- Vintage Vault 4めちゃくちゃ内容量あるけど実際使える音源なの?
- Vintage Vault 4だけで曲は作れる?
- Vintage Vault 4は重い?
このように思いってこの記事を読んでいるのではないでしょうか?
Vintage Vault 3からさらにバージョンアップしたVintage Vault 4。
今回は、名機ビンテージシンセサイザー、リズムマシンを網羅したソフト音源UVI「Vintage Vault 4」をレビューします。
Vintage Vaultシリーズは2から利用していますが、どんどんシンセが増えていき今ではとんでもない量になっています。
ビンテージシンセサイザー、リズムマシン音源がまとめて欲しい方にはおすすめのソフト音源です。
この記事は、そんなUVIの「Vintage Vault 4」を導入すべきメリットや使用する上での注意点。そして、各音源について解説していきます。
ぜひ、参考にしてください。
ソフトシンセに関するまとめ記事はこちらをご覧ください。
1. UVI「Vintage Vault 4」とは?
Vintage Vault 4はUVIが開発するビンテージのシンセサイザー、リズムマシンをモデルとしたプラグインソフト音源集です。
4となりさらに多くのシンセサイザーを網羅する音源となりました。それぞれのソフト音源は単体もしくは複数製品のセットでも販売されています。
UVI Workstation(無料)もしくはUVI「Falcon」内で起動する製品でVST、AU、AAXなど作曲ソフトDAWの拡張機能「プラグイン」として利用できますが、単体での起動(スタンドアローン)も可能です。
<Vintage Vault 4の概要>
※緑はVintage Vault 3から新たに収録された音源 / 青はVintage Vault 4から新たに追加された音源
開発会社 | UVI |
サンプル/プリセット | 833,947サンプル / 14,407プリセット |
容量 | 281GB |
価格(定価) | 599ドル(約¥65,890) |
ソフト音源(63種) | Cameo(3種) / Digital Synsations Vol. 2(3種) / OB Legacy(6種) / PX Apollo / UVS-3200 / UVX80 / BeatBox Anthology 2 / Darklight IIx(3種) / Digital Synsations(4種) / |
発売日 | 2022年2月 |
- ビンテージシンセ、リズムマシンをまとめてたくさんほしい
UVI製品は、サブスクリプション「SonicPass」で利用できるようになりました。UVIのサブスクリプションに関する詳しい記事は以下を参考にしてください。
▶︎SONICWIRE ▶︎SONICWIRE ▶︎beatcloud ▶︎サウンドハウス ▶︎楽天 ▶︎Amazon ▶︎Rock oN ▶︎公式
2. 導入するメリット
UVI Vintage Vault 4を導入するメリットは以下の点が考えられます。
- 名機ビンテージシンセサイザー、リズムマシンを網羅
- 生楽器を必要としない曲であればVintage Vault 4のみで完結可能
- 実機を収録したサンプルベース
名機ビンテージシンセサイザー、リズムマシンを網羅
名機ビンテージシンセ、リズムマシンをマニアックなものまで網羅しています。
Vintage Vault 3でも十分な内容量でしたが、4となりさらにパワーアップ。Vintage Vault 4一つでかなりの量のシンセサイザーが手に入ります。
ビンテージシンセサイザーの音源をまだ一つも持っていない方は一気に手に入るのでとてもおすすめです。
ArturiaのV Collection 10のようにピアノ、エレピ、オルガンなどの音源はありませんが、シンセサイザーの種類でいえばVintage Vault 4のほうが圧倒的に多いです。
それぞれの元となったシンセサイザーは以下です。
Vintage Vault 2にも収録されていた音源
Cameo(3種) | Cameo CM、Cameo CX、Cameo CZ→Casio CZシリーズ |
OB Legacy(6種) | UV-1→Oberheim OB-1、SEM XP-12→Oberheim Xpander、Matrix-12 M-6k→Oberheim Matrix-6、6R、Matrix-1000 UV-XXX→Oberheim OB-X、OB-Xa、OB-SX UVSR-2→Oberheim MSR-2 Six-12→Oberheim OB-12、OB6 |
Vector Pro(3種) | Vector Pro 22→YAMAHA SY 22 Vector Pro VS、Vector Pro VX→Prophet VS |
Kroma 1.5(2種) | Kroma→Rhodes Chroma PolarX→Polaris |
