:修正・補正ツール
- Melodyne 5 Essential:ピッチ補正プラグイン
- Neoverb:AI機能搭載リバーブ
- Vocal Synth 2:ボーカル向けエフェクト
- Insight 2:メーターツール
- Tonal Balance Control 2:バランス確認ツール
- bx_boom!:キックドラムにパンチを加えるプラグイン
- bx_cleansweep Pro:ハイパス/ローパスフィルター
- bx_delay 2500:ディレイ
- bx_refinement:不快な高域を除去し活性と輝きを加えるハーシュネスコントロール
- bx_saturator V2:マルチバンドサチュレーション
- bx_subsynth:サブハーモニックシンセサイザーエフェクト
- Guitar Rig Pro 7:ギター、ベースアンプシミュレーター&エフェクター
- Raum:複雑なサウンドデザインを実現するリバーブ
- Crushpack(3種):多機能なビットクラッシャー / ディストーション / フリケンシーシフター
- Modpack(3種):革新的なコーラス / フランジャー / フェイザー
- Supercharger GT:迫力の真空管コンプレッションサウンド
- Replika XT:柔軟性に富んだスタジオクオリティディレイ
- Solid Mix Series(3種):精確な6バンドのイコライザー / コンプレッサー&エクスパンダーゲート / バスコンプレッサー
- Transient Master:ドラムやパーカッションのアタックを引き上げるダイナミクスプロセッサー
- Driver:包括的かつクリエイティブなディストーション&フィルターエフェクト
これら二つを組み合わせクロスグレード+パッケージで買うのが一番お得になります。
特に、定番のAI機能搭載マスター向けエフェクトOzone 11 Advancedを持っていない方は一緒に手に入れるべきでしょう。
Nectar 4やOzone 11、Mix & Master Bundle Advancedに関する記事はこちらをご覧ください。
6. Neutron 5に関するセール情報
iZotope製品はブラックフライデーのみならず頻繁にセールをおこないます。
およそ50%OFF〜ものによっては90%OFFをこえるものもあります。どんどん割引率も上がっていく傾向にありますので、最安値で購入することは難しい傾向にありますが、特に時期によって限定で販売される以下のようなパッケージ品は割引率が高いの場合が多いです。
- Black Friday Bundle
- Music Maker’s Bundle
- Holiday Bundle
- Cyber Bundle
- 初めてのiZotopeセット
※これらのパッケージはセール期間が終わると販売しません。
また、Neutron Elementsは無料で配られたこともあります。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。
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7. 口コミ・評判を紹介!
Neutron 5に関する口コミ・評判をまとめてみました。
AIによるアシスタント機能は、4より評価が高いです。
Neutron 5が優秀すぎる、4とかなり結果変わる音質してるけどドラム隊なら5が好み🎶 あとはDelta buttonがやっとついた…他社製品でよく見かけるやつ
引用:Twitter
まとめ
Neutron 5は、初心者に嬉しいAI機能の向上とともに、中〜上級者に嬉しい新エフェクトが搭載された良いアップデートだと感じます。
よりピークに影響が少ない形、もしくは下げる形で音のディテールや存在感を上げることが可能となっています。
バージョンは、Neutron 5 Elementsより、Neutron 5フルバージョンをおすすめします。ただし、Neutron 5の他Ozone 11 AdvancedやNectar 4 Advancedなどがついてくる「Mix & Master Bundle Advanced」や「Music Production Suite 7」が一番おすすめです。
「Music Production Suite 7」は値段が高いですので、難しい場合はOzone 11 AdvancedとNeutron 5、Nectar 4 AdvancedやNeoverbのバンドル「Mix & Master Bundle Advanced 」をチェックしてみましょう。
この記事が参考になったのなら幸いです。
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<購入後はこちら> iZotope製品のインストール・アクティベーション方法
iZotope製品のインストール・オーソライズ方法はこちらの記事を参考にしてください。
<Neutron 5マニュアル>各エフェクトの種類と使い方を解説!