WaveRunner(7種) | WaveRunner 360→PPG 360 WaveComputer WaveRunner Orange→Waldorf MicroWave XT WaveRunner 2.0→PPG WAVE 2 WaveRunner 2.3→PPG WAVE 2.3 WaveRunner X WaveRunner Terminal D WaveRunner Terminal U |
Digital Synsations(4種) | DS77→YAMAHA SY77 DS1→KORG M1 DSX→Ensoniq VFX DS90s→Roland D50 |
Digital Synsations Vol. 2(3種) | DK5S→KAWAI K5000 DS-890→Roland JD-800、JD-990 DZmo→Fizimo |
Emulation One、Drumulation One→E-mu Emulator | |
Emulation II、Drumulation→E-mu Emulator II | |
Darklight IIx(3種) | Page B、Page P、Page U→Fairlight CMI IIx |
The Beast(3種) | The Beast FM II、The Beast Terminal、The Beast Box→Synclavier Ⅱ |
UltraMini(2種) | Classic、XL→Minimoog、Minimoog Voyager |
U1250 | Kurzweil K250、K1000 |
ENERGY | DK Synergy |
CS-M 1.5 | YAMAHA CS 70-M、CS40-M、CS20-M、CS01 |
Synthox 1.5 | Elka Synthex、EK-44 |
Mello | Mellotron |
PX Apollo | Polymoogプロトタイプモデル |
UVS-3200 | KORG PS-3200 |
UVX80 | AKAI AX80 |
UVX-10P | Roland JX-10、MSK-70、JX-8P |
UVX-3P | Roland JX-3P |
BeatBox Anthology 2 | リズムマシン100モデル以上 |
Vintage Vault 3で新たに追加された音源
FM Suite(5種) | FMX1-XL→YAMAHA DX1 FMX2-XL→YAMAHA DX21、TQ5、Korg DS8 FMX-80P→YAMAHA FVX-1 FMX40P→YAMAHA TX81Z、DX100 FMX-GS→YAMAHA GS2 |
JP Legacy(4種) | SATURN 4→Roland Jupiter 4 SATURN 6→Roland Jupiter 6 SATURN 8→Roland Jupiter 8 MERCURY 80→Roland MKS-80 |
PX P10 | Prophet 10 |
PX V8 | Voyetra 8 |
String Machines 2 | Solina他62モデル |
USQ-1 | Ensoniq ESQ-1 |
UVX 670 | AKAI VX600、AX73 |
Vintage Vault 4で新たに追加された音源
Bit Zone | Crumar Bit 99 |
Emulation Ⅱ+(4種) | E-mu Emulatorシリーズ |
Hybrid 6000 | Casio HT-6000 |
Prime 8+ | Roland TR-808 |
Program 24 | Solton Programmer 24、SM100 |
PX Memories | Memorymoog(Lintronics LAMM) |
PX SunBox | JoMoX SunSyn |
Super-7 | Roland MKS-7 |
生楽器を必要としない曲であれば、Vintage Vault 4のみで完結可能
リズムマシンも豊富にあり、テクノ・エレクトロなどリアルな生楽器を必要としない楽曲であれば、全てのパートがVintage Vault 4だけで揃うので、作曲を完結させることができます。
Vintage Vault 4になり、Hybrid 6000やProgram 24、Super-7など一つのでドラムとシンセが合体したシーケンサー音源も増えたためより一層これだけで完結できるようになりました。
実機を収録したサンプルベース
UVIのこだわり抜かれた実際に出力された音を使用したサンプルベースのシンセサイザー音源です。
マニアックなモデルまで実機を揃えて収録されています。
3. 利用する前に知っておきたい注意点・デメリット
しかしながら、扱う上で注意点もあるとわかりました。
具体的には、次のような点があります。
- 収録されている音源に注意!他の製品が良い場合も
- iLokアカウント+UVI Workstationで起動する
- 同時発音数が多くなれば重くなる
しっかり確認しておきましょう!