ここからは、Neutron 5のエフェクトの種類と特徴・使い方を次の順番でご紹介していきます。
公式のマニュアルはこちらをご覧ください。
- Mix Assistant:ミックスアシスタント
- 共通機能
- Sculptor:スカルプター
- Compressor:コンプレッサー
- Equalizer:イコライザー
- Exciter:エキサイター
- Gate:ゲート
- Transient Shaper:トランジェントシェイパー
- Unmask:アンマスク
- Clipper:クリッパー
- Density:デンシティ
- Phase:フェーズ
- Visual Mixer:ビジュアルミキサー
- その他
Mix Assisntant:ミックスアシスタント
アシスタント機能の使い方を解説します。
まずは、Neutron 5をトラックにインサートして起動し、上部の虹色の丸を選択します。続いてトラック(なるべくラウドな部分)を再生します。
数秒読み込むとエフェクトが適用されてアシスタントビューが表示されます。それぞれのパラメータは、以下の各モジュールパラメータと連動します。詳しい内容は、各エフェクトモジュールの使い方を参考にしてください。
- Equalizer = EqualizerモジュールのMix
- Target Library = Sculptorモジュールの分類
- Sculptor = SculptorモジュールのAmount
- Density = DensityモジュールのRange
- Compressor = Compressor 1モジュールのMix
- Saturation = Excitorモジュール
- Width = 画面右下Width
Target Libraryは、左側プラスボタンから音色を近づけたいオーディオファイルを選択して読み込むことも可能です。読み込んだオーディオの設定は、Customから選択できます。
Audiolensというアプリを使って、音源ファイルのダウンロードやDAWの設定に時間を費やすことなく、ストリーミングプラットフォームから直接楽曲の特性を収集し、Ozone 11やNeutron 5とシームレスに繋げて収集した特性に合わせたミックスやマスタリングが可能となります。これを使ってターゲットライブラリを拡張することが可能です。
もし、もう一度トラックを読み込みたい場合は、右上のRelearnを選択して、オーディオを再生します。
ここからは各エフェクトの使い方を解説します。
別々のエフェクトプラグインではない場合は上部左から右にエフェクトがかかり、+でエフェクトを追加、それぞれオンオフ、各エフェクトプリセット、削除、ドラッグ&ドロップで順番を変えることが可能です。右側の縦スライダーでエフェクトのミックス量を調整できます。
右上から全体のプリセットを選択でき、上部ブラウザマークから各種エフェクトもしくは、虹色の丸マークからアシスタント機能を利用できます。
共通機能
Transient/Sustain・Mid/Side
各エフェクトには、真ん中上部から処理方法を3種類から選択できる場合があります。一般的なStereoやMid/Side処理の他に、新しくアタックとサスティン部分で処理を分けるTransient/Sustainが追加されました。
※搭載されていないエフェクトモジュールもあります。
- Transient/Sustain搭載モジュール:Clipper、Unmask、Sculptor、Equalizer
- Mid/Side搭載モジュール:Clipper、Density、Unmask、Sculptor、Equalizer、Transient Shaper
Delta
他製品でもお馴染みのDeltaボタンが追加され、差分をモニタリングすることが可能です。Neutronがミックスに与える影響を正確に聴き取れるので、より的確な判断を下すことができます。すべてのモジュールに追加されました。
(1)Sculptor:スカルプター
トラックに透明感と艶を与えるスペクトラルシェイピングです。
以下楽器21種類もしくはAll-purposeの4種類から選び、自動でバランス調整されます。
- All-purpose(Add Fullness、Add Polish、Add Punch、Instrument Bus)
- Bass(Bass、Deep Bass、 Sub-bass)
- Guitar(Acoustic Guitar、Clean Electric、Distorted Electric)
- Keys(Electric Piano、Piano、Synth Lead、Synth Pad)
- Orchestral(Brass-High、Brass-Low、Strings-High、Strings-Low)
- Percussion(Cymbals、Drums、Kick、Snare、Toms)
- Voice(Dialogue、Vocals)
左右の縦線をドラッグすることで帯域を調整できます。
Amount:適用される処理量を調整します。
ターゲットメニュー:トラックに適用するターゲットカーブを決定します。
Tone:信号の音色的な特性を調整します。
Speed:圧縮の適用における反応速度を調整します。
Solo:選択した範囲のみでの処理を聞くことができます。
(2)Compressor:コンプレッサー
1〜3バンドでそれぞれ3タイプから選択できるコンプレッサーです。