収録されている音源に注意!他の製品が良い場合も
▼表は横にスクロールできます▼
メーカー | Arturia | UVI | UVI | IK Multimedia |
製品名 | V Collection 10(X) | Vintage Vault 4 | Synth Anthology 4 | Syntronik 2 |
価格 | 599ドル | 599ドル | 149ドル | CS:無料 SE:一部ハードに付属 通常版:129.99ユーロ MAX:199.99ユーロ |
収録内容 | 鍵盤楽器(ピアノ/エレピ/オルガンなど) ビンテージシンセなど | ビンテージシンセ リズムマシン | ビンテージ〜近年のシンセ | ビンテージシンセ |
個々の音源のパラメータ | 独立________________________ | 独立________________________ | 共通________________________ | 共通________________________ |
補足 | 39のArturia製品 | 36のUVI製品 800,000以上のサンプル | 200モデル 4000以上プリセット | 最大34モデル 200GB以上 |
詳細 | 詳細記事 | 詳細記事 | 詳細記事 |
※価格は変動することがあります。
Vintage Vault 4はビンテージシンセ、リズムマシンが多数収録されていますが、人によっては他の音源が良い場合もあります。
ピアノやエレピ、オルガンも手に入れたい方はArturia「V Collection 10」の方が良いです。ただし、ビンテージシンセのみ欲しい場合はUVI「Vintage Vault 4」の方が種類が多くリズムマシンまで収録されています。
もう1つ大きな違いはサンプルベースかどうかです。UVI製品などは1つ1つ実機を収録しているのに対して、V Collectionはアナログ回路をデジタルで再現する独自の技術でエミュレートされている音源があります。好みによりますが、アナログ系であればV Collectionの方が太く生きたサウンドがする印象があります。音源によりますが1つ1つの操作できること、機能性はサンプルであるUVI製品に比べてV Collectionの方が高い場合が多いです。
また、UVIには安価で手に入る「Synth Anthology 4」という音源もあります。Vintage Vaultは一つ一つのシンセからインスパイアされた独立した操作画面を持つ複数の音源バンドルですが、Synth Anthologyは一つの画面同じパラメータで操作する音源で、Synth AnthologyにはVintage Vaultに収録されていないシンセサイザーがいくつかあり、今でも手に入る近年のシンセNordLeadやProphet 6、MiniLogueなども収録されている点が特徴です。
ビンテージシンセ収録音源は以下のようなものがあります。
- Arturia「V Collection 10」:鍵盤楽器(ピアノ、エレピ、オルガンなど)、ビンテージシンセ、生楽器とシンセのハイブリッド音源、同社ハードウェアシンセのソフト版
- UVI「Vintage Vault 4」:ビンテージシンセ、リズムマシン
- UVI「Synth Anthology 4」:ビンテージシンセ〜近年のシンセ。一つのプラグイン共通パラメータでコントロールする音源
- IK Multimedia「Syntronik 2」:ビンテージシンセ。一つのプラグイン共通パラメータでコントロールする音源
iLokアカウント+UVI Workstationで起動する
iLokアカウント(USBは持っていなくても大丈夫です)でのアクティベートが必要かつ、UVI Workstation(無料)もしくはUVI「Falcon」で起動する音源ですので、初心者の方は使えるようになるまでで戸惑う可能性があります。
下記のインストール・アクティベーション方法を参考にしてください。
またUVI Workstationで、それぞれプリセットがバラバラに表示されるものとシンセサイザー起動後、画面でプリセットを変える仕様のものがありますので注意しましょう。
同時発音数が多くなれば重くなる
UVI Workstationの右下で同時発音数(Voices)、負荷(CPU)がわかります。基本的に、同時発音数が多くなればなるほど重くなる傾向にあります。
Mono(モノフォニック)だと基本軽いですが、Poly(ポリフォニック)で発音数が多い場合は負荷が大きくなりますので注意してください。
ただしこれはメリットとも言えます。実機のビンテージシンセサイザーの場合は、発音数が限られているものが多いですが、名機の音を制限なく発音することが可能です。
4. 口コミ・評判を紹介!
Vintage Vaultに関する口コミ・評判をまとめました。
評価は高いですが、あまりに多すぎて逆に使いこなせないという意見もあります。
また、4にアップグレードするかどうか迷っている方も見受けられました。
収録製品を購入した方にアップグレードとは別にクーポンが発行されているようです。
Vintage Vault 4いくかどうか、ずっと悩んでる
UVI Vintage Vault 4 のアップグレード購入した後で、バンドル製品を部分的に購入済みの人には別途バウチャーが発行されていたことを知る(がーん)。「使わずに購入してしまいました」とサポートに連絡したら何も訊かずにサクっとバウチャー分返金してくれました。素晴らしい!
UVI Vintage Vault 3に早速アップグレード
UVIのビンテージシンセ系のサウンドは、音の波形というよりも楽器としての存在感をサンプリングしてる感じ。
ひとつひとつが結構作り込まれた音色です。
マニアックな機種も多いので、自分にとって新しい音もたくさん。
実用性と遊び心とのバランスが最高!
Vintage Vault 3
めっちゃほしい…、サンプル音源聞くと余計欲しくなる…、ぐぬぬ…、こういうバンドル品って無性に欲しくなるんだよなぁ
Vintage Vault 3、クログレ価格安くて惹かれるがこれ以上シンセあってもな感も強くてな……
引用:Twitter
5. Vintage Vault 4に関するセール情報
UVI製品は、ブラックフライデーのみならず頻繁にセールをおこないます。
ただし、Vintage Vault 4がセール対象となるタイミングはかぎられているので、ご注意ください。Vintage Vault 4に含まれる単体音源もセール対象になる場合があります。
また、すでにVintage Vaultをお持ちの方など公式にログインしてアップグレードやクロスグレードで購入可能になる場合があります。
最新のセール情報はこちらの記事をご覧ください。
6. UVI製品のインストール・アクティベーション方法
UVIの製品のオーソライズはiLokアカウントが必要となります。(USBは無くても大丈夫です。)
iLokに関する詳しい記事は以下をご覧ください。
- UVIでアカウント作成
- UVI Portalをダウンロード・インストール・ログイン
- UVI PortalのRedeem Serialからシリアルナンバー・iLok User IDを入力
- UVI Portalで製品をインストール
- iLok License Managerでアクティベート
※UVI Workstationで起動する製品は、UVI Workstationもインストールする必要があります。
7. Vintage Vault 4の各ソフト音源をレビュー!
ここからは一つ一つソフト音源を紹介していきたいと思います。
下記の順番で解説します。
- Cameo(3種)
- OB Legacy(6種)
- Vector Pro(3種)
- CS-M 1.5
- Synthox 1.5
- Kroma 1.5(2種)
- ENERGY
- U1250
- WaveRunner(7種)
- Digital Synsations(4種)、Digital Synsations Vol. 2(3種)
- Emulation One(2種)、Emulation II(2種)
- Darklight IIx(3種)
- The Beast(3種)
- UltraMini(2種)
- Mello
- String Machines 2
- PX Apollo
- UVS-3200
- UVX80
- UVX-3P、UVX-10P
- BeatBox Anthology 2
- FM Suite(5種)
- JP Legacy(4種)
- PX P10
- PX V8
- USQ-1
- UVX 670
- Bit Zone
- Emulation II+(4種)
- Hybrid 6000
- Prime 8+
- Program 24
- PX Memories
- PX SunBox
- Super-7
(1)Cameo(3種)
- 使い方:Cameo公式日本語マニュアル
Casio CZシリーズをモデルとした3種類の音源。Cameo CMはスタンダードな音源、Cameo CXはデュアルレイヤー音源でアルペジエーターが多めです。Cameo CZはWavetable方式に波形を詰め込んだ新しい音源です。Cameo CZのみUVI Workstationでプリセットがバラバラであり、Cameo CMとCameo CXは起動してからプリセットを選べます。
レトロで歪みがかったようなデジタルサウンドを奏でることができ、デジタル感を出しつつビンテージ感を付加できるような音源です。ただし、Arturia「V Collection」のCZ Vに比べると機能性は劣ります。