コンプレッサーは左上から3つのビュー
- マルチバンドクロスオーバースペクトラム
- 検出フィルター(ModernまたはVintageが選択されている場合のみハイパス、ローパス調整可能)
- オシロスコープ
が選択できます。
右上から入力検出モードを3つから選択できます。
RMS(Root Mean Square):入力信号のレベルを平均化することによって、コンプレッサーの入力レベルを決定します。
Peak:入力信号の瞬間的なピークレベルを使用して、コンプレッサーへの入力レベルを決定します。
True:RMSモードと同様に入力信号のレベルを平均化することによってコンプレッサーの入力レベルを決定しますが、すべての周波数にわたって均一なレベルが生成されます。このモードでは、RMS検出の一般的な副作用であるエイリアシングやアーティファクトを発生させません。
Learn:iZotopeのエフェクトでよくある機能ですが、オーディオを再生することで自動でマルチバンドを最適化します。
Auto Gain:入力と出力のレベル差を計算し、自動的に計算されたゲインを適用します。ゲインは自分で調整することも可能です。
コンプレッサーはPunchモードを含め3つのモードから選択できます。
Punch
一般的なコンプレッサーよりも少ないノブでダイナミクスを直接コントロールできるプロセッサーです。このモードでは、スレッショルドを必要とせず、4つのコントロールで簡単に調整することができます。
Amount:このコントロールを調整して、音のダイナミックレンジを拡大または縮小します。
Attack:パンチ処理の立ち上がり時間を調整します。
Sustain:パンチ処理の立ち下がり時間を調整します。
Gain:圧縮後の出力信号に適用されるゲインの量を決定します。
Modern / Vintage
こちらは、一般的なコンプレッサー同様のパラメータを備えています。
Modern:透明でクリアなサウンドを提供します。
Vintage:透明感を抑え、より生き生きとした色彩豊かなサウンドを提供します。
Threshold:コンプレッサーが処理を開始する信号レベルを決定します。ModernまたはVintageが有効なときのみ利用可能です。
Knee:入力がスレッショルドに近づくにつれ、処理がどの程度急激に適用されるかを制御します。Modernが有効なときのみ利用できます。
Attack:スレッショルドレベルをこえた後、信号が完全に圧縮されるまでの時間を決定します。
Release:入力信号がスレッショルド以下になったときにCompressorがゲインを回復するまでの時間を調整できます。
Auto Release(A):Compressorが入力信号を分析してリリースタイムを自動的にスケーリングします。Modernが有効なときのみ利用できます。
Ratio:レベル検出モードで設定された規則に従って、スレッショルドを超えたときに、信号全体またはバンド全体に適用されるゲインリダクションの量を決定します。
Makeup Gain:圧縮後の出力信号に適用されるゲインの量を決定します。
Mix:処理されていない信号と処理された信号のDry / Wetを調整できます。
最下部の電源ボタンからサイドチェインを有効にでき、入力信号以外の信号に基づいて処理をトリガーすることができます。内部(INT.)または外部(EXT.)のサイドチェイン入力を選択できます。
(3)Equalizer:イコライザー
一般的なEQと同じく上下にドラッグしてゲイン、左右にドラッグして周波数を調整します。
バンドを選択後、番号の両端◯を左右にドラッグしてフィルター幅を調整できます。
- ローパスバンド2種類
- ローシェルフバンド3種類
- ハイパスバンド2種類
- ハイシェルフバンド3種類
- ベル3種類
の合計13種類から選択できます。EQライン上にカーソルを合わせてクリックすると新しいバンドができます。
バンドをクリックするとパラメータが表示されます。
電源マーク:バンドをオンオフします。
S:ソロモードにします。
×:バンドを削除します。
Freq:周波数を調整できます。
Gain:ゲイン量を調整できます。
Q:フィルターの幅を調整できます。
音符マーク:周波数スペクトル上のどの位置にあるかキーで表示されます。
▶︎からさらにオンオフ可能なサイドチェーンとダイナミックモードを利用できます。
Dynamic:スレッショルド設定に関連して、選択したバンドにダイナミック可変ゲインを適用します。信号がスレッショルドを越えると、信号をブーストまたは減衰させることができます。バンドにある上下矢印を選択してUpもしくはDownのゲイン変化方向を選べます。
Sidechain:内部(INT.)または外部(EXT.)入力信号を選択して、圧縮または拡張の量を制御します。サイドチェインを行うことで、ミックスの各要素間の関係を変化させたり、改善したりすることができます。
Saturate:微妙な倍音を発生させ、微妙な色付けを実現します。
Learn:トラックの音的重要度の高い位置を自動で検知してくれます。
Masking
別トラックとの被りを解消したい場合に利用できます。下部からNeutronやNectar、Relayがささったトラックを選択でき、Sensitivityで感度を調整します。Neutronが他のトラックにささっている場合下部から以下の調整ができます。
EQ切り替え:他のトラックのEQと切り替えて表示、変更できます。