(2)OB Legacy(6種)
Oberheimのシンセサイザーをモデルとした音源。UV-1はOB-1、SEMをXP-12はXpander、Matrix-12をM-6kはMatrix-6、6R、Matrix-1000をUV-XXXはOB-X、OB-Xa、OB-SXをUVSR-2はMSR-2をSix-12はOB-12、OB6をモデルとしています。
こちらはSix-12のみUVI Workstationでプリセットがバラバラであり他は起動後にプリセットを選べます。
全体的に分厚い音が特徴ですが、SEMモデルであればGForce Software「OB-E」、OB-XaモデルであればSynapse Audio「Obsession」など評価の高いOberheimモデルソフトシンセ比べると厚みやそれを引き出すパラメータが足りないなと思うこともあります。
(3)Vector Pro(3種)
ジョイスティックが特徴的なベクトルシンセシスという加算方式のシンセサイザーProphet VSをモデルにしたVector Pro VS、Vector Pro VX。Vector Pro VSがスタンダードな音源で、Vector Pro VXがデュアルレイヤー音源です。
デジタルなオシレーターでありながら、暖かさのあるアナログフィルターで暖かみのあるデジタルサウンドを奏でることができます。
そしてもう一つVector Pro 22はYAMAHA SY 22がモデルの音源です。YAMAHA SY 22はSequentialがYamahaに買収された後にProphet VSを基に作られたシンセサイザーです。Vector Pro VXのみ起動後プリセットを選びます。
(4)CS-M 1.5
- 使い方:CS-M公式日本語マニュアル
CS-MはYAMAHA CS 70-M、CS40-M、CS20-M、CS01などのCSシリーズをモデルとした音源です。
シリーズ最高機種のCS-80をあえて外してギラギラした厚いベースラインやアルペジオから、実機では難しい同時発音数の多いポリフォニックまで奏でることができます。
(5)Synthox 1.5
80’sイタリアの強力なアナログシンセ、FMシンセElka SynthexとEK-44をモデルとし、2つの波形を自由に重ねることができるハイブリッドシンセです。
FM独特のエレクトリックピアノ、ベル系サウンドにアナログの厚みを加えることができます。また逆も然りです。
(6)Kroma 1.5(2種)
- 使い方:Kroma公式日本語マニュアル
Kromaは1982年に発売された16ボイスのアナログシンセサイザーRhodes Chroma、PolarXは6ボイスのアナログシンセサイザーPolarisをモデルとした音源です。2600やOdysseyで有名なArpが、CBSに売却する前に手がけた最後のキーボードです。
どちらも起動前にUVI Workstationでプリセットを選択する音源で、少々使い勝手が良くないですがPolarXの方は番号で割り振られたオシレーター選択が便利です。暖かみと厚みのあるファンキーアナログサウンドを奏でます。
(7)ENERGY
- 使い方:ENERGY公式日本語マニュアル
ENERGYは32オシレーター、デュアル16ステージエンベロープという超豪華仕様で総生産台数1000台以下のレアなシンセサイザーDK Synergyがモデルの音源です。
起動前にUVI Workstationでプリセットを選択する音源で、ビンテージから近未来的なサウンドまで奏でることができ現代にも通用するサウンドを奏でることができます。
(8)U1250
- 使い方:U1250公式日本語マニュアル
U1250はPCMシンセシスの元祖Kurzweil K250、K1000をモデルとした音源です。K250は、オシレーターにサンプル波形を用いた最初の鍵盤楽器です。ですので、シンセのみならず数々のアコースティック楽器サンプルも奏でることができます。
ベースやギター、ドラムからオーケストラ楽器までをビンテージデジタルサウンドで奏でることが可能です。
(9)WaveRunner(7種)
ウェーブテーブル方式のシンセサイザーをモデルとした音源です。WaveRunner 360はPPG 360 WaveComputer、WaveRunner OrangeはWaldorf MicroWave XT、WaveRunner 2.0はPPG WAVE 2、WaveRunner 2.3はPPG WAVE 2.3をモデルとしています。
WaveRunner X、WaveRunner Terminal D、WaveRunner Terminal Uのみ起動後にプリセットを選びます。
ウェーブテーブルシンセというと、Serumなどのソフトシンセを思い浮かべる方が多いと思いますが、そういったソフトウェアオリジナルのシンセではなく、ハードウェアの元祖ウェーブテーブルシンセをモデルとしているため方式は同じでもレトロなデジタルサウンドを奏でます。