Inverse Link:比較中のEQで正反対のEQがかかります。選択したバンドに近い位置のバンドが選択されます。
Bypass EQs:ソースとターゲットの両方のEQモジュールをバイパスします。
(4)Exciter:エキサイター
ハーモニックディストーションを加えるエキサイター。こちらも1〜3バンドからなります。
Tame:入力信号オリジナルのダイナミクスが復元され、ダイナミクスが変化するパフォーマンスにも均等にディストーションが適用されます。
Oversampling:オーディオ処理中に一時的にサンプルレートを上げます。
上部から4つの設定ができます。サチュレーションに帯域による微妙な倍音強調を適用するために使用します。
- Full:中低域に盛り上がり
- Defined:中高域に盛り上がり
- Clear:中低域を減衰
- Flat:強調なし
各バンドは、XYコントロールで4種類からブレンドできる2タイプを選択できます。
- Classic:Tube、Warm、Tape、Retro
- Trash:Overdrive、Scream、Clipper、Scratch
Drive:大きな丸ノブから歪み量を調整できます。
Tone:低周波や高周波にかかる歪みのバランスを調整できます。
フィルター:減衰のために緩やかなシェルフを適用する一つのバンドがあります。
Mix:未処理と処理済み信号Dry / Wetを調整できます。
(5)Gate:ゲート
1〜3バンドからなるゲートです。左上からコンプレッサー同様にマルチバンドクロスオーバースペクトラム、検出フィルターから表示を選択できます。OpenとCloseでスレッショルドをコントロールできます。
Open:ゲートが開き、信号が通過できるようになるレベルを設定します。入力信号がオープンスレッショルドレベルを超えると、減衰が停止します。
Close:オープンスレッショルドより低く設定され、ゲートが閉じるスレッショルドレベルを調整できます。入力信号がクローズスレッショルドを下回ると減衰します。
Ratio:スレッショルドを下回る信号に対して適用されるゲインリダクションの量を決定します。
Attack:オープンスレッショルドを超えたときに、ゲートが閉じた状態から開いた状態に移行するまでの時間を調整できます。
Hold:信号がスレッショルドを下回った後、ゲートが完全に開いた状態を維持する時間を調整できます。
Release:信号がクローズスレッショルドを下回ったときに、閉じるまでの時間を調整できます。
▶︎から他のエフェクト同様にサイドチェーンを利用できます。
(6)Transient Shaper:トランジェントシェイパー
トランジェントシェイパーは、サウンドのアタックとサスティンの特性を透過的に変化させ、全体のレベルに影響を与えずにサウンドの存在感を高めるために使用できます。
1〜3のバンドで
- Precise:次のトランジェントまでの回復時間が速く、最も精密で反応が良い
- Balanced:PreciseとLooseの中間に位置するバランス型
- Loose:回復時間が遅く、サスティンが多い
の3種類から選んだあと、各バンドで以下の3種類から選択します。
- Shape:高速でタイトなリリースタイム
- Medium:透明でリニアなリリースエンベロープ
- Smooth:最も遅いエンベロープ
アタック、サスティンがマイナスにふれるのも良い点です。
Attack:トランジェントにかかるレベルを調整できます。上げると誇張されたパンチのあるサウンドに、下げるとソフトでウォームなサウンドになります。
Sustain:サスティンにかかるレベルを調整できます。上げると濃密で空気感のあるサウンドに、下げるとタイトでアグレッシブなサウンドになります。
(7)Unmask:アンマスク
Unmaskは、2つのトラックの間にスペースを作るためのダイナミックサイドチェーンツールです。Unmaskは、Sculptorと同じように32バンドに分割し、オーディオを処理する際に、より透明感のあるサウンドを実現することができます。
Sculptorと同じように左右の縦線から適用する周波数をドラッグして調整できます。
Amount:サイドチェーン信号から入力信号に適用される処理の量を調整できます。
Sensitivity:スレッショルドを拡大縮小します。マスキングがどの程度検出されるかに影響します。
Attack:どの程度速くアンマスクが適用されるかを調整できます。
Release:どの程度の速さでマスキングが停止されるかを調整できます。
※Unmaskはサイドチェイン信号を受け取る必要があります。サイドチェインの方法はDAWによって異なります。
(8)Clipper:クリッパー
Clipperは、ヘッドルームを再生しながら信号にパワーを加えることができます。最大3つの帯域で直感的なソフトクリッピングが可能な柔軟性を備えたクリッパーエフェクトです。
Soft Clip Boost:ソフトクリッパーのKneeをコントロールし、信号をハードクリップスレッショルドにスムーズにブーストするためにdB単位で働きます。
Threshold:信号がハードクリップされるレベルをコントロールします。
(9)Density:デンシティ
Densityは、最大3つの帯域で利用できる上向きのコンプレッサーです。ダイナミクスを無理なく滑らかにし、オーディオに存在感、ディテール、ふくよかさを与えるように設計されています。コンプレッサーが、より大きな信号を下げることでダイナミックレンジを狭めるのとは異なり、Densityはオーディオのソフトな部分をブーストし、スレッショルド以上のコンテンツは全く影響を受けません。
Range:信号がスレッショルドを下回ると、どれだけの正のゲインが適用されるかを制限します。これは0から20dBの最大ゲインレンジを設定します。
Ratio:静かな信号がどれだけ増加するかを決定します。高く設定するとより積極的に信号をブーストします。例えば、レシオが2:1の場合、Thresholdから2dB下がるごとに出力レベルが1dB上がることを意味します。
Speed:Thresholdを下回る静かな音をブーストする速さ、または遅さを決定します。1msに近い設定にするとゲインは速くアグレッシブに変化し、300msに近い設定にするとゲインは遅く滑らかに変化します。
Threshold:上方への圧縮を開始するレベルを設定します。入力信号がスレッショルドを下回ると、小さな音をブーストします。
(10)Phase:フェーズ
Phaseは、1つの信号の非対称性や、別のトラックとの位相の問題を数秒で学習し、必要に応じて微調整するためのツールとビジュアライゼーションを提供します。
右上からメインもしくはサイドチェーン信号の表示を設定できます。
- Main:インサートトラックの波形
- Sidechain:サイドチェーンの波形
- Main & SC:メインとサイドチェーンの波形
- Combined:メインとサイドチェーンの合計
- 1 bar 〜1/16:DAWと同期した波形表示の範囲
Learn:RotationとDelay コントロールの両方を自動的に設定することができます。PhaseモジュールがDelayコントロールを設定するには、サイドチェーン信号が存在し、NeutronまたはPhaseコンポーネントプラグインにルーティングされている必要があることに注意してください。
Rotation:波形の回転を左右のチャンネルに等しくなるように度単位で調整します。ダイアログやボーカル、金管楽器など、左右非対称な波形に有効です。調整すると、入力の振幅特性が変化しますが、タイムシフトは起こりません。
Delay: 左右のチャンネルに等しくミリ秒単位のタイムシフトを適用します。
(11)Visual Mixer:ビジュアルミキサー
前回のバージョン同様にビジュアルミキサーが別プラグインとして同梱されています。このプラグインは、NeutronはもちろんNectarやRelayなど互換性のあるすべてのiZotopeプラグインがリストアップされ、それぞれの音量、パンニング、ステレオ幅を調整できます。
上部のBalance Assistantからは、トラックの音量を自動で調整することができます。中心となるFocusトラックと、ミックスの対象となるトラックを選択して、音楽を再生するだけでミックスが完了します。ミックスは以下の5つに分類されます。
- Focus:フォーカストラック
- Voice:ボーカルトラック
- Bass:ベーストラック
- Percussion:ドラム・パーカッショントラック
- Musical:上記のグループとは関係ないその他のトラック
それぞれのボリュームを調整でき、右下Edit Classificationsをクリックして、各グループに分類されるトラックを編集できます。
右上のSnapshotsでミックスの状態を保存でき、右側のトラック一覧から各トラックをオンオフできます。
(12)その他
その他の機能としてインプットアウトプットパネルにもいくつかの設定があります。
Limiter
出力のトランジェントを維持しながら透明なリミッターをかけることができます。
3つのスタイルと4つのモードを選択できます。
- Clear:迅速に反応するリミッターです。
- Smooth:ClearとThickの中間で、最も一般的で良いサウンドを提供します。
- Thick:オーディオに対してよりゆっくりと反応します。
リミッターは、以下のアルゴリズムを使って4つの異なる方法で設定できます。各アルゴリズムは、音質に影響するレイテンシーが異なります。
- IRC II:3446 samples at 48 kHz
- IRC LL:120 samples at 48 kHz
- Hard:198 samples at 48 kHz
- Zero-L:Zero Latency
※NectarのVocal UnmaskソースメニューでNeutronが選択され、Vocal Assistantによってマスキングが検出されると、EQカットカーブがNeutronの出力に適用されます。アンマスクコントロールボックスは、NeutronインターフェースのI/Oメーターの上に表示されます。
ゲイン:入力または出力のゲインを調整できます。
Bypass:バイパスをオンオフします。
Sum To Mono:オンに切り替えると、ステレオ信号左右のチャンネルをモノラルの出力信号に合計します。
Pan:パンニングを調整できます。出力信号を左または右のチャンネルにパンします。Neutronのステレオ・インスタンスでのみ機能します。
Invert Phase:位相を反転します。信号の極性を反転させる場合に使用します。
Width: ステレオの拡がり具合を調整します。
Swap Channels:左チャンネルを右チャンネル出力に、右チャンネルを左チャンネル出力にルーティングします。
質問等ございましたら下部のコメント欄からどうぞ!