WaveRunner Terminal Dはシーケンサー付きのドラム音源で、レトロなサンプルドラムサウンドを奏でます。
(10)Digital Synsations(4種)、Digital Synsations Vol. 2(3種)
90年代のデジタルシンセサイザーを網羅した音源です。Digital SynsationsはDS77がYAMAHA SY77、DS1がKORG M1、DSXがEnsoniq VFX、DS90sがRoland D50をモデルとしています。Digital Synsations Vol. 2はDK5SがKAWAI K5000、DS-890がRoland JD-800、JD-990、DZmoがFizimoをモデルとしています。
エレクトリックピアノなどデジタルなKey系サウンドを使用したい時に重宝します。
ただし、全てUVI Workstationにプリセットがバラバラで表示され、基礎となる音色はプリセットから選ぶ必要があります。
(11)Emulation One(2種)、Emulation II(2種)
それぞれE-mu Emulator、E-mu Emulator IIをモデルとした音源です。
Emulation Oneの中にドラムのみのDrumulation OneとEmulation Oneに分かれています。しかし、Emulation II(2種)のEmulation IIとDrumulationは完全別物のとして名前が分かれて表示されていますのでEmulation IIの中にDrumulationはありません。
Vintage Vault 4になり、これらはEmulation Ⅱ+として一新されました。
旧バージョンからお持ちの方はどちらも存在しますが、新しくなったEmulation Ⅱ+の方が個人的には良いと思います。特にDrumulationは、プリセットの数も大幅に増えかなり使える音源になっています。
(12)Darklight IIx(3種)
80年代当初、1200万円もするFairlight CMI IIxをモデルとした音源です。Page B、Page P、Page Uに分かれておりPage PはUVI Workstationでバラバラのプリセットがあるデジタルシンセです。Page Bはデジタルドラムマシン、Page Uは3トラックのシーケンサーで起動後にプリセットを選びます。
レトロな操作画面でテンション上がりますが、操作性は少しわかりづらいかもしれません。
(13)The Beast(3種)
70年代の象徴であったワークステーションSynclavier Ⅱをモデルとした音源です。The Beast FM II、The Beast Terminal、The Beast Boxに分かれておりThe Beast FM IIがFMと加算方式のシンセシスを装備したソフトシンセです。
The Beast Terminalは、アコースティックからエレクトリックまで豊富な音色を奏でることができ、The Beast BoxはFMベースのリズムマシン音源として機能します。
The Beast FM IIは、FMモジュレーション量を調整するFMIZERという大きなノブが特徴的です。
(14)UltraMini(2種)
定番のMini Moog、Mini Moog Voyagerをモデルとした音源です。
こちらはプリセットを起動後に選びますが、MonoもしくはPolyは起動前に選択します。
実機ではできないPolyで分厚いサウンドが可能です。
(15)Mello
- 使い方:Mello公式日本語マニュアル
Mellotronをモデルとした音源です。
こちらは、UVI Workstationで12のプリセットの中から選択して起動します。
プリセットや機能面では、Arturia V Collection 9に入っているMellotronより結構劣るなといった印象です。
ただし、パッとザ・Mellotronサウンドを鳴らしたい時は、選びやすく扱いやすいので割と便利で使います。
(16)String Machines 2
String Machines 2となり、なんと62ものシンセをモデルとした音源となりました。
モデルとなった音源によっては種類が少ない場合もありますが、選べるオシレーターの種類が異常な量あります。
それらをデュアルレイヤーで組み合わせて使用することができます。
(17)PX Apollo
最も発音数の多いアナログポリフォニックシンセPolymoogのプロトタイプをモデルとした、超レアなものを音源化したPXプロトタイプシリーズの第1弾です。
起動後プリセットを選びます。Poly Moogはクラフトワークや坂本龍一も使用した名機です。
ボタン式のオシレーター選択も便利で、豊かなポリフォニックサウンドを奏でます。
(18)UVS-3200
48ボイス、セミモジュラータイプの贅沢仕様であるレアなKORG PS-3200をモデルとした音源です。
起動後プリセットを選びます。
こちらもボタン式のオシレーター選択が便利で、暖かみのあるサウンドでありながら芯のある音をしています。
(19)UVX80
- 使い方:UVX80公式日本語マニュアル
1984年にリリースされた8ボイスDCOポリフォニックシンセサイザーAKAI AX80をモデルとした音源です。
サンプラーで有名なAKAIが80年代に作ったシンセサイザーです。起動後プリセットを選びます。
味がある高音域の鳴りがとても良く、ベル系サウンドが特に使えます。
(20)UVX-3P、UVX-10P
UVX-3Pは1983年に誕生した6ボイスの国産シンセサイザーRoland JX-3Pを、UVX-10PはRoland JX-10、MSK-70、JX-8Pをモデルとした音源です。起動前にプリセットを選びます。
こちらの方が有名な名機ですが、似た仕様のシンセであるAKAIモデルのUVX80のサウンドの方が好みです。
(21)BeatBox Anthology 2
リズムマシン100モデル以上を収録した音源です。有名なモデルからかなりマイナーなものまで網羅しています。
ループやワンショットのオーディオを単体で選択することもでき、パラアウト(マルチアウト)ももちろん可能です。
パラアウトしたい場合は、プリセットのMulti Outを選択するだけでそれぞれのドラムサウンドがデフォルトでパラアウトされます。あとは、DAWのオーディオトラックを作成してUVI Workstationの1〜13のアウトを受け取るだけで完了します。
パラアウトの設定がややこしかったりいちいち設定したりする必要がないのでかなり便利です。
(22)FM Suite(5種)
今まで1つしか収録されていなかったYAMAHAのFMシンセをモデルとした音源がたくさん追加されました。
FMX1-XLはYAMAHA DX1、FMX2-XLはYAMAHA DX21、TQ5、KORG DS8、FMX-80PはYAMAHA FVX-1、FMX40PはYAMAHA TX81Z、DX100、FMX-GSはYAMAHA GS2をモデルとしています。YAMAHAの代名詞ともいえるお馴染みのFMシンセからレアなモデルまで網羅しています。
それぞれ起動前にプリセットを選びます。金属的な要素を感じる独特のサウンドをあらゆるモデル元から奏でることができます。
(23)JP Legacy(4種)
今まで収録されていなかったのが不思議ですが、名機Roland Jupiterシリーズを網羅した音源です。Jupiter 8のみならずJupiter 4や6など全て音源化されています。
SATURN 4はRoland Jupiter 4、SATURN 6はRoland Jupiter 6、SATURN 8はRoland Jupiter 8、MERCURY 80はRoland MKS-80をモデルとしています。
それぞれ起動前にプリセットを選びます。パワフルで豊かなサウンドを奏でることができます。
JUPITER-8に関する詳しい記事は下記をご覧ください。
(24)PX P10
- 使い方:PX P10公式日本語マニュアル
Prophet 10をモデルとした音源です。生産数も少ないレアなシンセサイザーなので、PXプロトタイプシリーズに入っています。
伝説の名機Prophet-5が2段になったようなシンセサイザーです。起動前にプリセットを選びますが、何もないところから完全に音作りができるように起動後に選択できるオシレーターには生波形も用意されています。
Prophet-5と同じような独特の質感を感じるサウンドです。
(25)PX V8
- 使い方:PX V8公式日本語マニュアル
Octave-Plateau Electronicsから1982年にリリースされたVoyetra Eightがモデルとなっています。
こちらもレアかつ比較的世に知られていないモデルであるためPXプロトタイプシリーズに入っています。
起動前にプリセットを選びます。力強いサウンドが魅力です。
(26)USQ-1
- 使い方:USQ-1公式日本語マニュアル
シーケンサーが内蔵されたデジタル/アナログのハイブリットシンセサイザーEnsoniq ESQ-1がモデルです。
ワークステーション型シンセサイザーの草分けとして有名です。起動後にプリセットを選択します。
デジタルに暖かみが加わったビンテージサウンドを奏でます。
(27)UVX 670
AKAI VX600、AX73がモデルとなった音源です。それぞれモデルのオシレーターを選んで組み合わせることが可能なだけでなく、AX73では内蔵コーラスを含んだサウンドも選択できます。
起動前にプリセットを選びます。24dB仕様のCurtisレゾナントフィルターを装備するAX73は印象的なリードやシンセベースを得意とします。
(28)Bit Zone
Bit Zoneは、イタリア生まれのCrumar Bit 99に触発されたデュアルレイヤーシンセです。
起動前にプリセットを選びます。
幅広い音色を揃えており、80’s感を出したい場合にキー系でもリード系でもベース系でもあらゆる場面で活用できます。
(29)Emulation II+(4種)
E-mu EmulatorシリーズをモデルとしたEmulation One2種、Emulation Ⅱ2種がVintage Vault 4になり、Emulation Ⅱ+として一新されました。
Drumulationと、Emulation 1〜3そしてそれらを組み合わせたMultiモードとして利用することができます。起動前にプリセットを選びます。
前のバージョンからかなり進化しており、プリセットなど音色がより豊富になっただけでなく音も良くなっています。
特にDrumulationはかなり使える音源になっていると感じます。80’s感満載のドラムパターンも搭載されており、それを利用するだけで一気に80年代っぽい楽曲になります。
(30)Hybrid 6000
Casio HT-6000をモデルとした音源です。これは普通のソフトシンセとは異なり、ドラムを含む6つのレイヤーをコントロールするシーケンサーのような仕様になっています。一つのキーを押すだけですぐに楽曲に使用できる音源になっています。起動前にプリセットを選びます。
ビンテージ感のあるプリセットはもちろん、スローテンポの現代的なアプローチのプリセットもあります。個人的には、Future FunkフォルダにあるEtchart DeezというプリセットがGorillazっぽくてかなり好みでした。
(31)Prime 8+
伝説のドラムマシンRoland TR-808モデルの音源です。見た目は完全808で、実機同様にシーケンサーが搭載されています。
MULTIボタンでワンクリックでマルチアウト(パラアウト)できるのがかなり便利です。
起動前にプリセットを選びます。8o8 Classicsフォルダには、名曲で使われた音色とパターンが収録されたプリセットがあります。
ただし、本家RolandのサービスRoland Cloudでもサブスクリプションもしくは単体購入でTR-808モデルのソフト音源が手に入ります。
(32)Program 24
Solton Programmer 24、SM100をモデルとしたProgram 24は普通のソフトシンセとは異なり、ドラムを含む6つのレイヤーをコントロールするシーケンサーのような仕様になっています。起動前にプリセットを選びます。
コードを押させるだけで即戦力なシンセウェーブ系のサウンドを奏でることができます。瞬時に曲が完成する便利な音源です。
(33)PX Memories
Memorymoog(Lintronicsがシステム変更、開発したLAMM)をモデルとした音源です。
レアかつ比較的世に知られていないモデルであるためPXプロトタイプシリーズに入っています。
起動前にプリセットを選びます。
レイヤーはもちろんファクトリーユニゾンとLAMMステレオユニゾンを選択することができ、他では出せない甘美でパワフルなサウンドを奏でます。
(34)PX SunBox
ドイツのシンセメーカーJoMoXのSunSynをモデルとした音源です。8ボイスのデジタルとアナログハイブリッドのポリフォニックシンセサイザーで、1999年生まれの比較的古くないシンセになります。レアかつ比較的世に知られていないモデルを集めたPXプロトタイプシリーズに入っています。
起動前にプリセットを選びます。
一癖あるサウンドやFX系としても利用できます。
(35)Super-7
Roland MKS-7をでモデルとした音源です。MKS-7は、Juno-106のアナログ構造とTR-707のPCMサウンドを合体させた80年代の8ボイスラックマウントシンセサイザーです。
Hybrid 6000やProgram 24同様に普通のソフトシンセとは異なり、ドラムを含む6つのレイヤーをコントロールするシーケンサーのような仕様になっており、これ一つで80’sサウンドを奏でる楽曲をすぐに作成できます。起動前にプリセットを選びます。
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まとめ
UVI「Vintage Vault 4」はこれでもかと言うほどマニアックなシンセサイザーやリズムマシンまで網羅しています。
生楽器を必要としない曲であればVintage Vault 4のみで完結も可能だと思います。
特に80’s、90’sなどレトロなサウンドが欲しい方は購入して間違いないと思います。
この記事が参考になったのなら幸いです。
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